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第三章  第三十四話  商王国編34

今年最後の更新となります。

霜葉たちは今いる商王国の町のギルドマスターであるビーキスからの指名依頼を受けて、現在雪山で調査をしている。理由は最近雪山で生息する魔物たちが大量に麓に集まっているからだ。


ビーキスは雪山に何かあったのではと判断して、フロストワイバーンという雪山でも上位の魔物を三体も倒した実績がある霜葉たちに雪山の調査及び原因の究明または排除を依頼したのだ。


早速依頼を受けた翌日に雪山へと向かった霜葉たち。雪山の麓に大量にいた魔物を蹴散らし、雪山の行動になれるために少しの訓練をして調査を始めた。


雪山を探索したところ、フロストオーガというオーガ種を見つけた。それらを倒したところオーガに攻撃されていたホワイトトロールを結果的に助けることに。


ホワイトトロールが安全であることは白夜と十六夜が保証して、霜葉は彼らに話を聞くことに。住処へと案内されたときに食料を分け与えて多少の信頼を得ることに成功して、彼らのリーダー格から事情を聴くことになった。


『オレタチハ・・・このユキヤマで・・・かなりナガクセイカツを・・・していた。カズもかなりいて・・・クラシはきつかったが・・・それでもゼンインが・・・なんとか暮らしていた』


リーダー格であるトロールは昔を思い出しながら、穏やかに話し始めた。しかし、次の言葉を言う前にその表情は暗くなる。


『だが・・・そんなヒビに突如・・・キングオーガに率いられた・・・オーガたちが攻めてきた・・・』


そこからの説明を少しだけ簡単に言うと、オーガたちは強くさらにはキング種によって強化されている。トロールたちも抵抗したが強さと数に押され始めた時に・・・


『仲間の・・・トシオイタ者たちが・・・ジブンタチが時間を稼ぐからと・・・言ってヒカクテキ若い俺達とコドモタチをつれて・・・逃げろと言ったんだ・・・』


彼らも最初は何を馬鹿なと否定したが、年老いたトロールたちの言葉と覚悟を察して徐々に何も言えなくなった。さらには状況がそうでもしないと生き残れないと判断できてしまう。


そのため彼らは決断し、子供たちを連れて逃げた。後ろで仲間のために命懸けの時間稼ぎをする己を鼓舞する同族の叫び声を聞きながら・・・


『カレラのおかげで・・・イキノコルことはできたが・・・オーガたちはますますカズが増えて・・・このユキヤマに生きる者たちすべてを・・・蹂躙した・・・このままではまたオソワレルノモ・・・ジカンの問題・・・』


ちなみに彼と子供たちが外に居た理由はオーガたちを警戒して外に出ることを禁止にしていたが、空腹を我慢できなかった子供たちが外に出てしまい、彼が探しに行き見つけた時にオーガにも見つかってしまった。子供たちを守るためにかばっていたところに霜葉たちが来たというわけだ。


『雪山の異常はオーガたちにキング種が生まれたのが原因か・・・』

『そのようですな』

『ちなみに僕たちで勝てるかな?』

『実力はこちらが勝っているかと。ただ、こちらは地の利があるのが白夜だけなのが不安要素ですな。それとオーガたちの総数によっては主殿の回復が追い付かない可能性もあります』

『なるほど』


ガウェインの予想を聞いて、霜葉は話を聞いて考えていたことを実行に移すことに。


『ねえ、提案なんだけど君たち僕の仲間になる気はないかい?』

『・・・ナニ?』

『僕は魔物を仲間にできるスキルがあるんだ。話を聞いて君たちを仲間にしたくなってね。どうだろう?』


白夜と十六夜のお墨付きなのもそうだが、彼らの仲間は自らを犠牲にして他の仲間を逃がす心を持っている。目の前のリーダー格のトロールにしても子供たちを守るために体を張ってかばったのだ。この時点で霜葉は彼らをできれば仲間にしたいと考えたのだ。


『僕の仲間になれば少なくともお腹がいっぱいになれるし飢えることはまずないよ? それに僕のスキルで君たちを強くすることもできるよ』

『・・・ホントウか?・・・ウエルことはないのか?』

『約束する』

『・・・ミナト相談させてくれ・・・』


リーダー格のトロールは洞窟の奥へと行き、仲間たちと相談していた。しばらくしてトロールたち18人が仲間になると結論を出した。


霜葉が大量の食糧を持っていることは証明しているので、今のように飢えることがなくなるというのがやはり決め手だと言っていた。


『コレから・・・よろしくタノム・・・長・・・』

『新しい呼び方だね。うん、これからよろしくね。では今から君たちを仲間にするスキルを使うからね? 行くよ【テイム】』


【テイム】を唱えて、おなじみの声が響く。


《群れの長の【ホワイトトロール♂】のテイムに成功。条件達成。これより群れすべてに対してテイムを行います。群れすべてのテイムに成功。総数65人のテイムを確認。条件達成。【箱庭世界】がLv7にアップします》


『オオ・・・これは・・・』


リーダー格のトロールは【テイム】したことで身体能力が上がり、力が湧く感覚に驚いているようだ。他のトロールたちも驚くと同時に驚愕しているようだ。


『僕の職業の効果だよ。仲間が増えると僕と仲間の能力がアップするんだ』

『コレはすごい・・・』


未だに体に湧き上がる力に戸惑っているリーダー格。


『それと君が群れのリーダーだよね?』

『アア・・・』

『じゃあ、君には名前を付けるね。う~ん・・・決めた! 今日から君はカイロスだよ』

『カイロス・・・』


霜葉の言った名を噛みしめるようにつぶやくカイロス。


『さて、次は僕たちの仲間を紹介するね? 全員まとめて紹介したいからトロールの皆はここに入ってくれないかな?』


そう言って霜葉は【箱庭世界】の入り口を出現させた。いきなり出てきた黒い渦のようなものにトロールたちはびっくりして怖がってしまった。だが、カイロスだけは違った。


『ココに・・・入れば・・・いいのか?』


不思議に思いつつトロールたちよりも大きな渦にゆっくりと入っていった。群れの長が入ったことで他のトロールたちも恐々ではあるが、順番に入ってゆく。やがて全員が入り終わり、霜葉たちも後に続く。


【箱庭世界】の出口は砂浜のところだった。北斗たちの集落に直接でもよかったが、【箱庭世界】もレベルが上がったので、砂浜から見える範囲の全体図を見たいと考えた霜葉だった。


実際にどう変わったかというと中央の山がもう一つ増えて、頂上付近は白く見える。雪でも降っているのかもしれない。一方、ここに初めて訪れたトロールたちはというと・・・


『・・・・』


言葉もない。そんな感じである。全員が口を開けて驚いていた。子供たちなどは砂浜と森の境界に生えているヤシの実を見つけて、手に入れようと木を揺らしている。こういう場合子供の方が適応するのは早かったりする。


『ココは・・・どういう場所なんだ?』

『僕の仲間しか入れない場所だよ。ちなみに仲間が増えると島はもっと広くなるよ。君たちが仲間になったことで広くなったしね』

『なんと・・・・』


カイロスと話をしている間にヤシの実を手に入れようとしていた子供たちを落ち着かせて、霜葉たちの案内で北斗たちの集落へと向かう。トロールたちが通りやすいように道を広くしながらだが。ちなみに木々の除去は新月たちが根っこごと引っこ抜いている。


トロールたちを仲間にしたことで身体能力が上がり、霜葉の付与なしでもこのようなことができるようになった。トロールたちも途中から手伝ってくれたので、思ったよりも早く集落に着いた。


『主様。そちらが新たに仲間になった方々ですか?』

『そうだよ。全員を集めてくれる? お互いに自己紹介したほうがいいからさ』

『わかりました。少々お待ちくだされ』


そう言って北斗は集落の皆を集めだした。やがて全員が霜葉の目の前に集合して・・・


『みんな。今日新しく仲間になったトロールたちだよ。群れの長はこのカイロスだからね? 仲良くしてね』

『カイロスだ・・・よろしくタノム』


未だにやや困惑しているようだが、カイロスとその群れは頭を下げた。カイロスの心境を察してまずは北斗が話しかけた。


『ウェアウルフたちの長をしております。主様より北斗の名を与えられました。これからよろしくお願いしますぞ』

『ウェアウルフ・・・強いマモノが仲間に・・・いるのだな・・・』

『今の強さを手に入れられたのも主様のおかげです。最初に仲間になったときは我々はコボルト種だったのですよ』

『・・・ナニ?』


北斗の言葉にカイロスは驚いた。魔物が強くなる方法はスキルレベルを上げるか、レベルMAXになってラージ種になる可能性に賭けるしかないのだ。一般的には。


『主様の仲間になったことで強い魔物へと進化ができるようになりました。この恩は一生をかけてそばでお仕えして力の限り尽くす所存です』

『俺たちも・・・・ツヨクなれるのか?』

『それを望むのなら、僕は助力は惜しまないよ? 北斗だけじゃなくて他の皆も強い魔物に進化して今の強さを手に入れたからね』


その説明を聞いて、トロールたちは霜葉の仲間を見渡した。その眼には自分たちも彼らのように強くなれるのか希望と疑念が混ざったような感情が渦巻いている。そんな中でカイロスが・・・


『・・・俺たちもツヨクナリタイ・・・もう仲間をウシナイたくないから・・・』


カイロスのこの言葉にトロールたち全員が頷き、霜葉に頭を下げた。


『これからオーガたちと戦うけど君たちも参戦すると考えていいのかい?』

『タタカウ・・・仲間のカタキを討つ・・・』


他のトロールも深く頷いている。


『わかったよ。ただし、約束してね? 絶対無茶はしないって。僕は仲間を失ってまで何かに勝つのなんて望んでないから』

『ヤクソクする・・・』

『絶対だよ? じゃあ他の皆も自己紹介してね?』

『『『は~い!』』』


その後は白夜たちも自己紹介を行い、トロールの子供たち6人とじゃれあっている。カイロスは北斗と意気投合したのか話をしている。北斗たちも仲間に助けられて生き延びた経験があるから、カイロスたちのことは他人ごとではないのかもしれない。


そんな中、霜葉はガウェインと金剛とオーガとの戦闘に備えるために話し合いだ。


『これで戦力と地の利がある子たちが増えたけど、どうかな?』

『まず間違いなくこちらが勝つかと。その前にトロールたちの今の戦闘力も確認したいところですな』


ガウェインの言葉にそれもそうかと思いだして霜葉はトロールたちのステータスを確認することに。



  名: カイロス


 種族: 【ホワイトトロール♂Lv13/20】


スキル: 棍棒術Lv2 : 自己回復Lv6 : 回復魔法術Lv4 

   : 冷気耐性Lv5 : 体力強化・極



確かにガウェインが言っていた通り、攻撃系のスキルは【棍棒術】だけでレベルも低い。その代わり防御能力が高い。【自己回復】は体の再生能力を高めるスキルで、【回復魔法術】も高めだし【体力強化・極】を持っている。


他のトロールたちもレベル差はあれどほぼ同じスキルだった。子供たちも【体力強化・極】をもっていた。もしかしたらトロール種は必ずこのスキルを持っているのかもしれない。スキルのことをガウェインたちにも伝えて・・・


『攻撃関係が【棍棒術】だけなのが不安だけど、他のスキルはすごいね?』

『そうですな。棍棒に関してはここに来る道中で引き抜いた木々を持ちやすいように加工すればいいでしょう』

『それがいいね。じゃあ、全員でさっさとやろうか』


というわけでトロールたちの武器を霜葉と【木工】持ちのウェアウルフたちが中心となり、作業を行う。木々の根っこの部分を打撃部分とするために根っこを切り落とし、丸くなるようにする。これは角があると壊れやすいためだ。


ウェアウルフたちは器用に爪で削り丸くしてゆく。霜葉も【木工】スキルは持っていないが器用にナイフで削ってゆく。その後は新月たちに木々を立ててもらい持ち手部分をトロールたちの手の大きさに合わせて削る。


しばらく経つと大人のトロールたち用のでっかい棍棒が出来上がった。なお、子供たちも本人たちの希望で戦闘には連れてゆくことに。彼らの棍棒はかなり太い枝を集めて、ちゃっちゃと北斗が作ってあげた。


『ミンナ・・・チャンとお礼を・・・言うんだぞ』

『『『アリガトウ!』』』

『仲間のためなら当然ですよ』


トロールたちは北斗にお礼を言って北斗は嬉しそうにそう言葉にした。


『これで戦う準備は整ったかな?』

『そうですな。あとは戦い方ですな』


その後の話し合いで霜葉たちいつものメンバーは金剛一家を霜葉の護衛として残し、残りは遊撃で白夜と十六夜にルナと新月は敵の排除を。ガウェインと三日月に無月は援護をそれぞれ主に動いてもらうことに。


カイロスたちと北斗たちはそれぞれ6組に分かれて集団戦を行うことに。トロールたちは子供一人に大人二人と別れ、北斗たちは5人でそれぞれの組に入り余った者たちは霜葉たちと行動する。


戦いの準備が済みいよいよキング種率いるオーガたちに戦いを挑むために【箱庭世界】出ることに。

何とか今年の最後として更新できた・・・今年は予想外のことが作者の周りで数々起きて、予定の半分も作品を書けませんでしたが、いくつか更新できてほっとしております。


とりあえず来年の更新もいつになるかはわかりませんが、これからも【軍勢の魔王】をよろしくお願いします。あ、あと活動報告も報告がてら書きますのでそちらもよろしく。


それでは読者の皆様よいお年を~

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