第三章 第十九話 商王国編19
霜葉達が不人気ダンジョンを探索し、その情報を冒険者ギルドに報告して手に入れた素材を買い取りに出したら大層喜ばれた。特に4階層が樹海であることは商王国では大変に価値が高いとのこと。ギルドを後にした霜葉達は、孤児院へと戻りしばらくはゆっくり過ごすことに。
その翌日。霜葉は孤児院の人たちにフライドポテトやポテトチップスなどの揚げ物料理を教えて過ごすしていると、知り合いの街の住人が大慌てで孤児院に入り新月、三日月、無月が重傷を負い運んできたと言うのだ。
霜葉はすぐに回復魔法術を施したが、効果が今ひとつであった。このままでは新月たちの命が危ない。そこで霜葉は自身の切り札の一つである回復魔法術最上位の【ホーリーティアーズ】使うことを決断。この魔法術の効果により新月たちの傷は瞬く間に回復して命の危機は去った。
新月たちを部屋へと運び、何があったかを運んできてくれた街の住人と新月たちと散歩に出かけていた子供たちに聞く事に。その結果、新月たちの怪我はこの街の専属冒険者であるダーキスが行ったと言う。ダーキスは新月たちを危険な魔物だといい剣を突きつけた。その行動を見ていた街の住人たちはもう反発。さらに子供の一人が三日月を庇うとダーキスは子供に剣を振り下ろした。
幸い三日月が身を呈して庇ったので子供に怪我はなかったが、攻撃されたミカヅキを庇うために新月と無月も攻撃を受けて何度も剣を受けてしまったと言う。その最中に近くを通りかかった冒険者がダーキスを止めようとしたが、ダーキスの仲間であるアルネアとナーバァに妨害されて逃げたのだ。
話終わり、街の住人は家に帰り子供たちは霜葉に泣きながら謝った。特に三日月を庇った子供が自分のせいだといい謝っているが霜葉はそれを否定して三日月を庇ってくれたことに感謝した。その日は早めに就寝して翌日には体調が完全ではないが回復した新月たちの姿を見ることができ霜葉は安心したのだった。
「ミカヅキちゃん、助けてくれてありがとう」
「まぁ~」
「シンゲツも大丈夫なんだよな?」
「ぐぅ」
「ムヅキ君も助かってよかったよ~」
「ぐる」
ここは孤児院の食堂。霜葉は無事に助かった新月たちを昨日謝ってきた子供たちに教えるために連れて来ていた。回復はしたがまだ体調は完全ではないので無理はさせない様にと言い聞かせて、子供たちは新月たちの負担にならないように触れ合っている。
「ソウハ、この子たちが助かって本当によかったな」
「はい、とりあえずは一安心です」
孤児院の責任者であるトグじいさんも子供を庇ってくれた三日月に深く頭を下げて感謝を口にしていた。
「ところで今日はどうするんだ?」
「冒険者ギルドに行ってみようと思います。ダーキスたちがどうなったのか気になりますから」
「シンゲツ達は連れて行くのか?」
「いえ、さすがに連れて行くのは無しですね。すいませんが今日一日はここで休ませていいですか?」
「もちろん構わない。子供たちと一緒に見守っている」
そんな訳で新月たちは今日一日体調を万全にするためにお休みだ。本人たちも無理して霜葉を困らせることはしたくないようで反対意見は無かった。新月たち用の食事である果物と回復薬に増血薬を置いて霜葉は白夜、十六夜、ルナ、金剛一家を連れて冒険者ギルドに向かう。
冒険者ギルドへ向かう道中に昨日の一件は街の住人達に広がっているようで、住人達から新月たちはどうなったかと聞かれたので命の危険は去った事と今日は大事を取って休んでいることを伝えると住人達はほっとしている様だ。
そんな道中でやっと冒険者ギルドに到着して中に入ると、そこには慌ただしい様子のギルド職員と街の騎士団の人が数名待機していた。そんな様子に疑問を抱いていると霜葉に気付いたギルド職員が声を掛けてきた。
「あ!ソウハさん!お待ちしていました!ギルドマスターが話したいことがあるそうですので2階へ向かってください!」
「わかりました」
そう言われたので2階のギルドマスターの部屋へと向かうことに。部屋の前に着いたのでドアをノックする。
コンコンコン
「すいません。霜葉です」
「来てくれたか。入ってくれ」
ギルドマスターであるバリガン殿の声が聞こえ、霜葉は部屋へと入る。そこに居たのは部屋の主であるバリガン殿の他にはこの街の騎士団長であるリディム様。それに霜葉がこの街に来る前に助けた冒険者のホワン、ヴァン、ザァガ、イーサ、エイダの五人が居た。
「まずはソウハ。今回の一件はダーキスたちを放置していた冒険者ギルドのひいてはその責任者であるわしのせいだ。本当に申し訳なかった!」
霜葉が部屋に入るとバリガン殿はそう言って椅子から立ち上がり深く頭を下げた。
「私もダーキスたちのことを軽く考えていた。まさか子供に剣を向けるとは・・・その子供を君の魔物が庇ったことも聞いている。街を守る騎士団の責任者としてお礼と謝罪がしたい。ありがとう。それと申し訳ない」
バリガン殿に続いてリディム様も頭を深く下げた。それに対して霜葉は・・・・
「お二人とも顔を上げてください。今回の一件で僕自身はお二人のせいだとは思っていませんよ?お二人の立場も分かっているので謝罪は受け取りますが」
「そう言ってもらえると助かる・・・」
「ありがとう・・・」
「ちなみにリディム様がここに居るのは分るんですが、ホワンさんたちがここに居るのはなぜですか?」
リディム様はこの街の安全を考える立場だから、子供に剣を振るったダーキスを捕える必要があるのでここに居るのだろうが、ホワンたちがここに居る理由が霜葉には分からなかった。
「ダーキスたち以外だと腕の立つ冒険者でわしが信頼できるのがホワンたちだからだ」
「俺達はバリガンさんからダーキスたちの捕縛を依頼されたんだよ」
「俺らがどこまで役に立つかはわからんができることはするさ」
「ダーキスたちがどこにいるのかわかっているんですか?」
「ああ、連中は街の外にいる。あろうことか門番を負傷させて外へと逃げて北へ向かったと報告を受けている」
「あやつらが北へ向かったのなら行先はおそらくは以前、盗賊が根城にしていた洞窟じゃろう」
そう言うバリガン殿の顔は何やら考え込んでいるようなそんな雰囲気を纏っていた。
「ソウハ。シンゲツたちはどうなったんだ?」
「僕の回復魔法術で命は助かりました。まだ体調が悪いので今日は孤児院でお留守番ですが」
「それはよかったわ~」
「時間があればお見舞いに行く・・・」
霜葉の発言でわずかではあるが部屋の空気がよくなった気がする。バリガン殿とリディム様もほっとしている様だ。
「ただ、バリガンさん。ダーキスたちが今回のようなことをしでかした以上、彼らがああなった経緯を話してはくれませんか?」
「私としても知りたいな」
霜葉の言葉にリディム様も同意を示し、バリガン殿は腕を組んで考え込んだ。
「・・・・そうじゃな。今回のようなことが起こってしまった以上、話す必要があるじゃろう」
「俺達は席を外しましょうか?」
「いや、お主らも聞いてくれ。その上で意見を聞きたい」
ホワンたちにそう言った後にバリガン殿は話し始めた。当時、この街の周囲では盗賊による被害が多発していた。街の警備隊や騎士団などが討伐に出向いたこともあったが、奴らは相手をすることもなく逃げの一手でまともに戦えなかった。
そこで街の領主であるエリーナ様の父親は冒険者ギルドに盗賊の討伐を依頼。ギルドはすぐさま行動を開始し、盗賊の隠れ家を発見した。ただ問題もあった。当時の冒険者ギルドには盗賊討伐をしたことのあるBランク冒険者が居なかったのだ。
その時に居た最大戦力はCランク冒険者の4人に同じくCランク冒険者のダーキス、アルネア、ナーバァの7人だけ。その7人は盗賊討伐の経験こそなかったが、Bランク試験の推薦状は持っていたのでギルドマスターであるバリガン殿は領主様に今回の一件をBランク試験にしたいと願い出た。
無論、盗賊たちを逃がさないためにギルドマスターで元Aランク冒険者であるバリガン殿も同行することを念押しする形で。領主様はこれを許可してバリガン殿を加えた8人は盗賊の討伐に出発した。さすがの盗賊たちも隠れ家にしていた洞窟を発見されては逃げることが出来ずに応戦した。
しかし、やはりそこは常日頃から魔物相手に戦うことがある冒険者。盗賊どもに後れを取ることなく苦も無く盗賊たちを全員始末することができた。その直後はバリガン殿以外はやはり人を殺めたという事実は重く7人とも悲痛な表情を浮かべていた。だがそれも洞窟を調べたことで軽くなる。
洞窟の奥に女性が5人も捕まっていたのだ。彼女たちの話を聞くと自分たちは最近に盗賊たちに捕まったと言う。自分たち以外にもいたが他の女性たちは盗賊たちにおもちゃの様にされた後殺され、何人かは違法奴隷商に売られた後だった。
この事を聞いた7人は自分たちが盗賊たちを殺さなければ、彼女たちももてあそばれ殺されるか違法奴隷商に売られるかされたと言う事実に自分たちのやったことは間違いではないと気持ちを持ち直したのだった。
これであとは街へと帰るだけとなり、捕まっていた女性7人を連れて行く。しかし、帰る途中にとんでもないトラブルが舞い込んできたのだ。バリガン殿たちに突如、ビックモールワームと言う巨大な魔物が襲いかかったのだ。
普段ならバリガン殿達であれば討伐できたであろうが、盗賊たちと戦った直後でしかも非戦闘員を連れている状況では苦しく苦戦を強いられた。そんな時に守っていた女性たちが恐怖に我を忘れて走り出してしまったのだ。ダーキスたちはすぐさま連れ戻そうとしたが、彼らの目の前で彼女たちはビックモールワームに食べられてしまった。
その後は何とかビックモールワームを討伐。しかし、彼らは守るべき者たちを守れなかった。ダーキスたちは死んでいる魔物に何度も武器を振るっていた。その後、街へと帰還したバリガン殿たちは領主様から直々にお礼の言葉を言われたが彼らに達成を喜ぶことはできなかった。
その様子を疑問に思った領主様にバリガン殿が説明。盗賊に捕まっていた女性たちが街へと帰る途中で魔物に食われたことを知った。だが、領主様はそのことに対して彼らの責任ではないと断言した。そもそも依頼は盗賊の討伐なのだからそれをやり遂げた君たちを責めるわけにはいかないとも口にしていた。
この言葉にバリガン殿と冒険者4人は深く感謝していた。ダーキスたちを除いて。ダーキスたちが変わったのはそれからすぐのことだ。冒険者同士のいざこざや強くなるために魔物討伐に躍起になり始めた。バリガン殿は初めて悪人とは言え人を殺し、守るべき者を守れずに目の前で食われるのを目撃し、そのことに対して責任さえ追及されなかった。
この事が立て続けに起こった事でダーキスたちは変わってしまったと理解していたが、こんなことは冒険者を続けていればいつかは起こる。その為、バリガン殿は彼らに対して強くは言わずに見守ることに努めたと言って話し終えた。
「結局はわしの出した結論は間違っていたがな・・・」
「そんなことが・・・」
話を聞き終えてリディム様は言葉を口にした後に考え込んでしまった。ホワンたちも絶句している様だ。最後に霜葉はと言うと・・・・
(思っていた以上に重い話だったね・・・話を聞いた限りだと確かに彼らにも事情はあったんだろうけど、だからと言って今回の一件は許すことはできないね)
そう結論して霜葉は意見を述べることに。
「彼らの事情は分かりました。ですが、それを聞いても僕は彼らを許すつもりはありません。今回の一件でダーキスが剣を振るった子供は助かり、それを庇った僕の子たちも回復できましたが、冒険者が街の住人に剣を向け攻撃した事実は彼らの事情を差し引いても許される事ではないと断言します」
「・・・・そうだな。俺もソウハの意見を支持する。ソウハの魔物たちが居なければその子供はどうなっていたことか」
「・・・・確かにな」
「その通りだな・・・」
「うん。私もソウハと同意見だよ」
「同じく・・・」
霜葉の言葉にホワンたちも次々に同意を示した。それを聞いたバリガン殿とリディム様は・・・
「無論、奴らの事情がどうあれ今回の一件の責任は取ってもらう。そこは揺らぐことはない」
「ええ、そうですね」
バリガン殿はしっかりと頷き、リディム様も同意した。
「話が長くなったが、今回のダーキスたちの捕縛にソウハたちも参加してもらいたい」
「僕もですか?」
「うむ。お前さんの回復魔法術と付与魔法術で援護してもらいたいのだ。ダーキスたちは腕は確かだ。不測の事態も考えなくてはならんから、戦力を持っているお前さんたちに同行してもらいたい」
「僕たちが行くとややこしくなりそうですが?少なくともダーキスたちは噛みつくと思いますよ?」
「それは考えている。ソウハにはダーキスたちと戦う場合は援護に徹してもらいたい。戦う前に説得を試すつもりだしな。その時にソウハ達は前に出ないように頼む」
「なるほど。ちなみに依頼の成功報酬は?」
「金貨二枚じゃ」
「ふむ・・・わかりました受けます」
その後の話し合いで出発は昼前に決定して、準備を行うためにバリガン殿を除く者たちは部屋を出て行った。バリガン殿はこの街の実力者が全員で行くのはまずいので留守番役である。霜葉もいくつかの食料品などを買い込みにそれと新月たちの様子を見に孤児院へと向かう。その道中に白夜たちに今回の依頼を説明する。
『皆。今回の依頼は道中はともかくダーキスたちとの戦いでは皆は手を出しちゃだめだよ?』
『『なんで?』』
『戦いになるかどうかはまだわからないからだよ。ひょっとしたら説得だけで終わるかもしれないからね』
『そうなの?』
『まぁ、限りなく低いとは思うけどゼロではないからね。でも、戦いになって僕や皆が危なくなったら遠慮は無用だよ?』
『わかりました』
話終わって孤児院に着いたので新月たちの様子を確認。すると食堂で三人とも丸くなって寝ていた。周囲には同じく寝ている子供たちが居てトグじいさんや年長の子供たちが毛布を掛けている最中だった。
「くぅ~zzz」
「まぁ~zzz」
「ぐる~zzz」
「「スピ~zzz」」
「「むにゃzzz」」
三人は子供たちと一緒に気持ちよさそうに寝ている。眺めているとトグじいさんが霜葉に気付いた。
「おお、ソウハ。帰っていたのか」
「ええ、と言っても依頼を受けたのですぐに出ますが」
「む。その依頼はダーキスたちに関係する物か?」
「ええ、捕縛の手伝いを依頼されまして」
「そうか・・・気を付けてな?」
「はい」
トグじいさんと起きている子供たちに引き続き新月たちを頼み、霜葉達は待ち合わせ場所の門へと向かう。霜葉が門に着いた時にはすでに全員が集まっていた。騎士団からは団長のリディム様と騎士が5人に馬車を3つも用意していた。ホワンたちもこの場でお互いの装備を確認していた。
「ひょっとして待たせてしまいましたか?」
「おお、ソウハ殿。いやそんなことはないぞ?まだ昼には時間があるからな」
「全員集まりましたし、もう出発した方がいいのではないですか?リディム様」
「ふむ、それもそうだな。では、皆聞いてくれ!これより我々はBランク冒険者のダーキス、アルネア、ナーバァ三名の捕縛に向かう!まずは彼らが潜伏している洞窟にて投降を呼びかける。しかし、彼らが投降しなければ戦闘になるだろう。心せよ!」
リディム様の激を聞き終えて全員は馬車へと乗り込む。霜葉は最後の馬車に白夜たちと乗り込むことに。馬車を引く馬はよく訓練されているのか、白夜と十六夜に怯えることもなかった。そして、騎士が御者として乗り込んで霜葉達は街を出る。
霜葉たちを乗せた馬車は北の山にある洞窟を目指している。しかし、ここは異世界。歩くよりは早い馬車でもめったに人が通らない荒れた道を進むのは容易ではなく、さらには魔物も出現する。これらか先に手強い相手と戦闘をするかもしれないので魔物に対処するのは白夜たちの役目だった。
「クオーン!」
「ガァー!」
現れたギガントリザード2体を白夜と十六夜が身体能力をフルに使い翻弄しながら爪で傷を与えてゆく。その最中に・・・
「もぐ!」
「「「「もぐ!」」」」
地中から金剛一家が飛び出した直後にギガントリザードは真下の地面が陥没して土に埋まった。その隙を逃すことなく・・・
「ホー!」
空中で待機していたルナが【ダークスラッシュ】――対象の周囲が暗黒に染まりそこに斬撃が発生する魔法術――でギガントリザードの首を落とした。もう一体のギガントリザードは白夜と十六夜が首に噛みつき窒息させていた。霜葉は白夜たちが倒したギガントリザードをアイテムボックスに回収して白夜たちを労う。
「皆、お疲れ様」
「クォン♪」
「ガァル♪」
「ホー♪」
「「「「「もぐも~♪」」」」」
白夜たちの戦いを見ていたホワンたちは当然と言う顔を。初めて白夜たちの戦いを見るリディム様たち騎士はその戦闘力に驚いていた。
「相変わらず強いな~ビャクヤたちは」
「シンゲツ達が居なくとも問題なかったな・・・」
「いやはや・・・凄まじいな。彼らの戦いぶりは・・・」
その後も現れる魔物は白夜たちが倒し、先へと進む。なお、倒した魔物は霜葉たちの物にしていいとリディム様から許可を貰った。倒したのが白夜たちなのに取り分のことは言えないとのこと。進み続けて夕暮れ時に洞窟のすぐ近くに到着した。
もうすぐ日が暮れるので今日はここで野宿を行い、洞窟を見張って朝に投降を呼びかけることに。騎士団とホワンたちは野宿の準備を。霜葉は夕食を作ることに。ちなみに、メニューはギガントリザードのお肉の串焼きだ。道中で倒したギガントリザードを解体してお肉を焼く。幸い洞窟からは距離があるし風も洞窟に向かって吹いていない。
明日は朝早くから戦う可能性もあるから、霜葉は腕によりをかけて作ることに。その結果、霜葉御手製の串焼きは凄まじく美味であり、ホワンたちも騎士団も大変に満足した。女性陣は霜葉の料理の腕と自身の料理の腕を比較して地味に落ち込んでいたが。
洞窟を見張る役は二人一組で行い、順番を決めて寝ることに。なお、霜葉は夕食のお礼に見張りは免除となった。時間が経ち朝となり、霜葉が皆に頼めれて簡単な肉入りスープを作る傍らで洞窟を見張っていた騎士たちから報告があった。
「あの洞窟に誰かいるのは確かなようです」
「日が昇る頃に何者かが洞窟から出てきて、周囲を警戒している様子でした」
「気づかれなかったか?」
「出てきた直後に火は消しましたし、すぐに身を屈めましたから気付かれた可能性は低いかと」
「遠くて誰かまでは確認できませんでしたが、女であるのは確かです」
「よし・・・では、予定通り洞窟に近づき投降を呼びかけてみよう。戦闘になるかもしれぬから各自油断せぬように」
リディム様の指示を聞いた後、全員が霜葉の作ったスープを食べていよいよ捕縛の準備に取り掛かる・・・
次回更新は未定です。




