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第二章  第八話  魔人国編8

この話では、作者初めての試みがあります。

霜葉たちがギルドマスターからの指名依頼を無事に完了した帰り道で、ゴブリン3体とボブゴブリン3体の集団と争っているブルーベア二匹を白夜と十六夜のスキルで発見した。しかもこのブルーベア二匹は三日月が保護している小熊の両親だったのだ。


そのため霜葉たちはこのゴブリン達をブルーベア二匹と共に倒すことに。無事に倒して小熊は両親と共に森深くへと帰って行った。小熊を両親へと帰した三日月は若干寂しそうにしていたが、新月と無月が励ますことで少し持ち直した。


ただ、今回の一件はこれで終わりではなく新たに仲間になったスケルトン・ナイトのガウェインは霜葉にボブゴブリンが街の近くに出現するのは、厄介な事態になると警鐘を鳴らした。霜葉はガウェインの警鐘を重く受け止めてすぐに街へと戻りギルドマスターとちょうど冒険者ギルドに居たダディン様にこのことを教えた。


二人は霜葉が持ち帰ったボブゴブリンの死体を解体場の職員に調査させ、その成長度合いから群れの規模は相当の物になると判明した。ギルドマスターはすぐさま必要なことを指示して、ダディン様も騎士団や警備隊に指示を出すと言ってくれた。その後、指名依頼とその道中で倒した魔物素材を買い取ってもらおうとその場でいくつか出したところ、ダディン様がいくつか買い取りしたいとのことで、明日屋敷に行くことになった。


そして現在、霜葉は以前泊めてもらった孤児院に再度泊めてもらおうと思い、移動して孤児院に着いた所だ。


「ごめんくださ~い」


霜葉たちは孤児院に入ると、すぐさま奥からこの孤児院の責任者であるおばあさんが出てきた。


「はいはい、どちら様・・・あらまぁ!また来てくださったんですね」

「はい、今回も泊めてもらおうと思いましてお邪魔した次第です」

「どうぞどうぞ。子供たちも喜びます。あら?以前いた小熊さんはどうしたんですか?」

「あの子はご両親の元に帰りました。依頼を終わらせた帰り道で見つけたので」

「それはそれは・・・・良かったです」


今は子供たちはいないので、おばあさんと霜葉は世間話をし始めた。その話の中で子供たちは何をしているのかと言うと街でお仕事をしている様だ。お仕事と言っても簡単な物で、飲食店の皿洗いや商店の軽い荷物運び、武具店での防具の磨きなどだ。この仕事は街の人たちのご厚意でやらせてもらっているようで、お金も少し多めに貰っているらしい。


今の内に仕事を覚えれば、成長した後でもなんとか生きていけると考え、街の人たちも協力しているらしい。もうそろそろ帰ってくるようで、そんなことを言っている最中に・・・・


「「「院長先生~ただいま~」」」

「あ!魔物使いの兄ちゃん!また来てくれたんだ!」


噂をすれば影とでもいうように続々と帰ってきた子供たち。院長先生と霜葉に挨拶をしたらすぐさま白夜たちに構いだす。


「ミカヅキちゃん~!また会ったね~!」

「まぁ~」

「あれ?元気ない?小熊さんはどうしたの?」

「「「またスモウで勝負だ!」」」

「ぐぅー!」

「ビャクヤ君~うわ~ふわふわだね~」

「ワフ~♪」

「次は私だよー!」

「ぼくだよ~!」

「イザヨイちゃんもいい毛触りだね~」

「ニャ~」


今日も白夜たちは子供たちに大人気である。


「はいはい、皆。帰ってきたのなら食事の準備も手伝ってくださいね?」

「「「「は~い」」」」

「あ、それでしたらまた食材を提供しますよ?」

「兄ちゃん!それってお肉か!?」

「うんそうだよ?」

「「「「やったぁ~!!」」」」


食べ盛りである男の子たちは霜葉の言葉に喜んだ。


「まあまあ、ありがとうございますね」

「いえいえ、泊まらせてくれるんですからこれくらいはしますよ」


そうと決まれば、霜葉も協力して夕食の準備を始めた。提供したお肉はホーンドボアのお肉である。それよりも上等なお肉はあるのだが、あまりにもおいし過ぎるお肉を子供たちに与えては逆に困ることになりそうなので自重した。


本日の夕食は、野菜売りの露店の人が売れ残りを分けてくれたので、それらを使った煮込み料理だ。お肉を一口くらいの大きさにカットして、一緒に煮込む。その際、霜葉が味付けを行ったので調理術スキルがいかんなく発揮され、元の世界の調味料に似た物も使ったので肉じゃが的な味付けになった。


「おいしい~!」

「お野菜に肉の味がしみててうまいよ!」

「お野菜おいしい~!」


子供たちにも好評で皆にっこにこで口々においしいと言いながら食べている。


「不思議な味付けですね?ちゃんとした味が付いているのにお肉やお野菜の味もちゃんとします・・・」

「僕の故郷のご家庭の定番料理なんですよ。久しぶりに食べたいと思って作ってみました。子供たちも喜んでいるのでよかったです」


霜葉はそう言っているが、実際は意図して作った物ではない。なんとなく肉じゃが食べたいなっと思っていたら入れるべき調味料や分量が頭に浮かびその通りに作っただけなのだ。むしろ、作った霜葉もこの料理には驚いている。いつか、召喚者たちに再会した時には教えてあげなければと考えている。


「これはおいしいですね・・・・あの、よければあとでレシピを教えてくれませんか?」

「ええ、いいですよ」

「ありがとうございます」


この料理を教えたことで、この孤児院ではお肉が手に入った日は肉じゃがを作るのが定番となった。


夕食の後、子供たちは白夜たちと思い思いに触れ合っている。その際、三日月を気に入っている子供たちに小熊は両親の元に帰り、三日月が少し寂しがっていることを教えてできれば元気づけてあげてとお願いした。


霜葉のお願いを聞いた子供たちは三日月を可愛がった。その成果か三日月もだんだんと元気を取り戻し今では子供たちに嬉しそうな鳴き声を上げている。


そんなこんなで時間は過ぎて、寝る時間帯になりまたしても子供たちによる一緒に寝ようと白夜たちのお誘い合戦が始まった結果、小熊組が仲良しの子供たちと一緒に寝るようだ。


そして、次の日の朝。朝食に霜葉が旅の途中に見つけた果物を提供して、瑞々しい果物に子供たちは喜んで食べている。その後、孤児院を出て行き別れ際に今日も泊まることを約束して霜葉たちはダディン様の屋敷へと向かった。


屋敷へと着いた霜葉は門番さんに話しかけた。


「すいません。ダディン様から今日屋敷へ来るように言われてきた者ですが」

「ああ、君がダディン様が言っていた魔物使い君か。話は聞いているよ。だが、念のためギルドカードを確認させてくれ」

「どうぞ」

「ふむ・・・・よし、問題ないな。通ってくれ」

「はい、ありがとうございます」


門を通って屋敷の庭に入ると、ユーディルス家の執事であるトマスさんが待ち構えていた。


「本日はご足労戴きありがとうございます」

「どうかお気になさらずに。僕も手に入れた素材を買っていただけるのでうれしいです」

「そう言っていただけるとこちらも嬉しく思います。さぁ、立ち話もなんですのでどうぞ屋敷へ。旦那様の執務室に案内します」


トマスさんの案内で屋敷へと入り、しばらく歩いて立派な扉の前でトマスさんがノックをした。


「旦那様。ソウハ殿が来てくださいました」

「おお、そうか。入ってくれ」


トマスさんが扉を開け、霜葉に入るように促した。それに従い部屋へと入ると正面の大きな机の椅子にダディン様が座り、その周りに四人の男女が居た。そのうちの一人はアルノルさんだったが、他の三人は霜葉が知らない人だ。


「ソウハ殿。よく来てくれた」

「おはようございます。ダディン様」

「まずは、この場に居る者を紹介しよう。アルノルは知っているからジプスから自己紹介を」

「了解しました。初めましてソウハ君、君のことは門番からも聞いているよ。俺は警備隊総隊長のジプス・レイグナーだ」

「私は、警備隊副隊長のミルス・レイグナーよ。公私ともにジプスをサポートしているわ」


自己紹介された。ジプスさんは尻尾の生えた身体が引き締まっている翠髪の好青年と言った感じだ。ミルスさんは長い髪を三つ編みにしている垂れ目気味の美人さんである。言葉から察するにこの二人は夫婦なのだろう。


「最後は私ですな。初めまして。私はアルノルと同じこの街の騎士団長をしているサティス・ライゼルフだ。妹が世話になったね」

「三人ともはじめまして。【魔物使い】の霜葉と言います。この子たちが僕の家族である魔物たちです」

「ワン!」

「ニャ~」

「ぐぅ」

「まぁ!」

「ぐる・・・」

「ぴ~」


サティスさんは金髪の髪を肩まで伸ばしたイケメンである。三人の自己紹介が終わると霜葉も自己紹介をして次に魔物たちを紹介した。そうすると順番に鳴き声を上げる白夜たち。そんな魔物たちを興味深そうに見つめる三人。ミルスさんはどこか撫でたそうにしていたが。


「ご兄妹で騎士団長をしているんですね?」

「男女ともに騎士団を作ろうと思えば女性の上司も必要だからね。それはそうと、奥様と妹を助けてくれてありがとう。ずっとお礼を言いたいと思ってたんだよ」

「いえいえ、どうかお気になさらずに。こちらとしても役に立ったのならよかったです」

「ふっふっふ。本当にありがとうね」


そう言ってサティスさんは微笑んだ。その様子からも妹であるアルノルさんを心配しているのが分かる。当人であるアルノルさんは居心地悪くしていたが・・・


「兄上・・・お礼はその辺にしてそろそろ本題を話しませんか?」

「確かにいつまでもお礼を言っているわけにはいかないか。ダディン様」

「うむ。早速だが、ソウハ君。買い取る素材のお金を渡そう。トマス」

「はい旦那様」


ダディン様はトマスさんを呼び、彼に袋を渡してトマスさんはその袋を霜葉に持ってきて手渡した。


「その袋には金貨12枚入っている」

「そんなに・・・多すぎませんか?」

「冒険者ギルドの買い取りを横から割り込んだんだ。多少の色は付けるさ。それにそれだけではないんだよ」

「というと?」

「実は昨日のうちに騎士団お抱えの職人に今回買い取る素材で武具を作ってくれと話を持って行ったら、その素材を解体した本人も連れて来てほしいと頼んできてね?これらからその工房に一緒に来てほしいんだよ。どうだろう?」

「特に予定もありませんしいいですよ?」

「ありがとう。早速向かおうと思うがいいかね?」

「はい」


事前に準備は済ませていたようで、屋敷の馬車置き場にてダディン様と霜葉と魔物たちが乗り込み、出発した。ちなみに馬車の御者はトマスさんで、他四人は馬車を守るように並んでいる。職人たちの工房は東方面にあるようでその道を馬車は進み、あるお店の前で止まった。


「ここが騎士団お抱えの職人が経営している武具店だ」


ダディン様がトマスさんによってあけられた扉から降りながら、そう説明した。看板にはマドック工房店と書かれていた。ダディン様はトマスさんを先頭に工房へと入った。


「失礼いたします。マドックはおられますか?」

「こ、これはこれは!トマス様に領主様!今すぐに親方を呼んできます!」


店番をしていた若い尾魔族の青年はそう言って工房の奥へと小走りに向かった。そして青年と入れ替わりでやってきたのは・・・・


「トマスが居るってことは領主様もいらっしゃるのか?おおう、領主様。態々お越しいただいて申し訳ねぇ」


白髪の髪を後ろで束ねて、長いひげも一束に結んであるドワーフのおじいさんがやってきた。挨拶もそこそこにダディン様が本題を切り出す。


「マドック殿。今日は昨日言った通り素材とそれを解体したソウハ殿をお連れしたぞ?」

「それはそれは、ありがとうございます。ふむ・・・・坊主がイグニスディアーやクリスタルトータスを倒して解体した冒険者か?」

「はい、初めまして。【魔物使い】で霜葉と言います」

「噂には聞いておったよ。【魔物使い】の冒険者がこの街に来ておるとな。さて、とりあえず坊主、素材を見せてくれんか。領主様が言うにはかなり高品質の素材じゃという話でな楽しみにしとったんじゃよ」

「数が多いですが、この場で出しても?」

「おう、床に置いてくれて構わんぞ」


許可を貰い霜葉はアイテムボックスから、次々と素材を出していく。その様子を初めて見るダディン様以外の人は誰しもが驚いた顔をしている。しかも工房の奥からマドックさんの弟子と思われる魔族の青年たちが5人ほど出てきた。


「これで、全部ですね。確認お願いします」

「あ、ああ。しかし、こいつは・・・」


霜葉に促され、マドックさんは心底驚いた顔で一つ一つの素材をチェックしている。しかも何やら手も震えている様だ。その様子に弟子たちが何やら驚いている。


「むぅ~・・・・」

「どうだろうか、マドック殿これらの素材で彼らの武具を作ってもらえないだろうか?」


マドックさんの様子に不安がよぎったのか、ダディン様が確認の言葉を口にしたが、それに答えたのはマドックさんではなくトマスさんだった。


「旦那様。それは問題ないかと。マドックが驚いているのは素材の品質でしょう」

「ん?品質?」

「相変わらずいい目をしていやがるなトマス。領主様、これらの素材の品質は最高品質ですよ。武具造りに係る者なら誰もが目の色を変えて求めるもんです」

「最高品質だと?」

「ええ、ここまでの品質だと俺のような何年も経験したドワーフかトマスのようにいい目・・・を持っていないと見抜けませんがね。そこら辺の職人では高品質としか映らんでしょう」


そう言ってマドックさんはいい経験になると弟子たちにもこれらの素材を触らせた。すると・・・・


「おいおい、マジかよこの皮。柔らかさと手触りがすごい・・・」

「こっちの角も綺麗なままだぞ。根元もすごくきれいだな・・・」

「この骨の輝きは何だ?前に別の骨素材はここまで輝いたことは無いぞ?」


弟子たちも素材に触れて凄さを実感したらしく、次々と触って驚いている。


「長年武具造りに関わってきたが、これほどの素材を扱うのは初めてですよ。これはこちらから頭下げてでも造られてもらいたいほどです」

「そ、それほどかね」

「ええ、とにかく今回の仕事は喜んで引き受けましょう。腕が鳴りますわ。おい、お前ら。いつまで触ってやがる!丁重に扱えよ!」

「「「「「へ、へい!親方!」」」」」


そう言って弟子たちは素材を整理するために持ってきていた箱の中へと入れ始めた。その手は緊張のためか震えている様だ。


「坊主もありがとうよ!久しぶりにいい物が見れたぜ。何か造ってほしい物があればこの仕事が終わった後にでも引きうけるぞ?」

「ありがとうございます。その時はお願いしますね」

「オウ、楽しみにしてるぞ。それでは領主様。その素材で誰の武具を造るか詳しい話をしたいので4人は工房にお連れしても?」

「ああ、よろしく頼むよ。4人ともしっかりといい武具を造ってもらてくれよ?」

「ありがとうございます。ダディン様」


サティスさんがそう言うと、4人は深く頭を下げてマドックさんと共に工房の奥へと進んだ。


「さて、ソウハ君。私はこれから冒険者ギルドに行く用事があるのだが、君も一緒にどうかね?」

「お言葉に甘えていいですか?」

「もちろん」


霜葉はダディン様の言葉に甘え、馬車に乗って冒険者ギルドまで一緒に行動した。その間に気になったことを聞いてみた。


「マドックさんとトマスさんは知り合いなんですか?」

「ああ、マドック殿を紹介したのがトマスなんだよ。なんでもトマスが若かったころに知り合ってそのまま交流が続いていたらしいよ。そして、商王国で武具店をしていたんだが、その店を一番弟子に譲り自分の技術を他の国の職人たちにも伝えようとトマスを頼ってこの街に7年前にやってきたんだ。そしてトマスの紹介と腕前を確認して、騎士団のお抱えにしたと言うわけだよ」

「そんなことがあったんですか」


人に歴史ありと言うわけか。それからも雑談の続けていると冒険者ギルドも前で馬車が止まった。話をしていると時間の流れは早い物だとこの時の二人は思った。


「では、私はこれからオルフ殿と話し合うことがあるので失礼するよ」

「はい、今日はありがとうございました」

「ふふふ、気にしないでくれ。ではまた会おう」


そう言ってダディン様は冒険者ギルドへと入っていた。トマスさんは馬車をギルドの隣にある馬車置き場まで移動している。


それから霜葉は冒険者ギルドに入り、依頼が貼られているボードを確認した。そこには大きな紙である依頼が張り出されていた。


 【ゴブリンの駆除及び情報提供を求む】

街近辺でゴブリンとボブゴブリンの集団を確認した。このことからどこかにゴブリンの群れが住み着いている可能性がある。また、ボブゴブリンの死体を確認したところかなり成長していることが判明して、群れの規模は相当なものと予測される。冒険者はゴブリンを発見次第駆除を頼む。報酬は下記に記す。またどの場所で発見したかの情報も提供してくれれば情報料も支払う。


報酬: ゴブリン一体の駆除に銅貨一枚。ボブゴブリンの場合銀貨一枚

    情報提供に銅貨一枚。ゴブリンの討伐確認のため死体または角を要提出!


※ ゴブリンが出現したため、女性冒険者は一人で街の外への出入りを禁ずる!


依頼料としては破格と言っていいだろう。それだけこの事態が重い物だと嫌でもわかってしまう。いつもなら酒を飲んでいる冒険者たちも稼ぎ時だからか、数が少ないように思う。霜葉も協力するために、とある依頼を受けることにした。


 【薬草の採取】

目的: 薬草一束十個の納品

報酬: 一束銅貨二枚(数が多ければ多いほど報酬上乗せ)


 【魔力草の採取】

目的: 魔力草一束十個の納品

報酬: 一束銅貨四枚(数が多ければ多いほど報酬上乗せ)


これらの依頼は傷を癒す回復薬と魔力の回復効果を高める回復薬(通称魔法薬)を作るのに必要な素材だ。ゴブリンの住処を発見した場合、準備をしての討伐戦になると予想してこれらの素材も確保した方がいいと霜葉は判断したのだ。


早速霜葉はこの依頼を受けるために紙を受付へと持って行った。


「この依頼を受けます」

「はい、わかりました。あらこれは・・・ありがとうございます。すごく助かります」

「やはり、回復薬と魔法薬は必要でしたか」

「ええ、ゴブリン達の住処を発見した場合は準備をして討伐戦でしょうから。その際、回復薬と魔法薬がどれだけ手元にあるかで被害を抑えられたり、殲滅速度に違いが出ますから・・・・」

「でしたらしばらくは僕はこの依頼を受け続けますね」

「本当ですか?それはすごく助かります。お願いいたします」


受付嬢は、深くお辞儀をして心からお礼を述べた。同時に酒だけ飲んでいる冒険者に対して少しは彼を見習えと文句が頭をよぎった。


「では行ってきますね」

「よろしくお願いします」


霜葉が冒険者ギルドを出ようとした時・・・・


「は~い。皆さ~んお久しぶりで~す♪」


冒険者ギルドにどこか甘く、それでいて腹に響く声が入口をくぐった人物から放たれた。


「「「「げぇ・・・」」」」

「デルタさん!帰ってこられたんですね!?」


その人物に対しての反応は冒険者ギルド内で真っ二つに分かれた。心底嫌そうな声を出して顔も何とも言えないような物になっているのは酒を飲んでいた冒険者たち。一方、まるで最も頼りになる人が帰ってきたと言いたげに喜んでいるのはギルド職員たちである。


「ええ、長い護衛依頼だったけど帰ってきたわよ?とりあえず、依頼完了の手続きをしてちょうだい」

「はい分りました!」


そう言ってその人物は霜葉の隣へと移動して、ギルドカードを提出した。その人物は・・・・


「あら?あなたは初めて見る顔ね?それにあなたの周りにいる魔物たちは何かしら?」


流れるような緑色の髪をなびかせてかなり濃い顔に笑みを浮かべ、そのボディービルダー顔負けの肉体美を持つ体に革鎧を着込み、背には片刃の大剣を背負っている。


かなり濃いキャラをしているその人物は・・・・オカマであった・・・・

はい、作者初めての試みそれは・・・・オカマキャラの登場でした(笑)

オカマキャラってすごく存在感がありますよね。ONE 〇IECEのオカマキャラは男気溢れるキャラばかりで大好きです(オカマなのにw)特にボンク〇ー!


次回の更新も早めに更新できるでしょう。

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