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序章 

どうも。性懲りもなく新作投稿した作者です。

最初に書いた作品でちょっとは慣れてきたと思い、異世界召喚系書いちゃいましたw

楽しんでいただければ幸いです。

~~~20XX年 6月 7日~~~



ここは私立高坂高校。この学校は日本で一二を争う大金持ち高坂財団が創設した学校である。この学校は普通科と専門学校並みの教育を受けることのできる専門科に分かれている。その専門科のは種類豊富であり、この学校で学べないものは無いとまで内外から言われるほどである。


そんな中の一つの学科にいる一人の生徒。この物語はその生徒が経験したとあることを語るものである・・・・




「みんな~お待たせ~ごはんだよ~♪」

「「「「わん!」」」」

「「「「にゅ~!」」」」

「「「「「「「!!」」」」」」」


定番の犬、猫の鳴き声から鳴くことがない動物までここに多種多様な動物がいる。犬、猫はもちろん兎、ハムスター、インコなどもいれば蛇、カメ、蜥蜴などなど珍しい動物も少ないが居る。


この場所は私立高坂高校の動物科。その動物保護施設で動物の専門知識や飼い方などを主に学ぶ専門科の一つだ。生徒がリクエストすれば、獣医学の専門知識から動物園の飼育員の心得なども教えてくれる。


私立高坂高校は普通科はともかく、専門科は学ぶ意欲があるならだれでも入学可能だ。と言っても簡単ではない。専門科は一年目の時に学力や授業に追いつけない者は問答無用で退学となる。テストなどで赤点になればその時点で退学とまではいかないが、非常に立場が悪くなる。無論、補修を申告したり次のテストで点数が上がれば、問題はない。


だが、そこから何もしようとしない人間を在学させておくほど寛容でもない。専門科はあくまでも学ぶ意欲のある者のための学科なのだ。したがって学ぶ意欲のない者は容赦しない。


そんな学校に在籍する彼は、名を動島どうじま 霜葉そうはという。名前的には女性に聞こえるかもしれないが、彼っと言ったからには男性である。


「ごはんはたっぷりあるから、慌てる必要はないよ~」


そう言って彼はここにいるすべての動物のエサを食べさせるべく。数が多い動物には大きなエサ入れに、小さな動物には専用のエサ入れに小分けして、どんどんとさばいていく。犬、猫だけでも20匹入るし他の動物も合わせれば40はいるだろう。しかもお腹の空いた動物だ。普通なら我先にと群がるであろうになぜかみな行儀よく待ってたりする。


「はい、これで終わり。皆食べていいよ~」


彼の言葉をきっかけにして待っていた動物たちは一斉に食べ始めた。不思議なことに蛇、カメ。蜥蜴などの人の言うことを聞かせるのが難しい動物までも彼の言うことを聞いている。


「・・・・相変わらず霜葉のエサ遣りの時だけは言うことを聞くんだな。こいつら?」

「ふふふ、しかたないよ。霜葉君の特技の一つだしね。」


施設の入り口でこの光景を呆れた口調で見ている男子と、その横でちょっと困った顔で見ている女子がいた。


「あれ?健吾君に裕佳梨ちゃん?いつからいたの?」

「霜葉がエサの準備している時だな」

「おはよう霜葉君」


この二人は男子は名を桂木 健吾。女子は水梨 裕佳梨と言う。二人とも霜葉の友人である。二人とは霜葉がこの学校に来た時に知り合いそのまま友人となったのだ。ちなみに二人は普通科で幼馴染で恋人同士でもある。


「しかし、お前も毎朝よくやるなぁ~こいつらのエサ遣り結構な重労働だろ?」

「そうかな皆おとなしいよ?」

「それはお前の時だけだ。他の動物科のやつがエサ遣りに来たらやかましいし、足元にまとわりつくぞ?」

「え~じゃあみんながここに用事がある時僕も一緒に来てっていうのは・・・」

「十中八九、霜葉君と一緒だとこの子たちがおとなしいからだね」

「・・・・ていうか、お前も早めに気づけよ」


霜葉は今の会話でもわかると思うがかなり動物に好かれやすく、また動物たちもなぜか霜葉の言うことはよく聞き、霜葉がいるとおとなしい。これは霜葉を知る者たちの間では有名である。霜葉がクラスメイト達の声掛けの目的を知って難しい顔をしていると・・・


「わん!」

「にゃ~」


霜葉の足元に食事を終えた子犬と子猫がまとわりついてきた。


「あ、二人ともご飯はもう食べた?」

「わん!」

「にゃ!」


そう言うと元気よく返事をする子犬と子猫。霜葉はこの二匹食べていたエサ入れを確認してきれいに食べていたので「えらいね~」と言って、身を屈めて二匹を撫で褒めた。


「わふ~♪」

「にゃ~♪」

「その二匹は霜葉にほんと懐いてるな~」

「確か、保健所から新しく送られてきた子たちだよね?」

「うんそうだよ」


ここにいる動物たちはほとんどが保健所から預かっている動物たちだ。動物科で学ぶ生徒たちのためにも動物と触れ合うことは必要だと高坂財団と保健所が話し合いここで保健所に居る何匹かをあずかることに決めたのだ。保健所としても動物科の生徒がここにいる動物を引き取ったり、または何かしらの特技を仕込みその特技が生かせる場所へと一緒に就職したりと言うこともあるので願ったり叶ったりなのだ。


「そいつらは霜葉が引き取るのか?」

「ん~この子たちは来たばかりだし、僕も動物関係の仕事はしたいけどまだどういう仕事に行くかは考え中」

「霜葉君は動物園の飼育係とか向いてると思うよ?」

「先生たちもそれを薦めてくるんだけど、他にも色々薦めてくるんだよね~」

「そう言えば、保健所の人にも誘われてたなお前」


霜葉は成績と言う点ではそこまで高くはない。むしろ下から数えた方が早かったりする。しかし、先生方からは期待されている。理由は動物に懐かれやすい才能もだが、かなり勤勉なのだ。むしろ今の動物科では一番の努力家と言ってもよい。教える方としても才能が有り努力も惜しまない彼に期待するのは当然であるといえよう。


ちなみに保健所から誘われた件では、他にも霜葉と言う人材が欲しい場所はある。動物に懐かれやすいというのは動物業界では喉から手が出るほど欲しい人材などである。


「近いうちには答えを出すよ。そろそろしたい職業の勉強に集中しなきゃいけないしね」

「そうか、がんばれよ?」

「ありがとう。そう言えば二人は何しに来たの?」

「今日は全校生徒集合で体育館でのあいさつがある日ですから。お誘いに来ました」

「あ、そっか」

「お前のことだから、ずっとここにいると動物たちに囲まれて身動き取れなくなるかも知れないからな。早めに行こうぜ」

「そうだね。この子たちを囲いに入れたら行こうか」


そう言うと霜葉は二匹を小さい子用の囲いに入れて、戸締りを確認してから施設を出た。動物たちは霜葉が出ていこうとすると鳴き声を出して引き留めようとするかのようだが、当の本人は違う意味にとらえたようで「いってきま~す」とのんきに返事していた。


ところ変わってここは高坂高校の体育館。高坂高校は全校生徒合わせて800人くらいの学校でその人数が入っても余裕があるように体育館も広めにに造られている。まぁ。高坂高校自体がかなりの規模の学校であり、生徒専用の寄宿舎はマンション団地であったりと土地も東京ドーム8個分の広さがあったりする。


なお三人とも寄宿舎生活だ・・・・三人とも初めて寄宿舎を見た時は驚いて口が開きっぱなしになったが。


「もう何人かいるみたいだね?」

「この分だと、早めに始まるかもしれないな」

「そうですね」


体育館にはもうすでに生徒が集まりだしていた。この学校は各科で人数にばらつきがあり普通科ですら高い授業料で人数は少ない。多いのは専門科で人気の高いところでは教室が7組もあったりする。そのため全校生徒の集会では決まった場所に並べと言うことはせずに自由に並ばせてある。


「パッと見半分くらいの生徒はいるみたいだし、そろそろ皆来ると思うよ?」

「・・・・この人数で半分くらいか」

「よくわかりますね。霜葉君?」

「だいたいの感覚だから、正確かどうかはわからないけどね?」

「いえいえ、半分で間違いありませんよ?」

「あ」

「「え?」」


霜葉の言葉に答える者が二人以外に居て、三人は後ろを振り返った。すると・・・


「「せ、生徒会長!?」」

「はい。おはようございます」

「おはようございます。聖夏先輩」

「「え~!?」」


健吾と裕佳梨は話しかけてきたのがこの学校の生徒会長で普通科3年の高坂 聖夏であることに驚き、また友人が生徒会長を名前呼びしたのに驚いた。ちなみに健吾と裕佳梨は普通科2年で霜葉は動物科2年である。


「ちょ!ちょっとどういうことだよ!霜葉!」

「霜葉君!生徒会長とお知り合いなの!!」

「うん。1年の時に知り合ってね」

「「初耳!!」」


二人が驚くのは二つほど理由がある。一つ目は高坂 聖夏が絶世の美女だからだ。流れるようにウェーブしている黒の長髪、目は鋭くしかし怖いという印象は与えないほどぱっちりと開いている。スタイルもトップモデルかと言うくらい出るとこは出て、引っ込むとこは引っ込んでいる。ついでに成績も優秀だ。


二つ目は名前で気付いた者もいるだろう。彼女はこの学園を創った高坂財団の一人娘だ。いずれは高坂財団を背負って立つ女傑となることは安易に想像できる。パッと見ただけでそれができるほどのカリスマが彼女にはある。


「霜葉君。そちらのお二人はお友達?」

「はい。1年のころからよくしてもらってます。男子は桂木 健吾。女子は水梨 裕佳梨さんです。もっとも卒業したら裕佳梨さんは苗字が変わるかもしれませんが・・・・」

「そ、霜葉君!?」

「あらら?と言うことは二人は付き合っているのね」

「霜葉!何言ってるんだ!!」

「でも、二人ともご両親も認めてるんでしょ?」

「そ、それは・・・・」

「そうなんだけど・・・・」


二人は恥ずかしそうに視線をあさっての方向に向けて、顔を赤くしていた。


「ふふふ、仲もいいようだし霜葉君の言うとおりになるかもね」

「ですよね」

「霜葉!後で覚えとけよ!!」

「じゃあ、忘れておくよ」

「おい!」

「け、健吾君落ち着いてよ」

「とりあえず、私も名乗っておくわね?知っているとは思うけど高坂 聖夏よ。霜葉君の友人なら私とも仲良くしてくれると嬉しいわ」

「は、はい存じ上げています!」

「き、恐縮です・・・・」

「そんなに緊張しないで。よければ今日の昼休みに一緒にお昼を食べない?霜葉君もどうかしら?」

「いいですよ?いつも二人と食べてますし、連れて行きますから。待ち合わせは食堂でいいですか?」

「ええ、お願いね」

「え、え~と」

「い、いいんですか?」

「もちろんよ。それじゃあこれで失礼するわね?今日の集会で私も挨拶があるから」


そう言って聖夏は壇上周辺でセッティングを行っていた生徒と先生らの集団に混ざって行った。


「おい霜葉?一体どうやって生徒会長と知り合いになったんだよ?」

「ん~僕は教えてもいいけど、念のため聖夏先輩にも教えていいか聞かないとね?」

「気になりますが、確かに確認は必要でしょう」

「おい、おまえ」


今度は三人に男の声で声がかけられた。振り返るとそこに居たのは生徒会副会長 東漸 清志だった。


「何か御用ですか?副会長」

「お前、会長と知り合いだからと言って調子に乗るなよ?」

「はい?」

「会長は誰に対してもあんな態度だ。勘違いしてよからぬ思いを抱くなよ。お前は会長にふさわしくない」

「えーと?」

「忠告はしたぞ」


言いたいことを一方的に言って彼は生徒会長の後を追いかけた。


「なんだったんだろう?」

「相変わらずだな」

「やな感じです」

「二人は知り合いなの?」

「直接の会って話したって間柄じゃねえよ?ただ、うわさが絶えないんだよ」

「?」

「霜葉君。副会長は東漸グループの次男よ」


ここで名が上がった東漸グループは高坂財団と何かと競い合っているグループ企業だ。高坂財団はこの学園を創った事や地域協力も率先して行い、評判のいい財団だ。一方の東漸グループはと言うと企業成績はトップクラスだがかなり強引なやり方でその成績を維持しているため、評判は悪い。黒いうわさも絶えずあまりお近ずきになりたくないグループなのだ。


「あれ?東漸グループの次男さんが高坂財団が運営している学校にいるの変じゃない?」

「それも当然いろいろうわさがある。一番有力なのがあの人が生徒会長と結婚を狙ってるんじゃないかってのがある」

「結婚?聖夏先輩と?」

「東漸グループは長男さんがいますから、次男であるあの人が東漸グループのトップに立つのは事実上不可能です。ですが、高坂財団の一人娘である生徒会長と婚約すれば高坂財団のトップに立つのは可能性があります。それだけではありません。高坂財団と東漸グループの合併も可能性が出てきます。そうなれば・・・」

「その功績で、次男であっても東漸グループのトップに立つ可能性も生まれる訳だね?」

「そう言うことだ」


霜葉は成績はいまいちだが、頭が残念なわけではない。この学校の平均が高いだけである。世間一般からしたら霜葉は十分に優秀なのだ。ちなみに二人がなぜ金持ちのうわさを知っているかと言うと、彼らの実家も一般の水準からすると十分金持ちなのだ。だからこそこの学校の普通科にいるといえる。


「でも、無理だと思うよ?副会長は聖夏先輩のおじーちゃんからしたら嫌いな人間だと思うし」

「「え」」

「呼んだかのぅ?」

「「校長!?」」

「あ、おはようございます。校長先生」

「そんな他人のように呼ばずに昔みたいにおじーちゃんと呼んでくれたまえ」

「ダメです。けじめはしっかりとしないと」

「やれやれ、そう言う所はあ奴そっくりじゃの?」

「「・・・・・」」


びっくりしすぎてもはや言葉がない二人である。その間も霜葉とこの学校の校長で高坂財団のご隠居 高坂 鋼乃城は話し続ける。


「まあよい。さっきの話じゃが東漸グループから聖夏の見合い話があったのは確かじゃよ?」

「あったと言うことは?」

「もちろん叩き返してやったわ。財団的にも、うまみのない話じゃしの。聖夏個人が見合いを受けたいと言えば話は違うが、聖夏も「いやです」とはっきりと言ったからのう」

「ですよね~」

「そうじゃ。霜葉君家に婿入りせんか?」

「はっはっは、冗談もほどほどに」

「むぅ~聖夏ももうチョイアタックすればいいものを・・・・」

「校長そろそろ生徒全員集まりそうですよ?壇上に上がった方がよくないですか?」

「おお、そうだの。ではな。霜葉君」


そう言って校長は壇上へと上がるために行ってしまった。


「・・・生徒会長もそうだが、時々お前の交友関係に驚くよな」

「ですね。ちなみに校長先生とはどういうお知り合いで?」

「うちのじいちゃんのお友達だよ?小さいころはじいちゃんの家に遊びに行けば結構な頻度で会ってたからもう親戚のおじーちゃんみたいな関係かな?」

「さっき婿入りせんかと言っていましたが?」

「僕が聖夏先輩と知り合ってから言うようになってね。多分冗談だと思うから気にしてないけど」

(どう思う?)

(多分、本気ではないかと。)

(少なくとも、高坂財団のご隠居には一人娘の婿として来てほしいと思われてると?)

(おそらくは、生徒会長がどう思ってるかはわかりませんが・・・)


二人は友人のもしかしてな未来を考えたが、結局は本人たちで答えを出すしかないと結論した。


それからしばらく経ち、全生徒が体育館に集合してこれから校長による学校行事定番の長話が始まるかと思われたその時!


「な!何だこの光は!!」

「まぶし!!」

「床にもなんか模様が描かれてるぞ!」

「なんか、魔法陣みたい?」


突然生徒たち全員を包む光が放たれた!床にはその発生源と思われる幾何学模様の円陣が描かれている。


「何が起きたんじゃ!」

「わ、わかりませんがとにかく避難を!」

「せ、生徒たちの下に行けません!み、見えない壁があるみたいにこれ以上進めません!」

「なんじゃと!」


先生たちは円陣の外にいたため巻き込まれていないようだが、生徒は一人残らず円陣の中に居て中には脱出しようと見えない壁を叩いている者もいる。


「な、何が起こっているの?」

「裕佳梨。とりあえず手を離すなよ!?何が起こるかわからないからな!」

「う、うん!」


健吾と裕佳梨もこの事態に不安でいっぱいであった。霜葉は二人の様子を確認すると二人は大丈夫と判断し聖夏先輩はどうかと探し始めたすると・・・


「ん?」


何やら足に何かがこすり付けてくるような気がする。気になり足に視線を向けようとした時には・・・・


「「「「きゃあああ~!!」」」」


光がさらに発光してもはや目が明けられない事態になった。そして光が収まった後には


――――生徒は一人もいなくなっていた。


「せ、聖夏!霜葉君!」


校長の名を呼ぶ声が空しく響いた・・・・

割と細かく書くつもりなので、展開は遅いです。あとこの作品は不定期で書きます。最初の作品も完結させないといけませんしね。


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