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エピック47【開幕と第一試合の日】

格闘大会開催当日。晴れ渡る空の下、突如として雷号砲の音が轟き渡った。会場を包む熱気と興奮が、一瞬にして静まり返る。雷号砲は、単なる開幕の合図ではない。それは、この地を統べる権力者、あるいは特別な存在のみが使用を許される、畏怖の象徴。その音は、参加者たちに、この大会の持つ特別な意味を改めて認識させ、緊張感を高めていく。観客たちは、空を見上げ、雷号砲が放たれた方向へと視線を送る。その先には、荘厳な雰囲気を纏った、巨大な建造物がそびえ立っていた。雷号砲の音が、静寂を切り裂き、再び会場に熱気が戻ってくる。しかし、先程までの高揚感とは異なり、どこか張り詰めた、異様な熱気が会場を支配していた。マルスの声が、震えるように響き渡る。

「これより、格闘大会、開幕いたします!」雷号砲の音は、ジョンアイデルの心にも深く刻まれた。彼は、その音の意味を理解しているである。この大会は、単なる格闘技の祭典ではない。権力、陰謀、そして、自身の過去…、 全てが複雑に絡み合った、巨大な渦の中心に、彼は立っているのだ。

ジョンアイデルは、静かに拳を握りしめた。雷号砲の音は、彼の決意を、より一層強固なものにした。

「絶対に負けない…!」彼は、心の中でそう誓った。放送席から、マルスのハキハキとした声が会場に響き渡る。

「さあ、熱狂冷めやらぬ会場の皆さん!ここからは、今回の格闘技大会を彩る、注目の出場者メンバーをご紹介していきましょう!」マルスの言葉に、観客席からは、更なる歓声と拍手が巻き起こる。

「まず、最初に紹介するのは…ケルド・イオフィエル選手!軍人格闘技を得意とする、屈強なファイターである!」マルスの声に合わせ、会場の大型ビジョンにケルドの映像が映し出される。無表情で佇むケルドの姿に、観客からは、どよめきにも似た声が上がる。

「しかも、ケルド選手は、なんと3年以上連続出場!格闘技大会の常連とも言える存在なんです!」マルスは、興奮気味に続ける。

「そして、特筆すべきは、前回の戦歴!なんと、準優勝まで駆け上がった猛者なんです!これは、今回の格闘技大会でも、大いに期待できますね!」マルスの言葉が終わると同時に、会場は、割れんばかりの歓声と拍手に包まれた。ケルドの実力と実績を称える声が、会場中に響き渡る。

「ケルド!ケルド!」観客たちは、ケルドの名を叫び、その登場を歓迎した。マルスは、興奮冷めやらぬ観客席を見渡し、満足げに頷いた。

「さあ、ケルド選手!今回の格闘技大会でも、その実力を見せつけてくれることを期待しましょう!」マルスの言葉に、ケルドは、わずかに頷き返した。その表情は、相変わらず無表情のままだったが、その瞳には、静かな闘志が宿っていた。マルスは、興奮冷めやらぬ会場に向けて、次なる選手紹介へと移る。

「さあ、続いては…、ルミナ・ウリエル選手!2年以上連続の出場経験を持つ、実力派ファイターだ!」マルスの声に合わせ、会場の大型ビジョンには、可愛らしい狐耳を生やした少女である、ルミナの映像が映し出される。その愛らしい姿に、会場からは、先程とはまた違った、温かい歓声が沸き起こる。

「ルミナ選手は、150cmという小柄な体格ながら、狐の獣人としてのポテンシャルはピカイチ!その隠された力は、計り知れません!」マルスは、ルミナの魅力を語る。

「そして、ルミナ選手は、ミクスタッド古武術の使い手!その華麗な技にも、ご注目ください!」マルスの言葉が終わると同時に、会場は、ルミナへの期待を込めた拍手と声援に包まれた。

「ルミナ!頑張れー!」観客たちは、ルミナの名を呼び、その健闘を祈った。マルスは、笑顔でルミナに視線を送る。

「ルミナ選手!今回の格闘技大会でも、その可愛らしさと、秘められた力で、会場を魅了してくれることを期待しています!」マルスの言葉に、ルミナは、照れ臭そうに微笑み、小さく手を振った。その姿に、会場からは更なる歓声が沸き起こった。マルスは、間髪入れずに、次の選手紹介へと進む。

「さあ、続いては…萌愛・ジェレミエル選手!昨年から続いての参戦となる、注目の若手ファイターだ!」会場の大型ビジョンに、自信に満ちた表情の萌愛の映像が映し出される。そのスタイルの良さと、凛とした佇まいに、会場からは、熱い視線が注がれる。

「萌愛選手は、昨年、準々決勝まで登り詰めた実力者!その足技などと、素早い身のこなしは、見る者を魅了します!」マルスは、萌愛の戦歴と特徴を語る。

「今年は、一体どんな格闘を見せてくれるのか…期待が高まりますね!」

マルスの言葉が終わると同時に、会場は、萌愛への期待を込めた、熱い声援と拍手に包まれた。

「萌愛!頑張って!」観客たちは、萌愛の名を叫び、その活躍を願ったマルスは、萌愛に笑顔で手を振る。

「萌愛選手!今年も、その持ち前のスピードとテクニックで、会場を熱狂させてくれることを期待しています!」マルスの言葉に、萌愛は、力強く頷き、自信に満ちた笑みを浮かべた。その姿に、会場からは、更なる歓声が沸き起こった。マルスは、次の選手紹介に移る。

「さあ、次なる選手は…アリク・レギュラエル選手!三年連続出場の経験を持つ、実力派ファイターです!」

会場の大型ビジョンには、冷静な表情のアリクの映像が映し出される。その鋭い眼差しと引き締まった体つきに、観客からは期待と緊張感が漂う。

「前回は、惜しくも第二戦で敗退という屈辱を味わったアリク選手。だが、その悔しさをバネに、今回はどこまで上り詰めるのか…、注目が集まっています!」マルスは、アリクの過去の戦績と特徴を語る。

「彼の持ち味は、冷静な判断力と、鋭い足技など。そして、何よりも粘り強さ。今回の格闘技大会で、その真価を見せつけてほしいですね!」会場は、アリクの奮闘に期待を込めて盛り上がりを見せている。

「アリク・レギュラエル!さあ今年こそ、その実力を証明して、さらなる高みへと登りつめてください!」マルスは、笑顔とともにエールを送り、アリクに熱い視線を向けた。彼の闘志が、会場全体に伝わる瞬間だった。マルスは、興奮を抑えきれない様子で、次の選手を紹介する。

「さあ、続いては…レグ・ザドキエル選手!三年連続の出場となる、皆さんご存知の実力者だ!」会場の大型ビジョンに、鍛え上げられた肉体を誇示するレグの映像が映し出される。その自信に満ち溢れた表情に、会場のボルテージは一気に最高潮へと達する。

「レグ選手のスタイルは、ボクシング、キックボクシング、そしてプロレスなどを組み合わせた、独自の我流格闘技!その予測不能な戦い方は、対戦相手を常に翻弄します!」マルスはレグの独特なスタイルを解説する。

「そして、何と言っても、レグ選手は、前回の格闘技大会で、見事優勝を勝ち取った実力者!果たして今回も、その圧倒的な力で、頂点に立つことができるのか…!?」マルスの言葉が終わると同時に、会場は、割れんばかりの歓声と拍手に包まれた。

「レグ!レグ!レグ!」観客たちは、レグの名を連呼し、その登場を祝福した。マルスは、興奮冷めやらぬ観客席を見渡し、満面の笑みを浮かべた。

「レグ選手!今年も、その圧倒的な実力で、会場を熱狂の渦に巻き込んでくれることを期待しています!」マルスの言葉に、レグは、力強く頷き、ニヤリと笑った。その姿に、会場からは、更なる歓声が沸き起こった。マルスは、興奮を隠せない様子で、次の選手を紹介する。

「さあ、続いては…なんと!ミクスタッド国の次期女皇、クレティア・E・ミクスタッド選手!異名はメタトロン、格闘技大会、初参戦です!」会場の大型ビジョンに、気品あふれる美貌のクレティアの映像が映し出される。その凛とした佇まいに、会場からは、どよめきと期待の声が上がる

「クレティア選手の戦法は、竜化、そして各格闘技!竜化…、一体どんな戦いを見せてくれるのか、想像もつきません!」マルスは、クレティアの戦法に驚きを隠せない。

「次期女皇という立場でありながら格闘技大会に初参戦するとは…!その勇気と実力に、会場全体が注目しています!」会場は、クレティアの登場に、興奮と期待で最高潮に達している。

「クレティア選手!初参戦ながら、その秘められた力で、会場を驚かせてくれることを期待しています!」マルスの言葉に、クレティアは、静かに頷き、自信に満ちた笑みを浮かべた。その姿に、会場からは、割れんばかりの歓声が沸き起こった。

「そして、最後に登場するのは…カマエルの異名を持つ、ジョンアイデル・ジョースター選手です!彼の格闘技は、プロレス、日本武術、ミクスタッド武術、総合格闘技などを組み合わせた我流格闘技。そして、驚くべきことに、変身能力も持ち合わせています。果たして、その秘められた力はどれほどのものなのか…」マルスの声が終わると同時に、会場の照明が暗くなり、静寂が訪れる。次の瞬間、闘志を燃え上がらせながらジョンアイデル・ジョースターが入場してきた。彼は堂々とした足取りで中央に進み観客席を見渡すと、鋭い目つきで決意を燃やしている。その姿に、会場は一瞬の緊張と期待に包まれ、歓声と拍手が最高潮に達した。マルスは、引き締まった表情で、観客全体に響き渡るよう、ハキハキとルールを説明する。

「さて、いよいよ格闘技大会のルール説明に移ります!皆様、よくお聞きください!」マルスの声に、会場の興奮は最高潮に達し、静まり返る。

「今大会では、武器や凶器の使用、放出系魔法、デバフ魔法、およびそれに類する能力の使用は当然一切禁止とします!違反した場合は、即時失格となりますので、ご注意ください!」

マルスの言葉に、選手たちは真剣な表情で頷く。

「ドーピングおよびそのレベルでのバフ使用も禁止とします。フェアな戦いを心がけてください!」マルスは念を押すように、強く言い放つ。

「変身能力は使用可能です!また、コスチューム技も使用可能ですので、存分にその技を披露してください!」

マルスの言葉に、会場からは、歓声と期待の拍手が沸き起こった。

「それでは、選手の皆様は、絶対正々堂々、熱い戦いを繰り広げてください!そして、観客の皆様、熱い声援で、大会を盛り上げてください!」マルスは、最後に力強く宣言し、ルール説明を終えた。マルスは、興奮を抑えきれない様子で、ハキハキと告げる。

「さあ、皆様!盛り上がっている最中ですが、トーナメントの組み合わせが決まりました!」会場からは、どよめきと期待の声が上がる。

「まず、第一試合は…、なんと!期待の新人、ジョンアイデル・ジョースター選手と、昨年の準優勝者である、ケルド・イオフィエル選手の対戦です!」マルスの言葉に、会場は一気にヒートアップし、割れんばかりの歓声と拍手が沸き起こった。

「カマエルの異名を持つジョンアイデル選手と、実力者のケルド選手…!一体どんな戦いが繰り広げられるのか、今から目が離せません!」マルスは、興奮気味に、第一試合の見どころを語った。ケルドは、ハキハキとした声で笑顔を浮かべながら言う。

「ジョンアイデル、初っ端から俺と当たるとは運がないな」それに対し、ジョンアイデルもハキハキと返す。

「運がない?言ってくれるね」彼は気軽にストレッチを始めながら、闘志を燃やす目つきで相手を見据えている。二人の対戦が、いよいよ始まる瞬間に、会場は緊張と期待に包まれた。マルスは、会場全体に響き渡るような声で、ハキハキと宣言する。

「それでは、記念すべき第一試合…開始!」マルスの合図と共に、重厚な銅鑼の音が会場に鳴り響いた。その瞬間、会場のボルテージは最高潮に達し、割れんばかりの歓声と拍手が、選手たちを包み込んだ。いよいよ、格闘技大会の幕が切って落とされる。ケルドは、開始の合図と同時に、ハキハキとした声で叫ぶ。

「先手必勝!くらえ!レールガンタックル!」彼は、その言葉通り、目にも留まらない速さで一直線に駆け抜け、ジョンアイデルに強烈なタックルを繰り出した。しかし、ジョンアイデルは、ケルドの突進を冷静に受け止め、その勢いを逆手に取るように見事なバックドロップを繰り出した。会場からは、驚きと興奮の入り混じった、大きな歓声が沸き起こった。ジョンアイデルは、バックドロップを決めながら、ハキハキとした口調で余裕を見せる。

「直近ではボアベアを相手に特訓したんだから、それくらいの動きにはついてこれるぜ」対するケルドは、体勢を立て直しながら、ジョンアイデルの体格を見て、ハキハキと挑発する。

「体の柔軟さだけは認めてやる。男とも女ともつかないくらいのな。だが、軍人格闘技はまだまだこんなもんではない!」ケルドは、その言葉と同時に、ジョンアイデルの顔面に強烈なエルボーを叩き込んだ。ジョンアイデルは、ケルドのエルボーをまともに食らうも、怯むことなく、即座に反撃に出る。

「くっ…!」彼は、ケルドの腹に渾身の力を込めた蹴りを叩き込んだ。その瞬間、会場は静まり返り、観客たちは固唾をのんで、二人の攻防を見守った。ケルドは、間髪入れずに次の攻撃に出る。

「くらえ!ガトリングジャブ!」彼は、ガトリングガンの弾丸の如く、目にも止まらぬ速さで何発ものジャブを繰り出した。しかし、ジョンアイデルは、持ち前の柔軟性を生かし、最小限の動きでその全てを回避していく。会場からは、驚嘆の声が漏れ、ジョンアイデルの身のこなしに、観客たちは息をのんだ。ジョンアイデルは、ケルドの攻撃をかわすと同時に、カウンターを放つ。

「カウンターイグニッションブーツ!」彼は、自分の足に熱を帯びさせ、ケルドに強烈なビッグブーツを浴びせた。

「グワアァーー!あちぃっ、おい、これ、反則だろう!」ケルドは、苦悶の声を上げ、その場に崩れ落ちる。それに対し、アレスはハキハキとした口調でアナウンスする。

「ただ今のジョンアイデル選手の技は、サイボーグとしての性質によるものですので、反則ではありません!」会場からは、どよめきと興奮が入り混じった大きな歓声が沸き起こった。ジョンアイデルは、倒れ込んだケルドを挑発する。

「どうしたのですか?軍人格闘技って、そんなもんですか?」その言葉に、ケルドは怒りを爆発させる。

「調子に乗るな、このヤロー!」彼は、ジョンアイデルを力強くリフトアップし、そのまま、渾身の力を込めたボディスラムを繰り出した。会場からは、悲鳴にも似た歓声が上がり観客たちは、二人の激しい攻防に釘付けになった。しかし、ジョンアイデルは、ただでは終わらない。ボディスラムで宙に浮き、ケルドの手から離れた瞬間、彼は体を捻り、見事に着地を決めた。会場からは、驚嘆と興奮の声が入り混じった、割れんばかりの歓声が沸き起こった。ジョンアイデルは、着地と同時に、ハキハキとした口調で冷静に分析する。

「なるほど、だいたいは分かった」

彼は、縮地の術を使い、一瞬にしてケルドとの距離を詰めると、ケルドの腹、肩、喉に、容赦なく拳を叩き込んだ。その速さと正確さに、会場からは悲鳴にも似た歓声が上がり、観客たちは息をのんだ。ケルドは、ジョンアイデルの猛攻に、言葉を失い、咳き込む。ジョンアイデルは、その隙を見逃さず、ケルドを持ち上げると、アルゼンチンバックブリーカーを仕掛けた。会場は、静まり返り、観客たちは、ケルドの悲鳴が響き渡る中、固唾をのんで見守った。ジョンアイデルは、アルゼンチンバックブリーカーの体勢から、ケルドを容赦なく地面に叩きつけた。その瞬間、ステージギミックが発動し、小規模の爆発が起こった。爆風と煙が会場を包み込み、観客たちは、何が起こったのか理解できず、騒然となった。ジョンアイデルは、爆発で体勢を崩したケルドに対し、なんと次に金的キックを放った。ケルドは、想像を絶する激痛に、悶え苦しんだ。観客からはヤジや非難の声が飛び交い、会場はざわついた。

「今のは流石にスポーツマンシップないだろう」「やるなら正々堂々だろう」「卑怯だぞ、ジョンアイデル!」

しかし、ジョンアイデルはその言葉をまるで気にせず、冷静に受け流す。

彼の頭の中はただ一つ、「勝つためには有効打を入れる」それだけだった

ケルドは、激痛に耐えながらも、ハキハキとした口調で言い放った。

「これを使う羽目になるとはな…」 その瞬間、彼のコスチュームに赤いラインが浮かび上がり、彼自身がゴリラのような、屈強な姿へと変貌を遂げた。会場からは、驚きと興奮が入り混じった、大きな歓声が沸き起こった。観客たちは、ケルドの変身に息をのんだ。ジョンアイデルは、ケルドの変貌を冷静に見つめ、ハキハキとした口調で分析する。

獣化(ビーストランス)だな。どれほどのものかな」ケルドは、変身した巨体を生かし、ジョンアイデルに近寄らず、掌底を繰り出した。その掌底は、空気を圧縮し、物凄い衝撃の塊と化して、ジョンアイデルに襲い掛かる。ジョンアイデルはそれをまともに受けてしまい、吹き飛ばされた。ケルドは変身した姿で、口には鋭い牙が生えている。

「食らわせてやる!」彼は、その巨体を生かした、渾身のぶちかましを繰り出す。しかし、ジョンアイデルは、その牙を冷静に掴み、受け止めた。会場からは、信じられないという声が上がり、観客たちは固唾をのんで見守った。

「オラー!」ジョンアイデルは、ケルドの牙を掴んだまま、渾身の力を込めてケルドの顎に強烈な蹴りを叩き込んだ。ケルドは、顎に強烈な蹴りを食らいながらも、倒れることはない。

「猛獣系など体のデカい獣人はタフさが並大抵より高いんだよ!ジョンアイデル!お前も出し惜しみなんかするな!知ってるんだぞ!お前も似たようなことができることを!」ケルドは、ジョンアイデルに向かって叫んだ。観客たちは、ケルドの言葉に、さらに興奮し、ジョンアイデルに熱い視線を送った。「ジョンアイデルも似たようなことができる」というケルドの言葉は、一体何を意味するのだろうか?誰もが固唾をのんで、ジョンアイデルの次の行動を見守った。ジョンアイデルは、ケルドの挑発に、フッと鼻で笑った。その表情には、余裕さえ感じられる。

「なめられたものだ。このくらいの程度でいちいち魔竜化なんかしてられないんだよ」会場は、ジョンアイデルの意外な告白に、どよめいた。彼もまた、隠された力を持っているというのか…? 観客たちの視線は、再びジョンアイデルに集中した。ケルドは、ジョンアイデルの言葉に、闘志を燃やし、ハキハキとした口調で言い放った。

「ならば、出させてやるまで!」ケルドは、一瞬にして距離を詰め、渾身の蹴りを放つ。しかし、ジョンアイデルは、その蹴りを予測していたかのように、腕のみを魔竜化させ、蹴りを受け止めた。そして、ケルドの足を、いとも簡単にへし折った。会場からは、悲鳴にも似た叫び声が上がり、観客たちは、ケルドの身を案じた。ジョンアイデルは、ケルドの足が折れたのを確認し、冷静に問いかけた。

「続けますか?」ケルドは、激痛に顔を歪めながらも、ハキハキとした口調で答えた。

「降参!続けてたら身体を完全に壊されてしまう!負けだ!」ジョンアイデルは、無言で頷き、魔竜化した腕を元に戻した。会場は、静まり返り、ブザーが鳴りジョンアイデルの勝利を告げるアナウンスが高らかと響く。ケルドは、痛みに顔を歪めながらも、ハキハキとした口調で、ジョンアイデルに言い放った。

「相手の力量を測り損なったか。だが、次は負けない!」ジョンアイデルは、ケルドの言葉に、力強く答えた。

「俺は勝ち続けるぞ!名誉のために!」二人の言葉は、新たな戦いの幕開けを予感させ、会場は、再び熱気に包まれた。スポンサー席に座るリヴァイアサンは、静かに観戦しながらつぶやいた。

「やはり、ジョンアイデル。性別が男とも女ともつかとも。なるほど、魔族や一部の種族にしか現れとも性別である、中性か」その言葉は、戦いの行方に深い興味を示すとともに、ジョンアイデルの秘密に対する理解を示していた。観客たちも、その一言に耳を傾け、次なる展開に期待を膨らませた。ジョンアイデルは、勝利の余韻に浸る間もなく、スポンサー席の方に視線を向けた

「あれは、やはりリヴァイアサン。そして、その近くにいるのはマモーンとアスモディン…」ジョンアイデルはその三人の姿を認めると、表情を引き締めた。リヴァイアサン、マモーン、アスモディン…、 クリミナルデビルを代表する強者たちが、なぜここに? ジョンアイデルの胸に、新たな警戒心が芽生えた。その直後、リヴァイアサンたちは席を立ち、会場を後にした。彼らの行動は、一体何を意味するのだろうか? ジョンアイデルの心に、不吉な予感がよぎった。ジョンアイデルは迷いなく、はっきりとした口調で言った。

「追いかけるべきだな」その言葉とともに、ジョンアイデルはリヴァイアサンたちが向かった方向へと足を踏み出した。決意がみなぎるその背中には、これから待ち受ける未知の戦いへの覚悟が感じられた。ジョンアイデルは、アルカシティの広場まで出てきた。夜の帳が下りた広場は、街灯の光に照らされ、幻想的な雰囲気を醸し出している。しかし、ジョンアイデルの心には、そのような美しさを感じる余裕はなかった。リヴァイアサンたちの姿を探し、ジョンアイデルは広場の隅々まで注意深く視線を走らせた。ジョンアイデルは、周囲を見渡しながら静かに呟いた。

「どこに行った?」その瞬間、背後に気配を感じ、振り返ると、そこにアスモディンが静かに現れた。彼の鋭い目が、ジョンアイデルをじっと見つめている。ジョンアイデルは、アスモディンの姿を確認し、警戒しながらハキハキと尋ねた。

「アスモディン、お前だけか」アスモディンは、ジョンアイデルの問いに、冷静に答えた。

「マモーンとリヴァイアサン様は宿に向かって休んでる。君だけに話があるわけじゃないからね。今回は姉さま、ルミカとも話があるから」アスモディンの言葉に、ジョンアイデルは眉をひそめた。ルミカ… 彼女の名前が出てくるとは。一体、何が始まるのだろうか?アスモディンは、ジョンアイデルを促すように、近くのレストランへと案内した。レストランの扉を開けると、そこは落ち着いた雰囲気で、上品な内装が施されていた。アスモディンは慣れた様子で奥へと進み、予約席と思われるテーブルへとジョンアイデルを導いた。テーブルには、すでにクレティアとルミカが座っていた。クレティアは優雅に微笑み、ルミカは静かにジョンアイデルを見つめている。ジョンアイデルは、その光景を前に、緊張感を高めた。一体、この会合は何を意味するのだろうか?クレティアは、笑顔でハキハキと話した。

「アスモディン、珍しいね。あんたから呼び出しとは」一方、ルミカも負けじと、ハキハキと答えた。

「アスモディン姉さん、クリミナルデビルからまだ抜けないの?」アスモディンは、冷静に、しかししっかりと答えた。

「アテシにも考えがあるんだよ。今抜けると、進める計画も進められなくなるからね。それに、アテシは皇族の鍵を持ってる。姉さまが女皇になるにしても、ジョンアイデルが皇帝になるにしても、ミクスタッド家全員が揃わないとダメみたいだ。だけど、今はその時じゃない。まあ、自由には動けるほうだけどね。あと、気づいてるかな?ジョンアイデルが男と女の両方の特徴を持っていることに」その言葉に、空気が少し重たくなった。ジョンアイデルの秘密は、思った以上に深いもののようだ。クレティアは、真剣な表情でハキハキと答えた。

「魔族や一部の種族だけが持つ性別、中性、両性とも呼ばれる性別。性機能は雄と雌の両方を持ってるんでしょ?」その言葉に、場の空気が少し緊張感を帯びた。ジョンアイデルの秘密について、みんなが深く考え始めているようだ。アスモディンははっきりとした口調で言った。

「そうだよ。アイデルは外見は男寄りだけどね、エネルギーの質は男と女、両方の特徴を持ってるんだ」ルミカは、少し心配そうな表情を浮かべながら、ハキハキと尋ねた。

「しかし、身体は追いついてるんだよね、性別に」アスモディンは、真剣な表情でハキハキと答えた。

「確かにね、普通はないことだよ。男または女として育てられるのが普通だからね。」ジョンアイデルも、しっかりとした声で応じた。

「おそらくだが、親も俺が中性だってことを知ってるんだよ。服装も、どちらでも通用するものにしてたし。」その言葉に、みんなの視線が少し変わった。アスモディンは、ジョンアイデルの目をまっすぐ見つめ、ハキハキと言った。

「でも、アイデルがどんなであろうと、アテシは好きだよ。だって、アイデルはアイデルだから」ジョンアイデルは、少し感情を込めてハキハキと言った。

「ならば、クリミナルデビルから抜けろよ!」アスモディンは、少し悲しげな表情でハキハキと答えた。

「まだ無理なのよ…。アテシにも、やらなきゃいけないことがあるから」食事を終えたジョンアイデルたちは、レストランを後にした。楽しい時間だったけど、それぞれが抱える事情が少しずつ見えてきた。そして、アスモディンとの別れの時が来た。短い時間だったけど、彼女の言葉には深い意味が込められてた

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