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第三章  第二話  商王国編2

七日間毎日更新ラストです!

霜葉達はホワイトコボルトの群れの長である北斗を群れごと仲間にし、一気に仲間の数を35人に増やして順調に旅をしていた。魔人国から商王国に入り早速その国土の厳しい環境の洗礼を受けた。そんな中岩陰で小休憩を取っている時にピットモールと言うモグラさんと出会う。


霜葉は彼らを仲間に誘い新たにモグラさんたち家族五人仲間にして、新たな仲間を全員で歓迎した。彼らにはそれぞれ金剛、黒玉、天青、黄玉、天藍と名付彼らと一緒に街を目指す。街へと着いた霜葉は街そのものがおかしいことに疑問を抱く。


外壁はヒビが無数にあるし、門も古びている。門番からもダンジョン目的なら別の街へ行った方がいいと言われた。霜葉は冒険者ギルドへと行き、そこのギルドマスターであるダルバンから事情を聴いた。この街のダンジョンは通称ハズレと呼ばれうまみがないらしい。そのせいで街を訪れる人も滅多におらず収入源であるダンジョンがハズレであるために街も発展できずにいた。霜葉はこの街のダンジョンが本当にハズレか確かめるため、ダンジョンへと向かう。


ギルドマスターのダルバンからダンジョンの場所を聞き、霜葉達はダンジョンへと向かった。その間に皆とダンジョンに付いて相談を行う。


『いよいよダンジョンに入るけどここのダンジョンは皆には特にきついかもね?』

『『そうなの?』』

『スケルトンはともかくゾンビはとても臭いんだよ。匂いに敏感な子たちはきついと思うよ?特に白夜』

『え~』


霜葉の言葉に皆は微妙な顔になった。特に白夜はスキルに嗅覚探知を持っているため心底嫌そうな声が聞こえてきた。


『もしきつい様なら早めに言ってね?何とかできる手段があればいいけど。ここのダンジョンにこだわる理由はないからね?』

『『わかった~』』

『『『うん』』』

『わかったの~』

『了解です』

『『了解!』』

『『了解なの~』』


この街の事情は聞いたし何とかできるなら何とかしたい気持ちもあるが、優先すべきは自分たちのことだと霜葉は考えているのだ。ほどなくして高い壁に囲まれている街の一画に到着した。ダンジョンの出入り口はこのように高い壁で守られているのだ。万が一にダンジョンから魔物が溢れた時のことを警戒して。


ダンジョンに出てくる魔物によっては外壁並みにデカくする必要もあるし、これは商王国では疎かにできないことだ。それゆえこの街でもダンジョンの壁は真新しく下手すると外壁より立派であった。そんな壁に造れらている扉を守る門番に霜葉は話しかける。


「こんにちわ」

「ん?見慣れない顔だな?それに周りにいる可愛い子たちは何だ?」

「僕は冒険者の霜葉と言います。【魔物使い】で周り子たちはテイムした魔物です」

「ま、魔物使い?魔物使いがハズレダンジョンに何の用なんだ?」

「せっかく来たので挑戦しに来ました」


霜葉がそう言うと門番さんは慌てて彼の止めるため説得を始めた。


「おいおい!悪いことは言わんからやめとけ。このダンジョンは本当にきついぞ!俺たち兵士は時々このダンジョンに入って魔物を討伐するんだが、スケルトンはまだマシなんだ。ゾンビの悪臭が最悪だ!臭くてたまらん!」

「話は聞いていますが、覚悟の上です」

「はぁ~わかったよ。でも!どうにもならないってわかればすぐに帰ってこいよ!」


そう言て門番さんは入るための確認するべきこととダンジョンカードを懐から出して霜葉に渡した。このダンジョンカードは銅のような色で首にぶら下げるように紐が通してある。余談だが、霜葉のギルドカードを確認した門番さんは霜葉がCランク冒険者だと知って驚いていた。落ち着いた所で説明が始まった。


「このダンジョンカードはダンジョンに入るなら必ず首にぶら下げてくれ。そうすることでダンジョンの階層を探知して裏側に自分がどこまで行ったのか確認できるからな?間違ってもダンジョン内で落とすなよ?紛失した場合は罰金銀貨三枚だからな」

「わかりました」

「これから扉を開けるが、いいかマジで無理だと思ったら帰ってこいよ!」

「はい」


門番さんは何度も霜葉に言い聞かせたのち、扉を開けて中へと通した。そこに有ったのは遺跡の入り口のような建物とその中にある大きな階段だ。


「言い忘れてたが、ここのダンジョンは遺跡タイプだ。5階層までは遺跡のような空間だが、その先は不明だ。もしかしたら森とか砂漠かもしれん」

「そうなんですね。では行ってきます」

「気を付けてな!」


門番に見送られ霜葉達は初めてダンジョンに潜るのだった。階段をしばらく降りると広い部屋のような空間に出た、石を積み上げてできた様な壁と床。そんな部屋には広めな通路があり先へと広がっている。


『ここがダンジョンなんだね』

『『すごいね!』』


霜葉はダンジョンが初めてと言うよりはこのような遺跡の中に入るのも初めてなので、新鮮な気持ちだった。白夜と十六夜も初めて訪れた場所に興奮している様だ。他に皆は興味深いのか辺りを見渡している。


『とりあえず、ガウェインも来るかい?』

『いえ、わしは6階層から参加した方がいいかと思います』

『え?』

『先ほどの門番が言っていた時々ここに入ると言うのが気になりましてな。次はいつ入るのかは分りませんが一応気を付けた方がいいでしょう』

『ああ、なるほど。じゃあガウェインは6階層から参加でいいんだね?』

『ええ』


そう言うことになりとりあえず霜葉は入口から離れるため通路を進み、ある程度離れたら新月たちに退化を解いてもらい本来の姿に戻ってもらった。そうして隊列を整えて先へと進む。先頭には白夜と十六夜、新月をその次に三日月、霜葉、ルナ、無月で並ぶ。もっともルナは霜葉の肩に止まっているが。で一番後ろに金剛一家が進んでいる。なお、通路の広さは新月たち三人が横に並んでも三日月くらいならもう一人は並べそうだ。


ちなみにだが金剛一家は歩くのを一列で行い、中央に末っ子を並べてシンクロしているかの様な動きで進んでいる。


「もぐも!」

「「「「もぐも!もぐも!」」」」

ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!


先頭に居る父親の金剛の号令?に合わせて軍隊のように進んでゆく。外見も相まって中々可愛い光景だ。そんな霜葉達の前に最初の魔物が現れる。木の棍棒を持ったスケルトン五体だ。スケルトンたちはゆっくりとした動きで霜葉達に向かってくる。防具もなにも装備していないため白骨標本が動いている様だ。唯一違うのは肋骨の中にある魔結晶くらいか。


『ダンジョン内初戦闘だけど、どうする?』

『俺が行くぞ!』


そう言って新月が駆け出してスケルトンたちに向かって行った。そのまま新月は突撃を行ったのだが、スケルトンたちは魔結晶もろとも砕け散った。何ともあっけない戦闘に新月も物足りない様子。


『もう終わったのか』

『それだけ新月も強くなったんだよ』

『まだだよお兄さん。俺はもっと強くなりたいんだ!』


新月はまだまだ戦えるぞ!と気持ちを新たにしている様だ。しかし、スケルトン程度では白夜たちのLv上げにならないようだ。そこで霜葉は・・・


『金剛。君たちがスケルトンと戦てみない?』

『我々がですか?』

『うん。そうすればLvも上がって進化できると思うんだ。ここのスケルトンでは白夜たちではLvが上がりそうにないしね』

『わかりました。頑張ります!』

『『強くなる!』』

『『強くなるよ!』』


やる気は十分。あとは実戦あるのみだ。それから通路を進むと部屋にたどり着きそこにはスケルトンが六体いた。霜葉達に気付いたスケルトンたちはゆっくりと近づいてくる。


『皆!行きますぞ!』

『『『『おお~!』』』』


金剛一家はもぐもぐ言いながら小さな足で懸命に駆け出し、スケルトンたちに向かって行った。霜葉は念のためいつでも援護できるように身構えていたが・・・


「もぐも!」


スケルトンたちは金剛たちが目の前に来た瞬間に木の棍棒を振り下ろした。それを金剛は大きな爪を交差して受け止めた。攻撃を行ったスケルトンに対して今度は黒玉と黄玉が左右から同時に爪を横に振るう。するとスケルトンは魔結晶ごと粉々に吹き飛んだ。


「もぐ~!」

「もぐも~!」


その横では天青と天藍が協力して一体のスケルトンの爪で切り裂いた所であった。その後も金剛一家は見事な連係でスケルトンたちを倒して行った。すべてのスケルトンを倒し終えると・・・


「もぐ~!」

「「「「もぐ~!もぐ~!」」」」


金剛一家は勝利を喜び全員が万歳をしている。危なげなく見事な連係で戦った金剛一家。霜葉は以前の宴会の時に確かめた彼らのユニークスキルを思い出していた。


 連携

同種族との息の合った集団行動をとれるようになる。また、この効果は同じスキル持ちが居れば重複する。


このユニークスキルのおかげで集団戦闘は大得意なのだろう。実際特に打ち合わせしていないのに自然と行動していた。喜んでいる金剛一家に霜葉は話しかける。


『どうだった?戦闘はこれからもできそうかい?』

『はい!今の戦闘で自信がつきました!スケルトン相手ならば戦えます!』

『そうだね。もし強いスケルトンが居ても君たちの連係なら大丈夫そうだね。危なくなれば僕も援護するし皆もいるからね』

『はい!ありがとうございます!』


霜葉達はスケルトンの残骸である骨を部屋の隅へと放置して先へと進んだ。この残骸の骨がここのダンジョンのスケルトンのドロップ品なのだろう。消滅した後に素材を残すようなのだが、今の所それらしい現象は起こっていない。ダンジョンではいらない素材などは隅やその場に置いておけばスライムが現れて消してしまうらしい。


スライムはダンジョンでしか存在を確認されておらず、他の場所には現れたことがない。この事実でスライムはダンジョンが生み出した掃除屋なのではないかと言われている様だ。現にダンジョンで命を落とした者もスライムによって死体を片付けられ、装備などは長期間放置されない限りはその場に残り続ける。それらの装備も見つけた物に所有権があるのでそういう物も狙って入る者も居るようだ。


とにかくダンジョンではよほどのことがない限りは清潔にされている様だ。・・・・ゾンビは魔物なのでスライムの管轄外だ。例え悪臭がしても死体ではない!


それから霜葉達は順調にダンジョンを進んで行った。出てくるスケルトンは金剛一家が相手をしている。数が多い場合は霜葉が軽く援護して対処している。そしてとうとう次の階層に行く階段を発見したのだが・・・


『なるほど・・・これは確かにきついね』

『臭いです~』

『『『臭い!』』』

『くさいの~!』

『これは我々にもきついですな・・・』

『『『『臭いよ~!』』』』


階段の下から悪臭が漂っているのだ。霜葉は何とか我慢できるレベルだが十六夜たちはきつそうだ。そして、一番きついであろう白夜はと言うと・・・


「クウ~ン・・・」


霜葉の足の間に入り込み鼻を擦り付けている。よっぽど堪えている様だ。そんな白夜を心配して霜葉はある提案をする。


『白夜。つらいなら【箱庭世界】に入ってる?』

『いやだ。ご主人と一緒がいい!匂いは・・・我慢する』

『う~ん・・・でもな~』

『一緒がいい!』


白夜は離れないと言いたげに霜葉の足に体を擦り付けた。意外と頑固な白夜の意思は嬉しい霜葉であるが、このままでは白夜の鼻が潰されかねない。そこであることを思いついた。


「ふむ・・・試してみるか。【エリアクリーン】!」


霜葉は思いついた考えを実行してみた。使ったのは回復魔法術の広範囲の洗浄魔法。これを階段に向けてやって見た所・・・・


『あ!臭さが薄れてきました!』

『『『よかった~』』』

『ぱぱすごいの~!』

『さすがです。主様』

『『『『ありがとうございます!主様!』』』』


十六夜たちは匂いが薄くなったと喜んだ。霜葉本人は匂いが完全になくなったように感じているのだが、そこは魔物と人間の嗅覚の差であろう。そして白夜はと言うと・・・


『どうだい白夜?』

『まだ匂うけどさっきよりはマシだよ?ありがとうご主人』

『どういたしまして』


とにかく効果が続いてるうちに階段を降りることに。降りた先では1階層と変わらない部屋があり通路が左右に有った。霜葉は探索をメインにしているわけではないので、右へと行って見ることにした。そうして先へ進んだところ・・・ひどい匂いが漂ってきた。


『これはまたきついね』


霜葉は早々に先ほどと同じく【エリアクリーン】を発動。これにより匂いが薄れてマシになる。そしてこの匂いの元凶が姿を現した。


「うわぁ・・・」


霜葉は嫌そうな顔と共に口から言葉が出てしまった。霜葉達の目の前には腐敗しまくった死体が骨や内臓を晒してこちらにゆっくりと歩いてくるゾンビの群れであった。数は十体以上はいるだろうか?白夜たちも顔を歪めている。


『『汚~い』』

『『『こっちくんな!』』』

『いやなの~!』

『これは・・・なんといえばいいのか』

『『いやだー!』』

『『怖いです!』』


白夜と十六夜はワンワンニャニャと文句を言っているようで、新月たちはあっちいけの仕草をしている。金剛は何と言っていいのかわからない顔だ。黒玉、天青、黄玉、天藍は霜葉の足にしがみ付き怖がっている。

ゾンビ映画も目じゃない本物のゾンビだから仕方ない。


『これはさっさと倒すのがいいかな。とは言えあんな魔物をみんなに触らせたくないし・・・白夜、十六夜、無月、ルナ?魔法術で一気に倒してくれない?』

『『『『わかった!』』』』


と言うわけで白夜たちの魔法術でさっさと倒すことに。四人ともこっちにくんな!の思いを込めて魔法術を放った。明らかにオーバーキル気味に放っているが、それくらい近づけたくなかったのだろう。霜葉とて気持ちはわかる。なお、倒したゾンビたちが居た場所にはドロップ品は何もなかった。


そうやってこの階層では出てくるゾンビは白夜たち魔法術を使える子たちが対処することになった。たまに出てくるゾンビを倒し臭くなると、霜葉が【エリアクリーン】を発動する。そうやって進み続けて次の階層へ行く階段を見つけたらすぐさま降りた。


次の3階層はスケルトンが出てきたので金剛一家が戦い、4階層ではまたゾンビが出てきたので2階層と同じ対処をして次の5階層へ降りるとそこはスケルトンだったので金剛一家がと言う風に進んだ結果、6階層への階段を発見した。


『今から6階層に行くけどガウェイン?』

『主殿。もう夜のようですから今日はお休みした方がいいですぞ?』

『もうそんな時間なんだ?わかったよ。皆今日は【箱庭世界】で休もう』


霜葉がそう言うと反対意見は出ずに皆が同意した。そんなわけで街へと着いて早々にダンジョンへとやってきた霜葉達はわずか一日で到達記録まで来てしまった。この事実をギルドマスターであるダンバンが聞けば仰天するだろう。


ここのダンジョンの到達記録は何とかこの街を発展できないかと思った当時の領主が私兵に調査を命じて到達した記録なのだ。それも三日もかかり5階層までやってきたがそこでもスケルトンが出たため諦めて帰ってきたのだ。それを一日で5階層まで踏破したのは明らかに異常であった。そんなことと知らない霜葉達は【箱庭世界】でゆっくりと休むのだった。


そして翌日。霜葉達はホワイトコボルトたちと食事をしながら今攻略中のダンジョンについて相談していた。6階層からは未知の領域だ。ガウェインも参加するとは言え油断はできない。だた、何とかできそうであればホワイトコボルトたちにもLv上げのためにも戦ってもらおうと考えていた。


そのことを群れの長である北斗に確認するとぜひ参加させてくださいと言ってきた。戦う準備も以前言われた通り木でできた棍棒を作り人数分はできているのでいつでも戦えるとのこと。6階層に出てくるのがスケルトンであれば弓は大して効果がないからそれは朗報だった。


とにかく6階層がどういう空間なのかと出てくる魔物によってはコボルトたちにも戦ってもらうことに決まった。そして食事が終わりいよいよ6階層に降りることにどんな場所か不明なので新月とガウェインが先頭を進み何があっても反応できるようにゆっくりと降りてゆく。降り切った場所は綺麗な遺跡だった。


5階層までは古びた遺跡と言った感じの茶色い石を積み上げて造られたような壁と床であったが、6階層は真新しい灰色の壁に床、しかも所々に金の装飾までされていた。明らかに5階層までの空間よりワンランク高い遺跡のような感じだ。


『これはすごいね。さっきまでの所とはまるで違うよ』

『『綺麗だね~!』』

『『『面白い!』』』

『不思議なの~!』


白夜たちはこの場所を気に入ったようで先ほどから部屋を興味深そうに眺めている。金剛一家も先ほどとは違う美しい遺跡に見惚れている様だ。そんな仲間たちとは違う雰囲気で遺跡を眺めているガウェイン。霜葉はそんなガウェインの雰囲気に気付いた。


『ガウェイン。何か心配事でもあるの?』

『ええ、少し気になりまして。わしはこのダンジョンに入ったことがあるような気がするのですよ』

『え!?それ本当!?』

『おそらくは生前の記憶だと思うのですが、いまいちはっきりと思い出せんのです。ですが、どことなく見覚えがあるような気がするのです』

『そうなんだ・・・なら思い出したら教えてね?今は少しでもここの情報が欲しいから』

『了解です』


そんな話をした後に霜葉達は通路を進む。6階層は未知の領域なので全方位を警戒した方がいいとガウェインが警告したので先頭をガウェインと白夜がそして殿を新月と十六夜が警戒することにして他の仲間たちはどちらにもすぐに加勢できるように隊列を考えて進んでいる。そして進んだ先で魔物と遭遇した。


『スケルトンだね?けど武装がしっかししてるね?』

『あれはスケルトン・ファイターですな。ただのスケルトンよりも強いですぞ』


彼らの目の前に現れたのは小楯と剣や槍、戦棍などで武装しているスケルトンだった。他にもブーツやグローブを装備して本当に戦士に見える。そんな敵が五体いてこちらに気付いた瞬間、ただのスケルトンとは違い武器を構えて走って向かってきた。


『ここはわしにお任せあれ!』


そんなスケルトンたちをガウェインは一歩前に出て盾を構えた。そんなガウェインに向けてスケルトンたちが武器で攻撃するが・・・


『ぬえぇい!』


ガウェインは盾を振るって攻撃全てをは弾き返した。そのせいでスケルトンたちは体勢を崩して次の剣による攻撃をもろに受けてしまった。だが、二体のスケルトン・ファイターは盾で攻撃を防ぐ。意図してやったわけではなくたまたま盾に当たっただけのようで、再度の攻撃により倒した。すると・・・


≪固体名 ガウェインのLvMAXを確認。固有スキル【存在進化】の効果で進化可能です≫


『おお!これで私も進化できるのですな!』

『おめでとう。ガウェイン』

『『おじいちゃん進化できるの?』』

『『『楽しみ!』』』

『おじいちゃんもかわるの~?』

『ガウェイン殿。おめでとうございます』

『『『『わくわく♪』』』』


ようやくガウェインのLvがMAXになり進化できるようになった。霜葉達はガウェインを祝福してここで進化するよりも安全が確定している【箱庭世界】で進化することにして、霜葉はスケルトン・ファイターのドロップ品を拾いアイテムボックスに入れて入口を出現させた。


いきなり帰ってきた霜葉達に何かあったのかと慌てる北斗だが、ガウェインが進化できるようになったから戻ってきたと説明すると、ぜひ群れの全員で見学させてほしいと言ってきた。当の本人と霜葉はこれを快く許可して、仲間たち全員がガウェインに注目していた。


『なんだか照れますな?』

『それだけ皆進化に興味があるんだよ』


そんなみんなの期待を込めた視線の中、ガウェインの進化を行う。出てきた進化先は・・・・


 ≪進化先を選択してください≫


【スケルトン・ナイト】選択肢⇒ 【スケルトン・ホーリーナイト】 

                【スケルトン・ヘビィナイト】

                【スケルトン・ブラックナイト】


進化先は3つあった。この中からどれか選ぶのだが、霜葉はその選択をガウェインに任せることにした。


『よろしいのですか?』

『うん。僕が選ぶよりも経験豊富なガウェインが選んだ方がいいと思てね。もしなりたい進化先があればそれを選んでもいいよ?』

『ありがとうございます。早速考えてみます』


そう言ってガウェインはどれにするか悩みだした。霜葉はこれらの進化先の詳細を鑑定して見た。


【スケルトン・ホーリーナイト】

日中でも活動できるスケルトン。さらに【光魔法術】も使いこなす。


【スケルトン・ヘビィナイト】

大型武器を使いこなす頑丈なスケルトン。しかし動きは鈍重。


【スケルトン・ブラックナイト】

魔法術を使いこなすスケルトン。主に使えるのは【無魔法術】。


どれもなかなか強そうだ。しばらくして結論が出たガウェインが霜葉に伝える。


『決めましたぞ。【スケルトン・ホーリーナイト】になろうと思います』

『わかったよ。ちなみに理由はなんだい』

『わしは接近戦には自信がありますが、もうその方面は成長し辛いでしょうからな。できることを増やそうと思ったのです』

『なるほどね』


ガウェインの理由に納得した後に早速進化開始。光に包まれ若干大きくなり、光が収まった後には存在感の増したガウェインが居た。騎士甲冑は装備したままなので外見的な変化はない。ガウェイン曰くこの騎士甲冑にはサイズ自動調整が付与されているとのこと。


『進化した体の調子はどうだい?』

『凄まじい物ですなこれは。力が溢れてきますよ』


そう言ってガウェインは体の調子を確かめるように動いている。霜葉は現在のガウェインのステータスを確認する。


  名: ガウェイン


 種族: 【スケルトン・ホーリーナイトLv1/Lv30】


スキル: 騎士剣術Lv8 : 騎士盾術Lv8 : 身体強化Lv8

   : 武術の極み : 忠義の心 : 光の加護 

   : 体術Lv1 : 光魔法術Lv1 : 魔力強化 


元々強かったガウェインに新しく魔法術が加わった。日光克服も光の加護に変わったようだし、霜葉はおさらいもかねてスキルを確認する。


 【忠義の心】

心から信頼する主を得ると、身体能力強化。


 【光の加護】

日中の時間帯には、回復力強化と光魔法術強化の効果。


 体術

身体を行使する行動すべてを強化。


元々の日光克服はスケルトンは日光を浴びると動きが制限されるのだが、それを克服できる類の物だ。光の加護はその上位互換なのだろう。ガウェインも進化して戦力強化になった。そして、先ほどのスケルトン・ファイターのドロップ品は持っていた小楯と武器だった。武器の質としては結構上等な物だったので、コボルトたち用に数を集めるために霜葉達はダンジョンへと戻って積極的に戦うことにした・・・

これからの更新は不定期になります。

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