第三章 第十二話 商王国編12
霜葉達のおかげでジムキス様の街は順調に発展しだしていた。だが、ダンジョンの噂が広がり日に日にダンジョン目当ての冒険者が街へと訪れるようになり、霜葉達が全戦力を出して戦うのが難しくなり出した。そのため霜葉はそろそろ次の街へと向かうことを皆と相談した。
白夜と十六夜、ルナと新月たちは霜葉に付いてゆくと言ってくれてガウェインと北斗と金剛に相談したところ皆も霜葉の意見に反対しなかったので街を出て行くことにした。その翌日に、朝食を食べ終えてジムキス様に面会できないかと新しく雇われていたメイドさんに尋ねた所、霜葉殿ならいつでも訪ねてくれと言われているらしく、案内されているところであった。
やがて、ジムキス様の部屋へと訪れてメイドさんがノックをして用件を伝えた所、ジムキス様は喜んで応じてくれた。部屋へと通された霜葉達はジムキス様が書類に目を通している最中であり、ジムキス様はすまなそうに霜葉に声を掛ける。
「すまないね。これに目を通したら話を聞くのでそこのソファに座って待っていてくれないか?」
「お忙しいようでしたら、別の時間にしますが?」
「何大丈夫だよ。急ぎはこの書類だけだからね。すぐに終わらせるので待っていてくれないか?」
ジムキス様にそう言われたので霜葉は言われた通りにソファに座り待つことに。やがて数分が経ってからジムキス様がこちらへとやってきて対面のソファに座った。
「いや、待たせてしまって申し訳ない。それで今日はどういった用事で?」
「そろそろ次の街へ行こうと思いまして、その挨拶に来ました」
「・・・・そうか」
「ジムキス様?」
「ダメもとで提案するのがだ、ソウハ君。今うちの騎士団を作っている最中なんだが、君も加わってくれないか?」
「それはお断りします。僕には目的がありますし、冒険者の立場は性に合っているので」
「そう言うと思ったよ」
そう言ってジムキス様はソファから立ち上がり書類を要でいた机に向かい引出しを開けて中からいくつかの手紙を取り出した。それらを持ってソファに再度座ってから霜葉にその手紙の束を差し出した。
「この手紙は以前私が王都で暮らしていたときに懇意にしていた貴族たちの紹介状だ。それとそれらの貴族たちが住まう街へ向かうための地図も渡しておくよ。もしその街で困ったことがあればその手紙を渡したまえ。その貴族たちは街の領主でもある。よほどのことがない限りは力になるだろう」
「いいんですか?手紙はともかく地図まで」
この世界において地図の価値は高い。簡単な物でも作るのに相当な労力が必要であり、戦略的な論点からも価値がある。普通ならおいそれと渡していい物ではない。
「構わないよ。地図と言っても簡単な物だし。この国には王族所有の地図を書いてくれる魔道具があるからね。それで書かれた地図は簡易な物であれば王都で普通に売られている。もちろん戦略利用されない様に細工がされている。君に渡す地図もその一つだよ」
「でしたらいいのです。拝見します」
霜葉は受け取り、手紙は4つもありそれはアイテムボックスに入れてから地図を見ると確かに簡単な方角とおおよその距離ぐらいしか書かれていない地図である。とは言えこれだけでも商人からしたら重要な情報だ。この地図もそれほど安い物ではないだろう。
「そして、その地図に書かれている街には不人気とハズレと呼ばれているダンジョンがある。以前君が言っていた欲しい情報に間違いないかい?」
「はい、助かります。ありがとうございます」
「お礼を言うのはこちらさ。君のおかげでこの街は救われた。本当にありがとう」
そう言ったジムキス様の顔には笑みが浮かんでいた。霜葉は他の人たちにも別れの挨拶をするために部屋を出た。霜葉が出て行ってからもジムキス様は深々と頭を下げていた。
それから霜葉は街の人々に別れの挨拶を伝えるのだが、伝えた次の瞬間には引き留められるのだ。中には子供が行かないでと白夜たちに抱き付いたりもした。霜葉は何とか宥めて次々と別れのあいさつを済ませるのだが、これが噂になり何人かの住人が霜葉を引き留めるために徒党を組みだしたのだ。
最終的に警備隊隊長のドルトと冒険者ギルドマスターであるダルバンが出張り、事態を収拾した。現在霜葉は二人と共に冒険者ギルドのギルドマスターの部屋で休んでいる。
「すいません御二人共。御手を煩わせてしまいました」
「いや~むしろ謝るのはこっちじゃないか?」
「そうですね。同じ街の住人が迷惑を掛けたのですから」
そう言って二人は苦笑を浮かべた。
「それに連中の気持ちもわかるからな。ソウハがこの街に居てくれればいろいろ助かるからな」
「確かにそうですね。戦闘力も高いですし、連れている魔物たちも様々な分野で活躍してくれますし」
「ワン?」
「ニャ?」
「ぐぅ?」
「まぁ?」
「ぐる~」
「ぴー?」
「「「「「もぐ?」」」」」
ダルバンとドルトはそう言って白夜たちを見つめた。その視線を向けられた皆は鳴き声を上げて首を傾げている。
「戦う以外でも役に立つってのは【魔物使い】の職業を見直すきっかけになったからな」
「ええ、以前までは【魔物使い】は戦闘職と言う認識でしたが、ソウハの魔物たちの活躍を見て戦闘以外での活躍は警備隊でも話題になっています」
「警備隊じゃあ、誰か【魔物使い】になって鳥の魔物をテイムする話になっているんだっけか?」
「そうです。今は街の発展に手が足りませんが、落ち着いてきたら実行しようと思っています」
「住人の間でもそこのモグラ系の魔物を探そうって話がされているし、【魔物使い】は増えるだろうな」
「そうなってくれたら、うれしいですね~」
霜葉も一応は魔物使い系の職業なので、【魔物使い】の職業が増えるのは嬉しいのだ。そんな話をしているとダルバンがおもむろに立ち上がった。
「おおそうだ。ソウハに渡す物があったんだ」
「なんですか?」
「ちょっと待っていろ」
そう言ってダルバンは机の書類の中から一枚の紙を取りだして霜葉に渡す。霜葉は受け取った紙に書かれているBランク試験推薦状と言う文字に注目した。
「これは?」
「冒険者Bランク試験の推薦状だ。そもそもBランク試験は盗賊の討伐を試験内容にしているから、盗賊の情報がないと試験が出来ん。そこで冒険者ギルドでは見所のあるCランク冒険者が居れば推薦状を渡して、どこかのギルドで盗賊の情報を入手した場合に限り、推薦状を持っていれば参加できるってことにしている」
「でも。盗賊討伐なんてかなり重要な依頼ですよね?そんな依頼を試験にしていいんですか」
「無論、冒険者ギルドとしても生半可な奴にそれを渡すことは禁止にしているし、試験にはBランク以上の冒険者が必ず同行することになっている。万が一取り逃がすことがないようにな。なにより・・・」
「?」
「Bランク以上の冒険者ってのはそう言う人間同士の命のやり取りも経験しなきゃいけねえ。それでつぶれるような奴にはBランクには絶対になれん」
「・・・・」
霜葉は以前の魔人国で野盗を相手した時のことを思い出していた。あの時は霜葉が止めを刺したわけではないが、霜葉の指示で白夜たちに人を殺めさせたのは事実。その現実に霜葉は心がぐらついた。Bランクとはそう言うことも頼まれる立場なのだ。
「この推薦状を渡すのはギルドマスターの判断に委ねられているが、これを使うのは冒険者の自由だ。どうするかはお前が自分で考えて決めてくれ」
「・・・・わかりました」
ダルバンの言葉を重く受け止めて霜葉はこの推薦状をアイテムボックスに入れた。旅を続けるなら以前のような事態に遭遇することはある。覚悟はできていたつもりだったが、いざその可能性を突きつけられると決心が揺らぐ霜葉であった。
「クゥ~ン」
「ニャ~」
霜葉を心配して白夜と十六夜は彼の足に体を擦り付ける。その気持ちを察して霜葉は二人を優しく撫でるのだった。
(僕が悩めばその分この子たちが危ないんだ。しっかりしろ僕。この子たちや聖夏先輩たちが誰かに命を狙われた時も悩むつもりか。命を奪う者とこの子達の命どっちが大切かなんて考えるまでもない。それは絶対だ)
「大いに悩めソウハ。むしろ迷わずに命を奪うような奴や無責任に命は尊いなんて言うような奴にはなるなよ。人間的に言えば迷って答えを出すのが正常なんだ。大切な者を守る時もこの言葉を忘れるなよ?」
「はい、覚えておきます」
ダルバンの言葉を肝に銘じて霜葉は頷いた。それからは二人にもお別れのあいさつを済ませてからジムキス様の屋敷に帰った。その日の夕食は別れを惜しんだ屋敷の料理人が腕によりをかけて作ったご馳走だった。霜葉と白夜たちは用意された食事をおいしそうに食べている。
そして、その翌日。霜葉を見送るために街の住人のほとんどが門に来ていた。住人一人一人が霜葉にお礼を言い、朝早くに起きた子供たちも白夜たちとの別れを惜しんでいる。さすがにジムキス様は忙しいのでこの場に居ないが、屋敷を出る前に屋敷で働くすべての人からお礼を言われていた。それ以外ではドルトとダルバンがこの場に居て霜葉に別れを言葉を伝えていた。
「ソウハ。君には感謝してもし足りない。道中気を付けてな?」
「はい。ドルトさんもお元気で」
「俺のやった推薦状が役に立つのを望むが、最終的にはお前の好きにしろよ?それが冒険者ってもんだ」
「はい。ダルバンさんの言葉は忘れません」
二人に挨拶をして霜葉は次の街へと出発した。そんな霜葉達を街の人々は見えなくなるまで手を振り続けた。
次の街まで歩くと六日間掛かるようだが、霜葉達はゆっくりと向かいそれ以上の日にちで着けばいいと考えている。理由としては白夜と十六夜を退化状態ではなく今の種族である【ホワイトウルフ】と【サンダータイガー】のままでいさせる為の理由作りだ。
この道中で大きくなったと言えるように日にちを稼いでいるのだ。そんなわけで暑い道中休憩を多く取りながらゆっくりと次の街へと向かう。無論、道中に出てきた魔物たちも積極的に戦っている。魔人国と商王国の境から遠くなったからか初めて出てくる魔物も多い。
ごつごつした岩が張り付いている蜥蜴、ロックリザード
上空から奇襲を仕掛けてきた鷲、ブラックイーグル
ワゴン車並みの大きな亀、ギガントタートル
そして、今現在戦っているのは大きな鋏を左右に持ち毒針を天高く掲げ、真っ黒な甲殻で攻撃を防ぐサソリであるデーモンスコーピオンと呼ばれる魔物だ。それだけであれば霜葉達なら苦戦しなかったが、まだ特徴があるのだ。このデーモンスコーピオンは普通のサイズではない。なんとラージ種なのだ。
普通のデーモンスコーピオンは大きくても軽自動車並みの大きさである。それが大型トラック以上の大きさの魔物が霜葉達に襲い掛かったのだ。急遽、ガウェインも【箱庭世界】から呼んで北斗たち以外の主戦力で戦っているのだ。相手は一体だけであるが、さすがにラージ種なだけはあり手強く苦戦を強いられている。
「グゥ!」
『ハァ!』
迫る鋏を新月は両手で受け止め、ガウェインは盾で受け止め抑え込んだ。両者の動きを止めた瞬間にサソリは尻尾の毒針を打ち込もうとする。だが・・・
「ワオン!」
「ガル!」
白夜と十六夜が尻尾に飛びついて噛みついたせいで狙いが外れた。四人はそれを確認したら素早くサソリから離れて・・・
「ぴー!」
「グルー!」
ルナは上空から【ダークジャベリン】と言う威力の高い貫通系の魔法術を放ち、無月はサソリの後ろから【アースアロー】を放ち続けた。それらの攻撃をサソリは無月の【アースアロー】は無視してルナの放った【ダークジャベリン】最優先で避けた。【アースアロー】はサソリに当たるが甲殻に傷をつけても貫通まではしなかった。ルナの魔法術を避けた直後にサソリは右足4つすべてが地面に沈んでしまった。
「モグ!」
「「「「モグ!」」」」
金剛一家が穴を掘り続けた結果、地面が脆くなりそこにサソリの足がちょうど通り地面に沈んだのだ。その隙を逃さすに金剛一家はサソリの足の関節を狙い、爪を振るった。その結果は・・・
「!?」
サソリの右足4つは先から一番近い関節が切り裂かれてしまい、まともに移動できなくなった。その隙を逃す霜葉達ではなかった。
「【マジックフルブーストワイド】!」
「ワオ~ン!!」
「ガァー!」
「ぴー!」
霜葉の付与魔法術を掛けた白夜、十六夜、ルナは魔法術を放った。ルナは先ほど使った【ダークジャベリン】。白夜は【アイスジャベリン】。十六夜は【サンダージャベリン】。いずれも威力が高く貫通力があり、飛来する速度にも優れている魔法術だ。足が負傷して満足に動けなくなったサソリにこの攻撃を避けることはできなかった。
霜葉達の目の前に頭と胴体を貫かれて死んでいるデーモンスコーピオンが横たわっている。改めて霜葉はこの魔物の大きさに驚いている。他の皆も同様で今は退化している新月たちなどは鋏を叩いている。そんな中待っていた言葉が霜葉の頭に響いた。
≪固体名 ルナのLvMAXを確認。固有スキル【存在進化】の効果で進化可能です≫
『お?』
『やった~!』
『『どうしたの~?』』
『『『なんだ?』』』
白夜たちはルナが喜んでいる様を見て疑問を抱いている様だが、ガウェインと金剛は察したらしく祝福の言葉を贈る。
『進化できるようになったのだな?おめでとう』
『おめでとうございます。ルナ殿』
『ありがとうなの~』
二人の言葉にルナは嬉しそうにしていた。白夜たちもルナを祝福している。これで霜葉の仲間たち全員が進化を経験したことになる。霜葉達はデーモンスコーピオンの死体を全員で協力して【箱庭世界】の中に運びまずは解体を済ますことに。
調理スキル持ちのウェアウルフたちと協力して、霜葉の指示のもと解体作業は順調に進む。全部解体し終わり、傷がついた甲殻は錬金術で壊れた甲殻を材料に修復した。そしていよいよメインイベントの進化を行うことに。
『じゃあ、ルナの進化先を確認するよ?』
『おねがいしま~す』
≪進化先を選択してください≫
【シルバーウィング】 選択肢 ⇒ 【シルバームーン】 【ブラックオウル】
【ドルイドオウル】 【デュアルアイ】
【シルバームーン】
月光のように輝く体を持つ魔物。近接、遠距離両方の戦いが得意。
【ブラックオウル】
真っ黒の体毛を持つ魔物。【闇魔法術】特化の遠距離砲台。
【ドルイドオウル】
真っ白な体毛を持つ魔物。多種多様な魔法術を使いこなす。
【デュアルアイ】
真っ赤な体毛を持つ魔物。近接戦闘に特化しており、素早く飛び回る。
さすがは現時点でも能力が高いゆえか進化先が4つもある。しかもどれもかなり強そうだ。霜葉は多分予想通りの回答をするだろうが、ルナに進化先の希望を聞いてみた。
『ルナはどれになりたいのかな?』
『ぱぱがきめて~』
『いいのかい?』
『うん!』
やはり予想通りの言葉だった。とりあえず霜葉は考えをまとめることに。
(この中でなら、【シルバームーン】か【ドルイドオウル】かな?この二つなら今のルナが成長した姿だって言えそうだし)
考えた結果、霜葉は【シルバームーン】にすることにした。ルナにも伝えて進化を実行し光に包まれるルナ。光が収まった後には美しいフクロウが居た。
「うわ~!ルナ綺麗になったね!」
「ホ~!」
鳴き声もフクロウぽくなった。その姿は月光のような優しい光のように輝く体毛に覆われた全長50㎝くらいで霜葉の言う通りかなり綺麗なフクロウだ。現在のルナはウェアウルフたちが造ってくれた止まり木の枝に居るのでこの場に居る全員によく見える。
『『綺麗だね!』』
『よかったな』
『美人さん~♪』
『おめでとう・・・』
『ありがとう~!これで皆と同じだね!』
進化がなかなかできずにいたが、頑張った甲斐があるという物だ。ルナ本人も幼さが無くなった声を【思念会話】で響かせてうれしそうだ。仲間から次々に祝福されるルナ。そんなルナのステータスは・・・
名: ルナ
種族: 【シルバームーン♀Lv1/Lv40】
スキル: 爪撃Lv5 : 無音翔術Lv8 : 闇魔法術Lv6
: 身体強化Lv5 : 魔道の極み : 夜目
: 魔力強化 : 魔力回復強化 : 筋力強化Lv1
: 退化(配下専用スキル)
これは強い。特に魔法術関連はもはや超一流と言っていい。近接戦闘も魔法術ほどではないがそれでも苦手と言うほどではない。むしろ下手な魔物よりも強いだろう。これを見た霜葉はこれ以上の進化先があるのが頼もしいと感じた。
『パパ~私強くなったよね?』
『うん!強くなったよ!これからもよろしくね?』
『うん!』
成長しても霜葉のことはパパ呼びで固定らしい。ただ、いいことばかりではない。今までルナは霜葉の肩が定位置だったが成長し力が強くなったことで、その場所に止まることが難しくなったのだ。と言ってもルナは力加減はできる。問題なのは防具の方なのだ。
防具がルナのスペックに耐え切れず壊れてしまうのだ。さすがに爪の鋭いルナが防具なしで霜葉の肩に止まればルナ自身にそのつもりはなくとも霜葉を傷つけてしまう。
『パパ~ごめんなさい・・・』
『ルナは悪くないよ?次の街でもっといい防具を探すか作ってもらうからね』
『また肩に乗っていいの?』
『もちろん』
『ありがとう~』
そう言ってルナは嬉しそうに鳴いている。その後は先ほどの戦闘の反省会だ。ラージ種のデーモンスコルピオンが相手だったとはいえ、苦戦したのは問題だ。彼らの能力ならもっと互角に戦えてもいいくらいだ。
『やっぱり地の利は相手にあったし、自分たちよりもはるかに大きな相手と戦うのは初めてだったからそのせいかな?』
『それもですが、やはり強くなったとはいえ急激に強さを得たのでわしも含めて力を使いこなしてはいないのが最大の原因でしょうな。いまだに力に振り回されている感覚があります』
『みんなもそうなのかい?』
霜葉の言葉に全員が頷く。こればかりは仕方のないことだろう。何事にも完璧なことはないと言う証明だ。
『こればかりは、場数を踏んで経験で解決するしかありませんからなぁ~特に魔法術を使えるようになった者たちは積極的に使わねばなりません』
『なるほど』
ちなみに現在の全員のステータスは・・・・
名: 動島 霜葉
職業: 【軍勢の魔王Lv37】
固有スキル:【存在進化】:【箱庭世界Lv6】:【思念会話Lv7】
スキル: 回復魔法術Lv10 : 付与魔法術Lv10 : 錬金術Lv10
調理術Lv10 : 魔道の極み : 魔力強化・極
魔力回復強化・極 : 無詠唱 : 職人の極み
超鑑定 : 超隠蔽 : 短剣術Lv8 : 杖術Lv8
アイテムボックス・極 : 方向感覚
名: 白夜
種族: 【ホワイトウルフ♂Lv11/Lv30】
スキル: 咆哮Lv8 : かみつきLv8 : 嗅覚探知Lv8
: 身体強化Lv7 : 氷魔法術Lv5 : 爪撃Lv4
: 脚力強化Lv4 : 魔力強化 : 退化(配下専用スキル)
名: 十六夜
種族: 【サンダータイガー♀Lv11/Lv30】
スキル: ひっかきLv8 : 隠業Lv8 : 聴覚探知Lv8
: 身体強化Lv6 : 雷魔法術Lv5 : 牙撃Lv4
: 筋力強化Lv4 : 魔力強化 : 退化(配下専用スキル)
名: 新月
種族: 【スケイルベア♂Lv22/30】
スキル: 爪撃Lv9 : 腕力強化Lv8 : 体力強化Lv8
: 持久力強化Lv8 : 低燃費 : 身体強化Lv6
: 堅鱗 : 鱗再生 : 退化(配下専用スキル)
名: 三日月
種族: 【ウールべア♀Lv22/30】
スキル: 爪撃Lv8 : 腕力強化Lv8 : 体力強化Lv8
: 持久力強化Lv8 : 低燃費 : 耐久力強化Lv6
: 体毛弾性強化 : 不動 : 退化(配下専用スキル)
名: 無月
種族: 【アースベアLv♂22/30】
スキル: 爪撃Lv8 : 腕力強化Lv8 : 体力強化Lv8
: 持久力強化Lv8 : 低燃費 : 土魔法術Lv3
: 大地の加護 : 魔力回復強化 :退化(配下専用スキル)
名: ガウェイン
種族: 【スケルトン・ホーリーナイトLv19/Lv30】
スキル: 騎士剣術Lv8 : 騎士盾術Lv8 : 身体強化Lv8
: 武術の極み : 忠義の心 : 光の加護
: 体術Lv6 : 光魔法術Lv3 : 魔力強化
名: 北斗
種族: 【ウェアウルフ♂Lv13/30】
スキル: 爪撃Lv3 : 精密作業強化Lv7 : 木工Lv6
: 群れの長 : 槍術Lv6 : 小楯術Lv6
: 身体強化Lv3 : 体術Lv3 : 精密動作
: 退化(配下専用スキル)
名: 金剛、黒玉、天青、黄玉、天藍
種族: 【アースモールLv16/Lv30】
スキル: 爪撃Lv7 : 穴掘りLv7 : 夜目
: 連携 : 耐久力強化Lv6 : 掘削
: 土魔法術Lv3 : 大地の加護 : 筋力強化Lv3
: 退化(配下専用スキル)
このような状態だ。ステータスだけを見ればかなりの強さだが。白夜たちは進化してまだ日が浅い。確かに力のすべてを使いこなしているとは言えないだろう。特に魔法術を新たに覚えた者たちは今まで使えなかったのだから魔法術と言う攻撃手段を持っていること自体に慣れていない。
『僕自身も魔法術を使いこなしているとは言えないからね。それにそろそろ鑑定で僕の魔法術を調べてみるよ。使える魔法術くらいは把握しておきたいからね』
『主は付与魔法術と回復魔法術がLv10でしたな。Lv10の魔法術スキルはわしの知る限りでは主殿が初めてです』
『そうなの?』
『ええ、そもそもスキルLv10になることが滅多にないのです。スキルLvは6を超えたあたりから上げずらくなるのです。おそらくこの世界の歴史から見てもLv10まで到達したのは一握りの者たちだけでしょう。特に魔法術スキルなどは』
ガウェインの説明を聞いてなんだか霜葉は確かめるのが怖くなったが、これから旅を続けるのに自分の手札を把握してないのはまずいので恐る恐る確認することに。はたして・・・
次回更新は12/5予定です。