表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/55

第4章-渭水編・第1話~決別~

 「……母様が、母様が曹操に……、殺されたんだ!」


 翠の絶叫に一刀は天を仰ぐ。後悔が彼の心を支配する。しかし、感傷に浸っている暇は無かった。


 「そんで、琥珀はんの敵討ちに出るって聞かへんねん! 一刀からも止めたってえや!」


 翠を羽交い締めにしながら霞が叫ぶ。その言葉で思い出したかの様に、翠は3人を振りほどこうと再び暴れ出した。


 「とりあえず、少し落ち着けって」


 激しく振り回される腕を抑えようと、一刀は両腕でつかんだ。だが、


 「うるせーっ!」


 という叫びと共に、物凄い力で吹き飛ばされてしまった。床に叩きつけられ痛む体を起こすと、側にいた詠が心配そうに手を貸してくれた。


 「大丈夫なの?」


 「ああ……。それよりも、どうなってるんだよ。琥珀さんが殺されたなんて話、聞いてないぞ」


 「ボ、ボクだって聞いてないわよ。さっき韓遂様から使いが来て、許昌に放っている間者から、曹操の殺害を企てたとして琥珀様が処刑されたと報告があったって……」


 詠も事態を把握出来ている訳では無いのだろう。見上げながら尋ねた一刀に対し、彼女にしては珍しく、歯切れ悪い言葉で返した。


 おかしい。詠の答えを聞いた一刀の率直な思いだ。


 一刀には情報という物の重要性が分かっていた。だからこそ、間諜の扱いに長けた詠が陣営に加わった後は、鷹那と3人で間者や斥候の質の向上に励んだ。正確で詳しい情報を早く入手する事は、大きな力となるからだ。


 韓遂軍の間者の質はもちろん分からない。だが、自分達が使っている間者より質が高いとは、一刀にはどうしても考えられなかった。


 しかし、そんな疑問よりも翠を止める方が先だった。放っておけば、1人でも許昌に乗り込まんばかりの勢いだ。


 「少しは冷静になれって。……その報告が正しいとは限らないんだし」


 ピタッと翠の動きが止まった。


 「……お前は、叔父上がこんな嘘を吐いたって言うのか?」


 「そうじゃない。ただ、間者の持ち帰る情報全てが正しい訳じゃないんだよ。相手を混乱させるために、わざと間違った情報をつかませる事もあるんだ。ともかく、うちも許昌には間者を放ってあるんだし、それが戻ってくるまで待ってくれ」


 「……そんなの、嘘かどうかなんて分からないじゃないか。なら、あたしは……!」


 「馬鹿な事言うな!」


 自分を押さえる3人を引き剥がそうとする翠に対し、一刀は大声で怒鳴り付けた。普段では見た事の無いその行為に、翠だけでなく霞達まで驚いて一刀に視線を注いだ。


 「そんな事をして、本当に琥珀さんが許昌に無事でいたらどうなると思ってんだ! 曹操に対して兵を起こしたりしたら、それこそ琥珀さんはただじゃすまないだろうが!」


 翠はグッと言葉に詰まる。確かに一刀の言う通りだった。


 あたしが軽率な行動をとれば、その責任は全て母様に行く。そして、最も影響を受けるのは西涼の民だ。だけど、もし本当に母様が殺されているとしたら。


 翠は唇を強く噛んだ。荒ぶる感情を必死に押し殺す。口を開いた時には、柔らかそうなその唇にすっかり歯形が付いてしまっていた


 「……分かった。お前の言う通り、ハッキリするまで待つ事にする。ただし、出陣の準備だけは進めるからな!」


 不満を隠し切れない翠は、足音高く部屋から出ていってしまった。とたんに部屋の中は、シン、と静まり返る。誰も何も口に出さない。


 激しく取り乱した翠がいたため、他の者は琥珀が死んだという事を噛み締める余裕も無かった。ようやく、その事を考えられる様になったのだ。


 どれ程の間そうしていただろうか。重苦しい雰囲気に耐え切れなくなった蒲公英が、わざと明るい声を上げた。


 「だ、大丈夫だよ、きっと。だって、あの叔母様だよ? きっと今ごろ、元気にこっちに向かってるよ」


 「……そ、そやな。あの琥珀はんが、こない訳分からん死に方するはずないな。ハハッ……」


 蒲公英と霞は渇いた笑いを響かせるが、他は誰も同調しない。すぐに笑い声は消え、再び静寂がその場を支配する。


 「……詠、間者からの報告の取りまとめを頼む。それと、関中へ間者を増やそう」


 「え? ……ええ、そうね、そうするわ」


 全員が気落ちし動揺する中、この可能性を知っていた一刀だけは、まだ冷静でいられた。今は少しでも情報を集め、これからの対応を考える事が重要だった。






 事態は一気に動き始める。その日、曹操の使者が武威を訪れた。


 玉座の間に通された使者とその従者に対し、翠達は威圧する様に取り囲む。それに気付かない程鈍感なのか、彼は怯む事もなくいっそ堂々としていた。


 「武威郡及び安定郡太守馬騰。丞相暗殺を企てた罪により斬首に処し、また、太守の任を解くものとする」


 そう言って使者の男は懐から何かを取り出し、翠の前に放った。キンッ、と高い音を立てて床で跳ねる。それを見て、一同は言葉を失った。


 去年の琥珀の誕生日に一刀が贈り、常に身に付けていた髪飾り。しかし、綺麗な琥珀の宝石が埋め込まれていたはずが、今はその輝きが無い。代わりに、赤黒いものが髪飾りを覆っていた。


 玉座から崩れ落ちた翠は膝をつき、水面からすくい取る様にして髪飾りを両の手に納めた。それを胸に抱く。怒りなのか、はたまた泣いているのか。俯いていたためにどちらなのかは分からなかったが、彼女の肩は小刻みに震えていた。


 その様子を興味無さげに見下ろしたまま、使者の男は、フン、と鼻を鳴らした。尊大な態度を崩そうともせず、書簡の続きを読み上げる。


 「なお、馬騰の娘馬超、ならびに姪馬岱。この両名は馬騰と図っていた可能性が高いため、このまま許昌までの出頭を命じる」


 言い切るか言い切らないかの刹那だった。


 いきなり立ち上がった翠。腰から護身用の短剣を引き抜くと、一瞬のうちに使者へと襲い掛かった。翠の振るった刃は相手の胸に鍔まで突き刺さり、本人が殺された事を自覚出来ない程の早さで息の根を止めた。一刀達には止めるどころか、言葉を発する間さえ無かった。


 「鷹那! こいつの首を落として、曹操に送り返せ!」


 驚きで声も出ない中、翠の怒声が響く。さらに彼女は従者の方に目を向ける。2人は恐怖で腰を抜かしていた。


 「お前達は生かしておいてやる。こいつの首を持って、とっとと帰れ! そして、曹操に伝えろ。母様の墓前に貴様の首を捧げてやるから、首を洗って待ってろ、ってな!」


 短剣を抜かなかったため、出血量は大して多くなかった。それでも、怒りに歪んだ顔には返り血が跳んでいる。2人は声も出せない程の恐怖に支配され、翠の言葉にただコクコクと頷くだけだった。






 こうして使者だったものとその従者が武威を離れるのと入れ違いになる様に、ある一団が街へと近付いた。天水郡の太守である韓遂と、彼の率いる軍隊だ。韓遂は兵を街の外に残し、自身はわずかな近衛と共に城へと入っていった。


 「叔父上、どうしてここに?」


 「決まっているだろう。お前は母の仇討ちをするんじゃないのか?」


 翠達は血で汚れてしまった玉座の間の掃除を侍女に任せ、今は主のいなくなった琥珀の部屋へと移っていた。琥珀がいつも腰を下ろしていた椅子は、空っぽのままだ。


 当然だ、と翠は力強く頷く。その目には、復讐の炎が燃えている。


 「もちろん、私も協力させてもらう。私の義姉だからな。それに、差し出がましいかとも思ったが、涼州の軍閥や豪族達にも兵を出す様に呼び掛けておいた。おっつけ合流してくるだろう」


 涼州にも漢朝から任命された州牧がいる。しかし、実質的に涼州をまとめあげていたのは琥珀だった。その彼女が曹操に討たれたのだ。周囲の豪族達も仇討ちへの協力は、やぶさかではないはずである。


 こうして準備を進める中で、琥珀の死は領民にも伝えられた。街中が悲しみと絶望に包まれる。韓遂に促され、翠はそんな民衆の前に立った。


 「あたしの母、馬騰は曹操に殺された。中原へと誘き出され、騙し討ちにされたんだ! 武人であった母は、大層無念だったはず。あたしもそうだ! 正々堂々戦って負けたのならともかく、こんな卑怯な手段で母を陥れた曹操を許しはしない! あたしはあの卑怯者の首を、絶対に母様の墓前に捧げてみせる!」


 悲しみに沈む彼らの前でそう誓うと、大きな喚声が上がった。悲しみは曹操への憎しみへと変わり、戦意は大いに高まった。人々の思いをその背に受け、弔い合戦を示す白装束に身を包み、翠の率いる馬超軍は韓遂軍と共に出陣するのだった。






 武威を発った時には馬超軍三万、韓遂軍二万、合計五万の軍勢だったものが、関中を目前にした今、涼州の豪族が合流したために十万近くにまで増えていた。


 翠達は今後の進軍計画を決めるための軍議を行っているのだが、総大将である彼女は一目で不機嫌と分かる顔をしていた。その理由は一刀にあった。この期に及んでもまだ進軍を諫める彼に、怒りを通り越して不信感すら覚えていた。


 一刀が進軍に否定的なのには理由がある。許昌に放った間者は戻ってきたものの、イマイチ情報があやふやだった。琥珀の処刑は公開されず、曹操から正式な発表があった訳でも無い。いつの間にか、許昌の街に噂話として広まっていたらしい。正確な情報はつかめてはいないのだ。一方、長安や潼関へと放った間者からは、変化無し、との報告を受けていた。


 琥珀を殺せば、その弔い合戦に兵を起こすのは想像に難くないはずである。にもかかわらず、関中に対して戦力の増強を行っていない。いくら袁紹との戦に戦力を傾けているとはいえ、曹操がこんな失策を犯すとは思えなかった。


 だが、翠は一刀のそんな説明を聞く事もせず、辛辣な言葉を投げ付けた。


 「この、腰抜け!」


 翠の放った単語と語勢に一刀は言葉を詰まらせる。それは、彼の事をよく知らない豪族達の心の声でもあった。そして、霞達ですらわずかにそう感じつつあった。


 怯んだ一刀に対し、翠の言葉はさらに激しさを増していく。


 「お前は母様から受けた恩を忘れたのか!? 母様のお陰で、今こうしていられるんじゃないのか!? ……お前は、恩知らずだ。恩知らずの腰抜けの、最低野郎だ!」


 バンッ、と机を叩きながら叫び、一刀を睨み付ける。思わず視線を外しそうになった。普段は一刀に対して絶対に見せない射抜く様な眼光に怯えた訳では無い。そう思われて当然な事を言っている、と恥じ入ったためだ。


 だが、何とか踏み止まった。自分が罵詈雑言を浴びせられる事で進軍を止めてくれるなら、と顔を上げ続けた。


 一刀は口を開く。しかし、それよりも早く韓遂が両者の仲裁に入った。


 韓遂にしてみれば、これ以上2人の仲をこじらせたくないという善意だったのだが、一刀にしてみれば、余計な事を、といった思いだった。結局、ここまで険悪な雰囲気になってしまったため、ここで軍議は打ち切られる事となった。


 ほとんどの者が出ていった後の大天幕には、翠と鷹那、韓遂の3人だけが残っていた。


 「翠、お前は涼州連合軍の盟主だろう。それが、全体の士気を落とす様な真似をするものじゃない」


 先程の態度に対しての注意を、翠は仏頂面で聞いている。しかし、内心では言い過ぎた事を後悔していた。一刀がそんな薄情な男でない事は分かっている。だからこそ、なのかもしれない。一刀に憤りを覚え、失望したのは。


 きっと、一刀ならあたしの気持ちを分かってくれる。母様の仇を討つために、最大限力を貸してくれる。そう思っていた。


 それが自分の勝手な思い込みだとは気付く事も無く、翠は一刀を叱責した。言い過ぎたのかもしれない。翠のそんな気持ちを見透かしたかの様に、天幕を出た直後、鷹那は声を掛けた。


 「姫、一刀さんのところに行かなくてもよろしいのですか?」


 「な、何でだよ。あたしは、間違った事を言ったつもりはないぞ」


 考えを言い当てられた感じがして、翠はばつが悪い。


 「別に、謝罪を、と言っている訳ではありません。一刀さんがあそこまで頑なになっている以上、1度冷静に話を聞いてみた方がいいのではないか、と」


 「ま、まあ、確かに話ぐらい聞いてやっても……」


 鷹那が言うから仕方無く、という体に出来る事に翠はホッとしつつ、一刀の天幕へと足を向けた。






 一刀に割り当てられている天幕には、彼だけでなく蒲公英や月達の姿もあった。


 翠同様、一刀の態度に対して不満そうな顔の蒲公英と霞に清夜。その様子に不安げな顔を見せる月。一刀の考えが理解出来るのか、詠はそのどちらでもなかったが、それでも彼の味方をする気は無かった。使者を殺し、軍を起こしてしまった今、もう進軍を止める事は不可能だからだ。


 コイツなら、当然それは分かっているはずなのに、どうしてここまで進軍に反対するのか。一刀を責める蒲公英達の言葉を聞きながら、詠はそう考えていた。


 「……アンタ、何でこんな頑なに反対するのよ。確かに腑に落ちない点は多いわ。けど、今さら軍を退けないのは分かっているでしょ?」


 3人に責められても、ほとんど何も言い返さない。そこには何らかの理由がある。だって、コイツは腰抜けなんかじゃないから。ただ戦うのが嫌で反対している訳じゃ無いから。


 詠が眼鏡越しに問い質す様な眼差しを向ける。蒲公英よりも小さい背丈。しかも、文官であるために武官である蒲公英より明らかに華奢な体つき。しかし、適当な話で誤魔化す事を許さない迫力が彼女にはあった。


 「……琥珀さんは、曹操の暗殺を企む連中を止めるために許昌まで出ていったんだ。なのに、どうして曹操に処刑されたのか。そこがどうにも分からないんだ」


 琥珀が自分を安心させるために嘘を吐いた、とは思えなかった。琥珀の死は額面通りではないんじゃないか。


 そんな一刀の考えは、霞に一蹴される。


 「んなもん、曹操が琥珀はんの罪をでっち上げたんやろ。もしくは、巻き込まれたか。どっちにしろ、曹操に殺された事には違いあらへんわ」


 その可能性は一刀も考えた。だが、何となく釈然としない物が残った。


 「ちょ、ちょっと待ちなさいよ。何でアンタ、そんな事知ってんの? ボクは、宮殿の落成式に出席する、としか聞いてないわよ?」


 詠の言葉でようやく周りもその事を疑問に思う。どういう事か、尋ねる様な視線が一刀に向けられた。


 さすがだな、とそこにいる全員に見られながら一刀は思った。詠なら違和感に気付いてくれるはず。その読みは見事に当たった。


 彼は琥珀に話した全てを皆に伝えるつもりだった。誤魔化すのではなく、正直に自分の秘密を話す。その上で、この戦が迎えるであろう結末を語り、彼女達にも進軍を諫める側に回ってもらおう。そう決意を固め、一刀は口を開いた。


 自分が天の国ではなく、未来から来た事。そのため、これから起こるであろう事をある程度予測出来る事。この話を聞き、皆一様に驚く、かと思ったが、話が突飛過ぎてついてこれないらしい。詠は理解している様だが、蒲公英と清夜は頭から煙を噴き出しそうだ。それでも一刀は話を続ける。


 「……あの夜、俺が琥珀さんの部屋を訪れたのは、琥珀さんが許昌に行くのを止めるためだった。俺が知っている歴史では、馬騰さんは曹操に殺されたから」


 「……けど、それやったらやっぱり……」


 完璧には理解し切れていないながら、霞が思った事を口に出す。それとほぼ同時に、天幕の入り口に掛かる目隠しの布が勢いよく跳ね上がった。


 驚いて、そこにいる全員の視線が入り口に集まる。だが、それよりも早くそこにいた人物は天幕の中へ飛び込んだ。


 「ぐっ……」


 一刀の口から呻き声が漏れた。彼は飛び込んできた人物――翠によって襟元を絞り上げられ、苦悶の表情を浮かべていた。


 「どういう事だ、一刀。お前は、母様が曹操に殺される事が分かっていたのに、それなのに母様を行かせたのか? お前は母様を見殺しにしたのか? ……どうなんだ、一刀!」


 「……ごめん」


 一刀の返事を聞いた翠は、クッ、と呟いた。否定して欲しかった。言い訳でもよかった。謝られたら、認められた事になる。


 「くそっ……、ちくしょーっ!」


 翠の心の中はぐちゃぐちゃだった。悔しいのか、怒りなのか、それとも悲しいのか。そんな事すら分からない。ただただ感情が溢れ、翠は一刀を殴り付けた。


 吹っ飛ぶ一刀。その体は柱に激突し、天幕が潰れてしまうのでは、と思わせるほどに激しく柱を揺さぶった。


 「……もう、お前の顔なんか見たくもない。……出てけ、出ていけ! 2度とあたしの前に顔を出すな!」


 倒れた一刀を見下ろしながら叫び、踵を返す。あまりの事に一同呆けてしまっていたが、ハッとした霞が翠の肩をつかんで引き止めた。


 「ちょ、ちょい待ち!」


 だが、振り返った翠の瞳に彼女は思わずたじろいだ。普段、翠が霞を見る瞳ではない。まるで敵を睨むかの様な、殺気すら孕んだ瞳だ。


 「霞も嫌なら出ていってくれて構わないぞ。これは、あたし達家族の問題だ。他人であるお前達に、無理に協力してもらおうとは思ってないからな」


 普段とは全く違う様子で冷たく言い放ち、肩に乗った霞の手を払う。


 「何っやねん! あの態度は!」


 そのまま天幕を後にした翠の背中に向けて、霞は悪態を吐いた。


 「ごめん」


 「は? 何で一刀が謝らなあかんねん。アホか」


 怒りの治まらない霞は吐き捨てる様に返した。多少の間の後、一刀はもう1度、ごめん、と呟いた。






 翌朝、長安に向けて進軍を開始した涼州連合軍の中に、一刀と月の姿は無かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ