表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/116

第三章  第三十話  商王国編30

霜葉達は商王国第三の街で、ゴーレムばかり出現するハズレダンジョンを探索中だ。6階層以上を探索した結果、6階層と7階層にはゴールドゴーレムとシルバーゴーレムが。8階層にはミスリルゴーレムとアダマンタイトゴーレムが出現するようだ。


霜葉達は8階層を1日かけて探索した後にダンジョンを出ることに。その後探索しながら、出会うゴーレムたちを倒してドロップ品を回収し続けた結果、白夜と十六夜が進化可能になった。念のため、【箱庭世界】へと帰還して仲間全員の前で進化をすることに。


『じゃあ、二人の進化先を確認するよ?』

『『お願いします』』

「白夜と十六夜を進化させます」


進化を宣言して、霜葉の目の前に進化先が表示された。


≪進化先を選択してください≫


 【ホワイトウルフ】⇒【アイスエイジビースト】

           【フリージングウルフ】

           【アイシクルビースト】



 【サンダータイガー】⇒【ライトニングビースト】

            【プラズマタイガー】

            【スパークビースト】


何やら、名前だけではどういう進化先かが分からない。鑑定を行うと・・・・


 【アイスエイジビースト】

極寒地帯に生息する狼型の魔物。強力な氷魔法術を操り、冷気を纏い爪や牙で攻撃してくる。極寒地帯では王のごとく君臨することがある。


 【フリージングウルフ】

寒い地域を住処とする狼の魔物。強力な氷魔法術を駆使して戦う。反面、接近戦は苦手。


 【アイシクルビースト】

雪山などに生息する狼型の魔物。冷気や氷の装甲を纏い接近戦では比類なき力を誇る。ただし、魔法術関連は壊滅的。



 【ライトニングビースト】

特定の住処を持たず、常に各地を放浪している虎型の魔物。強力な雷魔法術を使い、電気を纏って爪や牙で攻撃する。出会えば死を覚悟するしかない。


 【プラズマタイガー】

気に入った場所に巣を作る虎の魔物。強力な雷魔法術を操る。反面、接近戦は苦手。


 【スパークビースト】

主に山奥に生息する虎型の魔物。電気を纏い高速で移動して爪や牙で敵を屠る。ただし、魔法術関連は壊滅的。


(鑑定結果を見た感じでは二人には、【アイスエイジビースト】と【ライトニングビースト】がよさそうだね)

「二人は僕が決めていいんだよね?」

『『うん!』』

「じゃあ、今から進化させるね?」


二人の進化先を決め実行すると白夜と十六夜は光に包まれ、一回りほど大きくなるとそこには立派な狼と虎が居た。


まず白夜だが、体が一回りほど大きくなり座っていても霜葉の胸くらいの大きさになった。他には体毛が白銀色になり、光の加減で蒼く見えたり近くにいると時折冷気を感じる。


十六夜は以前の進化先で白夜を超える体格をしていたが、進化してさらに立派な体格になり座っていても霜葉と同じ目線になるほどだ。体毛も白と黒の境界線がはっきりと分かるくらいに濃くなり、時折静電気を発している様だ。


『ご主人!僕また強くなったよ!』

『主!私も強くなれました!』

「うん!二人とも綺麗だしかっこいいよ!」

「クォン♪」

「ガァル♪」


霜葉に褒められて嬉しそうに尻尾を振る二人であった。その後は仲間たちに囲まれて進化したことを祝福されている。ガウェインと北斗に金剛は霜葉と話し合いだが。


『わしも初めて見る魔物ですな』

『そうなんだ?』

『ですが、力の強さは気配でなんとなくわかります。かなりの強さを秘めた魔物ですな』


ガウェインの言葉に北斗も金剛も頷いている。霜葉は二人のステータスを確認することに。



  名:  白夜


 種族: 【アイスエイジビースト♂Lv1/40】


スキル: 咆哮Lv9 : 牙撃Lv8 : 嗅覚探知Lv9

   : 身体強化Lv7 : 氷魔法術Lv8 : 爪撃Lv7

   : 脚力強化Lv7 : 魔力強化 : 魔力回復強化

   : 冷気闘法 : 退化(配下専用スキル)



  名:  十六夜


 種族: 【ライトニングビースト♀Lv1/40】


スキル: 爪撃Lv8 : 隠業Lv9 : 聴覚探知Lv9

   : 身体強化Lv7 : 雷魔法術Lv8 : 牙撃Lv7

   : 筋力強化Lv7 : 魔力強化 : 魔力回復強化

   : 電気闘法 : 退化(配下専用スキル)



二人とも新たなスキルを二つと、既存のスキルが上位のスキルへと変わった。初見の【冷気闘法】と【電気闘法】を鑑定で詳しく調べると、身体に冷気や電気を纏わせて物理攻撃に属性と副次効果を付与する物のようだ。冷気は氷属性と副次効果として相手を凍えさせる。電気は雷属性と副次効果として麻痺を。魔力回復強化も追加され遠近両方でも頼もしい存在だろう。


白夜と十六夜の進化後の強さを確認するために霜葉達は【箱庭世界】を出て、ミスリルゴーレムを探している。やがてちょうどミスリルゴーレム二体と遭遇。白夜と十六夜に戦ってもらうと・・・


「クォン!」


白夜は爪に冷気を纏わせてミスリルゴーレムに一撃与えた。すると爪痕が凍り付き、ミスリルゴーレムの動きが鈍くなる。何度か、爪による攻撃を繰り返した後に白夜は氷魔法術の【アイスダスト】を使う。この魔法術は指定した相手の周りを氷の極小の結晶で囲い凍結させる魔法術だ。


その後、身体が完全に凍りついたミスリルゴーレムに別の魔法術である【フリージングカノン】を放つ。これは氷魔法術では珍しい破壊力のある魔法で、大きな氷の塊を高速で射出すると言うシンプルな物だ。これが命中したことでミスリルゴーレムは粉々に砕けた。


「ガァル!」


一方の十六夜はと言うと、雷を纏った爪と牙で攻撃してミスリルゴーレムを圧倒していた。時折、雷魔法術である【スパークブリット】を放ちながら。この魔法術は術者の技量で何発も放つことができ、威力はそこそこだが、弾速は早いと言う使い勝手のいい魔法術だ。十六夜はこの魔法術と接近戦で終始ミスリルゴーレムを圧倒し倒すのだった。


『ご主人!どうだった?』

『主!いかがでしたか?』

『二人ともすごいね!かっこよかったよ!』

『『ありがとう~!』』


霜葉に褒められ頭を撫でられて幸せそうに尻尾を揺らす二人。その後は予定通り、ダンジョンを出るために7階層へと向かう。7階層と6階層を順調に進み、出会う魔物を行きがけの駄賃に倒して、5階層の階段を上がる前に退化できる者たちは退化し、ガウェインは【箱庭世界】へと帰った。


その後も出会う魔物を蹴散らしながら、順調に進みお昼前にはダンジョン入口に辿りく事が出来た。そのまま霜葉達はダンジョンを出る。そうしたらちょうどどこかの冒険者たちが入るところだった。彼らと入れ違いで霜葉達は久しぶりに地上へと帰還した。


「お?お前さんは噂の【魔物使い】さんか?」


霜葉たちに気付いた門番が声を掛けた。


「はい。探索を終えて戻ってきました」

「それはいい知らせだ。実は俺の娘がお前さんの魔物たちと遊べないから最近元気ないんだよ?他の子供たちも似たり寄ったりでな~帰ったら知らせてやろう」


門番さんの言葉に霜葉は苦笑するしかない。さすがにずっと遊ぶと言う選択肢はないので。


「とにかく。ダンジョンカードを返しますね?」

「オウ。ご苦労さん・・・って!8階層!?お前さんたち8階層まで行ったのか!?」

「はい。8階層は一日くらい探索しました」

「ろ、6階層以降にはどんな魔物が居たんだ?」


門番は興奮した様子で霜葉に尋ねた。未知の階層に到達した冒険者と言うのはここ商王国ではごく一握りの実力者ができる偉業なのだ。門番が興奮するのは当然だった。


「6階層と7階層にはシルバーゴーレムとゴールドゴーレムが居ましたね」

「そ、それって体全部が銀と金で出来たゴーレムってことか!?」

「そうですよ?ちなみにドロップ品は銀塊と金塊でした」

「マジか・・・・」


門番はどえらい物を見るようにダンジョンに視線を向けた。ハズレだと思っていたダンジョンに文字通りの金銀財宝があったのだから、当然の反応と言える。


「ち、ちなみに8階層にはどんなのが?」

「ミスリルゴーレムとアダマンタイトゴーレムですね」

「・・・・は?すまんもう一度言ってくれ」

「?わかりました。ミスリルゴーレムとアダマンタイトゴーレムです」

「・・・・・」


門番は絶句した。なぜなら、その二つの金属は別名【魔法金属】と呼ばれていて価値が高い物だ。この二つの金属で作った武具は最低でも金貨10枚で取引され、それ以上の値が付くのはざらだ。そんな物がダンジョンで手に入る可能性がある。この情報だけで金が動く。と言うか下手したらこのダンジョンの取り合いになる。それも国同士で。


「お~い!交代の時間だぞ!」

「は!?」


その時、交代要員の門番が来て声を掛けたことで放心していた門番は意識を戻した。


「こ、こりゃあ一大事だ!すまんが俺は領主様のところに報告に行ってくる!!」

「はぁ?おい!」


そう言って先ほどまで霜葉と話していた門番は大急ぎで走って行った。


「あいつどうしたんだ?」

「さぁ?」


事の重大さがわかっていない霜葉はそう答えるしかなかった。そのまま来たばかりの門番と別れて、霜葉達は冒険者ギルドへと向かう。


もっとも霜葉たちがダンジョンから出たことで知り合いに声を掛けられたり、子供たちが白夜たちと触れ合ったりとなかなか進めなかったが。仕方がないので屋台でお昼を購入して、子供たちが満足するまで遊ばせた。


そんなことを繰り返した結果、冒険者ギルドに着いたころにはお昼を過ぎていた。しかも、霜葉たちが冒険者ギルドに入ると、受付嬢が大慌てで霜葉に声を掛けた。


「ソウハさん!お待ちしてましたよ!ギルドマスターのお部屋にご案内します!」


なぜか、待っていたと言う受付嬢に案内されて2階のギルドマスターであるビーキスの部屋へ。


「ギルドマスター、ソウハさんをお連れしました」

「入ってくれ」


受付嬢は部屋を開けて霜葉に部屋へと入るように勧めた。疑問だらけの霜葉だが、とにかく中に入りはなしを聞くことに。部屋の中にはビーキス以外にまん丸顔と身体をした貴族の衣装を着た中年くらいの男性が居た。


「よく来てくれたね?とりあえず座ってくれたまえ」

「はい」


ビーキスと貴族らしき人は部屋のソファに座っているので霜葉はその対面に座ることに。白夜たちは霜葉の近くでお行儀よくお座りや立って待機している。その様子を貴族らしき人は面白そうに笑顔を浮かべている。


「ふむ?噂で耳にしていたが、本当に【魔物使い】なのだな?このように行儀のいい魔物に出会うことがあるとは人生は分らない物だ」

「ええ~っと・・・」

「おっと、自己紹介がまだだったね?私はこの街の領主をしているボールト・エルキンスだ」

「領主様でしたか。こちらこそご挨拶が遅れて申し訳ありません」

「構わないよ。それよりも重要な話があるんだ」


領主であるボールトは真剣な顔になり、霜葉に尋ねた。


「単刀直入に聞くが、わが町のハズレダンジョンにシルバーゴーレムとゴールドゴーレムが居たとか?それだけではなくミスリルゴーレムとアダマンタイトゴーレムも確認したと聞いたのだが?」

「はい。シルバーゴーレムとゴールドゴーレムは6階層と7階層に。ミスリルゴーレムとアダマンタイトゴーレムは8階層に居ました。証拠のドロップ品もありますよ」

「見せてもらえるか?」


ボールトの言葉に霜葉は銀塊と金塊をアイテムボックス・極から取り出した。その次にミスリルゴーレムの欠片とアダマンタイト鉱石を取り出す。それらの品をビーキスは片眼鏡のモルクルを取り出して、一つ一つ手に取り丁寧に扱いながら真剣に見つめている。すべてを見終わったビーキスにボールトが訪ねる。


「どうだね?ビーキス殿?」

「流石はダンジョン産ですな。どれも品質は文句のつけようがありません。こちらの魔法金属は二つ共に最高品質と言っていいでしょう」


その言葉にボールトは笑みを浮かべて喜んでいる。反対にビーキスは悩んでいるよだが。


「そうかそうか!まさかハズレにこのようなお宝が眠っているとはな!これは忙しくなるな!」

「忙しくなると言うより慌ただしくなりますぞ?この情報は下手をしたら戦争になるほどですぞ?」


ビーキスがそんなことを言うので霜葉は驚いた。自分が持ってきた情報はそれほど危険だったのかと。しかし、ボールドは別の考えを持っている様だ。


「それは我が国があのダンジョンを独占した場合だろう?我が国の国王はそんなことは考えんよ。むしろこの情報を積極的に広めて我が国に訪れる者を増やそうとするぞ。最近は他の街でも新たな発見があるからそれと合わせてな」


確かにボールトの言うように戦争になるのは他の国に旨味がない場合だろう。独占などがいい例だ。しかし、この情報を秘匿せずに今まで通り誰でも挑戦できるのならその可能性は限りなく低い。むしろ商王国からしたらその方が利益があるだろう。


「たしかに、あの国王ならばそうするでしょうな」

「それにだ。ダンジョンで採掘できるのならともかく魔物を倒して手に入れる場合はその魔物より強いのが最低条件だ。ミスリルやアダマンタイトの身体のゴーレムが楽に倒せるとは思えんよ。ソウハ殿だったな?実際に戦った君の意見を聞きたい」


話を振れら霜葉は顎に手を添えて考えて・・・


「そうですね・・・はっきり言ってかなり厳しいかと。ミスリルゴーレムはゴーレムとは思えないほど素早い動きでしたし魔法術も効き目が悪かったです。アダマンタイトゴーレムもアイアンゴーレム以上に堅い相手でした。6階層と7階層に出てくるシルバーゴーレムとゴールドゴーレムに苦戦するようなら勝てないでしょう」


霜葉の話を聞いた両名の反応は対照的だった。ボールトはやっぱりと言いたげな顔をしてビーキスは深く考え込んでしまった。


「う~ん・・・それでしたら確かに独占したとしても苦労するだけですな?」

「うむ。やはりこのことを前面に出して商売した方が得だろう。さてソウハ殿。その為にもミスリルやアダマンタイトを売ってはくれないだろうか?」

「わかりました」


それから、三人は解体場へと移動した。解体場へと行く時に通った一階ではギルドマスターとこの街の領主であるボールトが居たことでちょっとした騒ぎになったが、彼らはそれを無視して解体場へとやってきた。


「おや?ビーキスさんに領主様?それに魔物使いの兄さんじゃないか。もしかしてまた大物を持ってきたのか?」

「ある意味大物だろうな。ソウハ殿。ここに出してくれないか?」

「はい」


霜葉はビーキスに言われた通りにミスリルゴーレムの欠片とアダマンタイト鉱石を手に入れた半分ほどを出した。出された物を見て解体場の職員は騒ぎ出した。


「ビ、ビーキスさん!?これってミスリルとアダマンタイトですか!?」

「そうだ」

「ど、どこでこんな貴重な物を・・・」

「どうもハズレダンジョンの8階層にこれらで構築されたゴーレムが居たらしく、そのドロップ品だとの話だ」

「・・・・え?マジですか?」


ビーキスの言葉が最初は信じられずに絶句し、その後に何とか確認の言葉を口にした解体職員にビーキスは無言で頷いた。そんな彼らの横で出されたミスリルとアダマンタイトの多さに感心しているボールト。


「素晴らしい!これほどの量のミスリルとアダマンタイトは滅多に見る機会がない!ソウハ殿、これらを白金貨5枚で買い取らせてくれないか!?」


白金貨5枚と言う事は日本円で500万円の大金だ。ちなみに霜葉が持つすべてのミスリルとアダマンタイトを出せば一千万円は軽く超える値が付くだろう。


「はい。もちろん構いません」

「いや、ありがとう!これで大きく金が動く忙しくなるな!」


さらに、霜葉は銀塊と金塊を出してそちらは白金貨1枚での買い取りとなった。ボールトはご機嫌で自宅の屋敷へと帰り、ビーキスもこの情報を広めるために早々に2階へと帰った。


その後は霜葉は残りのアイテムドロップの蒐集依頼を片付けに受付に戻り、すごく感謝された。なんでもいつになったら持ってくるのかと言われていたらしい。今回の収入は白金貨6枚に金貨3枚となった。孤児院で帰る途中では野菜を買い足して子供たちとミーナとリーザの夕飯を考える霜葉であった。




それから2週間が経ち、街は大いに賑わっていた。収入が少ないと思われていたハズレダンジョンにミスリルとアダマンタイトをドロップする魔物が出ると耳の良い商人や冒険者たちが少ない人数ではあるがやってきたのだ。


霜葉以外の冒険者の何組かが実際にダンジョンに潜り、その目で確かめて実物を持ってきたことがあったので情報は間違いでないと証明された。その後は一攫千金を夢見る冒険者や商人の依頼を受けた冒険者がダンジョンへと挑戦した。


帰ってきたのは半分も居なかったが。実際にミスリルとアダマンタイトを持ってきた者たちは数えるほどしかいなかった。大半の冒険者たちは6階層と7階層に出てくるシルバーゴーレムとゴールドゴーレムに苦戦している。


引き際をわかっている冒険者はこの二体のドロップ品を手にしたことで収入は十分と判断して戻るのだが、ほとんどが一獲千金の夢に拘り無理に進み、途中で力尽きている。


それに数少ない8階層に到達して目的を達成した者たちも、あれはきついと依頼を受けるのに消極的になっていた。彼らの実力でも連続でミスリルゴーレムとアダマンタイトゴーレムを相手するのはリスクが高いのだ。


そんな訳でハズレダンジョンで安定して狩りが出来、なおかつ大量にミスリルとアダマンタイトを手に入れることができるのは霜葉以外に居ない状況なのだ。


もっとも、霜葉はこの街の領主であるボールトにこの街に居る間は自分にミスリルとアダマンタイトを売ってもらう専属契約と言うべき物をギルドマスターであるビーキス立会いの下結んでいるので霜葉からミスリルとアダマンタイトを手に入れることはできない。


このような状況になる可能性を考えてボールトが先手を打っておいたのだ。街の領主と言う後ろ盾を手に入れている霜葉に買い取り交渉をするのは領主に対して失礼な行為に当たる。よって商人たちはこの二つの高品質な魔法金属を簡単に手に入れる方法は領主と交渉するしかない。


まぁ、領主と交渉できる商人は限られているのだがね?それにどこにでもバカなことをする者と言うのは居るのだ。情報が広まってから、霜葉を脅すまたは脅迫してミスリルとアダマンタイトを手に入れようとする者たちが現れたのだ。


欲に目がくらみ、さらには未だに世間的には弱いと思われている【魔物使い】に就いている霜葉。そのせいで暴力などに訴えて楽に一攫千金を手に入れようとする者が居たのだ。それがどういう結末を迎えるとも知らずに。



「おい魔物使い。黙ってミスリルとアダマンタイトをだしな?そうすりゃあ痛い目を見ずに済むぜ?」


現在、霜葉は領主であるボールトに呼ばれて彼の屋敷へと向かっている最中だ。もっとも急いでいるわけではないので道中に子供たちが白夜たちと遊びたいと声を掛けるので遊びながら向かっている。


そんな時にいかにもガラが悪い冒険者三人が武器を手にしてこれ見よがしに見せつけて、先ほどのセリフを口にした。白夜たちは遊んでいた子供たちを庇うように移動して、霜葉の指示を待っている。


「僕に言っているんですか?」

「他に魔物使いが居るってのか?まぁ、居る訳ねえよなあんなよわっちい職業に就いた奴なんてよ?おお、そう言えば俺の目の前に居たな?ぎゃはっはっはっは!」

「「ぎゃはっはっは!」」


冒険者風の三人は霜葉を侮辱するように笑う。そんな様子を周りにいる人たちは可愛そうな目で見るように眺めていた。他の冒険者たちなどは笑いを堪えるのに必死であった。


「ともかく、お前はさっさと言われた物を出せばいいんだよ!早くしねえと腕の一本が飛ぶぐはぁ!?」

「「あ、兄貴!?」」


リーダー格であろう男は言い切る前に白夜の頭突きを喰らって、吹っ飛んでしまった。そのまま地面を転がり目を回して倒れてしまった。実にあっけない。


「野郎!?いきなり何しやがる!」

「いや、こんな白昼堂々と脅迫している相手を攻撃して何が悪いんですか?」


霜葉の言葉に周りの人々は全員が頷いた。と言うか街中で武器を手にしている時点で衛兵に取り押さえられても文句など言えないのだ。さらに言えば、霜葉の近くには子供たちもいるのだ。子供たちを危険にさらしている意味でも断固たる対応をしなければなるまい。


「こいつ!?」

「やっちまえ!」


などと言いとうとう武器を構えて戦闘態勢になった男達は素早く動いた新月たちと金剛一家にさっさと叩きのめされた。


「ぐぅ!」

「まぁ!」

「ぐる」

「モグ」

「「「「モグモ」」」」


ついでに霜葉に渡されたロープで三人ともぐるぐる巻きにされた。それを確認した霜葉は近くにいた人に銀貨一枚で衛兵たちを呼んできてくれないかと頼んだ。頼まれたのは冒険者だったが快く引き受けてくれた。呼びに行くだけで銀貨一枚もらえるならと大喜びで走って行ったのだ。


やがて来てくれた衛兵たちに事情を説明。周りの人たちも証言してくれたので、三人組はあっけなく御用となった。呼びに行った冒険者に銀貨を渡して巻き込んだ子供たちに謝るが子供たちは気にしてないよと言い、遊んでくれたことを感謝していた。


その後は別れて、霜葉達は領主の屋敷へと再度向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ