第三章 第六話 商王国編6
久方ぶりの更新です。遅くなり申し訳ありませんです。
霜葉は商王国の街にあるハズレと呼ばれるダンジョンをわずか三日で到達記録を大幅に更新してしまった。その事実をその街の警備隊隊長であるドルトに問い詰められ、冒険者ギルドのギルドマスターに報告するから一緒に同行することに。そして報告をする場には街の領主であるジムキス様も話を聞きに来て三人に報告することになった。
その話が終わったころには、三人ともが驚愕しそれと同時に喜んだ。これでこの街を発展することができるかも知らないのだから当然だった。しかし、霜葉の話が本当かどうか確かめる必要もあり、さらには霜葉が持ち帰った魔物素材と魔道具をジムキス様の伝手で一番近い他国の魔人国の街の領主に売りに行くことにもなった。この街では買い取りは不可能と言うことなので。
その準備期間の間に霜葉と兵士たちはダンジョンへと一緒に潜ることになり、今日がその当日。霜葉達はダンジョンへと向かうのだった。ダンジョンへの扉の前には警備隊隊長のドルトと兵士が四人ほど待っていた。
「おはようございます。もしかして待たせてしまいましたか?」
「ああ、おはよう。別に待ってはいないぞ?ただ、もう少し待ってくれ。ダンジョンの門番役がまだ来てないからな」
「わかりました」
そう言って早々に兵士が駆け付けたので、霜葉と初見の兵士たちは簡単に自己紹介をした。ドルト以外には男性二人と女性二人の兵士が今回同行するようで、女性の一人は回復魔法術を使えるとのこと。どうやら今回の探索でスキルのLv上げの効率も確かめたいらしい。現在の彼女のスキルLvは2であり、この探索でどれくらい上がるのかで今後の方針も決まると言う。
門番をする兵士も来たことで、ドルトと兵士たちは装備の最終確認をしている。五人の武器はドルトが大槌、男性二人は剣と盾、女性二人は槍を持っている。回復魔法術を使える女性は魔法術の効果を上げる槍の魔道具を持っている様だ。確認を終えて霜葉達と兵士たちはダンジョンへと向かう。ダンジョンへと入ってドルトからある提案がされた。
「ここからは我々兵士が先頭に立って主に戦う。ソウハ達は後方を警戒してくれ。苦戦している者が居れば援護も頼んでいいか?」
「はい。この三人は魔法術を使えますし、僕も付与魔法術を使えますので援護は得意です」
「それは助かるな。よろしく頼むぞ。では行くか」
「「「「はい!」」」」
兵士たちが先頭に立ちダンジョンを進んでゆく。なお、今回霜葉達はあまり目立つことはしないつもりだ。今さらな判断かもしれないが、それでも今霜葉が隠している自分の職業が【軍勢の魔王】と知られないためにも気を付けねばならない。
ダンジョン1階層は問題なく進み、ドルトが道を覚えているらしくすぐに2階層へと降りた。ここからが今回のダンジョン探索の本番である。まず、霜葉が【エリアクリーン】を使い匂いを軽減。それからダンジョンを進むと早速ゾンビが前方から現れた。女性の兵士は早速【ヒール】をゾンビに使ってみた。すると・・・
「おお~!本当に【ヒール】で倒せたぞ!」
「これはダンジョンの探索が楽になるわ!」
「このことが広まればこの街も発展するかも!」
「・・・・」
「お前ら喜ぶのは後にしろ!今は目の前の敵が最優先だ!」
「「「「りょ、了解!」」」」
この結果に兵士たちは喜んで、それをドルトに叱られると言う事態になったが。その後はゾンビ数体を女性兵士が【ヒール】で倒して、残りは霜葉が【エリアヒール】で一掃した。その後もゾンビ相手にはこのような戦いを続けて3階層へと降りて行った。だが霜葉は2階層で兵士一人の反応が気になった。
その男性兵士はゾンビが【ヒール】で倒されるのを喜んで見てはおらず、何やら難しい顔で眺めていたのだ。そのことを霜葉はなぜか気になった。そこへ・・・
『ご主人。あのね・・・』
『主。聞いてください』
白夜と十六夜が霜葉に話しかけてきた。それからは順調そのもので3階層、4階層、5階層と瞬く間に探索を終わらせて、6階層へ到達した。
「ソウハここからは出てくる魔物は手強くなるんだよな?」
「ええ、そうです。ここ6階層にはスケルトン・ファイターが。7階層ではフレッシュゴーレムが。8階層と9階層ではさらに強い魔物が出てきますので、注意が必要です」
「聞いての通りだ。ここからはさらに気を引き締めて進むぞ」
「「「「了解」」」」
そう言って兵士たちに注意喚起を行うドルト。その後にダンジョンを進み、何度か魔物との遭遇戦になり、戦闘になる。その際さすがにドルト以外の兵士たちは苦戦していた。やはり、初めて戦う魔物であると言うことと、武器の相性が悪いのが原因であろう。そんな兵士たちに霜葉や白夜たちが援護を行うとすぐさま霜葉達が有利となり勝利できた。
「いや~君の付与魔法術はすごい効果だな!」
「本当よね。おかげで戦いが一気に楽になったわ」
「可愛い魔物さんたちも強いしありがとうね~」
兵士たちは霜葉と白夜たちにお礼を口にしてくれた。しかし、やはりもう一人の男性兵士は何やら難しい顔をしている。そのことを霜葉は気付いているが知らぬふりを続けていた。そして霜葉達は順調にダンジョンを進み7階層へと到達。そこでの戦いははっきり言って楽勝であった。回復魔法術を使うだけで敵が簡単に倒せるのだから。ただ、霜葉はともかく女性兵士は時々魔法薬を飲んで魔力を回復しながら戦っていたが。
8階層では昼食を食べたから探索を行った。その際ドルトと兵士は固いパンと水だけを食べようとしていたので、霜葉が簡単なスープを作り振る舞った。これからきつくなるし栄養はしっかり取った方がいいと言って。ドルト達はありがたく野菜がたっぷり入ったスープにパンを浸しながらおいしいと言いながら食べていた。しっかりとした食事で士気も上がり、スケルトンウォーリアーとの戦いでは霜葉と白夜たちが本格的に戦闘に加わったことで次々と撃破して、魔道具だけを回収して行った。
9階層は7階層と同じで楽勝だった。強敵であるブラッドゴーレムは【ヒール】だけで粉々になるのだから当然だ。ここではドルトから真っ直ぐに次の階段まで行かずに探索を行うとのこと。どうも9階層の地図をできるだけ正確に作りたいそうだ。他の階層では階段までの道順だけを紙に書き込んでいたが、ここからはこのダンジョンの目玉になるから、正確な地図は需要が高まるのを見越しているそうだ。かなりいい値段で取引されるとのこと。
10階層に到達したところで、今日の所はこれまでとしてテントなどを準備した。ちなみに兵士たちの荷物は彼らが持っている。霜葉はアイテムボックスの中に入れようと提案したがドルトが・・・
「訓練も兼ねているので不要だ。なにより坊主にはもう充分世話になってるしな」
とのことで兵士一人一人は荷物の入ったリュックのような物を背負っている。9階層へと上がれる階段を囲むようにテントを張り、いざとなればすぐに9階層へと上がれるようにするためだ。霜葉が昼食用に作ったスープの余りを出して全員でそれを食べながら見張りの順番を決めた。霜葉達は最後になりドルトが最初で霜葉が不審に思った男性兵士は真ん中あたりだ。
しばらく経ち全員が寝ていることを確認した見張りの男性兵士は通路へと行きとあるものを懐から出した。それは瓶に入っていて一見すると回復薬のようだが、色が真っ赤だった。回復薬の色はメロンソーダのような色合いだ。その真っ赤な何かが入った瓶をその兵士は通路へと放り投げ、地面へと落下した瓶は割れ中の液体が辺りに広がった。それを確認した兵士は部屋へと帰り、9階層の階段を上ろうとしたところで・・・
「どこに行くんですか?」
「なぁ!?」
いきなり声を掛けられたことに動揺して後ろを振り返ると、そこに立っていたのは霜葉であり周りには金剛一家もいる。兵士は慌てて階段を駆け上がろうとしたが、目の前に居る者たちのせいで出来なかった。
「ワン!」
「ぐぅ!」
「まぁ!」
「ぐる」
そこには白夜と新月、三日月、無月が通せんぼするかの如く立ち塞がっていた。これでは9階層に上がれないと男性兵士は9階層へと上がるのを断念した。ここに来るまでに白夜たちの実力は把握している。自分では太刀打ちできないと。ならば狙うのは・・・
「お前は弱いだろう!魔物使い!」
腰に差していた剣を抜き、背中にあった盾を構えて霜葉へと向かっていた。この男性兵士は金剛一家も弱いと思っていたのだ。これまで戦っていたのは階段に立ち塞がっている白い魔物とブルーベアのみ。あの五体の魔物はそれほど強くないだろうと判断した。霜葉の仲間は彼らだけではないのに。
「ニャー!」
「ぴー!」
「ぎゃあ!?」
男性兵士には十六夜とルナが急に現れたように見えただろう。十六夜は剣を持っている手を引っ掻き、ルナは顔面を爪で引っ掻いた。この二人の攻撃で男性兵士は盾と剣を落としてしまい、落とした音を聞いてドルトや兵士は飛び起きてきた。
「何事だ!」
「た、隊長!こ、この魔物使いが!」
「ソウハがどうかしたのか?」
「その前にこの兵士さんが先ほど通路に何かの薬品を放り投げていたんですが、確認してくれませんか?真っ赤な色をしていました」
「真っ赤な色の薬品だと?ま、まさか!おいすぐに確認しに行くんだ!」
「は、はい!」
ドルトは近くに居た女性兵士に確認に行かせた。女性兵士は通路を進み数歩進んだところで床を確かめるように屈みすぐさま走って戻ってきた。その顔はすごく慌てている様だ。
「た、大変です!その通路の先に暴走の雄叫びがばら撒かれています!」
「くそう!やはりそうか!おい貴様!なぜこのようなマネをした!」
「わ、私ではありません!そ、そこの魔物使いがやったんです!」
「馬鹿者が!この期に及んでそのような苦し紛れの嘘が通用すると思うな!この男を縛り上げろ!この場を生きて帰れたら聞きたいことが山ほどある!」
「は、はい!」
「くそう!離せ!!」
ドルトの指示で別の男性兵士と女性兵士が元兵士を取り押さえた。その後は持っていたロープで身動きが取れない様にして、部屋の隅に放置した。
「全員すぐに戦闘準備だ!大量の魔物たちが押し寄せてくるぞ!ソウハもこれから戦闘になる!かなりきつい戦闘にな!」
「わかりましたが、説明してくれませんか?カームシャウトとは何ですか?」
「そうか坊主は知るわけないよな。準備をしながら説明する」
そう言ってドルトはテントなどを片付けて、霜葉に兵士たちが持っている荷物をアイテムボックスの中に入れてくれるように頼んだ。これから始まる戦闘には邪魔な物はなるべくない方がいいからと言って。それから霜葉に説明し始めた。
暴走の雄叫び。通称カームシャウトと呼ばれるこの薬品は商王国の【薬師】がダンジョンでの狩をもっと効率的に行えないかと考え創りだした薬品だ。この薬品は魔物を興奮状態にして匂いの発生源である薬品の所へと集めることができるのだ。創りだされた当初は態々探索しなくともこの薬品をダンジョンにばら撒くだけで魔物が寄ってきて効率的に魔物と戦えるとあって瞬く間に人気になった。とある問題に誰も気づかぬまま。
この薬品は魔物を興奮状態にしてしまう。薬品の匂いがある限りはずっと。そのせいで実力不足の冒険者たちが使ってしまうと返り討ちになり他の冒険者たちに襲い掛かったのだ。しかもどういうわけかこの薬品を使うとダンジョンに出てくる魔物も増えるのだ。そうしてこの二つが連鎖してダンジョンの魔物たちが外に溢れ出たこともあるくらいだ。
この事実が分かってからこの薬品の製造と販売はすべての国で禁止された。特に商王国ではこの薬品を持っているだけで極刑がなされるくらいの禁忌として扱われた。ダンジョンが国を支えているのだから当然の処置ではある。ちなみにこの事実が分かってからダンジョンも魔物ではないかと言われ始め、魔物を興奮状態にさせる事から改名されたのが暴走の雄叫びである。
「そんな薬品が使われたことでこの階の魔物がここにやってくるぞ!」
「9階層や他の階層の魔物がやってくることは無いんですか?」
「11階層からならあり得るかもしれないが、9階層から降りてくることはまずないと思うが・・・念のため警戒はしておいてくれ!」
「わかりました」
そう言ってドルトは他の兵士と一緒にどういう風に戦うのかを話し合いに行った。その間に霜葉はガウェインと北斗に連絡した。
『ガウェインと北斗は話は聞いていたかい?』
『はい、聞いておりましたぞ』
『わしもです』
『とりあえず戦う準備をしてくれない?』
『我々を呼ぶのですか?』
『状況次第だけど、もしかしたら呼ぶかもしれない。準備だけはしておいて』
『承知』
『わかりました』
話している間に霜葉は通路に【エリアクリーン】を使った。これで薬品の匂いもなくなったはずだから少しはマシになると考えた。そしてドルトと兵士が通路の入り口で待ち構えて、霜葉達は念のため9階層から降りてくるかもしれない魔物たちに備えていた。そして・・・・
ドドドドドドド!!!
「来たぞ!全員の奮闘を期待する!」
通路から足音が聞こえ徐々に近づいてくる。そして見えてきたのは大量のスケルトン・ウォーリアーとナイトが通路いっぱいにこちらへと向かてくる光景だった。それを見た兵士たちは・・・
「た、隊長!あんな数を相手にするのは無理です!ここは一旦撤退を」
「撤退したらあの数の魔物が街になだれ込むぞ!そうなれば我々兵士以外にも犠牲者が出るぞ!」
「し、しかしここで戦ったとしても押し潰されるのは時間の問題ですよ!」
「少しずつ倒しながら後退する!今はこれしかない!」
「い、いやだぁぁぁ!おれは死にたくないぃぃ!!」
大量にこちらへとくる魔物の恐怖に負けたらしく男性兵士の一人が9階層へと走り逃げ出してしまった。それを見た女性兵士二人も・・・・
「わ、私も死にたくない!」
「こんなところで死ぬのは嫌!!」
「貴様ら待たんか!!」
女性兵士たちも男性兵士の後を追って逃げ出してしまった。この場に残ったのは霜葉達とドルト、そして部屋の隅に放置した男性兵士だけである。その男性兵士も死の恐怖のためか気絶している様だ。
「くそぉ!あいつらぁ~!」
「ドルトさんもそこで気絶している人を連れて逃げてください。ここは僕が何とかします」
「なぁ!馬鹿野郎!そんなことできる訳が!」
「大丈夫です!勝算はあります!いくつか奥の手もありますのでここは僕に任せてください!」
「・・・ええい!くそぉ!いいか!俺は援軍を連れてくるのからな!それまで生きてろよ!」
そう言ってドルトさんは気絶している男性兵士を肩に担いで、9階層への階段を上がって行った。それを確認した後に・・・
『白夜?ドルトさんの匂いはするかい?』
『しないよ。遠くに行ったみたい』
『十六夜は?』
『あの人の音はしませんよ?』
『よし!新月、三日月、無月!退化を解いていいよ!ここからは全力だ!ガウェインと北斗たちは来てくれ!』
『『『わかった!』』』
『承知!』
『わかりましたぞ!』
そう言って霜葉の現在の戦力すべてがこの部屋に集まった。さすがに40人も魔物が集まるとすごい光景である。階段がある部屋はかなり広いのでこれでも余裕があるのだ。
『今からここに敵が押し寄せてくる!と言っても僕らの方が戦力は上だ!僕も全力で援護するから皆には頑張ってほしい!!』
霜葉がそう言うと全員が力強く頷いた。全員に恐れはない。これほどの仲間が居て主も全力を出すと言ってくれているのだ。むしろ、全員が主の役に立つことができることに喜んでいる。
『僕は階段前でみんなを援護する!北斗たちは四組に分かれて絶対に一人にならない様に!白夜と十六夜は攻撃魔法術で皆を援護して!新月、三日月、無月、ガウェインは北斗たちと協力して敵を倒すんだ!ルナは空中から魔法術で攻撃してくれ!金剛一家は僕の護衛を頼む!』
霜葉の指示に従い、皆がそれぞれの組に分かれて通路の奥から来る魔物たちを待ち構えた。そうしてやっとスケルトンたちが部屋へとやってきた。その瞬間に・・・
「【フルブーストワイド】!」
霜葉の付与魔法術が仲間全体に掛かった。それを合図に霜葉達と魔物たちによる大規模戦闘が始まった。まずは・・・
「ワオ~ン!」
「ニャー!」
「グルー!」
「ぴー!」
『【光球よ我らの敵を破壊せよ!ライトボール!】』
白夜たち魔法術を使える子たちが先制攻撃として魔物の一団へボール系の魔法術を放った。霜葉の付与魔法術の効果で威力が上がっているので彼らの攻撃を受けた魔物たちはほとんどが倒れた。しかし後ろから続々と新たな魔物がやってくる。
「グゥー!」
「マァー!」
「「「「ワオン!」」」」
そこに新月、三日月を先頭に二組のハイコボルトたちも魔物へと向かってゆく。遅れて無月とガウェインと残り二組のハイコボルトたちも向かって行った。正面からの突撃に勝ったのは霜葉達だった。新月、三日月、無月、ガウェインが正面の敵を一撃で粉砕して続くハイコボルトたちは数人で掛かり魔物を次々と倒して行った。
白夜と十六夜とルナはそんな彼らを援護するために魔法術を放っている。霜葉もたまに寄ってくる魔物を相手している金剛一家に付与魔法術を掛けたり、皆に重ね掛けしたりと全力で援護していた。そうしてしばらく後には敵である魔物は誰もこの場に居なかった。戦闘が終わったと思った直後に・・・
≪固体名 白夜と十六夜のLvMAXを確認。固有スキル【存在進化】の効果で進化可能です≫
「お?」
『やった~!進化できる~!』
『嬉しいです~!』
『『『よかったね!』』』
『二人もかわるの~?』
『それはよかったのう』
『お二人はどのように変わるのでしょうか?』
『おめでとうございます』
『『『『おめでと~う!』』』』
白夜と十六夜が進化できるようになったらしく喜んでいる。仲間たちはそんな二人の言葉で何が起きたかを察して祝福している。早速二人の進化先を確認することに。
≪進化先を選択してください≫
【ホワイトドック】 選択肢 ⇒ 【ホワイトウルフ】
【ゲイルウルフ】
【ブラックウルフ】
【サンダーキャット】 選択肢 ⇒ 【サンダータイガー】
【ホワイトタイガー】
【バトルタイガー】
『二人はどれがいい?』
『ご主人が決めていいよ!』
『私もです!』
『わかったよ。ちょっと待ってね?』
以前と同じく二人は霜葉の決定に従うようだ。なんとなくそうなるんじゃないかと思っていた霜葉は進化先を鑑定することに。
【ホワイトウルフ】
ホワイトドックが【存在進化】の効果によって進化できる真っ白な狼の魔物。爪も鋭いため接近戦も強く【氷魔術】を使いこなす。
【ゲイルウルフ】
ホワイトドックが【存在進化】の効果によって進化できる翡翠色をした狼の魔物。動きが早く追い付ける魔物は少ない。【風魔法術】も使いこなす。
【ブラックウルフ】
ホワイトドックが【存在進化】の効果によって進化できる真っ黒な狼の魔物。身体能力が高く牙の鋭さと力は要注意。【闇魔法術】を使いこなす。
【サンダータイガー】
サンダーキャットが【存在進化】の効果によって進化できる白黒模様の虎の魔物。顎の力も発達し牙も鋭く侮れない。【雷魔法術】を使いこなす。
【ホワイトタイガー】
サンダーキャットが【存在進化】の効果によって進化できる真っ白な虎の魔物。足の力が発達しておりジャンプ力が高い。【氷魔法術】を使いこなす。
【バトルタイガー】
サンダーキャットが【存在進化】の効果によって進化できる黒と茶色の縞模様が特徴の虎の魔物。身体能力が高く【無魔法術】も使いこなす。
(この中から選ぶなら白夜は【ホワイトウルフ】にしよう。十六夜は【サンダータイガー】だね。その方が今の姿が成長したって言えそうだし)
『決めたよ。早速進化しようか?』
『『うん!』』
二人に確認して霜葉は選択肢に触れた。白夜と十六夜は光に包まれて体が大きくなってゆく。ただ、今回は十六夜の方が白夜と同程度には大きくなるようだ。やがて成長も止まり光を収まった時には・・・
『おお~二人ともかっこよくなったね!』
『本当ですか?ご主人』
『強くなれましたか?主』
そこに居たのは大型犬よりも一回り大きくなった二人が居た。白夜は以前も真っ白だったが今回進化したことでより一層白が濃くなり顔も凛々しくなった。十六夜も白と黒の濃さが絶妙であり顔も大きくなった。虎になったからか体のボリュームでは白夜よりも大きく見える。白夜は狼らしくスリムな体型である。後【思念会話】で聞こえる声も子供から少年と言えるくらいに成長したように感じている霜葉である。
『二人ともカッコいいな!』
『すごくきれいになったよ!』
『大きくもなった・・・』
『二人ともすごいの~!』
『ほうほう。わしも初めて見る魔物のようですな?』
『やはり主様の力はずばらしいです』
『すごくカッコいいですよお二人とも』
『『いいな~・・・』』
『『綺麗だね!』』
仲間たちも白夜と十六夜の姿に注目している様だ。霜葉も二人に近づこうとしたが体がふらついてしまい傍にいた金剛一家が慌ててしまった。
『あ、主様!大丈夫ですか!?』
『うん。大丈夫って言いたいけど寝ないで戦っていたからね。ちょっと疲れちゃったよ』
『『『『主様~寝てていいよ!』』』』
『え、でも・・・』
『この子らの言う通りですぞ?私たちが後始末をしていますから、主様はお休みください』
金剛の言葉に続々と同意の声が上がる。霜葉は暫く考えて結論を出した。
『わかったよ。お言葉に甘えて僕はテントを出して寝るよ』
『【箱庭世界】の中でもいいのですぞ?』
『それはやめておくよ。僕だけ中に入ってスキル持ちである僕が意識を失ったら入口も閉じちゃうかもしれないからね。じゃあみんな後は頼むね?』
霜葉の心配ごとに全員が納得して、霜葉はガウェインに手伝ってもらいながらテントを張りその中で寝転んだらすぐに寝てしまった。白夜と十六夜とルナに霜葉の護衛を任せて残りの仲間でドロップ品を回収し始めた。




