台所にあいつが出た
とってもつまらない日常生活の模様を27歳になりきって書いてみました。
あいつ・・・といえばあいつです。
感想など、いただけたら幸いです。
では、しばしのお付き合いを。
〇月〇日、月曜日、晴れ。
朝起きたら、あいつがいた。
「ゴ・・・ゴ・・・」
お母様方が見たら飛び上がる奴。無駄に綺麗に黒光ってる。
「ゴキブリぃぃいいい!!!!!」
私は声帯が潰れるほど叫んだ。慌てて新聞紙を取りにいく。
新聞紙を高速でぐるぐると巻く。ゴキブリ退治兵器完成。
「死ね死ねバカ!!!」
残酷な言葉を連発しながら、床をバシバシ叩く。
ちなみに私は動物、昆虫ともに好きだ。しかしこいつだけは許せない。
「退治完了!!」
息切れが酷い。あいつはペタンとくたばっている。
しかし、今井佳奈はふと思った。
――――こいつは私に、酷い事をしたことがあっただろうか。
――――なぜ私は何もしてないこいつを殺してしまったのだろう。
みなさん、よく考えてほしい。特に今、ゴキブリを退治中の方。
ゴキブリはあなたを苦しめたことがあるだろうか。
殺すことになにか意味があるのだろうか。
殺す前に、少し、考えていただきたい。
佳奈はそんなことに約10分ほど時間を費やしていた。
命について考えるのはいいことだが、それを27歳で初めて考えるなんて、ちょっと遅すぎないか。
そんなこんなでゴミだしに。ちなみに佳奈は1週間ほどゴミをためている。
アパートを出る。そこには大家さんがいた。
「27歳の若い女子が彼氏もつくらずなにをやってるのかね。私が若い時はそんなんじゃなかったよ。」
あいかわらず嫌味をとばしてくるババ・・・大家さんだ。
「大家さんには関係ないと思いますよ?」
佳奈は鼻で笑った。大家さんは負けじと言い返す。
「こんなアパートにすんでちゃモテないよ。」
じゃあお前なんでこのアパートの大家やってんだ。
あと少しでブチ切れそうになったが、大家さんの相手をしてる暇じゃない。
ゴミを出すことを忘れてはいけない。
しかし。
「あああぁぁぁーーーーーー!!!」
ゴミ収集車は、佳奈の目の前で通り過ぎた。




