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第四章  第十五話  海王国編13

海王国で鈴蘭の家族を見つけ仲間にできた霜葉たちは、冒険者活動を行うことにした。そのため、ギルドからの依頼でダンジョンでの素材集めの依頼を受けた。


大和に乗ってダンジョンがある島に辿り着くと大嵐で海に投げ出されたリトルラミアたちに遭遇。さらに運の悪いことに彼女たちはテンタクルスと言う狂暴な魔物の群れに追われ、大人たちが犠牲になり島に辿り着いたらしい。


彼女たちの事情を聴いた霜葉は仲間に誘い、彼女たちはそれを受け入れた。群れの長にリビュアの名を与え、彼女らと共にダンジョンへと向かう。


ダンジョン探索二日目。早々にルナが進化して、戦力を確実に増やす霜葉。その後も探索と伐採をしながら、現れる魔物を倒して素材を回収している。


なお、霜葉のパーティ以外は海で探索している者たち以外は、背負い籠を北斗たちカイロスたちが背負ってそれらに素材を回収している。籠がいっぱいになれば霜葉に連絡して回収してもらっている。


海で探索している大和たちは砂浜にいくつか集めて、ある程度集めたら霜葉に連絡している。地味に忙しい霜葉だが、体力等の消費はない。【箱庭世界】の出入り口を利用した移動ですぐに行動できるので。そんなことを続けていると・・・・


《個体名【新月】【三日月】【無月】のLVMAXを確認。条件達成。【存在進化】の効果で進化を行えます》


「お?」

『やった!』

『わ~い!』

『おお~』


今度は新月たち兄弟が進化できるようになった。お昼も近い時間帯だし、休憩もかねて全員を【箱庭世界】に集める。


「じゃあ、まずは新月から確認しようか?」

『わかった』


新月の進化先は・・・・


 【レッドスケイルベア】 ⇒ 【ドラゴンスケイルベア】

               【ヴォルケーノベア】

               【インフェルノベア】


 【ドラゴンスケイルベア】

 ドラゴンの鱗を纏った熊型の魔物。鱗の色によって属性が異なる。

 赤い鱗は火属性。


 【ヴォルケーノベア】

 溶岩地帯に住む熊型の魔物。溶岩の中を泳げるほどの耐熱性を誇る。


 【インフェルノベア】

 地獄の業火を宿した熊型の魔物。ブレスを吐きその熱はあらゆるものを溶かす。


なかなかに恐ろしい説明がある魔物が並ぶ。特に2番目と3番目はどこの悪役?みたいな感じだ。とにかく選ぶ権利は新月にあるので任せて、三日月と無月の進化先も確認する。



 【ホッパーウールベア】 ⇒ 【プリンセスウールベア】

               【ジャンパーウールベア】

               【マリンウールベア】


 【プリンセスウールベア】

 王女の名を持つもふもふの体毛を持つ熊型の魔物。

 その美しさから王侯貴族などが求めるが、戦闘能力も高く発見例も少ない。


 【ジャンパーウールベア】

 跳躍力が異常発達したもふもふの体毛を持つ熊型の魔物。

 かなりの高さまで飛び跳ねて獲物を下敷きにする。


 【マリンウールベア】

 海に生息するもふもふの体毛を持つ熊型の魔物。

 水中活動もでき、長時間の潜水も可能。



予想はしていたが、三日月はモフモフな変わり種の進化先が多い。次に無月のの進化先は・・・



 【クエイクベア】 ⇒ 【グランドベア】

            【タイタンベア】

            【フィールドホールベア】


 【グランドベア】

 大地の加護を持つ熊型の魔物。気に入った土地から離れない。

 その土地は緑豊かになるため、大地の守護者とも呼ばれる。


 【タイタンベア】

 山奥に生息する大型の熊の魔物。戦闘能力は高い。

 敵対者を追い詰めるまで逃がさないので、山の死神とも呼ばれる。


 【フィールドホールベア】

 穴掘りに特化した熊型の魔物。めったに地上に出ない。

 大地を荒らす不届き者には容赦しない。


無月に関しては見事に大地に関係した進化先が並んでいる。新月たちは三人で相談しながら進化先を決めるようだ。その間に霜葉はリトルラミア達とシルバーヴォルフ達と協力しながら、昼飯を作る。作り終わるころには結論が出たようだ。


『お兄さん。俺は【ドラゴンスケイルベア】になる!』

『私は、【プリンセスウールベア】!』

『俺は【グランドベア】・・・』


それぞれの理由は新月はドラゴンなら強いだろうと予想して。三日月は進化先に興味があって。無月はこの進化先なら【箱庭世界】の役立つのではと考えて。


個性豊かな考えがある中、無月の考えは正直なところ意外だった。それでも仲間のことを考えた言葉に霜葉はうれしくなった。そのまま進化を実行。新月はかなり変わったので変化が少ない三日月と無月を見る。


三日月はモフモフの体毛に包まれているのは変わらないが、その色が黄金色に変わりキラキラしている。霜葉が三日月に許可をもらい触ると・・・


「わ! すっごいね!」


びっくりするくらい肌触りがよく、モフモフ心地よい。霜葉はこのまま抱き着いて眠りたい欲求を抱いたが、何とか耐えた。実際に霜葉の次に仲間たちが三日月に群がったが、あまりの心地よさに何人かが寝ようとしたほどだ。


彼らを正気に戻して、次に無月を見てみる。大きさは変わらず体毛の色は赤茶色でツキノワグマのような模様が首にあるぐらい。しかし、無月がそこに居るだけで周りの植物が輝いているように元気になった。


そして、最後の新月だが・・・大きさが二人の2倍以上になり頭に角が後ろに向けて生えた。それ以上に存在感と言うか新月の雰囲気がかなり激変した。そばにいるだけで息苦しさがある。三人のステータスの方は・・・



  名:  新月


 種族: 【ドラゴンスケイルベア♂Lv1/50】


スキル: 竜爪撃 : 腕力強化Lv10 : 体力強化Lv10

   : 持久力強化Lv10 : 低燃費 : 身体強化・極

   : 竜鱗 : 鱗再生 : 体術Lv7  

   : 火炎耐性Lv3 : 火竜の加護 : ブレス(炎)

   : 竜角撃 : 竜牙撃 : 退化(配下専用スキル)



 【竜爪撃】 【竜角撃】 【竜牙撃】

 竜種に関連した魔物が持つユニークスキル。攻撃に自身の属性を付与できる。


 【竜鱗】

 竜種に関連した魔物が持つユニークスキル。物理、魔法術、属性に耐性を持つ。

 特に自身に関連した属性や魔法術はほぼダメージを受けない。


 【火竜の加護】

 火竜に関連した魔物が持つユニークスキル。竜に関連したスキルを強化する。

 また、火に関連したスキルも強化する。



  名:  三日月


 種族: 【プリンセスウールべア♀Lv1/50】


スキル: 爪撃Lv10 : 腕力強化Lv10 : 体力強化Lv10

   : 持久力強化Lv10 : 低燃費 : 耐久力強化Lv10

   : 体毛防御・極 : 不動の極致 : 跳躍力強化Lv10

   : 脚力強化Lv9 : 体毛再生・極 : 身体強化・極

   : 格闘術Lv1 : 体術Lv1 : 退化(配下専用スキル)


 【体毛防御・極】

 体毛による防御スキルの極み。物理、魔法術共に高い防御性能を持つ。


 【不動の極致】

 【不動】の上位互換にして最上位スキル。このスキルを持つ者を動かすのは

 不可能とすら言われる。



  名:  無月


 種族: 【グランドベアLv♂1/50】


スキル: 爪撃Lv10 : 腕力強化Lv10 : 体力強化Lv10

   : 持久力強化Lv10 : 低燃費 : 土魔法術Lv9

   : 大地の加護 : 魔力回復強化・極 : 魔力強化・極  

   : 地震操作 : 身体強化・極 : 大地の祝福

   : 格闘術Lv1 : 体術Lv1 : 退化(配下専用スキル)


 【大地の祝福】

 このスキルを持つ者が住み着いた土地はその者が死ぬまで豊かになる。



さすがにこのクラスの魔物になるといくつかのスキルが上位のスキルやユニークスキルへと変化した。特に新月はかなりの強化になっている。三日月と無月仲良くおそろいのスキルを覚えた。戦闘スタイルとしては新月が物理アタッカー。三日月がタンク。無月が遊撃と言ったところか?


今は三人とも自身の体を確かめている。三日月などは海に入るとモフモフの体毛が水を弾いて、ぷかぷかと浮かべるようになった。


『おもしろーい!』

『わ~! すっごいモフモフ!!』

『『『『すごい!!』』』』

『気持ちいいんだぞ!』

『『『『『ホントだ!』』』』


そしてそんな三日月に群がる子達。鈴蘭などは三日月のお腹の上に登っている。武蔵たちも三日月の体毛の肌触りに感激している。当の本人はスキンシップウエルカムなので嬉し気です。


『体が大きいから、今までの感覚で動かすと危ないな?』


一番体が大きくなってしまった新月は、今までの感覚との違いに困惑している。それを修正するために砂浜で体を動かしている。シャドーボクシングしたり、短距離走をしたりだ。


『ここは居心地がよくなった・・・ふぁ~』


無月は相変わらずマイペースに日陰で丸くなり、昼寝をしようとしている。ただ、その無月の周りではなんだか植物が生き生きとしている。日陰を作っているヤシの木などは明らかに先ほどよりも大きくなっている。ヤシの実も他の実よりも大きい。


試しに採ってみると今までのヤシの実より重く、中の果汁も味が濃厚でおいしい。他の子達にも上げてみると味がおいしくなったことに驚いている。


さらにシルバーヴォルフ達が管理している畑も変化していた。植物の色が濃くなり、瑞々しい匂いを感じる。それでいて青臭さはなく、すがすがしい香りが辺りを包んでいる。


「三人ともすごいね」

『ですな。私の知識にもない魔物ですが、能力を見るにかなりの強さを誇る個体です』

「そう言えばこの世界でドラゴンはやっぱり強いの?」

『魔物の中では最上位の存在ですな。ですが、めったに人前には現れず生息地を離れないのが殆どです。人の生活域に現れるのは、亜竜と呼ばれるドラゴンの中では最下級の魔物です』

「じゃあ、それを言えば新月はかなりすごいんだね」

『ええ、ドラゴンではない魔物がドラゴンと同等の力を持っていますからな』


話を聞くだけでとんでもない進化をした新月。とりあえずはその戦闘力を確かめるためにダンジョンで戦ってみることに。


霜葉の前で新月たちが戦うと強さがよく分かった。まず、三日月だが、能力的にタンクで相手の攻撃にビクともしなかった。むしろ攻撃した側が痛がる。それでいて攻撃能力も悪くなく、【格闘術】や【体術】で体の切れや小回りが早い。


無月も三日月ほどの防御能力はなくとも以前に比べて格段に強くなり、魔法術関連がすごく向上していた。

【地震操作】もピンポイントでの揺れを発生でき、使いやすさは格段に上昇した。


最後の新月だが・・・戦う前から襲ってきたウルフ系の魔物が新月を目にすると一目散に逃げだしてしまう。一目見てもわかるほどの実力差が逃走を選択させたようだ。


『残念・・・どれくらい強くなったか実感したかった・・・』


戦えないことにどこかしょんぼりする新月。これを目撃した霜葉は失礼ながら嬉しくなった。姿は大幅に変わったが、中身までも変わったわけではないと再確認できたから。


それにここでのレベル上げは、他の仲間たちがメインなので新月に関しては、よほどのことがない限り本来の姿では戦わないことにした。



その後の5階層の探索は順調そのもの。今日一日の終わりでは結構たくさんの素材を入手した。そのため一部はシルバーヴォルフ達用とリトルラミア達用の服の素材に残しておくことに。特にリトルラミア達は進化したら大人のレディになるだろうと予想しているので。


さすがに大人のラミアが裸同然の格好でいるのは、霜葉的にはよろしくないと考えた。その考えを納得させるのに苦労したが、とりあえず進化した後の服に残しておくことは納得してくれた。


その後に夕食をとるためリトルラミアたちと調理をする。彼女たちはなかなか物覚えがよく、霜葉の言うことをよく聞いて言われた通りに調理している。出来上がった和食一式を食べながら霜葉たちは話し合いをする。


「ここでの素材集めは十分だと思うから、6階層は素通りして7階層へ行こうかと思うんだけどどうかな?」

『よいかと思う。6階層ではあまり訓練になりそうにありませんからな』

『我々なら7階層の魔物とも戦えるかと』

『7階層なら進化する仲間が増えそうですし』

『俺たちも・・・同じ意見だ』

『おいらたちも回復魔法に慣れてきたのから、問題ないんだぞ!』

『私たちも今の体に慣れてきましたし、大丈夫です』

『連携も慣れてきたし、あたしらも問題ないよ』


リーダー格全員の意見が一致したので明日の予定を詰めて、今日のところはこれで終わりにすることに。明日から7階層を目指す。


その翌日。リトルラミアたちと朝食を作り、意気揚々と6階層へと降り霜葉たちは人海戦術で7階層への階段を探すのだが・・・なかなか見つからなかった。そのれもそのはずでなんと7階層の階段は巧妙に隠されていた。


「なんで今回に限って?」

『おそらく冒険者がやったと思います・・』

「冒険者が?」

『うむ。わしの生前でもたびたび問題視されておりまして。冒険者がダンジョンで同業者を妨害する行為を行うのです。悪質になると命まで奪う者もいました。ダンジョンでは人間の死体は魔物が食べるのでそう言うことは発覚しにくいのです』


生存競争の弊害と言う奴かもしれない。自身が手柄を立てるのではなく、他者を物理的に蹴落として上へと昇る。そんな行為をする者が居るのは異世界でも変わらないようだ。


「さすがに時間をかけすぎたから、探索は明日にしよう」

『それがいいかと』


これから探索を行うには時間的にも微妙なので、霜葉は切り上げることにした。

次回更新は未定です

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