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第三章  第二十話  商王国編20

新月、三日月、無月の三人がダーキスによって重傷を負わされた事件が起き、三人は霜葉が切り札である【ホーリーディアーズ】を使ったことで命は助かった。翌日、霜葉は新月たちを孤児院に預けて冒険者ギルドでダーキスたちがどうなったかを確認しに向かう。


冒険者ギルドでは騎士団長のリディム様とギルドマスターのバリガン殿にホワン、ヴァン、ザァガ、イーサ、エルダの五人がバリガン殿に呼ばれてこの場にいた。ダーキスたちは門番を負傷させて街の外へ逃げて今は北の山にある洞窟に居るらしい。


それとダーキスたちがああなってしまった事情も聴くことになったが、冒険者を続けるならば起こりうる類ことであり事情があったとしてもダーキスの行ったことは許される事ではないと霜葉は断言した。そもそも新月たちが負傷した原因はダーキスが子供に剣を振るい、三日月がそれを庇って剣を受けたことで新月と無月は三日月を庇って剣を受け続けたのだ。


子供に剣を振るったダーキスの罪の責任を取ってもらうことは決定事項であり、バリガン殿は霜葉にダーキス、アルネア、ナーバァの三人の捕縛を手伝ってもらうために依頼を頼む。霜葉はこれを受けて新月たちを孤児院に預けたまま、リディム様と騎士団の五人。ホワンたちDランク冒険者。そして霜葉達で馬車を3つ使いダーキスたちが潜伏している洞窟へと向かった。


洞窟へと向かった日の翌日。霜葉達は洞窟から離れた場所で野宿をした。到着したのが日が暮れるころだったので戦闘になる可能性があるため夜に戦うことを避けた形だ。野宿している間に洞窟を見張っていた騎士たちから洞窟から出てきた女が居るとの報告を受けて、リディム様とホワンたちは洞窟へと近づきまずは投降を呼びかけた。


「ダーキス!アルネア!ナーバァ!三人に告げる!この洞窟に居ることは分っている!今回の一件でお前たちを拘束に来た!やってしまったことに対して少しでも償う気持ちがあるならば大人しく投降しろ!洞窟の入り口でしばし待つ!」


リディム様が洞窟の入り口前で声を上げて投降を呼びかける。リディム様は下がり、騎士たちとホワンたちは警戒しながら、洞窟を見続ける。なお、霜葉達は馬車の中で待機している。霜葉達が前面に出るとダーキスたちが噛みついてくることを予想しての行動だ。一応周囲の警戒はしているが。


しばらくして洞窟の奥から足音が聞こえてきた。足音はだんだんと大きくなりやがてダーキス、アルネア、ナーバァの三人が姿を現した。アルネアとナーバァに関しては両手を上げて抵抗しないと意思表示をしているが、ダーキスだけはしていなかった。


「ダーキス。他の二人は両手を上げ抵抗しない意思を見せているが、お前はどうなんだ?」

「納得いかないからだ。なぜあの魔物使いではなく僕たちが拘束されなくてはならない」

「ダーキス!子供に刃を向けて剣を振るってしまった以上こうなるのは分っているだろう!」

「あの時は咄嗟に庇って逃げてしまいましたが、時間が経つにつれてやってしまったことを理解できました。私とアルネアは大人しく投降します。ですが・・・」

「ダーキスだけは納得していないか・・・」


アルネアとナーバァに関しては冷静にしでかしたことを考えてくれたようだが、ダーキスだけはいまだに冷静ではないようだ。


「ソウハ殿を捕まえる理由がないな。むしろ彼とその魔物たちは街に多大な貢献をしてくれたのだ。感謝することはあっても、拘束するようなことはない」

「だが、魔物は危険だ!いつ誰かに襲い掛かるかもしれないだろう!」

「貴様がそれを言うか!そもそもソウハ殿の魔物が子供を庇わなければ、死んでいたかもしれないのだぞ!それが分からないのか!」

「あの魔物使いが居なければこんなことにはならなかったんだ!すべてあいつが悪いんだよ!」


冷静どころか滅茶苦茶な理屈を口にするダーキス。己のやったことを理解せずに何の落ち度もないどころか子供を救った魔物たちを仲間にしている霜葉が悪いと本気で考えている様だ。この言葉に騎士たちとホワンたちは文句を言ってやりたかったが、明らかにダーキスは普通ではない。下手なことを言うと暴走するかもしれないと考え、リディム様に任せることに。


「お前の言葉には説得力が欠片もない。何より己のやったことを他人のせいにするとは・・・」

「うるさい!俺が悪いんじゃない!」

「ダーキス!冷静になってくれ!」

「今なら投降して罪を償えば、軽い罰で済むかもしれないんですよ!」


ダーキスを説得しようとアルネアとナーバァも言葉を掛ける。そんな二人に対して・・・・


「君たちも・・・俺が悪いって言うのか!?」

「え?」

「ダーキス!?」


ダーキスはなんと仲間二人に対して剣を抜き横薙ぎに振るったのだ!アルネアは武器からして前衛の戦士であるためこの攻撃を避けることができたようだが、もう一人のナーバァは完全に予想外であったのだろう。体に剣を受けて大きな傷を刻んでしまった!


「「「なぁ!?」」」

「「「ダーキス!?」」」

「なんと言うことを!全員でダーキスを行動不能にするんだ!ソウハ殿は彼女の回復を頼む!」

「わかりました!」


リディム様の指示で騎士5人がダーキスを取り囲む。ホワンたちはアルネアとナーバァを守るように移動した。そして、馬車の中から一部始終を見ていた霜葉はリディム様の言葉を聞いて急いでナーバァに駆け寄る。


「魔物使い!お前さえいなければ!」


この場に姿を現した霜葉に対してダーキスは憎しみを込めて睨みつけた。すぐにでも霜葉に斬りかかりそうだったが、騎士たちに阻まれてできずにいる。


「ナーバァ!しっかりするんだよ!」

「うう・・・・」

「すぐに回復します!」

「あんたは・・・あたしたちを助けてくれるのかい・・・」

「今はそんなことを言っている場合じゃないです!それに助けるに決まってます!」

「・・・ありがとう。そしてすまない・・・」


しかし、ダーキスの剣は魔道具であり、切った相手の回復を阻害する効果がある。これを確実に回復する手段は一つだけ。それでも霜葉は迷うことはなかった。


「【ホーリーティアーズ】!」

「「「え!?」」」

「「「きれい・・・」」」


霜葉は【ホーリーティアーズ】を使い、ナーバァを完全回復した。この場にいたホワンたちとアルネアは魔法術の綺麗さに驚き見惚れていた。


「うう~zzz」

「ナーバァ!よかった!」

「はぁはぁ・・・これで命は大丈夫です。しばらくは安静にする必要はありますが」

「ありがとう・・・ほんとうにありがとう・・・」


アルネアは仲間が助かったことに、そしてあれだけのことをやった自分たちを迷わずに助けてくれた霜葉に心の底から感謝した。ほどなくしてダーキスは騎士たちに取り押さえられた。流石のBランク冒険者も一人で騎士6人を相手取る実力は無かったようだ。冷静ではなかったのも大きいだろうが。


その後はダーキスを鎖で縛り、ついでに猿轡もされた。ことあるごとに俺は悪くないなどそこの魔物使いが悪いんだと喚くので、持ってきていた猿轡で口を封じたのだ。もっとも、された後もうーうー呻いているが。


この捕り物で唯一負傷したナーバァも目を覚まして、今は馬車で霜葉の治療を受けている。なお、武器は騎士たちが預かり、もしもに備えてホワン、ヴァン、ザァガも馬車に待機している。アルネアは騎士たちに大人しく従い別の馬車に乗っている。


「傷は回復しましたが、念のため回復薬と増血薬を飲んでください。それと口直し用の果物です」

「・・・・」


ナーバァは霜葉が出した薬を黙って受け取り、飲み干した。その後に手渡されたブドウに似ている果物を口にする。


「これで明日には動けるようになりますが、しばらくは過度な運動は控えてください」

「・・・どうして?」

「はい?」

「どうして私を助けたの?あなたやあなたの魔物たちにさんざん迷惑かけたでしょ?」

「迷惑だと今は判断してくれているんですね」

「あんなことを起こした後じゃね・・・」

「それが理由ですよ。ダーキスのように自分の行いの責任を果たさない人は助ける気はありませんが、悔やみ反省している人を助けるのは当然ですよ」

「・・・・ありがとう」


その後、霜葉達は街へと帰ることに。3つある馬車にダーキスたちをそれぞれ乗せて馬車は進む。帰路では白夜と十六夜にルナに頼み馬車の周りで周囲の警戒をしてもらう。魔物が近づいてきた場合は倒さずに追い払うことで対処した。ダーキスたちを連れているので早めに街へ帰ることを優先した形だ。


アルネアとナーバァはともかく、野宿などをしてダーキスが逃げる可能性をなくしたいと言う考えもあるが。白夜たちが魔物を追い払ってくれたおかげでその日の夕暮までに街へと帰還することができた。街に入ると騎士たちはダーキス、アルネア、ナーバァを連れて領主様の屋敷へと向かい、ホワンたちと霜葉は冒険者ギルドに報告へ向かうことに。


冒険者ギルドに着き中に入ると、早々にバリガン殿の部屋へと通されて事の経緯の説明を求められた。ホワンたちが説明を行い、バリガン殿は黙って聞いていた。説明が終わるころには日が沈み始めた。


「・・・以上が事の経緯です」

「そうか・・・アルネアとナーバァは大人しく投降したか。しかし、ダーキスめ。仲間も傷つけるとはな・・・」

「ソウハが居なければナーバァさんは危なかったと思います」

「そのようだな。とにかく皆ご苦労だった。依頼料を支払おう」

「俺達は何もしていないですけど・・・」

「貰うほどのことはしてないよな?」

「そうね・・・」

「どうしよう?」


ホワンたちは自分たちが何もしていないことを理由に依頼料を受け取れないと思っている様だが、バリガン殿は違う考えのようだ。


「お前さんたちを参加させたのはわしの判断だ。もしもことを考えてのことだったが、その結果でお前さんたちが気に病むことはない。最悪、ダーキスたち三人と戦うことを想定していたのだからな。わしの責任でちゃんと依頼料は払わねばな」


そう言われると受け取らないわけにはいかず、霜葉とホワンたちは依頼料を受け取ることに。


「ちなみになんですが、ダーキスはどうなりますか?アルネアさんとナーバァさんも」

「アルネアとナーバァに関しては冒険者資格の剥奪に騎士団か警備隊預かりになり、街の雑務や魔物の討伐を無償で何年かすることになるだろうな。抵抗せずに投降したことを考えるとかなり短い期間になるかもしれん」

「そうですか・・・」

「ダーキスに関してはしでかした事が事じゃからな。反省どころか自分に非はないなどと思っているのなら商王国で死刑に次いで重い罰である【ダンジョン奴隷】にされるかもしれん」

「「「確かに・・・」」」

「「当然ね」」

「ダンジョン奴隷?」


【ダンジョン奴隷】ダンジョンが最も多い商王国では犯罪者の刑罰にもダンジョンが使われる。これは他の国で重度の犯罪奴隷を鉱山に送ることがあるが、それのダンジョン版である。実力のある犯罪者を奴隷にして実入りがあるが探索が捗っていないダンジョンなどや手強い魔物が出現するダンジョンを探索させるのだ。


無論、その過程で手に入った魔物素材や魔道具などは国の物となる。奴隷の首輪で行動を制限されているのに加えて国の兵士が見張りとして同行する。それによって得られる利益は商王国では無視できない物だ。人によっては死刑より重いとさえ言われている。なぜなら死ぬまで死と隣り合わせのダンジョンを探索しなければならないのだ。


「ダーキスはBランクまで到達した冒険者だからな。実力はある意味証明されとるようなもんだ。そんな人間が犯罪を犯せばこれ幸いと【ダンジョン奴隷】になるだろうな」


ある意味では当然であると言えよう。ダンジョンで支えられている国だからこその法であり現実だ。それから数日後。アルネアとナーバァは本人たちが反省と非を認めていることもあり、冒険者資格の剥奪と騎士団預かりになり半年間魔物討伐を行うことになった。


一方のダーキスはバリガン殿の予想通り、【ダンジョン奴隷】となりとあるダンジョンの探索を行うことになった。そのダンジョンは強力な魔物が出現する高難易度ダンジョンでダーキスはそこで死ぬまで探索をすることに・・・


その間、霜葉達は新月たちが回復するまでダンジョンには行かずに冒険者ギルドでクエストを受けていた。バリガン殿は霜葉に蜘蛛が出てくるダンジョンに行ってもらいたかったようだが、新月たちを置いて行くことは霜葉にとって論外だった。


ダンジョン探索の目的には仲間のLv上げも含まれているので、新月たちの回復まで待つことに。そろそろ新月たちも体調は万全になってきたようだし、ダンジョンへ行くことになるだろうが。それにもう一つ行く理由があるのだ。


北斗の報告で妊娠しているウェアウルフたちがそろそろ生まれるかもしれないと言ってきたのだ。さすがに仲間が増えるめでたい時には傍に居たいと霜葉は考えているので、近々ダンジョンにこもることを計画しているのだ。


ダンジョンに挑戦する準備をして、新月たちが元気に走り回れるようになったのを確認した霜葉はダンジョンへ向かうことに。トグじいさんと子供たちからは心配されたが、新月たちがやる気満々であり霜葉も無理をするつもりはないと説明して、納得してもらえた。


さらに冒険者ギルドでダンジョンに行くと報告すると、受付からシルクスパイダーの糸の納品依頼を受けてくれないかと要望があった。なんでも、シルクスパイダーの糸で作った下着類が肌触りが極上であり、噂が広がった直後に作った分は売り切れてしまったらしい。


それを作った職人からもいつ大量に手に入るかと催促されている状況らしく、何とかお願いしますと言われたのだ。霜葉はその依頼を受けることにした。受けることを伝えると受付の女性は喜んだ。他の女性職員も嬉しそうだ。


冒険者ギルドを出た霜葉達はそのまま不人気ダンジョンへと向かう。霜葉のおかげで実入りがあると分ってからもあのダンジョンは不人気のままだった。やはり大きな蜘蛛が原因だ。もっとも蜘蛛が平気な冒険者たちからは稼ぐチャンスなので訪れる者は増えたらしいが、微々たる物だそうな。


『今回のダンジョン探索で新月、三日月、無月とガウェインは進化したいね』

『頑張るよ。お兄さん』

『私も~!』

『倒しまくるよ・・・』

『そうですな』


この四人はLvがもう少しでMAXになるので今回のダンジョン探索では期待したいようだ。


『僕も頑張るよ!ご主人!』

『私もです!』

『私も~!』

『お役に立てるように頑張りますぞ!』

『『『『うん!』』』』


全員の士気は高い。そうこうしているとダンジョンが見えてきた。誰も並んでないのですぐさま門番に話しかける。


「おう。ダンジョンに挑戦しに来たのか?」

「はい」

「よし。まずはダンジョンカードな?しかし、お前さんたちが情報を持ち帰ってきてからちらちらとここに来るやつらも増えてきたぜ。もっとも4階層まで行った奴らはいないようだがな」

「そうなんですか?」

「シルクスパイダーの糸で収入は十分らしい。堅実に生きてるんだろうが冒険者なのに冒険しないのもなぁ~」

「あははは・・・」


門番のセリフに霜葉は苦笑するしかない。霜葉自身は冒険にもあこがれるが、やはり白夜たちのことを考えるとあまり危険なことはしたくないのが本音である。


門番からダンジョンカードを貰い、霜葉達はダンジョンへと入る。そのまま霜葉達は一直線に3階層へと向かうために寄り道せずに階段へと向かうことにした。道中に冒険者の見かけるがお互いに顔を下げ合う程度の挨拶をして通り過ぎる。


早い段階で3階層へと到着した霜葉達は、4階層には行かずにシルクスパイダーを狩まくる。冒険者ギルドに頼まれた分と召喚者たちに渡す分を確保するためだ。下着に使われるほどの肌触りなら召喚者たちも欲しがると霜葉は考えたのだ。しばらくの間シルクスパイダーと戦っていると・・・


『ご主人。誰か来たみたいだよ?』

『本当かい?』

『話し声も聞こえますので間違いないかと』


白夜と十六夜の報告を聞いて、霜葉はこのあたりで一旦止めて4階層へと向かう方がいいかと考えた。まだまだシルクスパイダーの糸は欲しいが、帰る時にでもまた狩ればいいからと。そう考えた霜葉は全員に4階層へと向かうことを伝える。


すぐさま4階層への階段へ向かい、道中で出てきたシルクスパイダーもついでに倒して霜葉達は無事に4階層へとたどり着いた。その直後に北斗から連絡が。


『主様!そろそろ生まれます!』

『え、本当!?わかったよ!』


北斗から妊娠していた子たちが産気づき、そろそろ生まれると言う連絡が届いた。霜葉達は慌てて【箱庭世界】へと入る。ウェアウルフたちの集落ではとある住処を遠目にウェアウルフたちが囲んでおり、時々その建物から別のウェアウルフが出たり入ったりを繰り返していた。


囲んでいる子たちの中には落ち着きなくうろうろしている子たちもいた。北斗を探し尋ねるとあの住処にはメスのウェアウルフたちが生まれる子供を無事に出産できるように手伝っているらしい。周りに居るのはオスでありうろうろしているのは父親とのこと。


オスたちは出産に必要な道具をこれまで作っていたのでもうすることがなく、後は無事に生まれることを願うだけらしい。ちなみに必要な道具は大き目の桶とシルクスパイダーの糸で作った布だと言う。魔物でも出産時には男にできることはないらしい。


それから時間だけが過ぎてゆき夕暮れが近づいてきた。時折住処から「ウ~」と言う力んでいるような声がするのでメスたちは頑張っている様だ。それを聞いている男達はなんと無力な事か。うろうろしている父親は耳は垂れ、尻尾も丸めて熱心に住処に手を合わせていた。そして・・・


『全員無事に生まれましたよ!!7人です!』


唐突に【思念会話】で生まれたことが伝わると・・・


「「「「ウォ~ン!!!」」」」


ウェアウルフたちは喜びの遠吠えを響かせて喜んでいるのだが・・・


『ちょっとうるさいですよ!!子供たちが起きちゃいます!!』

『『『『すみません・・・・』』』』


またも唐突に響いた【思念会話】にウェアウルフ全員が反省した。それから父親たちが住処に入り我が子を見るためと母親にお礼を言いにゆく。他のウェアウルフたちは出産や手伝いで疲れているであろう同胞を労うために果物を用意したり軽いスープを作り始めた。霜葉も手伝おうとしたが・・・


『主様。よければ生まれた子らを撫でてあげてください』

『いいの?』

『両親たちもぜひにと願っております。今からそちらに向かうとのことです』


そうして生まれた子たちを抱いた両親が住処から出てきた。両親は4組いて一組だけ生まれたのは一人で残りが双子らしい。性別はオスが三人にメスが四人だ。


「わぁ~かわいいな~」


霜葉は思わず口に出していた。真っ白な毛に包まれた小さなウェアウルフたちだ。白夜たちも興味津々だ。


『『かわいいねぇ~』』

『『『小っちゃいなぁ~』』

『かわいいの~』

『おめでとうございます』

『『『『おめでとう!』』』』

『めでたいのぉ~』


両親に促され霜葉は順番に小さなウェアウルフたちを優しく撫でるのだった。その日の夕食は小さな同胞の誕生を祝う場となるのだった。


次回更新は不定期です。

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