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第四章  第八話  海王国編6

大和と武蔵たちを仲間にして本格的に海王国の旅を開始した霜葉たち。その最初の夜を終えた日にスティールクラブの大量発生に遭遇し、これを危なげなく撃破。 武蔵たちは【テイルドルフィン】に進化した。


大和に乗り、順調に進んでいると海賊船三隻に襲われている豪華な客船を発見。霜葉たちは助けに向かうことに。


まずは白夜と十六夜を客船に向かわせ、霜葉たち残りの戦力は海賊船を無力化することに。結構な数が残っていたが、新月たちと金剛一家にルナの戦力+霜葉の付与魔法術で危なげなく撃破した。


何人かの海賊が海に落ち客船の上客らしき人を人質に取ろうとしたが、武蔵たちの尻尾の一撃を受けて気絶した。


「「「きゅ!」」」

「「「ぶべ!?」」」


その後は上客を助けて一時的に海賊船に乗ってもらい、その護衛をルナに大和と武蔵たちに頼み残りの海賊たちを倒すために霜葉と新月たちに金剛一家が客船に乗り込んだところだ。


「なんだてめぇは!?」

「通りすがりの【魔物使い】です。あのアーケロンに乗って旅をしています」

「「「「はぁ!?」」」」


霜葉が簡単な自己紹介をしたら海賊はおろか冒険者と思われる人たちからも驚かれた。まぁ、世間一般では弱いとされる【魔物使い】がアーケロンに乗って旅をしてる言えばこうなるだろう。


「その途中で襲撃している海賊を目撃しまして、助けに来た次第です」

「感謝する! あとはこいつらだけなんだな!?」

「ええ、残りの海賊は海賊船で気絶して拘束しています」

「「「なんだと!?」」」

「「「助かる!」」」


残党の海賊たちは驚愕し、冒険者たちは予想外の援軍に喜んだ。


「まだ続けますか? 続けると言うのであれば容赦しませんが?」

「ふざけんなてめぇ!! 野郎ども! あのむかつく小僧をやっちまえ!!」

「「「「へい!!」」」」


残りの海賊たちは戦闘を続けるようだ。と言うわけで霜葉たちが本格的に参戦することになる。はっきり言って過剰戦力だが。


「ぐぅ!」

「ほげ!?」

「まぁ!」

「ぶはぁ!?」

「ぐる!」

「おぺ!?」


新月たち三兄弟に殴られ蹴られて吹き飛ばされて海に落ちる海賊たち。そのまま武蔵たちの尻尾を受けて気絶。


「「「「「モグモ~!!」」」」」

「「「「ぎゃあああ!!!」」」」


金剛一家の連携で次々と四肢に深い傷を受け行動不能になる。白夜と十六夜も次々と海賊を倒してゆく。海賊たちが降伏するまでにほとんどの海賊は死ぬか行動不能となった。




海賊たちを倒した後は船の責任者に霜葉たちは感謝されることに。


「いや、おかげで助かりました。こちらも交戦しておりましたが、何分予想以上に海賊たちの数が多くこのままでは危なかった」

「お役に立てたのでしたらよかったです」

「こちらからも感謝する。おかげで命拾いした」


その場には冒険者の代表として、大剣を背負った者もいた。彼らの後ろでは冒険者たちが互いの無事を喜び合い、乗客も助かったことを喜んでいた。海に落ちていた乗客も無事に戻って家族と抱き合っている。


「イルカさ~ん!」

「助けてくれてありがと~!」

「本当に助かったわ」

「「「きゅ・・・きゅ~」」」


武蔵たちに助けられた人たちは船の上で彼らにお礼を言っている。お礼を言われるのが初めてな彼らは照れているらしく、ヒレで顔を隠そうとして左右に揺れている。そんな姿も可愛いらしく女性を中心に黄色い声が上がっているが。


「そう言えば自己紹介がまだでしたな。私はこの客船の船長をしておりますベリーズと申します」

「護衛の冒険者の取りまとめをやっているライオだ。それとあそこで君の魔物たちと触れ合っているのは俺のパーティだ」


自己紹介でライオが言っているのは、安全になって新月たちや金剛一家と触れ合いたい女性や子供たちがお願いしてきた結果、彼らと触れ合う空間が出来てしまった。


「ところで拘束した海賊たちはどうしますか?」

「島に帰ったら犯罪奴隷にして、死ぬまで働くことになるでしょう」

「それと、こいつらはここ数か月間で規模を広げたベルストン海賊団だと思う。何人かを尋問して情報を引き出す必要があるだろうな」


ベリーズに続いてライオの言葉が気になった霜葉は詳しく聞くことに。その話で判明したのは近頃の海王国の海ではベルストン海賊団がたびたび客船や商船を襲っているらしく、特にここ最近は頻度が増しているらしい。


こいつらの厄介な点はあくまでも海王国国内の海で暴れていて、商王国へ向かう船には手を出していないことだ。商王国の船に手を出していれば海王国から協力要請が出せるが、商王国に被害が出ていない現状で協力要請を出せば足元を見られる。


具体的に言えば貿易品を安く買いたたかれる恐れがあるのだ。それを理解して部下に徹底させているのであれば海賊団を頭目はかなり頭が切れる輩と言うわけだ。


荒くれの部下が言うことを聞いているのもカリスマを持っているか恐怖で従えているか、どちらにして海王国にとっては頭を悩ませている問題だ。


「今回で拘束した奴らから情報を引き出せれば、奴らを一網打尽にできるかもしれない」

「そうですね・・・我が商会も被害が出ていますし、まずは島の領主様に報告ですな」

「では、僕たちも同行します。海賊たちは海賊船にでも放り込みましょう。一隻だけなら大和に押すか引っ張ってもらえますから」

「クワ♪」


霜葉の言葉が聞こえた大和は『任せて♪』と言う意味を込めて一鳴き。霜葉の提案を聞いたベリーズとライオは感謝しつつ行動を開始。海賊の死体は海に放り投げ、拘束している海賊たちは海賊船一隻に放り込んだ。残った海賊船は操舵技術のある船員と護衛の冒険者が協力して島まで帰ることに。


海賊船であり中型船であるが、海王国にとって船は貴重なので確保したいと言う理由からだ。それからの船旅は安全に進んだ。


なお、霜葉は大和の背中で生活している。時折は客船で料理をふるまったり、冒険者から話を聞いているが。現在もライオのパーティと甲板で話を聞いている。


「では、現在の海王国では新たな島の発見は停滞中と言うことですか?」

「ああ。忌々しいことに海賊たちが暴れているせいで低ランクの冒険者にも被害が出ているんだ」

「特に女性冒険者の被害が多くてな・・・俺たちの知り合いも連中にやられた。幸い逃げることが出来たが、他に被害が出てる」


霜葉はライオと同じメンバーである男性の槍使いであるバルザと言う人から、ここ最近の冒険者たちの動向を聞いているところだ。その話でもやはり海賊たちのことではあったが。なお・・・


「ミカヅキちゃん可愛いわ~♪」

「まぁ~♪」

「モグラさんたちもモフモフ♪」

「「「「モグ~♪」」」」


残りのパーティメンバーである狩人のティアルと魔法術師のタリアは三日月と金剛一家と触れ合っている。他にも乗客の女性や子供などが少数加わっている。


「ああ~すまんなソウハ?」

「いえいえ。三日月たちも嬉しそうですし、いつものことなので」

「いつもの光景なのか? これ」


真面目な話をしている中で和んでいるパーティメンバーの様子を謝罪するライオ。いつもこんなことになっている事実にびっくりしているバルザ。


「しかし、海賊たちがそこまで暴れているとなると僕も注意したほうがいいでしょうか?」

「う~んソウハの場合はそこまで警戒する必要はないんじゃないか?」

「そうだな・・・さすがの海賊たちもアーケロンにケンカを売るほど馬鹿でもないだろ」

「むしろ、どんどん無人島を見つけてほしいくらいだな」

「だな。最近は冒険者の活動自体が海賊たちのせいで落ち込み気味だからな・・・」


どうやら海賊たちの被害は海王国だけではなく冒険者たちからしても深刻なことのようだ。


「それほどですか・・・・」

「何しろ規模が違うからな」

「ああ、これまでは多くとも三隻の大型船くらいの規模の海賊団だったのが、いきなりほとんどの荒くれの海賊団が一つの組織になったからな。俺たちでも頭が痛い問題だ。国の上層部なんかも頭抱えてるだろうな」


確かにこれほどの被害が出ている現状は国の責任者からしたら何とかしたいことであろう。


「この国には一騎当千の強者がいると聞きましたが?」

「いるがまだまだ若く他の面々と比べると、圧倒的に経験不足だからな」

「それにカリスマ性と腕っぷしはあるが、頭使った作戦やら戦術やらは苦手だって噂だ」

「そっち方面は完全に海賊たちの方が上なんだろうな現状だと・・・」


確かに二人の言う通り海賊団を大きくしても決して尻尾をつかませない手腕や、ルールの徹底に海賊たちがいまだに暴れていることを考えると、戦略戦術方面は海賊側が一枚も二枚も上手と言うことだろう。


そんな話をした翌日。霜葉たちは海王国第二の島に到着した。と言ってもまずは客船が島に着きアーケロンのことを説明してもらった後に上陸したが。なお、上陸の許可を知らせる方法は旗振りだ。


真っ白い大きな旗が振られているのを見て、霜葉たちは海王国第二の島へと上陸する。


「上陸許可をしていただき感謝します」

「海賊たちを退治し、そのうえ生け捕りまでしてくれた功労者を無下にはせんさ」


霜葉の対応をしているのは茶髪の短髪をしたガイゼル髭が目立つ初老の男性だ。歳は結構重ねていそうだが、ピンと腰はまっすぐで無駄な脂肪はないと言う感じの体をしている。


「私はこの島を治めているローク・ライバートと言う者だ。立場としては侯爵だが、君はこの国にとって重要なことをしてくれた。感謝している」


そう言ってローク侯爵は頭を深く下げた。護衛と思われる軽装の鎧をしている者たちはそれに続く。


「どうか頭をお上げください。まだこの国に来たばかりですので困惑してしまいます」

「奴ら海賊団はそれだけこの国の者たちには問題だと言うことだ。その問題の解決の糸口がもたらされたのだ。頭を下げるぐらいなんでもない」


どうやら件の海賊団は冒険者の話以上にお国では問題になっているようだ。


「では、海賊たちはすぐさま尋問ですか?」

「そうしたいが、さすがにここでするのはな・・・尋問や拷問に長けた者が居ない。それに情報が手に入ったとしてもすぐに動ける余裕がない」


ローク侯爵は悔しそうに顔を歪める。もしかしたら彼の知り合いか親しい人間が海賊団の被害にあっているかもしれない。さすがに尋ねることは失礼なので霜葉は尋ねなかったが。


「だから、生きている者たちは首島に運ぶことにする。そこならそういことに長けた者が居るし、情報を手に入れればカルネ王女が間違いなく手勢を率いて向かうはずだ」

「王女自らですか?」

「知らないか? カルネ王女こそがこの国の一騎当千の強者で海戦においては最も強いと言われている」


その後はローク侯爵からお礼もかねて島に滞在中は、屋敷に泊まってほしいと言われ霜葉はお言葉に甘えることにした。その道中でカルネ王女のことを尋ね。


カルネ・クロージル王女殿下。海王国 クロージルにて一騎当千の強者と言われる女性で各国の強者の中では一番若く20代だと言う。女性の正確な年齢を聞くわけにはいかない。


海王国の王族は現国王陛下であるクーカス・クロージルとその妃へミリア・クロージル。その二人の間に子が二人いて長男であり国王継承者であるニルバーズ・クロージルが未来の海王国を背負う立場だ。


カルネ王女は軍の精鋭を鍛え率いている将軍の立場だ。ゆくゆくは兄を支えるために海王国軍のトップになる予定だとか。


そもそもカルネ王女が一騎当千の強者となったのは、彼女に戦い方を教えた師匠が一代前の一騎当千の強者だったのだ。各国の強者の中で最も経験豊富と言われた【知将】ダイダル・シューツワット。


人族で高齢であったため、自分の後継者を探していてカルネ王女の非凡の才能を見抜き、自身の戦闘技術を教えていた。あらかた教え終わって次に戦略戦術方面を伝授しようとした矢先にダイダルはこの世を去ってしまった。


カルネ王女は戦闘技術だけでもすでに海王国では一番の使い手であったため、その後は魔物退治や海賊討伐を積極的に行い戦闘経験を経て強者と呼ばれるようになった。


「しかし・・・ダイダル殿は戦闘も強かったが一番の強みはその戦術戦略の巧みさにあった。実際にかの吾人が海賊討伐の指揮をすれば死者ゼロで制圧することもあったからな」

「それは味方敵両方ですか?」

「その通りだ。その術を教え込むことができなかったのはダイダル殿にとっても無念だろう。もしそれをカルネ王女が学んでいたならば、海賊団に頭を悩ませることはなかったかもしれぬ・・・」

「それは王女もつらいでしょうね」


この霜葉の発言にローク侯爵は驚いた顔になった。


「どうかしましたか?」

「いや・・・君の言葉を聞いてカルネ王女のこれまでの行動に納得がいったのでな」

「行動ですか?」

「カルネ王女はダイダル殿が亡くなってから、がむしゃらにかんばっていたからな。周りが心配するほどに。その行動はダイダル殿の教えをすべて教わることが出来なかったことへの責任感からなのかもしれない」


そう言ってローク侯爵は天を見上げる。


「全く・・・こんなことに今まで気づかなかったとはな・・・これではダイダル殿に合わせる顔がないわ」


霜葉がローク侯爵の顔を見上げると顔から雫が落ちていた。霜葉はそのことを指摘せずに知らぬ顔をする。


その後はローク侯爵のお屋敷へと到着。お屋敷の料理人にチャーハンを教えることになったが、基本的にゆっくりできた。なお、今回鈴蘭は港で大和や武蔵たちと遊んでいる。可愛らしい鈴蘭と武蔵たちの遊び風景を黄色い声を上げながら見ていたとか。

次回の更新は未定です。

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