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第三章  第二十七話  商王国編27

お待たせしました。

霜葉達は商王国第三の街へと行く道中に、冒険者グループのブルスさんたちとその護衛対象であるアトルさんがフロストワイバーン三匹に襲われているところを助けた。彼らと共に街まで行き、街に入る段階のトラブルはブルスさんのおかげで何とかなり、無事に街へと入ることができた。


冒険者ギルドでフロストワイバーンを解体して一匹分だけ買い取られることに。それ以上はギルドの資金的に無理だと言うのだ。その後は受付嬢に孤児院の場所を聞き、孤児院へと向かう。着いたとたんに責任者のミーナと言う女性に失神されたが、しっかり者の妹であるリーザが代わりに応対してくれた。


孤児院へ帰ってきた子供たちは白夜たちを気に入ってくれたので、泊まる許可も貰えたので一安心だろう。ただ、年長組のリーダー格であるキールと言う子は霜葉に対して何やら思うことがあるようだが。


翌日。白夜たちを見て失神していたミーナがようやく起きて、子供たちと遊ぶ白夜たちを見て驚いているところにリーザが説明を始めた。


「はぁ~【魔物使い】さんでしたか。いやぁ~私はてっきり街の壁が壊れて魔物が入ってきたとばかり」

「そんなわけないじゃない。そんなことになっているならもっと街全体が混乱しているわよ。しっかりしてよね姉さん」

「妹がいつも以上にきついことを言うのよ~」


何やらどちらが姉なのかと言いたくなる光景と話だが、とにかく夕飯を食べ損ねたミーナに大盛りの朝飯を作ることに。なお、今日の朝飯は霜葉が朝一で買ってきたパンで昨日の夕飯の残りを挟んだサンドイッチである。昨日のお肉は照り焼きのような味付けをしてあるのでパンで挟んでもおいしく食べられるのだ。


ミーナにはそれとサラダと果物も追加した形だ。一食を抜いたためおいしそうに食べ始めるミーナ。だが、サンドイッチに関しては食べ盛りの子供たちに分け与えていた。その様子は先ほどの光景とは違い子供のことを考えているいい母親の様である。もっとも、その後に霜葉に果物をくれないかと頼んできたが。


「いやぁ~果物なんて久しぶりに食べましたね~ソウハさんありがとうございます。むしゃむしゃ」

「ちょっと姉さん、食べるか話すかどちらかにしてよね?子供たちが真似しちゃうでしょ」

「もぐもぐ、むしゃむしゃ」


妹のリーザに注意されて食べることに集中するミーナ。ちなみにこの商王国では果物はかなりお高い。他の国の三倍はするだろう。そのため、孤児院では果物に手が出せないでいたのだ。霜葉は【箱庭世界】で自生している果物を北斗たちが採ってくれているのを、アイテムボックスに保存しているので問題ないのだ。


やがて食事を終えた子供たちは、街の手伝いに行く子たちと肉ダンジョンへ行く子たちで別れた。この街には肉をよく落とす魔物が出る通称肉ダンジョンと呼ばれるところがあり、子供たちはそこの1階層だけ探索許可が特別に街の領主様から出ているのだと言う。


もちろん危険も多いが、それでも孤児院的にお肉が食べられるのはかなり助かるので子供たちは職業に就き、ダンジョンへ挑戦しているのだ。そんな子供たちをミーナとリーザは安全を願って見送ることにしている。今日は霜葉も彼らを見送ることに。


「皆。安全第一にね?決して無茶はしてはダメよ」

「ミーナ姉ちゃんは心配性だな?今まで危険はなかったんだし大丈夫だって!」

「今までが安全だったからと言って、これからもそうだと言う保証はないのよ?」

「リーザはそう言うけどな俺達も強くなってるんだぞ?1階層くらいは余裕だって」


他の子供たちはミーナの言葉に真剣に頷いているのだが、リーダー格であるキールだけは反論していた。それを見た霜葉はこの子は今まで上手くやってきたことで自信を持ちすぎているのだと思った。自分からも何か言った方がいいのではないかと考えた霜葉だが、それより先にキールが霜葉を指差して言い放つ。


「だいたい、弱い魔物使いが冒険者をやれるんだぜ?俺達なら余裕だろう」

「キール!」

「じゃあな!」


キールの発言にこれまでの緩い雰囲気を消し去って、強い言葉でキールの名を呼ぶミーナ。だが、ミーナが何かを言う前にキールはこの場から去って行った。それを他の子も慌てて追う。


「全くあの子は・・・・ソウハさんあの子の発言は私が謝るわ。ごめんなさいね?」

「私からもごめんなさい。帰ってきたら何が何でも謝らせますね?」


二人は特にミーナはまるで子のしでかした事に謝る母親のような雰囲気で霜葉に謝罪した。あとリーザの方は何やら妙な迫力を醸し出して後半の言葉を言い放った。


「お二人とも気にしないでください。僕自身の戦闘力が弱いのは事実ですしね。戦闘ではもっぱらこの子たちのサポートが主ですし」

「クォン!」

「ガァル!」

「ホ~!」


霜葉は特に気にしてはいないのだが、霜葉が大好きな三人は先ほどのキールの発言は許せないらしく怒りの感情を感じさせる鳴き声が聞こえる。


「三人もごめんさないね?それとソウハさん?」

「はい?」

「たとえ戦う力はなくとも、この子たちはあなただから一緒に居るのよね?それは間違いなくあなただけの力よ?もっと自信を持ってもいいと私は思うわよ?」

「あ・・・」


ミーナにそう言われて霜葉はこの場に居る皆を順番に見てからガウェインや北斗たちを思い出していた。


「・・・・確かにそうですね。この子たちのためにももっと自信を持つことにします」

「ええ、それがいいわ」

「姉さんもたまにはいいことを言いますね。本当にたまにはですが」

「あの・・・リーザちゃん?今だけはそうなこと言わないでよ~」


先ほどの母親のような雰囲気を一瞬にして消したリーザの言葉にミーナは情けない声を出す。そんな姉妹を霜葉は面白かったのか笑い出した。


「はっはっはっは!」

「ほら見なさい。ソウハさんに笑われちゃったじゃない」

「ならば、いつもしっかりしてください」

「・・・・」

「こっちを見てください姉さん」


なんだか漫才のような二人のおかげで霜葉は少し成長できたようだ。その後に霜葉は依頼を受けるために二人と別れて、冒険者ギルドへと向かう。ギルドへ向かう道中には朝から客引きをかんばる屋台の掛け声がところかしこから聞こえて賑わっていた。


そんなこの街ならではの朝の様子を聞きながら冒険者ギルドへ到着。早速中へと入り依頼の張ってあるボードを確認すると、さすがにダンジョン産の肉類が名物であるため依頼の大半が肉の確保という物が多い。その他には皮の納品などもある。


この街には肉ダンジョン以外にもダンジョンが二つあり、その内の一つは皮を主に落とす魔物が多く出ると言う。肉ダンジョンほどではないが需要は高いらしい。反面、最後の一つはハズレダンジョンであり依頼は数枚ある程度だ。


その内容もクレイゴーレムの土の納品とアイアンゴーレムの鉄鉱石納品と言う達成できる冒険者を選ぶ内容だ。魔法術師が居る冒険者グループなら問題ないのだろうが、居ない場合は達成が困難だ。


色々な依頼の紙を見ていると霜葉は雑用ボードに依頼の紙がかなり貯まっているのが気になった。内容も危険度の低い物から高い物まで多種多様だ、具体的には店の商品の整理や古い建物の解体作業の手伝いなどだ。気になったので受付嬢になぜ溜まっているのか聞いてみることに。


「商王国はほとんどの街にダンジョンがありますから、冒険者になろうとする人たちはすべてダンジョン探索がメインなんですよ。そのせいでランクが上がりダンジョン探索できるようになると他の依頼はしなくなるんです。特に雑用の依頼は誰も見向きもしなくなり溜まる一方なんですよ」

「冒険者なりたての新人さんはいないんですか?」

「居ることは居るのですが、そちらもランクが上がり討伐依頼を受けれるようになると見向きもしないんです。それに商王国は新人の数が他の国と比べると少ないのです。ダンジョンに入れるDランク冒険者は一番多いんですけどね」


ある意味ダンジョンで成り立っているゆえの弊害と言うものだろう。そちらの方が報酬は高いし、冒険者と言えばダンジョン探索と言うイメージもあるのだろう。特にここ商王国では。しかし、それだけで冒険者ギルドが成り立つかと言えば答えは否だ。


冒険者ギルドは依頼主の依頼によって成り立っている。そして、その依頼主はその街に居る住人が主なのだ。さすがにその街の住人が出している雑用依頼を長い間ほったらかしにするのはまずい状況だ。住人達の信頼関係にも影響が出るし、街に危機が迫った時の対応も変わってしまう。


「ふむ・・・・でしたら僕たちができるようなお仕事があれば、受けますよ?」

「え?いいんですか?」

「最近はこの子たちも戦いっぱなしでしたからね。ここらで休息がてら雑用依頼を受けてみようかと」

「クォン?」

「ガァル?」


白夜と十六夜が疑問の声を上げて、他の皆も首を傾げている。なお、そんな様子に女性冒険者や他の受付嬢は彼らを見てほっこりしていた。霜葉は【思念会話】で自身の考えを皆に伝える。


『ガウェインや北斗たちは【箱庭世界】で休めているけど、君たちはほとんど休みなく戦っていたからね?だからしばらくは休息と情報収集をしようと思ったんだ』

『ご主人ありがとう!』

『主感謝します!』

『『『ありがとう!』』』

『パパはやさしいの~!』

『我々のことを考えてくださりありがとうございます』

『『『『ありがとうございます主様!』』』』


霜葉の考えに皆は嬉しくなりお礼を言う。


『ガウェインと北斗たちにはちょっと活躍できない時間が増えるけど・・・』

『いえいえ、我々のことはどうかお気になさらずに』

『そうですぞ?それに主殿の言う通りここらで白夜たちは休息が必要だとわしも考えておりました。主殿もしばらくは体を休めるのも必要でしょう』

『ありがとう二人とも』


ガウェインと北斗も霜葉の考えに賛同。一方の受付嬢はと言うと・・・


「こちらとしては大変助かります。ちなみにどんな依頼をご希望でしょうか?」

「そうですね・・・お店の商品の片づけや建物の解体作業などは出来そうです。あと、農地の開拓もこちらの子たちが得意です」

「モグ!」

「「「「モグモ!」」」」


霜葉の言葉に反応して金剛一家は任せろ!っと言うように胸を張った。


「農地の開拓ですか?」

「ええ、他の街での実績がありますしとりあえずそれから始めます」

「お願いします。肉ダンジョンがあるとはいえさすがに私のような女にはお肉より野菜が食べたいので」


そう言う受付嬢は切に願うように溜息を吐いた。さすがに女性にはそこまで人気ではないようだ。とにかく霜葉たちのこの街での活動は暫く休息もかねて雑用依頼を受けることに決まった。



それから早い物で2週間が過ぎた。その間に霜葉達は自分たちができる雑用依頼をほとんど片づけた。農地開拓では金剛一家が大活躍して、固かった地面を柔らかい上等な農地へと変え、白夜と十六夜は畑を耕す道具を引っ張りお手伝い。新月たちは大きな岩の片づけ。ルナはさすがに農地ではできることがないので、農家の小さな子供たちの見張り。


これらの作業に農家の皆さんは大喜び。彼ら曰く自分たちの半年間の仕事量に匹敵すると言う。現在彼らは上等な農地でどんな作物が育つのかの研究に大忙しである。大変な仕事だが、作業を行っている彼らの顔はやりがいのある仕事に笑顔を浮かべている。


その他にも商品を倉庫に運ぶのは全員が活躍した。白夜と十六夜は大量の荷物を載せた馬車を牽き、新月たちは重い荷物を運ぶのに。金剛一家は大きい荷物を息の合った動きで倉庫へと運んだ。ルナはその体からは想像出来ない力で小さな荷物類を大きな袋に入れてまとめて空から運んだ。


万が一に力が足りない時は霜葉が【アタックブースト】を掛けるので問題なし。その噂が広がったので一時期は霜葉たちに商品の片づけの依頼を受けてほしいと商店の責任者がギルドに押し掛けたこともあるほどだ。押しかけたのは三人ほどだったので問題なく全部の店を片付けられたが。


次に古くなった建物の解体だが、これには新月たちと金剛一家に霜葉が活躍した。新月たちの力で古くなった壁などを壊して残骸を金剛一家が息の合った連携で運びだし、白夜と十六夜が牽く荷車に乗せて利用できる素材を各所に運ぶ。


霜葉の場合は解体作業は力仕事で有り危険が伴うので付与魔法術の【アタックブースト】と【ガードブースト】を作業員に掛けたのだ。そのおかげで作業時間が短くなり、怪我もなく終えることができた。ちなみにルナは空から作業場に誰も入らない様に見張りを行った。


解体作業の責任者は霜葉の付与魔法術を特に気に入り、霜葉を勧誘したのだが断られた。仕方なく霜葉がこの街に居る間に倒壊の危険がある建物をすべて解体しようと霜葉を指名して依頼を出した。そのおかげで危険な建物はすべて解体された。


最後に小さな子供たちのお世話と言う依頼を受けたが、これが一番霜葉たちには簡単だった。何せ白夜たちに会えば一発で子供たちが気に入り懐くのだ。白夜たちも小さな子たちと遊ぶことができるので休息と言う意味ではこれ以上ないほどの依頼だ。


白夜たちと力の限り遊び、疲れたら寝るを繰り返すだけのお仕事だ。これには子供たちの親が相当助かったらしく、白夜たちにと態々料理を作ってくれた。そんなこんなで自分たちができる仕事を熟して、現在霜葉は孤児院にて白夜たちのブラッシングをしていた。


【クリーン】が使えるので本当ならやる意味は薄いのだが、霜葉はブラッシングが得意であり元の世界ではたまに白夜と十六夜にもしてあげていた。今日は依頼がなく休息がてら皆に何かしたいことはあるかと霜葉が聞いて見たところ、白夜と十六夜のリクエストしてきたので行っているのだ。


「気持ちいいかい二人とも?」

「クォ~ン♪」

「ガァル~♪」


二人が気持ちよさげにしているのを眺めていた他の皆が、自分たちもやってほしいと言ってきたので全員をやることに。霜葉の技術は絶妙であり、全員が夢見心地を味わう。


「ぐぅ~♪」

「まぁ~♪」

「ぐる~zzz」

「ホ~♪」

「「「「「モグ~♪」」」」」


一名本当に寝ているが、全員が気持ちよさげにまったりとしている。ちなみに霜葉たちが居るのは孤児院の霜葉たちが使っている部屋である。雑用依頼をやりつくした霜葉たちは3日ほどのんびり過ごしているのだ。たまに街の子供たちが孤児院に来て白夜たちと遊びたいと言ってくるがね。


ダンジョンの情報収集も2つの人気ダンジョンに関してはかなり集まった。肉ダンジョンは現在24階層まで探索がされてる。もっとも、20階層を超えて探索している冒険者たちは少ないそうだが。1階層にはチャージラビットやランドボアなどの孤児院の子供たちでも職業に就き、戦闘訓練をしていれば苦戦をしないような相手だ。


2階層からは、ジャイアントラビットやマッスルボアなどの強い魔物が出てくる。5階層ではそれ以外の魔物は出ない。6階層からはチャージバイソンやビックランナーなどとてもおいしいお肉を落とす魔物が現れる。ここからは冒険者もかなり稼げるらしく6階層から10階層は人気だと言う。


8階層からはドリルホーンブルやターボランナーと言ったかなり強い魔物も出てくるらしい。その分落とすお肉は高値で取引されるので挑戦する冒険者は多い。全員が帰ってこれるわけではないが。そして10階層からがかなりの難関らしい。10階層からはミノタウロスが出てくると言うのだ。


ミノタウロスはかなり強く大きな斧を装備しているので、生半可な実力では返り討ちだと言う。その分倒せばお肉の他にその装備している斧も手に入れることができるし、運がよければ魔道具である場合があるそうだ。その他に戦闘力は大したことは無いが逃げ足が速いワイルドピックと言う豚の魔物が居る。この魔物のお肉は極上であり、高値で取引されるので狙う冒険者は多いが手に入りずらい貴重品なんだとか。


それ以上の階層の情報は、残念ながら現在探索している冒険者たちが秘匿しているらしく、彼らから直接買い取る必要がある。ただ、以前に情報を買おうとした冒険者にかなり高いお金を要求したことがあるため、それ以降誰も買おうとしないとのこと。


もう一つの人気ダンジョンは現在10階層まで探索されていて、出てくる魔物は皮や毛皮を落とすヘビやワニ、オオカミにトラなどの魔物が多いとのこと。1階層から5階層に出てくる魔物は1階層ではランドウルフとワイルドタイガーで降りるごとにシルバーウルフやフレイムタイガーなどの強い魔物が増える。


6階層からはスパークヴァイパーやテイルアリゲーターなどの強い魔物が出て、10階層目指して降りるごとにブラックヴァイパーやクリムゾンアリゲーターなどのさらに強い魔物が出てくる。だが、これらの魔物の皮はかなりの高級品で冒険者用に革鎧や貴族用に靴やコートなどと幅広い用途があり、需要は高いため高値で取引される。


この二つのダンジョンの情報はかなり集まったが、残念ながらハズレダンジョンの情報は以前にブルスさんたちから聞いた以上のことはなかった。以上のことからとりあえず霜葉は休息はもう充分として、そろそろハズレダンジョンにでも挑戦しようかと考えていた。


『皆、そろそろダンジョンに挑戦しようと思うんだけどどうかな?』

『『一緒に行くよ』』

『『『賛成』』』

『行くの~!』

『お供しますぞ』

『『『『強くなるよ!』』』』


休息を十分に取ったため全員の士気は高く、生き生きとしている。


『ガウェインも大丈夫かい?』

『もちろんですぞ』

『北斗たちの準備はいいかい?』

『はい。戦棍も十分な数が揃いましたので問題ないですぞ』


北斗たちにはハズレダンジョンに出てくる魔物がゴーレムであると分ってから、【箱庭世界】の木材で自分たち用の戦棍を作ってもらっていた。かなり頑丈な木材があったので時間をかけて作ってもらったのだ。


『主に作っていた者たちも十分に休んでいます』

『わかったよ。その子たちには僕から労っておくね?』

『喜びます』


その後は今日の夕飯は食べているので皆が寝静まった頃を見計らって、霜葉は【箱庭世界】へと入りかんばって全員分の武器を作ったウェアウルフたちを労った。彼らは霜葉に褒められて尻尾が円を描くように回っていた。


その後に十分に睡眠をとり、翌日には孤児院の子供たちの朝食をミーナとリーザ二人と協力して作って食べている最中である。


「ところでソウハさんは今日の予定はどうするんですか?」

「確か、街の雑用の依頼はすべて終わらせたんですよね?今日もお休みですか?」

「ふん。冒険者とは思えないな」

「「キール」」

「ふ、ふん」


ミーナとリーザが霜葉に尋ねるとキールが噛みつく、それを姉妹に注意されそうになるとそっぷを向いた。このキールと言う少年はどうも霜葉のことを下に見ているらしく、事あるごとに一言余計な事を言う。以前にも失礼なことを言って、そのことを姉妹二人から注意されてからはよりひどくなった。


余談だが、リーザはキールのしたことに対してかなり本気で怒ったらしく、それを見ていた姉も震えた一幕があった。


「十分に皆を休ませたので、今日はハズレダンジョンに行ってみたいと思います」

「ハズレにですか?」

「なぜわざわざそんなところに?」

「僕にはこの子たちが居ますからね。ダンジョンに入ると他の冒険者に間違って攻撃されるかも知らないので」


そう言って霜葉は食事中の白夜たちに視線を向ける。姉妹も白夜たちを見て納得したようだ。


「確かにその可能性はありますね」

「でも、ハズレだと実入りが期待できませんよ?」

「とりあえずはハズレの依頼を受けてから行きますよ」

「まぁ、せいぜい頑張れば?」

「もう・・・キール」

「まだ、怒られ足りないのですか?」

「ご馳走様!?」


リーザが妙な迫力を出した途端にキールはさっさと部屋から出て行った。その後は二人からキールの言動を謝罪され、仕事に行く子供たち見送り朝食の片づけをした後に霜葉たちは冒険者ギルドへと向かう。


次回更新は未定です。

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