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エピック36【エカトリア】

翌朝、ジョンアイデルたちはアルカシティの街並みを歩き、SMO副本部に到着した。前日の冒険で得た経験を活かすため、彼らは副本部の中へと進んでいった。ジョンアイデルは深呼吸をし、SMO副本部のメンバーに向かって言った。

「危険度の高い穢れが発生している場所は、エルトリアとミクスタッドの二つだけ、か。」ジョンアイデルの言葉に対し、ヤンロエルは現実的な状況を説明した。

「気持ちは十分承知しているが、クリミナル・デビルの知識は君とクレティアが一番だ。可能であればワルプルギスを投入したいが、周辺国の小さな穢れから大きな穢れまで対応する必要がある。現在、待機しているワルプルギスはアル・ミカエル、舞華、ルミカ、ゼレスのみだ。」ジョンアイデルは決意を込めて言った。

「次はエカトリアへ向かおう。アフリカ大陸にあることは知っているが、どんな国なんだ?」シャウラは情報を提供した。

「転移前の世界の情報だと、エジプトに当たる場所っすね。砂漠が広がる地域で、昼は耐えられないほど暑く、夜は凍えるほど寒いので、両方に対応できる服装を準備する必要があるっすよ。」シャウラの言葉に頷き、クレティアは次の敵について考えた。

「エカトリアにはイーラがいるのね。やっぱり、憤怒の力を持つ相手か。」クレティアの言葉を受けて、ジョンアイデルはアルに声をかけた。

「アルさん、エカトリアに一緒に行ってくれませんか?」ジョンアイデルがアル・ミカエルに声をかけると、アルは嬉しそうに言った。

「あらあら、私でいいのかしら?舞華さんやゼレスくん、ルミカさんもいるのに。」アルの疑問に対し、クレティアは答えた。

「舞華さんたちは、ミクスタッドの任務のために温存しておく必要があるの。」クレティアがミクスタッドの件について説明すると、ジョンアイデルは次の行動を決めた。

「エカトリアへは空から行こう。現地では砂漠を移動する必要があるから、それに適した手段を探す必要があるな。」飛行ルートが決定し、ジョンアイデル、アル、クレティアは飛行船艦に乗り込み、エカトリアへと旅立った。飛行船艦が滑走路を走り出すと、ジョンアイデルは体をほぐすために柔軟体操を始めた。それを見てクレティアが言った。

「アイデルって、たまに女性のような雰囲気を醸し出すことがあるわね。その体の柔軟性もそうだし。魔族の血の影響かしら?」クレティアの言葉を受け、ジョンアイデルは答えた。

「魔族には中性的な存在もいるからな。血を引いた者には、そういった特徴が現れることもあるんだろう。」ジョンアイデルとクレティアの会話が終わると、アルは突然、話に加わった。

「そういえば、レグがジョンアイデルのことを、女性のようなところがあると言っていましたわ。最初は意味が分かりませんでしたが、確かにジョンアイデルの匂いは確かに男性とも女性とも区別できない独特なものですね」アルの発言を聞き終わるとジョンアイデルは冷たい口調で言った。

「人の匂いを許可なく嗅ぐのは控えてもらいたい。」機内での騒がしさが一段落した頃、飛行船艦は目的の場所、エカトリアに無事に到着した。エカトリアに着くと、ジョンアイデルは迅速に移動手段を手配した。

「このには飛行船艦には武装クワッドバイクが2台あるはずだ。私とクレティアが一台に乗り、アルさんには別の一台に乗ってもらおう。」ジョンアイデルは、クレティアと共に武装クワッドバイクに乗り込み、アルも別の一台に乗り、砂漠の中へと進み始めた。ジョンアイデルたちが武装クワッドバイクで砂漠を進軍していると、突然、数発のロケットランチャー弾が襲い掛かってきた。突如の攻撃に対し、ジョンアイデルは即座に反撃の準備をしながら、攻撃のあった方向を確認した。そこには、ラクダやデザートバギーなどに乗った多数の武装した者たちが、頭にバンダナを巻き、こちらを睨みつけていた。ジョンアイデルは、ロケットランチャーを撃ってきた集団を見て、状況を把握しようとした。

「クリミナル・デビルとはまた違う意味で面倒な相手だな。砂賊ってやつか。」武装した集団の中から、異様な雰囲気を放つリーダー格の人物が、サソリの尻尾を揺らしながら宣言した。

「ヤイヤイヤイヤイヤイ!オラたちの縄張りに入ってくるとはええ度胸やな!砂賊、マッドデザート団の恐ろしさを見せてつけやる!そして、イーラ様のもとに貴様らを連行してやる!」ジョンアイデルは、砂賊の言葉から彼らの背後にクリミナル・デビルがいることを察知し、言った。

「こいつら、クリミナル・デビルの息がかかってるのか。邪魔するなら徹底的に叩き潰す。」ジョンアイデルは素早くボタンを押し、武装クワッドバイクを出現させた。クレティアは迷うことなくバイクに飛び乗り、アクセルを開けた。アルは、冷静に武装クワッドバイクの操作盤からミサイル発射ボタンを見つけ押した。発射された追尾ミサイルは、砂塵を舞い上げながら砂賊たちを追いかけた。ジョンアイデルは、最新型のライダースーツを颯爽と着こなし、クワッドバイクに乗り、戦場の中心に立っていた。その姿は、希望を与える英雄のようだった。ジョンアイデルを追いかける者たちは、まるでショッカー戦闘員を思わせる黒ずくめの服装で身を固め、異様な雰囲気を醸し出していた。ジョンアイデルがブレードボタンを押すと、ハンドルと車輪の中心から鋭い刃が出現する。これにより、クワッドバイクは一瞬にして攻撃的な戦闘車両へと変貌する。ジョンアイデルは、自信に満ち溢れた声で戦闘員たちに言った。

「さあ、かかってきなさい!」戦闘員たちが我先にと突撃してくる中、ジョンアイデルは神業とも言える急旋回を披露した。洗練されたテクニックに戦闘員たちは為す術もなく、岩壁に激突し散っていった。クレティアたちも、砂漠の戦いに慣れた様子で砂賊たちを蹴散らし、見事に全員撃退した。砂漠に平和が戻った束の間、ジョンアイデルとクレティアたちは、首都カーヒラへ向かうためクワッドバイクに跨り、砂塵を上げながら進んでいった。ジョンアイデルたち三人は、長旅の末にカーヒラに到着し、その賑わいに目を見張った。その街は、転移前の世界で言うカイロと同じように、多くの人々で賑わっていた。ジョンアイデルは、鋭い視線で街を見据え言った。

「この街には、古代の王が生存している可能性があるな。」ジョンアイデルの言葉が響き渡ると同時に、信じられない光景が広がった。なんと、彼らの目の前に気品溢れる人物が姿を現したのだ。

挿絵(By みてみん)

高貴な人物は、ジョンアイデルに興味深そうな視線を向け、穏やかな口調で言った。

「ふむ、私は君主を退き、各地を旅していた身だが、まさか、そなたのような珍客に出会うとはな。お主の名を聞かせてもらおうか?」ジョンアイデルは、高貴な人物に対し、礼儀正しく自己紹介した。

「俺は、ジョンアイデルと申します。」ドミネストは、ジョンアイデルの名前を吟味するように繰り返し、深遠な知識を覗かせた。

「ジョンアイデル、か。意味深い名だ。私はドミネスト。古の時代、ミクスタッドを統べていた者。今は魂を新たな器に移し、再びこの世界を彷徨っている。お主からは龍、精霊、吸血鬼、魔族、天族、あらゆる種族の力が複雑に絡み合っているのを感じる。そして何より、男とも女とも言い切れない、両性具有の気配を強く感じる。」ドミネストは、ジョンアイデルの存在に魅了されたかのように、少しも目を離さず彼をマジマジと観察し始めた。ジョンアイデルはドミネストの視線に居心地の悪さを感じ、少しためらいながら言った。

「あの、その…、そんなにじっと見られると、ちょ、ちょっと恥ずかしいです。」ドミネストは、ジョンアイデルを見ながら、思わず本音を漏らした

「魔族は、何度見ても可愛い。お主も、本当に可愛らしいな。」ジョンアイデルは、ドミネストに対し、冷静さを促すように言った。

「おふざけは置いといてください。今はクリミナルデビルの件で手一杯なんです。」ドミネストは、ジョンアイデルに対し、深刻な事態になる可能性を示唆した。

「クリミナルデビル、か。奴らの悪行は耳にしておる。穢れを拡散させておるようだが、実はそれ以上に深刻な事態を招きかねん。奴らの行動は界域そのものを揺るがす可能性があるぞ。」ドミネストは、ジョンアイデルに対し、頼りになる存在であることを示した。

「私の力を頼ると良い。必ず力になろう。」ジョンアイデル、クレティア、ドミネスト、アルは、賑わいを見せるカーヒラの街を、互いに言葉を交わしながら散策していた。一行はカーヒラを抜け、キザ地区へと足を進めた。視界が開けると、突如、三つの巨大なピラミッドが現れた。それらは俗に言う三大ピラミッドだった

ジョンアイデルたちは、三大ピラミッドの周辺を注意深く調べることにした。方位磁石のように、南にクフ、西にカフラー、東にメンカウラーが位置している。しかし、それだけではなかった。北と中央にも、正体不明のピラミッドが存在することに気づいた。

ジョンアイデルは状況を打開するため言った。

「北と中央のピラミッドについて情報がないな。うーん、手分けして調査するか?」アルは制止するように言った。

「待ってください。それは罠かもしません。戦力を分散させることで、各個撃破を狙われる可能性があります。中央のピラミッドから強烈な穢れを感じます。警戒すべきです。」ジョンアイデルは、アルの言葉に頷き、迷うことなく中央のピラミッドへと進んでいった。ジョンアイデルたちが中央のピラミッドに入ると、突如、地響きが起こった。第一階層の奥から、夥しい数のミイラ男が迫ってくる。ジョンアイデルがミイラ男たちと剣を交わす傍ら、クレティアは冷静に詠唱を開始した。彼女の声が響き渡ると、炎の渦が発生し、巨大なイフリートが姿を現した。イフリートは、熱風を纏い、ミイラ男たちを次々と燃やしていった。ミイラ男たちが消滅し、静寂が戻った第一階層。その静けさを破るように、閉じられていた扉がゆっくりと開き始めた。ジョンアイデルたちは、互いに顔を見合わせ、頷き合うと、扉の先へと進んでいった。ジョンアイデルたちが扉を抜けると、目の前に現れたのは、四方に扉が配置された奇妙な部屋だった。彼らは、どの扉を選ぶべきか、頭を悩ませた。ジョンアイデルは、三つの扉を見比べながら、独り言のように呟いた。

「北と西と東か。まずは北側の扉から調べてみるか。」ジョンアイデルたちは、北の扉を開け、奥へと進んでいった。しかし、すぐに違和感を覚えた。ジョンアイデルは、立ち止まり、言った。

「なんか、おかしいぞ。この先にまた扉がある。その先は確か北のピラミッドの位置のはずだ。」ジョンアイデルたちが北側の扉を開けると、一筋の光が差し込んできた。クレティアは、咄嗟に目を覆いながら言った。

「出入り口?!」光が弱まると、ジョンアイデルたちは外へと出た。そこは、彼らが最初に訪れたピラミッド群の北側だった。ジョンアイデルたちが外の様子を確認していると、アルが興奮気味に言った。

「見てください、あれはクフ王たちのピラミッドではありませんか! この2つが繋がっているなんて考えられませんでしたわ!」ジョンアイデルたちは、クフ王たちのピラミッドが見える場所から戻り、四つの扉がある部屋へと戻ってきた。ジョンアイデルは、仲間たちに向かって言った

「次は東の扉の先を調べよう。」ジョンアイデルが東の扉を開けようとした時、ドミネストが制止した。

「ちょっと待て! 先と同じように他の場所に繋がっている可能性がある。マップで確認するべきだ。」アルは、マップを確認し、言った。

「大丈夫です。東と西は他のピラミッドに繋がっている心配はありません」ジョンアイデルたちが東の扉を抜けると、そこは一つの部屋だった。その部屋には、南側と北側に扉が設けられていた。ジョンアイデルたちは、二つの扉がある部屋で、まずは北の扉を開けて進むことにした。ジョンアイデルたちが北の扉を開けると、赤い宝箱が目に入ってきた。ジョンアイデルは、宝箱を開け、中に入っていた赤い菱形の立体の石を取り出した。赤い菱形の石を手にしたジョンアイデルたちは、元の部屋へと戻り、今度は南の扉を開けた。南の扉の先には、緑色の宝箱があり、宝箱の中には緑の宝石が入っていた。ジョンアイデルたちは、緑の宝石を手に入れた後、再び東西南北に扉がある部屋に戻り、西の扉の先へと進むことにした。ジョンアイデルたちは、西の部屋から北の扉を選び、先へと進んだ。北の部屋には、またしても宝箱が置かれており、今回は黄色い宝箱だった。ジョンアイデルが宝箱を開けると、中から黄色の宝石が現れた。黄色の宝石を手にしたジョンアイデルたちは、元の部屋へと戻り、今度は南の扉を開けた。南の扉の先には、青色の宝箱があり、宝箱の中には青の宝石が入っていた。ジョンアイデルたちは、青の宝石を手に入れた後、元の部屋へと戻り、部屋の隅々を見渡した。すると、北西、北東、南西、南東の壁に、宝石をはめ込むためらしき窪みがあることに気づいた。ジョンアイデルが宝石をはめ込むと、床が軋み始め、階段が姿を現した。ジョンアイデルたちは、階段を一歩ずつ確かめながら登っていった。階段を登りきったジョンアイデルたちを待っていたのは、広大な空間と、その中心に立つ異形の存在だった。それは、鬼とビーストエルフの血を引く者、アガレスだった。

「待たせすぎだなぁー!頭にくる!俺はクラブのイーラ、真名はアガレスだ!」アガレスは、苛立ちを隠せない様子で言った。アガレスの登場に、ジョンアイデルは即座に状況を把握し、仲間たちに向かって言った。

「コイツも概念体だ。攻撃力が高いタイプか、攻撃を跳ね返すカウンタータイプだと思われる。」ジョンアイデルは、戦いに備えた。ジョンアイデルの分析を聞き終わると、アガレスは高らかに笑い言った。

「よくぞ見抜いた!そうだ、吾輩は報復の概念を宿す者、アガレス!炎を操り、受けたダメージを跳ね返す力を持つ!」アガレスは、戦闘態勢に入った。アガレスの能力を確認すると、ドミネストは冷静沈着に言った。

「ダメージを跳ね返すか。ならば、その力を見せてもらおう。」ドミネストはハンマーを振り下ろし、衝撃波をアガレスに向けて放った。衝撃波はアガレスに命中したが、同時に赤黒い稲妻がドミネストに襲い掛かった。アルは、ドミネストが攻撃を跳ね返された様子を見て、冷静に状況を分析した。

「エネルギー系や飛び道具の攻撃は通用しないようね。ならば、直接攻撃を試してみるわ。」アルは素早くアガレスに近づき、蹴りを繰り出した。蹴りはアガレスに当たったものの、ダメージを受けたのはアルだった。ジョンアイデルは、アルの攻撃が失敗に終わったことを見て、冷静に状況を判断した。

「物理、エネルギー、飛び道具、関係なくダメージを跳ね返すか。こりゃ、手強いな。」ジョンアイデルは、アガレスを倒すためには、何か斬新な戦法が必要だと考えた。ジョンアイデルの言葉を聞き終わると、クレティアは思案顔で言った。

「同時に跳ね返せる攻撃の数に制限があるのかどうかが重要ね。」ジョンアイデルはクレティアの言葉を参考に、複数のナイフを同時に生成し、全方向からアガレスに向けて投げ放った。正面からのナイフは弾かれたが、側面からのナイフはアガレスに命中し、ダメージを与えることができた。ジョンアイデルは、クレティアの分析と自身の攻撃の結果から、冷静に判断した。

「ダメージ反射は、アガレスが認識できる範囲内でのみ有効なようだな。」ジョンアイデルは、アガレスを倒すための戦略を考え始めた。アガレスの能力を分析し終えたジョンアイデルは、次の手を打つために動き始めた。

「次は、これでどうだ?」ジョンアイデルは、ドリルが付いた爆弾を生成し、起動させた。爆弾は地面に潜り込み、地中を進んでいった。ジョンアイデルの攻撃に対し、アガレスは狂気じみた笑みを浮かべた。

「面白い!もっと苦しめ!」アガレスは七支刀を振りかぶり、狂ったように笑いながら振り下ろした。

「くらえ!激怒業坦禍剣!轟炎怒髪撃!」七支刀から放たれた業炎は、全てを飲み込む勢いで襲い掛かってジョンアイデルの攻撃が見事に命中し、アガレスは深手を負った。

「うっ!?」アガレスは血を吐き、膝をついた。

「クソ、一体何を仕込んだ?身体が痺れて動けない。」アガレスはジョンアイデルに対する怒りを露わにした。きた。アガレスが技を繰り出そうとする隙を見て、ジョンアイデルは決断した。

「今しかない!」炎が飛んでくる寸前、ジョンアイデルは地面に仕掛けていた爆弾を起動させ、アガレスの顔に向けて噴出させ、爆発させた。ジョンアイデルの攻撃が見事に命中し、アガレスは深手を負った。

「うっ!?」アガレスは血を吐き、膝をついた。

「クソ、一体何を仕込んだ?身体が痺れて動けない。」アガレスはジョンアイデルに対する怒りを露わにしたアガレスの苦しむ姿を見て、ジョンアイデルはニヤリと笑った。

「状態異常は跳ね返せないみたいだね。実はあの爆弾、ただの爆弾じゃないんだ。特別な毒を仕込んでおいたのさ。」ジョンアイデルは、アガレスを嘲笑した。ジョンアイデルに完膚無きまで叩きのめされたアガレスは、怨念を込めて叫んだ。

「覚えていろ!必ず、必ず、復讐してやる!特にジョンアイデル、貴様だけは絶対に許さんぞ!雪辱を果たすまで、地獄で苦しんでいろ!」アガレスは空間を歪ませ、姿を消した。アガレスが撤退した後、クレティアは目を金色に輝かせ、静かに語り始めた

「あぁ、彼はしばらくは来ないでしょう、だが、危険な未来が見えた近い将来、奴らは必ず再び現れます。それも場所は…」クレティアの言葉を聞き終わると、ジョンアイデルは決然とした表情で言った。

「クレティアにも見えたか。近い将来、奴らが再び集結することが。ならば、我々は我々にできることを全うするまでだ。」ジョンアイデルの決意が固まった瞬間、足元に階段が出現した。ジョンアイデルたちは、互いに顔を見合わせ、階段を上がり始めた。階段を上り終えたジョンアイデルたちは、息を呑んだ。そこには、今までと同様に禍々しい黒赤紫の宝珠のような魔化学兵器が中央に置かれ、異様な雰囲気を醸し出していた。ドミネストとアルは無言のまま剣を抜き、魔化学兵器に向かって駆け出した。

「必ず、破壊する!」二人は熟練の剣さばきで魔化学兵器を切断して、破壊した。ドミネストとアルの剣が魔化学兵器を切り裂いた時、地底から不気味な波動が伝わってきた。暗闇の中で、釘が刺さった球体の魔導兵器が、静かに、そして不穏な気配を漂わせながら活動を開始した。地下深くで始動した釘が刺さった球体の魔導兵器は、まるで呼びかけるように振動し始めた。そして、遠く離れた別の国で眠っていた別の魔化学兵器と、まるで呼応するかのように共鳴し始めた。ジョンアイデルは、未来に訪れるであろう災厄を予感し、決意を込めた声で言った。

「急いで支部に報告、連絡するぞ。私たちにできることは限られているかもしれないが、諦めるわけにはいかない。」ジョンアイデルは躊躇なく踵を返し、SMOカーヒラ支部へ向かって歩き出した。仲間たちも彼の後を追い、無言のうちに支部へと急いだ。SMOカーヒラ支部は、表から見ると古い寺のような佇まいだったが、中に入ると最新技術が駆使された空間が広がっていた。古風な外観と最新の設備が織りなすコントラストが、何とも言えない雰囲気を醸し出していた。ジョンアイデルたちが支部の奥へ進むと、エジプト民謡を彷彿とさせる制服を着た職員が、笑顔で近づいてきた。

「ジョンアイデルさん、クレティアさん、アルさん、ようこそカーヒラ支部へ。そして、そちらの方は…ドミネイトさんで間違いないですね!?」ドミネストは自信に満ちた声で、自己紹介を行った。

「左様、私こそ気高き天使ラギュエルの異名を冠するドミネイト・ミクスタッド。まあ、ミクスタッドの名は些事に過ぎないが。」ジョンアイデルはドミネストの言葉を受け流し、手際よく指示を出した。

「今回の件は一段落したが、安心はできない。念のため、ピラミッド周辺を重点的に調査してほしい。それと、専門の調査部隊を編成し、万全の体制で臨んでほしい。」ジョンアイデルたちはカーヒラ支部での任務を終え、疲れた体を休める間もなく移動飛行船艦へと向かった。飛行船は静かに滑走路を進み、空へと舞い上がった。彼らの帰還を待つ街、アルカシティ。そこで束の間の休息を取り、再び戦いに身を投じるだろう。ジョンアイデルは移動飛行船艦のシャワーを浴びながら、鏡に映る自分の姿を見て言った。

「そうか、俺って女性的な部分もあるのか。それなら、これからはもっと自分の体に気を使わないとな。スキンケアとかもちゃんとやってみようかな。」ドミネストはジョンアイデルの言葉に食いつき、満面の笑みを湛えた。

「ほほう、ジョンアイデルもついに自分の美に目覚めたか!ならば私のとっておきを特別に譲ってやろう。」そう言うと、ドミネストはどこからともなく虹色に輝く小箱とスプレーを取り出し、ジョンアイデルに手渡した。ジョンアイデルはその輝きに見惚れ、思わず尋ねた。

「これは…!?」ドミネストはいたずらっぽく笑い、耳元で囁いた。

「これはただのクリームとローションではない。なんと、永遠に尽きることのない魔法の泉から作られた秘宝なのだ。使えば使うほど美しくなれるぞ!」ジョンアイデルとドミネストが美について語り合っていると、アルが静かに近づいてきた。

「お二人とも、ヘアケアもお忘れなく。ジョンアイデルさん、このヘアブラシはいかがでしょうか?」アルはそう言いながら、虹色に輝く神秘的なヘアブラシをジョンアイデルに差し出した。ジョンアイデルはその美しさに見惚れながら尋ねた。

「これはヘアブラシ…、本当に俺が使ってもいいのか?」アルは穏やかな声で答えた。

「はい、もちろんです。このヘアブラシはサクヤヒメ様の御加護を受けており、髪に艶と潤いを与えてくれるでしょう。また、玉依媛命様の御力も宿っており、内面の美しさを引き出してくれるはずですわ。」視点は変わり、舞台はミクスタッド国のとある研究所の一角へ。そこは最新の設備が整った研究施設でありながら、何か不気味な雰囲気が漂う場所だった。人目を忍ぶように建てられた研究所の奥深くに、誰もが息を呑むほどの美貌を持つ人物が立っていた。その人物こそ、七つの大罪の一つ、色欲を司る悪魔、ルクスリア、その本名はアスモディンだった。ルクスリアは妖しい光を瞳に宿し、甘美な声で囁いた。

「他の場所はもう手を打ってあるのね。まあ、どうでもいいわ。あぁ、ついにあの方がいらっしゃるのね。しかも、最後にワタシを選んでくださるなんて…」ルクスリアは胸を押さえ、恍惚とした表情で続けた。

「ジョンアイデル…君のことを考えるたび、この胸はどうしようもなく熱くなるの。締め付けられるような痛みと共に…」ルクスリアは退屈そうな表情を見せながら、コンピューターの前に座った。しかし、その手は休むことなくキーボードを叩き、次々と情報を漁っていく。同時に、防衛システムを起動させ、研究所を鉄壁の守りで覆い、完全な支配下に置こうとしていた。アスモディンは冷酷な笑みを浮かべ、コンピューターに向かって独り言ちるように言った。

「さあ、夢幻の舞踏会の準備は完了だ。ジョンアイデル、そして、その邪魔な仲間たちよ、覚悟するといいわ…」アスモディンはコンピューターを操作する

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