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地獄の顔は何度まで?  作者: 安達夷三郎
第四章、都市王を探せ
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十七話

「じゅ、じゅうはってん......?」

テストの結果を前に、教壇(きょうだん)で気を失いかけていた。

結果表の中で赤字になっているのは英語。

何度見ても、18。

授業は真面目に聞いていたし、提出物も真面目にして提出したのに!?

私は半ば失神状態でふらふらと席に戻った。

「......18点?81点の間違いじゃない?」

近くに座っていた変成くんが愕然としている。

「うぅ......最近忙しかったからなぁ......」

亡者を送り還して、都市くんを探して、また亡者を裁いて......。

十王の中で一番初めに審判するから、結構多忙なんだよね......はは。

忙しさを理由にしたいけど、それにしても悲しすぎる点数に、ヤケクソになっている。

「楓くんはどうだったの?」

隣から覗き込んだ彼の成績表にギョッとした。

(全教科、満点!?)

美しすぎる数字の並びの眩しさに、サングラスが欲しくなる。

「何で......楓くんも私と同じで忙しかったのに」

「俺は第六だよ。大抵はあの人(閻魔)で結論ついてるよ」

「あー......確かに」

自分でも納得してしまう。

だって順番的に私達が裁いた亡者に最終決定を下すのは閻魔。そして、変成くんの裁判では六道......つまり次の生まれ変わり場所を決めるだけ。(それでも忙しいのには変わりない)

「俺は後半だからね。それに比べて真宵は最初だから忙しいよねー。お疲れ」

変成くんがまるでバイトを(ねぎら)うみたいに肩を叩いてくる。

(冥府学校では成績良かったはずなんだけどなー......)

「家帰ったら間違ったとこを直そっか」

「うん。そうする......」

変成くんの言葉に肩を落とした。

「ちなみに40点以下の生徒は夏休みの宿題以外にも課題が出てるぞ〜」

全ての成績表を配り終えた先生がそんなことを言った。

教室内には、赤点を逃れてバンザイする子や逆に悲鳴を上げながら机に突っ伏す子、悲喜(ひき)こもごもだ。

「他の教科も中々酷いね。英語以外はギリギリ赤点回避しているけど......」

グサッ!

鋭利な言葉が私の心臓に刺さった気がした。

「ま、課題頑張って」

変成くんが憐れみの目で肩に手をポンっと置いた。


「はぁぁぁぁ......」

机に広げたテスト問題とノート。

「疲れた〜、もうやりたくない......」

「まだ十分も経ってないじゃん」

変成くんが鼻で笑いながら問題集をめくる。

こっちは精神ズダボロなのに、言葉が容赦ない。

「そーいや三者懇談(こんだん)どうする?」

思い出したように言った聞き捨てならない彼の言葉に、私はペンを持つ手を止めて顔を上げた。

「三者懇談......」

テスト問題の間に挟まっている『三者懇談のお知らせ』という一枚の紙を見つけた。

「あ......明日の午後だ......」

あまりの衝撃に、思考が数秒固まる。

「......保護者役で閻魔に頼むしかないね」

変成くんの言葉に涙を流しながら頷く。

(閻魔......保護者役できるかな?)

「変成くんは?いつなの?」

「俺は三日後だから、まだ先だよ」

「同じ日じゃなかっただけマシだね......」

同じ日だったら閻魔が二回行かなきゃ行けないから、普通に先生にあれ、この人さっきも......って、怪しまれるよね〜......。

(まぁ、言ってみるか。保護者役をちゃんとできるか不安だけど......)

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