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第一章 第六話  女王国編6

生徒会長の身を守るための自衛や異世界での生活のためにお金を稼ぐ考えに生徒たちが賛同して、女王陛下がその考えを承諾。3日後にその準備が整い、今現在、霜葉は大きな教室のような場所に居た。


「霜葉君、今日はよろしくね?」

「うん、裕佳梨ちゃんよろしく」

「わん!」

「にゅん!」

『二人とも、ここでは静かにね?』

『は~い』

『わかった~』


ここでは、主に【魔法術】のスキル持ちが【魔法術】についての知識を学ぶために集まったのだ。他には騎士たちの訓練所で武器スキル持ちや戦闘系の職業に就いた者たちが、武器の扱いや戦いの基礎を学んでいる。訓練所は相応の広さがあるが、教室の方は5つの部屋に分かれて行うことになっている。


霜葉がここにいるのは【魔法術】スキルを持っていたためだ。他にも生産職で【魔法術】スキルを持っている者はここに、武器スキル持ちは訓練所という具合だ。中には生徒会長や副会長のように2つ持っている者もいたが戦闘系職業がほとんどだったため訓練所の方に行っている。


白夜や十六夜も霜葉と共にいる。部屋か【箱庭世界】の中で待っているように言ってみたのだが、霜葉のそばがいいと言ってきたので、霜葉の言うことに従うことを条件に許可した。会話は【思念会話】がテレパシーのように頭の中で考えれば伝わるようなので助かっている。


「健吾君は大丈夫かな?心配だよ~」

「今日は訓練所の方も実際に武器を持ったり、素振りだけだから怪我とかはしないよ」

「私はむしろ、調子に乗って怪我をしないか心配なんだよ」

「なるほど」


二人が友人の心配をしていると、教室に入ってきた人がいた。その人物は何とアルバン王子だった。


「皆様、おはようございます。今日は私が皆様に【魔法術】の基本知識について教えたいと思います」

「えっと、第一王子自らですか?」


質問をしたのは生徒会に所属する女子生徒だ。


「はい、何分皆様は大事な客人です。さらに言えば現在、この国で私以上に【魔法術】に精通している者はいないでしょう。私の職業ジョブは【賢者】と言いまして複数の【魔法術】を扱えるようになるものです。皆様に教える者としては十分ではないかと。他の教室で教えているのは私の弟子ですし、問題はないでしょう?」

「確かに・・・」


賢者の職業がどれほどすごいのかは、生徒たちにはわからなかったがそれでも第一王子自ら教えてくれるのだ。これが普通ではないことぐらいは分った。しかし、霜葉と裕佳梨は別のことを考えていた。


(品定めかな?)

(多分そうだと思います。他の教室で教えている人もアルバン王子の味方と考えたほうがいいですね)

(そうだね)

(それと霜葉君は気を付けてください。あの人が何か言ってくるかもしれませんから)

(うんわかったよ)

『あの人きら~い』

『いやな人です~』

『どういう意味かな?二人とも?』

『なんかいやな臭いするの~』

『音もうるさいのです~』

『??(ホントどういう意味なんだろう?)』


霜葉は二人の言葉の意味を深く聞こうとしたが・・・・


「では、まずは【魔法術】基本的なことから教えますね」


アルバン王子が話し始めたのでそちらを優先することにしたのだ。こちらで簡単に説明しよう。


【魔法術】とは魔力を使い属性や現象を生み出しそれを操る技術の総称だ。魔法術で出来ることは本当に多種多様だ。まずは基本属性である【火・風・土・水】が一般的で、それよりも強力な属性の【雷・氷・光・闇】があり、特殊な物では【無・回復・召喚・時空】などがある。さらには生産系にも【錬金術】があり、魔力を使い身体能力を上げる【付与魔法術】もある。


魔法術を使いこなすには専用のスキルが必要であり、そのスキルは先天的に持っているものであり後天的に習得することは基本的には無理だ。特に【召喚魔法術】と【時空魔法術】はかなり珍しいスキルであり過去には持っている者がいたらしいが現在は皆無だと言う。生徒たちですら持っていなかったのだから相当珍しいのだろう。


さらにスキルを持っていたとしても魔力が少ないと満足に使うことができない。この魔力量は訓練で増やすことも可能ではあるが、劇的に増える訳ではない。魔法術を使いこなすにはスキルと魔力量、この二つが前提条件なのだ。


「・・・・・以上が【魔法術】の基本知識となります。次は実際に【魔法術】を使ってみましょう」


この言葉を何人かの生徒は待っていたようで、真剣な表情をしている。魔法と言う未知の技術を使えるのだから無理もないかもしれないが。


「ですが、先ほど魔力が少ないと扱えないと説明にありましたが?」

「それなら心配ありません。皆さんのほとんどがスキルに魔力強化のスキルが有りましたから、このスキルは魔力の総量がかなり増えるユニークスキルなのです。このスキルに加え、魔法術師の職業に就いている方はわずかに増えるのです。どちらか一つでも持っているのなら、簡単な魔法術なら大丈夫です」


実際に霜葉は魔力強化・極を、裕佳梨も聖女で魔力強化を持っている。他の生徒も生産職に就いている者は全員が魔力強化を持っているので問題はないだろう。


「ではまずは火魔法術のスキルを持っている方たちから・・・」


それから順番に各属性持ちの魔法術で簡単な物を試していった。魔法術の行使にはイメージしやすくするため呪文を使う。ようはイメージが大事で呪文はその補助だ。各属性の簡単な魔法術は以下の通り。


火属性・【火よ 灯れ トーチ】 風属性・【風よ 吹け ウィンド】

土属性・【石よ 固まれ ストーン】 水属性・【水よ 流れよ ドロップ】

雷属性・【雷よ 走れ スパーク】 氷属性・【氷よ 冷やせ フリーズ】

光属性・【光よ 照らせ ライト】 闇属性・【闇よ 包め ダーク】


無・召喚・時空は珍しくてよくわかっていない。もっともスキル持ちがいないので問題ないが。さて後は、霜葉と裕佳梨なのだが・・・


「二人は【回復魔法術】持ちでしたか」

「「はい」」

「では、回復魔法術の簡単な魔法術の呪文は【浄化せよ クリーン】です。イメージとしては汚れを洗い流している様子を頭に思い浮かべてください」

「わかりました」


今も処、アルバン王子は丁寧に教えている。しかし、二人に教える段階になって霜葉には視線もくれずに裕佳梨だけを見つめている。話す内容を裕佳梨だけに聞かせているようなものだ。何人かの生徒は気付いているので怪訝な表情を浮かべている。裕佳梨も気付いているがここで指摘するのはことを大きくするだけであり、我慢した。そんなアルバン王子に対して白夜と十六夜は睨みつけて今にも威嚇の声を上げそうだが、霜葉が【思念会話】で宥めているから何とかなっているが。


「まずは、霜葉君からやってみてくれない?」

「わかった。えっと・・・【浄化せよ クリーン】」


霜葉はイメージにアルバン王子が言った汚れを洗い流すことではなく、お風呂でワシャワシャと身体を泡付きのタオルで洗っているイメージで行った。なんとなくそっちの方がうまくいくと思ったのだ。そしたら・・・


霜葉が呪文を唱えたら霜葉の体がキラキラと輝きだし、清浄な空気が辺りに流れ始めた。


「おお~今までで一番派手だな~」

「きれ~」

「なんか空気が美味くなったような?」

「お前何言ってんだ?」

「わ~これ気持ちいい~まるで温泉に入っているみたい~」

「「「「え、ほんとう!?」」」」


霜葉の発言に、女子たちが食いついた。部屋にシャワーがあるとはいえお風呂に入りたいと思ったことは一度や二度ではない。


「ゆ、裕佳梨!私にやってみて!」

「あ、ずるい!私にも!」

「わたしにもお願いします~」

「ちょ!ちょっとみんな落ち着いて!と言うか、なんで私だけに頼むのよ!」

「え、だって裕佳梨【聖女】なんでしょう?効果が高まるかと思って」

「「うんうん!」」

「あ、あんたらね~」


女性の美容に対する考えの深さに男子たちは戦慄した。その後、裕佳梨も魔法術が発動して全員が取り敢えずは魔法術を行使できることが確認された。なお、裕佳梨はこの後にクリーンを女子全員にやるはめになった。一部の男子も物は試しと霜葉に頼み、やってもらったところこれはいいっと満足するのだった。


「そう言えば、アルバン王子?霜葉君の【付与魔法術】はどんなのがあるんですか?」


裕佳梨が気になりアルバン王子に質問した。これは霜葉が質問しても答えてくれるかわからないと思った裕佳梨の気遣いだ。


「申し訳ありません。【付与魔法術】は特殊すぎてわからないのです。私も使えませんし、使える者はこの国にいないのです」

「そうなんですか?」

「はい」


であるならば仕方ない。もっとも・・・・


((ほんとうかな~))


二人にとっては、アルバン王子の言葉は信用がなかった。


その後、生徒たちは教室順に訓練所に行き本格的な戦闘用魔法術を一番弱い物ではあるがやってみることになった。これはアルバン王子が勧めてきたからだ。他の教室の生徒たちも魔法術は問題なく発動したと報告があって、ならば予定を早めても大丈夫っと生徒たちに提案して、皆も賛成したため霜葉たちの教室から始めることとなった。霜葉と裕佳梨も見学のために付いて行った。


ところ変わって、ここは女王国のお城の裏側にある訓練所。来てみると結構な広さがあり、学校のグラウンド2個分くらいだろう。それでも生徒たち全員はむりそうだが。そして現在その訓練所では戦闘系職業持ちの生徒たちの半数が倒れていた。


「なにがあったんでしょう?」

「とりあえず怪我をしているわけじゃなさそうだ。あそこに健吾君がいるし聞いてみるよ」

「私も行きます」


ちなみに健吾は倒れておらず何やら、両手のひらを見つめていた。他の無事な生徒たちも生徒会長を含めて驚いている。


「健吾君、この惨状はどういうこと?」

「ん?ああ、霜葉かお前たちの方は終わったのか?」

「ちがうよ。これから攻撃用の魔法術を試すことになって、ここに来たんだよ」

「へぇ~!そうなのか!面白そうだな!あれ?でも二人は確か・・・」

「僕たちは見学だよ。それよりも」

「ああ、倒れている生徒は大丈夫だ。慣れないことやって疲れただけだ」

「慣れないこと?」


健吾が言うには、ここ居る生徒は教官を待っていたら来たのは、ドルトス第二王子だった。なんでもドルトス王子の職業は騎士職業の【重騎士】らしくこの国では彼一人しかおらず、職業としてもかなり上位のものらしい。


さらには、騎士団長の立場でもあるので教えるのは慣れているため、生徒たちの教官役になったとのこと。早速、訓練の開始っと思ったが、まずは武器を選ぶことから始めた。訓練用に刃を潰している武器をいくつか持ってきておりその中から選ぶように言われたらしい。


これには武器スキル持ちは簡単に済ませたが、中には武器スキルを持ていない者も居てどれを選んだらいいか悩んだ。ドルトス王子が助言で・・・


「とりあえず、持って何回か振ってみろ。今はそれでしっくりきた物でいいぞ?」


そう言われ、生徒たちは助言に従て選んでみた。なお、健吾は大盾術のスキルを持っていたが他の武器スキルは持っていなかった。そこで、霜葉の鑑定結果を参考に片手で扱える武器を振ってみた所、戦棍メイスがしっくりきたのでそれにした。


その後は武器を構えて振るを繰り返したり、武器を持ったまま走ったりを繰り返した。まずは武器を持ったままで行動することに慣れることから始めるとのことだ。これが意外と難しかった。刃を潰しているとはいえ重さはそのままで武器を扱ったことのない生徒は四苦八苦していた。


「・・・で、終わった後にはこんな感じで倒れたってわけだな」

「健吾君はどうして平気なの?」

「俺だって、直後は息切れしてたぜ?でも暫く呼吸を整えたらすぐに回復してさ、他にも何人かすぐ回復してたな」

「なんででしょうね?」

「ドルトス王子によると身体強化スキルのあるなしの差だってさ」


身体強化は文字通り全体的に肉体を強化するスキルで、その強化の中には体力回復力も含まれ体力も強化されている。その差は戦闘系では無視できない物で、身体強化のスキルは戦闘系職業持ちなら絶対に欲しいスキルの一つだそうだ。


「よーし!お前たち、一旦休憩だ!これから魔法術スキル持ちが攻撃魔法を使う!お前達の中にも魔法術スキル持ちはいるから見学するといい!」


そうは言うが倒れている生徒たちは動かない。かなり体力を使ったようでいまだに回復しないのだ。


「しょうがねぇな。なぁ?魔物使いの坊主に聖女の嬢ちゃん、すまんがこいつらに体力回復の魔法術をかけてくれないか?」

「そんなのがあるんですか?」

「ん?アルバンから聞いてないのか?まあいいや、あるんだよ。呪文は【癒せ 活力 ヒーリング】だ。回復魔法術の中では代表的な物だな。回復魔法術師はまずはこれでスキルのLvを上げるんだよ。特にイメージもいらないしな」

「へぇ~便利ですね」

「ところがだ、あまりやり過ぎると逆効果になることが分かってる。何事もほどほどがベストだな」


この現状はほどほどではないのか?と疑問に思う霜葉だったが、とりあえず言う通りに倒れている生徒を二人で協力しながら回復してまわった。効果はすぐに表れて続々と生徒が立ち上がり始めた。


「よし君で最後だよ。【癒せ 活力 ヒーリング】!」


霜葉が呪文を唱えると、目の前の生徒に青く輝きだしそれが収まった後には・・・


「お、おお?体が動く?ありがとう!助かったよ」

「どういたしまして」

「ほう?この人数を二人がかりとは言え魔力を使って息一つ乱さないか、やはりお前さんは優秀だな」

「そうなんですか?」

「少なくとも他の回復魔法術師では無理だな。魔力強化があるのは知っていたが、想像以上だな。聖女の嬢ちゃんは職業の補助があるのだろうが、坊主の場合は・・・」

「魔物使いなのにですか?」

「あ~母上から聞いたんだったな。なら誤魔化しても無駄か・・・ああ、そうだ。職業の補助がないのにできたんだ。十分すぎるくらいに優秀だ」


そう言って褒めてくれた。どうやらこの人は女王に味方した通り僕たちの事を考えてくれている様だ。


「それに、坊主は【付与魔法術】も持っているよな?回復とそれを持っているなら攻撃が出来なくともサポート魔法術師として活躍できるだろう」

「そうなんですか?」

「ん?アルバンから付与魔法術については聞いただろ?」

「友達が聞いてくれた時、付与魔法術は特殊でよく知らないと言われました。あとこの国にはそれを使える人がいないとも」

「・・・・・あいつめ」


霜葉から聞いたとたん、ドルトス王子は生徒会長に話しかけているアルバン王子を睨みつけました。それと何やら威圧感が増したように感じた霜葉であった。


「ドルトス王子?」

「すまんな。なら俺から簡単な呪文を教えておく。いいか?付与魔法術の一番簡単な呪文は【力よ 漲れ ブースト】だ。効果は身体能力を全体的にあげる物だが、身体強化スキルほど劇的ではないがな」

「え?」

「じゃあな坊主。回復ありがとうな」


そう言ってドルトス王子は去って行った。途中でアルバン王子に話しかけてから二人一緒になって騎士の人に何やら話してから騎士の人がないやら準備している。


「霜葉君こっちも終わったよってどうしたの?」

「なんだよ霜葉?鳩がフライパンのフルスイングを受けた様な顔してるぞ?」

「それ、どんな顔?いや、今ドルトス王子から・・・・」


その後、騎士たちが魔法術の的を持ってきて生徒たちが順番に各属性の一番威力の弱い魔法術を放っている。その間に聖夏先輩も加わり霜葉は先ほどのドルトス王子の一件とアルバン王子の付与魔法術の一件を話した。


「・・・・・と言うことがあったんだ」

「つまり何か?アルバン王子は知っていたのにわざと教えなかったってことか?」

「どうやら、そうみたいですね」

「厭きれましたね。まさか、そんなことをするとは。何かしてくるだろうとは思いましたが、おそらく外部にはちゃんと教えたと言って霜葉君がスキルを使いこなせない落ちこぼれだと広めたかったのでしょう」


実際、アルバン王子がそのことを言っていたときは他の生徒は特には聞いていなかったし十分あり得る。


「そう言えば、生徒会長はアルバン王子と何話していたんですか?」

「あの人がしつこく食事に誘ってきたのですよ。しかも二人っきりで。信用ができない人と二人っきりで食事など冗談ではありません。何をされるかわかった物ではありませんからね」

「確かにそうですね」

「・・・・裕佳梨ちゃんと聖夏先輩言いますね」


中々にきついことを言う二人に霜葉と健吾は冷や汗をかいた。もっとも二人は言葉事態を否定しなかったが。


それから訓練は全員問題なく魔法術を放ち的を壊すほどの威力だった。ちなみに的は壊れた鎧や盾、城下町の鍛冶師の失敗作などであり、これを壊せるならば戦闘でも十分使えるらしく騎士の人達は感心していた。


生徒たちの方でも未知の技術である魔法を使えて喜んでる者がいる。だが中には、これを人や生き物に放つことを想像して顔を蒼くさせる者も居た。生徒会長はその人たちを落ち着かせるために話しかけに行った。


その後も教室ごとにこの訓練は続き、全員が問題ないどころか一番弱い魔法術で十分な威力を出している事実にアルバン王子もドルトス王子も驚いた。


生徒たちの能力の高さに改めて気づいた瞬間だった。なお、訓練所来てから静かだった白夜と十六夜は寝ていて動物好きの女子や男子に順番に預けられていた。



     ~~~~~訓練所での王子たちの会話~~~~~



「どういうつもりだアルバン?」

「なにがでしょう?」

「魔物使いの坊主に聞いた。お前付与魔法術のことを教えなかったらしいな?」

「・・・・・・」

「お前が知らないわけがないだろう。俺達の父上は【魔導騎士】として無・召喚・時空・錬金術以外の魔法術を使いこなす達人だったんだ。俺達の訓練でも付与魔法術を掛けながら教えてくれたし、父上の残した資料だってある。なのにお前は・・・・」

「教えるだけ無駄だと判断したまでです」

「魔法術関連のユニークスキルを4つも持っている者は、魔法術師でも稀なんだぞ?」

「スキルがそうでも職業で台無しです」

「それなら、職業を変えればいいだけの話だろう?」

「教会や冒険者ギルドに頼むと?冒険者ギルドはともかく教会では神聖国に気付かれる恐れがありますが?」

「冒険者ギルドでいいだろう」

「登録料を払うのがもったいないですね。それに彼が冒険者として活躍できるとは思えません」

「なら、回復魔法術を持つ者として治療院を手伝えばいい。スキルを生かす方法はいくらでもある」

「そこまでお膳立てをする価値など魔物使いにはありませんよ?」

「アルバン!」

「この話はここまでです」


そう言ってアルバン王子はドルトス王子の下から去って行った。後にはアルバン王子の背中を哀しげに見つめるドルトス王子が残った・・・・

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