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第三章  第四十一話  商王国編41

メリークリスマス! プレゼント代わりの更新ですよ!

霜葉たちが居る街のダンジョンから魔物があふれると言う事件が起こり、霜葉たちはブルスに呼ばれてこの事態を解決すべく行動しようとするが、またまたキースが問題を起こす。


魔物があふれたダンジョンに単身乗り込み無謀にもその魔物に戦いを挑む。結果はあっけなく返り討ち。しかしながらとどめを刺される寸前にキースを追いかけた霜葉が白夜と十六夜を先行させて救い出す。


その後の結末は霜葉たちの活躍と援軍に来たブルスたち冒険者たちによって、あふれ出ようとした魔物であるブラッディホーンは全滅。キースも死ぬかもしれない体験をしたことで自らの間違いを認め、ブルスたちや迷惑をかけた者たちに謝罪。


霜葉にも助けてくれたお礼と今までの暴言と行動を謝罪。白夜たちにも頭を下げた。霜葉はこれを受け入れてキースの態度に一番怒っていた白夜と十六夜も心からの謝罪だとわかり普通に接することができた。ルナだけはまだ疑っているらしく冷たい態度だが。


キースに関しての問題は解決し、現在はブルスたちの助言を素直に聞きギルドの雑用や今回の事態の罰として一か月間の雑用依頼をこなしている。


緊急事態も解決したので霜葉たちは王都へ行くものと考えていたが、その話は延期となった。その理由は・・・・


「王都行きの延期ですか?」

「うむ・・・申し訳ないのだが、こちらの仕事が増えてしまってね?」


冒険者ギルドのギルドマスターであるビーキスの部屋で主とその隣にいる町の領主であるボールト・エルキンスは霜葉の向かいに座って申し訳ない顔をしている。


「今回の肉ダンジョンでの魔物大量発生の件を国に報告しないといけなくてね? その報告書の制作に手間取りそうなんだ。そのほかにも大量に手に入ったブラッディホーンの素材を私が普段より高めで買い取ったんだが、それを早く商人に買い取ってもらわないといけなくてね」


ブラッディホーンの素材のうちお肉は事態解決の後のお祭り騒ぎでほとんど消費されたが、他の素材である皮や角などは領主であるボールト様が買い取ったのだ。


その為、保存の時間や素材から品を作る時間なども考えると早めに売り払ったほうがお得なのだ。少なくともこれから王都へ行ってから帰ってきて売り払ったのでは品質の劣化で価値が下がってしまう。


「そういうことでしたら僕の方は問題ありませんよ」

「申し訳ない。これらのことを片付けた後に王都へ向かうことになる。三週間はかかると思ってくれ」

「了解です」

「そして、その三週間の間に受けてもらいたい依頼があるんだ」


ボールトの話の後にビーキスがそう切り出した。


「三週間で何とかなればいいんですが・・・」

「おそらく問題ないと思う。前同じような依頼に二週間ぐらいかかっているからね」

「それなら何とかなると思いますが、どんな依頼なんですか?」

「君たちに肉ダンジョンの掃討探索に同行してもらいたいのだ」


魔物の大量発生によるダンジョンからの流失はそれを解決して終わりと言うわけにはいかない。終わった後に大量発生した魔物の生息域に向かい、そこでも魔物たちを掃討する必要がある。


これをやらないと短い期間の間にまた同じ大量発生が起きかねないのだ。事実これを怠った街が何度も大量発生を起こし最終的に壊滅した記録がある。


「今回の一件で君の能力が冒険者たちに知れ渡ってね? 君の参加を希望する冒険者たちが多いんだよ。ちなみにその中にはブルスたちも含まれている」

「ちなみに依頼内容として正確なことは?」

「今回大量発生したブラッディホーンは23階層から出てくる魔物だ。ゆえに25階層まで行って掃討することになる。依頼料は金貨二枚と銀貨五枚だ」

「結構高いんですね?」

「それだけこの依頼は重要だと言うことだよ」

「ふむ・・・そう言うことなら参加します」

「いや、助かるよ! 君が参加を断れば冒険者たちの士気が下がるところだった」


ビーキスはそう言うが霜葉自身はそんなまさかと考えた。しかし今回はビーキスの方が正しい。少なくともブルスたちは非常にがっかりするだろう。


依頼は明日行うことになっており、霜葉は今日のところは探索に必要な物の買い出しをして準備をすることに。主にダンジョン内で作る料理の材料だが、他の冒険者たちにも分ける前提で大量に購入。そのお店の主人は思わぬ大口の客に笑顔で対応する。


そしてその翌日。霜葉はいつものように孤児院にて朝食を作って子供たちと一緒に食べる。キースも一緒だが、以前のように突っかかることなく食事をしている。むしろ・・・


「そ、それでどうなったんだ?」

「友達と一緒に護衛依頼を受けた冒険者たちと一緒にバトルコングをなんとか倒したよ。友達が強いジョブだったし、一緒に戦った冒険者も強かったからね。僕の付与魔法術もありがたいって言ってくれたよ」

「「「ソウハ兄ちゃんすごいね!」」」

「でも、最初に無謀にもバトルコングに突っ込んだ冒険者は殴られて気絶したんだよ。それがなかったら、魔法術が使える人たちで先制攻撃できたんだけどね~」

「そこは先制攻撃するべきなのか?」

「相手は明らかに僕たちを狙って現れたからね? 突発的な遭遇なら武器をちらつかせてゆっくりその場を離れることもできたけど、そんな状況ではないのは明らかだったから」

「「「なるほど・・・」」」

「勉強になるな・・・」


朝食を食べながらキースなどダンジョンへ特別に許可をもらって、狩りに出かけている子供たちに霜葉のこれまでの冒険話を聞かせているところだ。特にキースが聞かせてくれと熱心に言ってきて、一番話を真面目に聞いている。


「ちなみに僕たちが戦っている間は白夜と十六夜に新月たちが、馬車を守ってくれていたよ。目の前の敵の相手するのも大事だけど、戦っている間に他の魔物が近寄ってくることは十分に考えられるからね」

「そっか・・・そう言うことも気を付けないといけないのか・・・」


話をしていると朝食はあっという間に食べ終わり、子供たちはそれぞれの仕事へと出かける。肉ダンジョンはしばらく警戒するため一時的な立ち入り禁止になっているため、ダンジョンへ行く子たちも今日はギルドで訓練をすることになっている。


キースもまだこれまでの騒動の罰を終わらせるために冒険者ギルドへ出かける。その背中を霜葉とミーナとリーゼ。そんな中ミーナが口を開く・・・


「キースがいい方向に変わってくれて助かったわ・・・」

「そうですね。死ぬ寸前だったと聞いた時は倒れかけましたが・・・」

「ソウハさん本当にありがとうね?」

「お礼は何度も聞きましたよ?」

「何度でも言いたいのよ。キースの件でソウハさんにはたくさんご迷惑をかけたのに・・・ビャクヤちゃんたちもいやな思いをさせちゃったものね?」


そう言いながら白夜と十六夜を優しくなでるミーナ。そんなミーナを気にするなと言いたげに撫でてくれた手をペロッと舐める二人。


「あら? ひょっとして慰めてくれてるの? 二人はいい子ね~」

「クォン」

「ガァル」


二人の行動に嬉しくなりもっと撫でるミーナ。他の子達も気にするなと言うように片腕を上げて挨拶する。ルナだけは機嫌が悪いような鳴き声を上げて霜葉の肩に乗っているが。


「ホ~」

「ルナちゃんだけはキースを許してませんね?」

「あ~この子はうちの子達の中では末っ子ですからね? いろいろ経験不足なんですよね」


生まれて半年も経っていないのだから致し方なし。白夜と十六夜は小さくとも元の世界での経験があるし、新月たちや金剛一家は魔物がはびこるこの世界で生き抜いていた経験がある。北斗たちとカイロスたちも同じでガウェインに至っては生前の経験で最も頼りになる存在だ。


そう言う面々と比べるとルナの経験不足はある意味何とかしたいが、こればかりはこれから積み重ねることなので難しい。今回の経験はルナにはちょうどいいとも言えるがね。


その後はミーナとリーゼと別れ、霜葉たちも冒険者ギルドへと向かう。いつものように店の者や子供たちに声を掛けられながら、冒険者ギルドへと到着。早速中へと入ると・・・


「武具の状態は大丈夫か?」

「ああ、問題ない」

「こっちもだ」

「保存のきく食料が余ってるがいる奴いるか?」

「分けてくれるのなら相場より高めで買うぜ」


今回の掃討探索に参加するであろう冒険者たちが入念に装備と持ち物をチェックしていた。とりあえず霜葉は受付に声を掛けようと歩き始めようとしたところ・・・


「なんだオマエ? 魔物を引き連れてこんなところに何の用だ?」

「子供は家に帰りな」


体格のいい背中に大斧を背負った大男と背中に槍を背負った引き締まった男が霜葉に対して怪訝な顔で声を掛けてきた。


「これでも冒険者なので依頼を受けに来ました」


あまり友好的な雰囲気ではないが、とりあえず当たり障りのないことを口にする霜葉。それを聞いた二人の反応は・・・


「はっ! てめえみたいなガキが冒険者だと? 嘘もたいがいにしろや!!」

「ほんとだぜ坊主? これ以上兄貴を怒らせるんじゃないぜ? 俺たちはDランク冒険者でそろそろCランクになれると考えてるんだ」


勝手に声を掛けて、特に怒らせるような言葉は言ってないにもかかわらずこの言いよう。この時点でメンドクサイ輩だと判断する霜葉。どうやってこの場を切り抜けようかと考え始めるが・・・


「そこまでにしろよお前ら」


ギルドの2階からブルスたちが降りてきて、大きな声で注意する。目立っていた霜葉と二人組はすぐに自分たちのことだと判断。霜葉はこれで何とかなるかなと予想し、二人組も自分たちに都合のいいように解釈する。


「うるせぇやブルス。俺はこの嘘つきに社会のマナーを教えてやるんだよ」

「さんざん迷惑行為でギルドから注意喚起を受けているお前がか? 説得力がないな」


ブルスの発言にうなずく冒険者が多いこと。どうやらこの大男は問題行動が多い冒険者のようだ。


「てめぇ・・・同じ時期に冒険者になった中でお前らだけがランクが上がったからいい気になってるようだが、実力なら俺の方が上なんだぞ・・・」

「お前のランクが上がらないのは実力以外が原因だぞ」


ブルスが話している間にブルスのパーティメンバーが他の冒険者から事情を聴き、ブルスに伝える。それを聞いたブルスは露骨にため息を吐いた。


「はぁ~とりあえずお前が絡んだソウハは本当に冒険者だ。ちなみにランクは俺たちと同じだ」

「はぁ!? こんなガキが俺より上だってのか!!」

「どういうことだよ!?」

「どうもこうもない。俺たちは一度ソウハに助けてもらったが、実力は間違いなくAランクに迫る。周りの魔物たちも強いが、ソウハも【魔物使い】ではあっても高位の魔法術師レベルの腕を持っている」

「【魔物使い】だと!? そんな弱いジョブ持ちが【大戦士】である俺よりも上だってのか!?」

「だからそう言っている。もういいだろう? これから俺たちやソウハは肉ダンジョンに行かないといけないんだ」


ブルスがそう言った直後に大男はさらに顔を真っ赤にさせて声を張る。


「ちょっと待て!! なんで俺には声がかからなかったダンジョン掃討探索にこのガキが呼ばれてるんだよ!?」

「お前よりソウハの方が重要だからな。そもそも仲間のことを考えないで暴れるだけのお前に声を掛けるわけがないだろう」


このブルスの言葉で霜葉は目の前の大男がパーティ戦闘に向かない奴だと察した。いくら今から向かう肉ダンジョンが草原タイプで広い空間とは言え、そんな輩に依頼の話がいくわけがない。ブルスの言葉を肯定するように他の冒険者も頷いている。


「言わせておけば!!」

「あ、兄貴! それはまずいですよ!!」


怒りが頂点に達したのか大男は背負ってある斧に手を伸ばすが、相方はさすがに冷静なようで止めようとするのだが・・・


「うるせぇ!!」

「がぁ!?」


しかし、大男は仲間であるはずの男を裏拳で吹き飛ばした。男は近くの壁に激突しそのまま気を失った。


「てめぇよりも俺の方が強いんだよ!!!」


そのまま大男は斧を両手に持ち霜葉に向かって振り下ろそうとする。しかし・・・


「クォン!!」

「ガァル!!」

「へぶ!?」


白夜と十六夜の頭突きにより、相方と同じく吹き飛び床に勢い良く倒れた。頭を打ったらしくそのまま気絶。実にあっけない結末に周りの冒険者は笑い出す。


「ガハハハッ! なっさけない姿だぜ!」

「お、おい。さすがに言いすぎだぞ?」

「お前だって笑ってるだろう!」

「「「アハハ!」」」


笑いに包まれる中、ブルスたちが霜葉に近づき声を掛ける。


「ソウハ。災難だったな?」

「まぁ、実害がないのでいいですけど。二人ともありがとね?」

「クォン♪」

「ガァル♪」


助けてくれた白夜と十六夜をしっかりとほめる霜葉。その後、冒険者ギルドから町の警備隊に連絡し大男と男は連れていかれた。さすがに町中で武器を使い攻撃しようとしたわけでギルドとしてもかばうほどの人物でもなかったこともあり、大男は犯罪者として奴隷落ちに。


男の方は警備隊ではおとがめなしだったが、ギルドが罰をあたえてランク落ちに2週間の雑用依頼強制となった。


トラブルが発生したが、その後に何事もなかったように掃討探索参加者全員の準備が整い肉ダンジョンへと出発。スムーズに肉ダンジョンへと入り、早々に5階層へと辿り着く。


5階層までは出てくる魔物も弱く降りる階段の場所も正確に把握されているので問題はなかった。しかし、5階層からは強い魔物が出始めるので注意が必要だ。


「ここからはファングウルフの群れやレッドホーンなどの強めの魔物が出てくる。各自周囲の警戒を強めてくれ。ソウハたちも後ろからの敵襲に警戒してくれ」


今回の依頼に対して現場での指揮はブルスが行っている。実績も十分で信頼の厚いブルスなら任せられるらしく、誰一人として文句は言わなかった。


ここからは戦闘になると苦戦を強いられる。その事実が冒険者たちに緊張を与える。しかしながらそんな緊張は何度か戦闘したことでなくなっていた。と言うのも・・・


「ファングウルフの群れだ! 前方左から7匹向かってくる!」

「よし! ソウハ頼む!」

「はい! 【ブーストワイド】!」

「「「「おおぉ!!」」」」


ファングウルフは牙が発達し、鋭利なナイフのごとく肉を切り裂く噛みつきを得意としている。調子に乗ったなり始めの冒険者が苦戦する魔物だ。群れで行動し最低でも5匹も相手しなければならず苦戦する。本来なら。


霜葉が【ブーストワイド】を付与した冒険者たちがファングウルフを的確に切り捨てていく。彼らはベテランで手数や速度を重視している冒険者であり、付与魔法術で底上げされたおかげでファングウルフを楽に相手している。


それらを倒しドロップ品も回収し、先へ進むと・・・


「今度は真正面からレッドホーンの群れだ! 確認できるだけで12匹!」


弓もちで視力を強化するスキル持ちが正面方向の敵を発見するたびに大きな声で回りに知らせる。おかげで冒険者たちは迎え撃つ準備を余裕をもって行うことができる。


「盾持ちの冒険者は前に!」

「いきますよ! 【ガードブーストワイド】!」


盾持ちの冒険者たちが前衛に並び、霜葉が魔法を唱えるとレッドホーンと呼ばれる太く鋭い赤い角を持つ牛型魔物が突っ込んでくるが・・・


「「「「ふん!!」」」」

「「「「ブモォー!?」」」」


冒険者たちはびくともせずに受け止め逆に盾で吹き飛ばした。その隙を弓もちの冒険者は逃さず山なりに矢を放ちダメージを与え、矢を受けても生き残っている個体を長柄の武器を持った冒険者たちがとどめを刺す。


このように霜葉の付与魔法術の活躍で予定よりも魔物との戦いが短時間で終わるため、あっという間に5階層を踏破してしまった。現在は7階層を進み8階層を目指している。さらに言えば霜葉以外にも活躍している者も・・・・


「後方からブラックブルの群れが来てるぞ!」


後方を警戒していた冒険者からそのような警告が発せられた。ブラックブルは濃い黒色の体毛をしたレッドホーンより狂暴で見境がない魔物だ。普通ならかなり苦戦する魔物なのだが・・・


「モグ―!!」

「「「「モグー!!」」」」


突然、ブラックブルの前方の地面から金剛一家が飛び出すと群れの先頭の一団が地面へと落ちた。金剛一家が掘った地面が陥没して落とし穴となったのだ。


そのせいで残りの群れも地面に落ちた一団に巻き込まれ盛大に吹っ飛んだり、地面に頭を打ち付けたりなどなど被害が甚大だ。さらに彼らの不運は続く。


「クォォン!」

「ガアァ!」

「ホー!」


白夜と十六夜にルナが魔法術でブラックブルを攻撃。そのあまりの威力と範囲にほとんどの魔物は倒された。運よく範囲外に居た魔物も・・・


「ぐぅ!」

「まぁ!」

「ぐる!」


新月たち三兄弟の息の合った攻撃で倒された。なお、ブラックブルのお肉や毛皮は高級品として有名で集めることに。


予想外の活躍によって大幅に進むことができた冒険者たち。現在は7階層の8階層に降りる階段前で夜を明かすために野営中だ。なお、草原タイプや森林タイプのダンジョンではどういうわけか昼と夜のように明るくなったり暗くなる。


これらの現象はダンジョン研究の間では「ダンジョン内に居る魔物のため」と結論されており、その説が有力視されている。そんな夜の闇の野営地ではまたしても霜葉が活躍している。


「はい、この串焼きは焼けましたよ?」

「おお! ありがとうよ!」


野営地において霜葉が冒険者たちに料理をふるまっている。なお、使っている材料はこのダンジョンでドロップしたお肉を冒険者たちが出し合ったものだ。それだけでは栄養が偏るので霜葉が野菜と果物を出してもいるが、やはり戦いを繰り返した後ではお肉が人気だ。


もっとも、前衛の冒険者はそれでもいいが後衛の冒険者たちはバランスよく食べている。やはり前衛と後衛の運動量の違いだろう。


なお、最初は霜葉も自分たちだけの分を料理するつもりだったが、ブルスたちから「お肉はこちらが提供するので焼いてくれないか?」との要望があり、それを承諾。そうしたらあれよあれよという間にほとんどの冒険者にふるまうことになった。


彼らも余計なことをさせている自覚はあるのでお肉のほかに自分たちが回収したドロップ品を霜葉に渡してもいるが。全員分のお肉を焼き終わって霜葉も食べ始めることに。その周りにはブルスのパーティメンバーも居る。


「すまないなソウハ。俺たちがきっかけになっちまって・・・」

「まぁ、串焼き程度ですから特に苦労はしませんよ? でも、他の冒険者は料理はしないんですね?」

「そりゃあな?」

「ダンジョンで料理道具を持ち込むくらいなら、別の物を持ってくるし」

「そもそも料理ができるのなら冒険者にはならないしな?」


冒険者は良くも悪くも実力が収入に直結する。強力な戦闘系のジョブに就いた者や強力なスキルを持つ者なら冒険者として成功するかもしれないが、あくまでかもしれないだ。


それらを持っているなら国の騎士団や街の警備隊に入った方が危険はあっても収入は確実にもらえる。また、戦闘系のスキルを持っていたとしても別の生産系のスキルがあれば、その道も選択肢になる。


要するに冒険者と言うのは異世界においては数ある職業の一つでしかないのである。霜葉のように事情があるか組織に属すことを嫌った者が冒険者を目指す。あるいは子供時代に聞いた冒険譚にあこがれた場合か。


「なるほど・・・僕みたいなのは少数派なんですね」

「まぁ、そのおかげで俺たちはうまい飯を食えてるけどな」


その後は周囲を警戒している者たち以外は思い思いに過ごした。三日月や金剛一家の可愛さにやられ撫でている者や、周囲警戒の交代要員は仮眠をしそのそばで無月も丸くなって寝ていた。


料理を作ってくれた霜葉は見張りを免除してくれたので手持ち無沙汰になり白夜と十六夜にルナや新月をブラシでマッサージしてあげたりとこの日の最後は穏やかに過ごした。

次回の更新は未定ですが、今年の更新はこれが最後になります。気が早い言葉ですが、読者の皆様よいお年を~

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