エピック61【高める】
「アッシュたち六神将はオラクルにいるべきだよ!」ジョンアイデルはハキハキと手を振り、笑顔で言う「なーに、心配するな!恩羅院大陸などでの試練は絶対にクリアしてみせる!」
アッシュは盾を担ぎながらハキハキと応える「分かった!オラクルでは次の手配を進めて待ってるぞ!無茶はするなよ、アイデル!」
アルエットは肩のココを撫でながら、少し切ないようでもある表情でハキハキと言う「ジョンアイデルさん、ジュダさん、気をつけて行ってきてください!魔獣たちも応援してるよ!」
他の六神将たちもそれぞれ激励の言葉を送り、ジョンアイデルとジュダは飛行船へと乗り込む——やがて飛行船は滑走路を駆け、大空へと昇っていった!
機内で舷窓から景色を見つめながら、ジョンアイデルはハキハキと言う「恩羅院大陸のアルカシティに帰り着いたら、おそらくは身体能力を極めないとな!今の俺は殆ど特殊能力だよりで、基礎が甘いところがあるんだ」
ジュダが隣に座り、ハキハキと尋ねる「身体能力の極め方…具体的にはどうするんですか?」
「アルカシティには古くから伝わる修練場があるんだ」ジョンアイデルは杖剣を手に取りながら目を輝かせる「そこで体を鍛え直し、特殊能力と身体能力を一体化させるんだ!これで本物の神格を目指すための力が完成するはずだ!」
やがて飛行船がアルカシティの空港に着陸し、ドアが開くと——街並みに馴染みの風景が広がっていた!
「着いたぞ、アルカシティ!」ジョンアイデルは先頭に立ってハキハキと叫び、飛行船から降り立つ「空気も懐かしい!すぐに修練場へ行こう!」
ジュダも足元を確かめながら降りてきて、ハキハキと言う「ここがアルカシティか…街全体に古代の魔導波動が流れてるんですね!修練場はどこにあるんですか?」
「山の麓にある『軍武の館』だ!」ジョンアイデルは道を指差しながら歩き出す「あそこは昔から戦闘技術と身体能力を極める場所として知られてるんだ!俺は本当の意味で体を鍛え直すし、ジュダも一緒に修練しよう!」
その時、クレティアが後から追いかけてきてハキハキと言う「ワタシはそうだね、因子なるものを取り込んでみるかな!」
「意外だね!」ジョンアイデルは振り返ってハキハキと言う。
「犬科系獣人の因子を取り込みたいかな!」クレティアはアクアマリンの指輪を撫でながらハキハキと笑う「精霊魔法や概念能力と獣人の俊敏さが合わされば、戦闘スタイルももっと広がるはず!」
「修練所近くに因子研究機関があるからそこですればいいな!」ジョンアイデルはハキハキと打ち合わせる「俺が身体能力を鍛える間に君は因子を取り込め!それでまた力が増すんだから、橙の神殿へ行く準備も万全になるぞ!」
「そうね!」クレティアは頷きながら歩みを進める「研究機関で手続きを済ませて、後は君たちの修練を見守るわ!」
ジョンアイデルとジュダは山の麓へと向かい、やがて巨岩に囲まれた「軍武の館」の門が現れた。門を開けると、荘厳なホールに三人の姿が佇んでいた——鎧を纏った戦神マルス、雷鳴を纏う武神タケミカヅチ、そして精悍な風格を持つ第三の存在。
「マルス神にタケミカヅチ神、それとあと一人は?」ジョンアイデルは杖剣を担ぎながらハキハキと尋ねる。
「私は修練の神トレティアスだ!」第三の存在はハキハキと言い、強固な手を差し出す「君が神格を目指すと聞き、マルスとタケミカヅチと共にここで待っていた!身体能力を極めるための修練を、我々が授けよう!」
「君はこう考えてるであろう身体能力の鍛錬をすべきと!」マルスは鎧の袖を弾きながらハキハキと言い、その声には戦場のような重厚な響きがある「特殊能力だけに頼るのではなく、体そのものを武器にする覚悟が必要だ!」
「身体能力には筋力・筋持久力・瞬発力・心肺持久力・敏捷性・平衡性・柔軟性・調整力がある!」タケミカヅチは雷光を纏う手を振りながらハキハキと説明する
「君はおそらくバランスよくがいいが、特に柔軟性、敏捷性、筋力を鍛えるべきだな!杖剣を使う君の戦闘スタイルにはこれらが欠かせない!」ジョンアイデルは力強く頷き「分かった!どんな修練でも受けて立つ!神格を目指す俺に必要な力を、教えてください!」
「神格者候補なら特殊な方法を取ろう、特殊な空間で行うのがいいだろう!」トレティアスはハキハキと言い、手を掲げるとホール奥に光の扉が現れる
「そこは時間の流れが異なる空間で、短期間で集中的に鍛えられる!」
その時、突如ホールに温かな光が差し込み、クラミツハとヘスティアの姿が現れた!
「待つのじゃ、鍛錬するにしてもキチンと休息などは必要じゃろうが!」クラミツハはハキハキと言い、手元に浮かべた癒しの光がホール全体を包む「体を壊しては元も子もない!修練と回復を両立させる方法を考えよう!」
「そうだ、マルス、タケミカヅチ、君たちのやり方だけじゃ不安だ!」ヘスティアもハキハキと付け加え、暖かい笑顔でジョンアイデルを見つめる
「身体能力だけでなく、心身の調和も神格者には欠かせない!私たちもサポートに加わる!」マルスは少し唖然としながらハキハキと言う「確かに…俺たちは修練ばかり考えてた!癒しと調和の力も必要だな!」トレティアスは頷き「それなら最適な計画が立てられる!特殊空間での修練に、癒しと調和の術を取り入れよう!ジョンアイデル、準備はいいか?」ジョンアイデルは拳を握り締めてハキハキと叫ぶ
「もちろんだ!全ての力を総動員して、身体能力を極めるぞ!」そしてジョンアイデルは、ホール奥に浮かぶ光の扉へと歩み寄る——扉の表面には時計の文字盤と人型が重なった精緻なエンブレムが刻まれ、輝きを放っていた。
「これが特殊空間への入り口か!」ジョンアイデルは手を掛け、扉がスーッと開くのを見届ける。中には広大な修練場が広がり、地面には身体能力の各要素を象った紋章が散りばめられていた。
「行くぞ!」ジョンアイデルは背筋を伸ばし、毅然とした表情で扉の中へと進んでいく。続いて足を踏み入れようとしたジュダだったが、扉から放たれる淡い光の膜に触れた瞬間、ポンと弾き飛ばされてしまった!
「ジュダついてきてるか?」入った途端、広大な空間に響く自分の声以外何も聞こえず、ジョンアイデルは振り返ると扉がすでに閉じていた。
「えっ!?さっきまでついてきてたのに!」ジョンアイデルは慌てて扉を叩こうとするが、手が光の壁に阻まれて届かない。外からはジュダの「ジョンアイデルさん!」という声が遠く聞こえるものの、中には一切伝わってこない——この特殊空間は神格者候補のみが入れるように設定されていたのだ!ジュダはふっとした間にエントランスホールに戻されており、床に座り込んでしまった。
「な、なんで……?」ジュダは慌てて体を起こし、閉じた扉を見つめる。
「そなたは神格者候補ではないからな!」マルスは大きく歩み寄り、ハキハキと言う「あの特殊空間は、神格を目指す者だけが入れるように仕掛けられている!無理やり入ろうとすれば、体に負担がかかるぞ!」
「鍛錬するなら別の方法がある!」タケミカヅチは雷光を纏う手をポンと打ち鳴らし、ハキハキと付け加える
「君はマギスターで解析再現の能力を持つだろ?軍武の館には他にも修練施設がある!俺たちが君専用の修練プランを立ててやる!」ジュダは少し落ち込んだ表情だったが、すぐに顔を上げて頷く「分かりました!ジョンアイデルさんが中で鍛えている間、僕もここで力をつけます!必ず助けになれるようになります!」トレティアスは頷きながら言う「その気持ちが大事だ!さあ、君のための修練場へ行こう!」
一方、特殊空間の中ではジョンアイデルが拳を握り締め「ジュダも頑張ってるんだろうな!俺も負けてられない!」とハキハキと叫び、修練場の中央へと歩み出した——厳しい鍛錬がいま、本格的に始まる!特殊空間の修練場には、様々な鍛錬器具が整然と並んでいた。大きなサンドバッグが天井から吊るされ、鉄製のダンベルやバーベル、バランスボード、柔軟性を鍛えるためのストレッチ機材などがそろっている。
「まずは基礎からだ!」ジョンアイデルは杖剣を脇に構え、ハキハキと言う。まずサンドバッグに立ち向かい、素手で連続してパンチを打ち込む——最初は力任せだったが、だんだんと体の軸を使った打ち方へと変わり、サンドバッグからは低い音が響く。続いて筋トレ道具を使い、腕や脚、体幹の筋力を鍛える。ダンベルを使った腕立て、スクワット、懸垂などをこなし、汗が額から滴り落ちても動きを止めない。
「柔軟性も忘れるな!」声が響くと同時に、ジョンアイデルは床に座り、脚を大きく開いて前屈みをする。体の芯から力を抜きながら限界まで伸ばし、筋肉が伸びる痛みにも耐えていく。やがてサンドバッグに杖剣を構え、切り込むような斬撃を加える——剛速い動きでサンドバッグが激しく揺れ、表面には剣の当たった痕が残る。
「まだまだだ!」ジョンアイデルはハキハキと叫び、再び筋トレ道具に手を伸ばす。特殊空間の時間は外とは異なり、集中して鍛えることで短期間で効果が現れると分かり、さらに力を込めて特訓に打ち込んでいく!アルカシティの郊外にある因子研究所へと移る。清潔な白い廊下を進むと、クレティアは白衣を着た研究員と対面していた。
「珍しいですね、あなたが来るなんて!」研究員は眼鏡を整えながら驚いたように言う
「いつもならジョンアイデルさんか他の方々がお越しですが、今回はクレティアさんご本人とは…」
「ワタシにワーウルフ系統の因子を入れてほしい!」クレティアはアクアマリンの指輪を撫でながらハキハキと言う
「精霊魔法や概念能力と組み合わせて、戦闘スタイルをもっと広げたいんだ!」研究員は少し驚いた表情を浮かべつつ、すぐに資料を手に取る
「ワーウルフ系統ですね…俊敏さと回復力に優れた因子ですが、適合性の検査が必要です。クレティアさんの体質との相性を調べさせてください」
「大丈夫、準備はできてるわ!」クレティアはハキハキと頷き、検査台に座る
「アイデルたちが軍武の館で鍛えている間に、ワタシも力をつけるの!きっときれいに適合するわ」研究員は機械を作動させながら言う
「承知いたしました!ではまず血液検査から始めましょう。適合性が確認できれば、因子導入の手続きを進めます!」研究員は検査機器のモニターを確認し終えると、ハキハキと言う「適合するのはカニャッツォ、グラッフィアカーネ、チリアットの力を持つものがいいですね、ちょうどよかった!これらの系統がクレティアさんの体質と完全に合致します!」話しながら研究員は部屋の奥にある大型の栽培カプセルを指差す。カプセルの中には美しいプラチナブロンドの髪を持つワーウルフが佇んでおり、腕から先と膝から下には艶やかな黒い狼の体毛が生え、狼耳と尻尾は柔らかなピンク色をしていた
「こちらがその力を宿したワーウルフの個体です」研究員はカプセルの蓋を開ける準備をしながら説明する「カニャッツォの俊敏さ、グラッフィアカーネの筋力、チリアットの魔導適性を併せ持っていて、クレティアさんの精霊魔法や概念能力との相性が抜群です!」カプセルの中のワーウルフは優しく瞳を細め、クレティアに向かって静かに鳴く。
「すごいわ…」クレティアは瞳を輝かせながら近づき「ワタシと一緒に戦う力になってくれるのね!」
「では、因子導入手続きを開始します!」研究員はハキハキと言い、機器のスイッチを入れる
「導入後はしばらく調整期間が必要ですが、きっとクレティアさんの望む力が手に入りますよ!」因子導入の手続きが完了すると、クレティアの体に静かに光が流れ——やがて膝から下、腕から先には検査室のワーウルフと同じ艶やかな黒い狼の体毛が生え、肌には力強い紋様のような模様が浮かび上がった。
クレティアは手首を回し、足元も確かめながらハキハキと言う
「こんな感じになるのね!思った以上に体が軽くて、力が湧いてくる感じがするわ!」研究員は計測器でデータを確認しながらハキハキと話す
「完璧です!因子が完全に定着しています。カニャッツォの俊敏さ、グラッフィアカーネの筋力、チリアットの魔導適性が全てクレティアさんの力と一体化しています!」
「試しに力を出してみるわ」クレティアは手を伸ばし、掌から精霊魔法の光を放つ——すると光が黒い体毛の部分に集まり、より強く安定した輝きを放った。
「すごい…精霊魔法や概念能力が以前よりもスムーズに使えるわ!」クレティアは嬉しそうに笑い「アイデルたちが軍武の館で鍛えている間、ワタシもこの力を慣らしておくわ!」
研究員は安全確認のチェックリストに印をつけながら言う
「ご使用は慎重にお願いします!調整期間中は体調に気をつけてくださいね!」特殊空間の修練場で筋トレとサンドバッグ訓練を終えたジョンアイデルは、汗を拭いながらハキハキと言う
「次はどんな特訓だろうか!」すると修練場の奥からゴゴゴッという重い足音が響き、目の前には異形の戦闘生物が現れた——二本足で立ち、筋肉質な体に厚い鎧を纏い、背中には大きなバズーカーの砲身を装着。頭は威風堂々としたライオンだが、尻尾はヘビのように細長く、先端には毒針のようなものが光っていた!
「これが次の相手か!」ジョンアイデルは杖剣を構え、体を構え直す。ライオンの瞳は鋭く輝き、バズーカーの砲身がジョンアイデルに向けられる——瞬く間に弾丸が発射される!
「くっ!」ジョンアイデルは敏捷に跳びかわり、床に大きな穴が開くのを見届ける。続いてライオンは肉球で地面を蹴り、拳を振り下ろす。ジョンアイデルは柔軟な体勢で回避しつつ、杖剣を敵の胴体に打ち込むが、鎧に弾かれてしまう
「こりゃ強い!」ジョンアイデルはハキハキと笑い、先ほど鍛えた筋力と瞬発力を駆使して戦いを挑む。ライオンのバズーカー射撃をかわしながら接近し、体の軸を使った斬撃や蹴りを繰り出す——特殊空間での特訓の成果が少しずつ現れ始めていた。暫くして、バズーカーを背負った二本足ライオンは大きく崩れ落ち、ジョンアイデルは杖剣を突き立てて立ち上がる。汗だくの体からは力強い精気が溢れ、呼吸も整っていた。
「俺には眠るは一体!?」ジョンアイデルはハキハキと叫び、拳を天に掲げる。すると体から淡い光が放たれ、肌にはこれまでにない紋様が浮かび上がる。その瞬間、修練場全体が金色の光で包まれ、高みから偉大なる存在が現れた——それはヤハウェだった!
「教えてやろう、君に眠るのは聖書由来であり聖魔の力である!」ヤハウェの声は全てを包み込むように響き渡る
「神と悪魔の力が混在するこの力を制御できれば、君は真の神格者へと至れる!」
「聖魔の力…か!」ジョンアイデルは目を見開き、体の中に流れる新たなる力を感じ取る。光と闇が混ざり合ったエネルギーが脈打ち、杖剣にもその力が宿り始めた!
「今こそその力を覚醒させる時」ヤハウェは手を掲げ、修練場に無数の光の玉が現れる
「これらを制し、聖魔の力を己のものにせよ!」ジョンアイデルは力強く頷き「分かった!眠っていた力を呼び覚ましてみせる!」とハキハキと叫び、新たなる試練に挑みかかる
ジョンアイデルは光の玉に手を伸ばし触れるが、触れた瞬間に光の玉は徐々に黒ずみ、やがて闇の塊へと変わってしまう。体には少しだけ重たい気持ちが残り、杖剣からも弱い闇のエネルギーが漏れ出す。
「それじゃダメだ!」ヤハウェはハキハキと言い、光の玉を全て静止させる
「君は闇の部分だけに意識を向けてしまっている!聖魔の力は光と闇が均衡してこそ成り立つものだ!片方に偏れば力は暴走し、君自身を蝕んでしまう!」ジョンアイデルは慌てて手を引き戻し、体の中を確かめる
「光と闇…均衡か!確かに触れる時に闇の方が力強く感じて、つい意識が行ってしまったんだ!」
「もう一度やってみよう!」ヤハウェはハキハキと促し、黒ずんだ塊を再び光の玉へと戻す
「今度は心に光と闇を同等に受け入れる覚悟を持て!君の中に眠る力は、君自身の在り方で変わるのである!」ジョンアイデルは深呼吸をし、心を落ち着かせて再び光の玉に手を伸ばす——今度は体の中で光と闇のエネルギーを同等に意識しながら、優しく触れようとする。ジョンアイデルは心に光と闇を同等に受け入れる覚悟を込め、今度こそ静かに光の玉に手を伸ばす——すると玉は黒ずむことなく、まるで生まれつきそこにあったかのように掌にぴったりとひっつき、優しい輝きを放ち始めた
「よし、これだ!」ジョンアイデルはハキハキと声を上げる。掌に宿った光の玉からは、光と闇が調和した温かなエネルギーが体中を巡り、先ほどの重たさは一気に晴れやかな力へと変わった
「見事だ!」ヤハウェもハキハキと称える
「これが聖魔の力の使い方だ!均衡を保ちながら己の力として取り込めば、どんな試練にも立ち向かえる!」すると掌の光の玉が徐々にジョンアイデルの体に吸い込まれ、肌の紋様がより鮮やかに輝き出す。杖剣にもその力が伝わり、刀身には光と闇が混ざり合った独特の輝きが宿った!
「この力…すごい!体が軽くて、しかも無限に力が湧いてくるような気がする!」ジョンアイデルは杖剣を振りかざし、空中に光の弧を描く「これで聖魔の力を制御できるようになったんだ!」
「まだまだだ!」ヤハウェは手を広げ、修練場に次々と光の玉を現す「全ての玉をこのように取り込め!そうすれば君の聖魔の力は完全に覚醒する!」ジョンアイデルは力強く頷き、一つひとつ光の玉に手を伸ばしていく——今や迷いはなく、光と闇を共に受け入れた強い心で、新たな力を掌握し始めていた。ジョンアイデルは光の扉へと手を掛け、スーッと開いた先へと歩み出す——すると軍武の館のエントランスホールに戻っていた
「ジョンアイデルさん!」ジュダが駆け寄ってきて、驚いたように目を見開く
「すごい…体から力強い光が出てるんですよ!」ホールにはマルス、タケミカヅチ、トレティアスの他、クラミツハやヘスティア、さらには因子導入を終えたクレティアまでが待っていた。クレティアは腕から先、膝から下の黒い狼の体毛を見せながらハキハキと言う
「アイデル、力が上がってるわね!ワタシも力をつけたから、今度は一緒に戦えるわ!」
「よし、待ってたぞ!」マルスはハキハキと声を上げる
「君の聖魔の力の覚悟、俺たちも感じ取っている!第一段階の達成は見事だ!」ヤハウェの声がホール全体に響き渡る
「君たちの力は次なる段階へと進んだ!橙の神殿で待ち受ける試練に備え、今こそ旅立つ時だ!」ジョンアイデルは仲間たちの顔を見渡し、力強く拳を握る
「分かった!聖魔の力を完全に覚醒させるため、橙の神殿へ向かおう!全員で力を合わせれば、どんな敵にも勝てる!」仲間たちはそれぞれ意気込みを見せ、軍武の館の門へと歩み出す——次なる試練への道が、今広がっていた。クリミナルデビル本拠点、地下数十メートルに構えられたテリオンの研究所。真っ暗な室内には冷たい青色の照明が点々と浮かび、魔導データを刻むスクリーンが壁一面に広がり、ジョンアイデルが聖魔の力を覚醒させる光景が鮮明に映し出されている。その中央に立つのはテリオン。鉄のように整った背筋と、無表情ながらも鋭い光を宿す瞳が、まるで暗殺者のような気配を放っている。片手には銀色のペン型杖を、もう片方には黒革表紙の手帳を握り、スクリーンに映るジョンアイデルの姿をじっと見つめている。
「なるほど、ジョンアイデルが聖魔の力をね、ならば、コイツを動かしてやる!」テリオンはハキハキと声を上げ、手帳の頁を静かにめくる。すると床面から巨大な培養カプセルがゆっくりと上昇してきて——中には頭部はカテドラルのような形状で、頂上には子羊の角が生えて背中には鳩のような翼が生えており、翼の先には魚のヒレがついて体は聖職者のようなローブを身につけているが、ローブはボロボロで血に染まっている。手にはくすんだ色の法杖と聖書を持ち、顔は苦悶に歪んでいるが胸にはロザリオがはめ込まれた感じでローブの表面にはステンドグラスのようなかんじの聖職者の鳥人が入った培養カプセルに手を伸ばす。テリオンは黒スーツのまま、手をボタンパネルにかざすとハキハキと声を上げる——
「よし、サセルドスハイデビラー、行け!」その声と同時に、培養カプセルの蓋がスーッと開き、中から現れた聖職者の鳥人“サセルドスハイデビラー”がゆっくりと立ち上がる。カテドラル型の頭部からは淡い光が放たれ、ステンドグラス調のローブが風を纏うように揺れる。すると研究所の一角に空間が歪み、渦巻く黒い光の塊からなるワームホールが現れる。サセルドスハイデビラーは翼を軽く広げ、静かにその中へと歩み込む——瞬く間に強い引力に吸い込まれ、光の残像さえも消え失せて転送されていった。場面変わり、アルカシティの中央広場に佇む軍武の館構内。橙の神殿へ向かう準備を進める仲間たちの周りには、荷造りをするスタッフや装備点検をする戦士たちの姿が見え、活気あふれる空気が流れていた。ジョンアイデルは聖魔の力を宿した杖剣を手元に置き、仲間たちの装備を確認しながら歩き回っていると、狼の体毛が腕から先、膝から下に生えたクレティアの姿に目を留め、ハキハキと声を掛ける。
「クレティアは狼の体毛が加わったか!」クレティアはその声に振り向き、黒く光る体毛を手で撫でながらハキハキと応える。
「どうかな?因子導入でこんな風になったけど、動きやすくて力もついたよ!」ジョンアイデルは近寄って体毛の質感を軽く触り、にっこりと笑いながらハキハキと言う。
「以前よりもかわいいよ!戦う時の強さと合わせて、カッコ良さもアップしてるね!」クレティアは少し照れたように鼻を鳴らしながら、拳を軽く握って力を見せる。周りのジュダやマルスたちも笑顔でこのやり取りを見守り、橙の神殿への旅立ちへの意気込みが高まっていく。周りの仲間たちも話に耳を傾ける中、ジュダが一歩前に出てハキハキと尋ねる。
「橙の神殿の前に時空神殿に向かうですか、なぜに!」ジョンアイデルは頷きながら、首から下げた紐に繋がるタンザナイトの指輪に指を触れ、静かに語る。
「時空の精霊、クラノスと契約しなくてはいかんからな。橙の神殿で待ち受ける試練には、時空を自在に操る力が必要になるとヤハウェから聞いていたんだ。この指輪がクラノスとの契約の鍵になるんだ」指輪からは淡い青い光が漏れ、空気の中に時空が歪むような微かな震動が走る。マルスが手を組んでうなずき、トレティアスも「その力があれば試練の攻略も格段に有利だ」と付け加える。仲間たちはそれぞれ準備を整え、次なる目的地・時空神殿への道程を確認し始めた。アルカシティの通り沿いにある小さなカフェテリアで、仲間たちが時空神殿への準備を最終確認していると、突然声が掛かった。
「あっ、ジョンアイデル、ちょうどいいところに来てもらいましたわ」
振り返ると、普段はあまり積極的に話しかけてこないマニスが、片手にカップを持ちながら微笑んで立っていた。
「マニス、お前が声かけるとは珍しいな」ジョンアイデルが驚いた様子で応えると、マニスはゆっくりと近づき、その表情を真剣に変えた。
「君には操りの魔法を伝授してもよさそうだね、だけど、この魔法は家系魔導書がないと引き継げないのよ、だから——」言葉を切り上げ、マニスはインベントリーから一冊の本を取り出した。表紙には赤と青と紫の鮮やかな縞模様が施され、古びた装丁からは魔力の香りが漂ってくる。
「これを託すわよ、家系伝授魔導書は一つだけじゃないからね。操りの魔法は、時空神殿や橙の神殿での試練できっと役立つはずよ」マニスは魔導書をジョンアイデルの手に丁寧に渡し、その瞳にはこれまで見せなかった誇りと信頼が宿っていた!ジョンアイデルは手元の三色縞模様の魔導書を軽く開き、ページに刻まれたオラクル王国特有の文字を見てから、ハキハキと声を掛ける。
「マニスって出身国、オラクルだろう!この魔導書の文字や魔力のかたちが、あの国の伝統を感じさせるよ」マニスは少し目を逸らした後、またジョンアイデルを見つめてハキハキと語り始めた。
「流石に分かるよね、そうだけど、でも——パペティアレ家は借金を背負った貴族という悪い評価を受けてるんだよ。アタシは立て直したい、そんな不浄な名誉を消すためにだから……幼い頃から努力したんだ。他の兄弟姉妹よりも何十倍、何百倍と幻力の鍛錬や元素魔法、操りの魔法の習得に勤しみ、それだけじゃなくて神聖魔法まで習得したんだ」語るマニスの瞳には、過去の苦労をしのぶような光と、未来への強い決意が宿っていて、周りのクレティアたちも静かに話に耳を傾けていた!ジョンアイデルは魔導書をしまい、マニスの目を真っすぐ見つめながらハキハキと言う。
「苦労したのは分かる、けど、拘る必要はあるかな?家系についた不名誉はそうそう消えないしな。独立するのも一つの手だと思うが——お前自身の名前で評価されればいいんじゃないか」言葉を続けるジョンアイデルの声には、温かな思いが込められている。
「パペティアレ家なんて名前じゃなく、マニスとしての力や人柄で認められれば、過去の評価なんてどうでもいいんだよ。今のお前が持つ魔法の腕前なら、きっと新しい道が拓けるはずだ」クレティアも傍らで頷きながら「そうだよ!ワタシたちも仲間として認めてるし」と応援の言葉を掛け、マニスは少し唖然とした後、柔らかな微笑みを浮かべ始めた。マニスは頬を少し染めながら柔らかな笑顔を広げ、その声にはこれまでにない明るさが宿っていた。
「なんか、心が軽くなったわ、ありがとう。やっぱりジョンアイデルって優しいわね!」そう言って、マニスはカップに残った飲み物を一気に飲み干し、再びジョンアイデルに目を向ける。
「独立するって言葉、アタシには新しい選択肢だったけど……それでも、家系の名を立て直すことも諦めないよ。でも今は、まずは橙の神殿と時空神殿の試練を乗り越えることが先だわ!アタシの操りの魔法も、きっと君たちの力になるからね」周りの仲間たちも笑顔でこのやり取りを見守り、アルカシティの空の下、一行の絆がより強くなっていく——




