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エピック30【EXクラス編入と大襲撃】

ミクスタッド宮殿の皇室。厳かな雰囲気が漂う中、フィリアはマージフォンを手に取り、静かに、しかし力強く告げた。

「こちら、フィリア・ミクスタッド。アレイスター、君に頼みたいことがある」マージフォンから返ってきたのは、相変わらず飄々としたアレイスターの声だった。

「なんかね?」フィリアは、マージフォン越しに、はっきりと告げた。

「ワタシの娘であるクレティア・E・ミクスタッドと、ジョンアイデル・ジョースターを君主クラスに編入させない」アレイスターは、その言葉に興味を示したように、問い返した。

「ほお、またしても急だね。後継者の育成のためか」フィリアは、躊躇なく肯定した。

「そうだよ」アレイスターは、不思議そうに問いかけた。

「クレティアはまだ分かるけど、なんでジョンアイデルまで」フィリアは、未来のビジョンを語るように答えた。

「可能性の未来にジョンアイデルが皇帝になるのを観測したから、優れた方に継承権を与える」場面は切り替わり、ジョンアイデルとクレティアの二人が佇んでいた。クレティアとジョンアイデルは、書類に書かれた内容を理解しようと、真剣な眼差しで読み込んだ。

『君たちはEXクラスに転属することとなる。詳細は、封筒に同封されているモバイルデバイスで確認するように』ジョンアイデルとクレティアは、封筒を逆さまにし、中身を確かめたすると、小型のデバイスが2つ、静かに現れた。小型デバイスは、黒い板状のシンプルなデザインだが、中心の虹色の結晶体がひときわ目を引いた。ジョンアイデルは、デバイスを手に取り、比較するように言った。

「なるほど、これがか。空中エリアと地上エリアを行き来するデバイスがキューブ状だが、これは板状だな」ジョンアイデルとクレティアは、EXデバイスを起動させ、期待と不安を胸にEXクラスエリアへと向かった。EXクラスの領域には、ジョンアイデルとクレティア、そしてフィリアの他に、伝説として語り継がれる神々や神格者たちが集結していた。

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

ジョンアイデルは、そこにいる神々の存在を確かめるように、その名を静かに呟いた。

「マルス神、ソロモン神、タケミカヅチ、ムネーモシュネー、クラミツハ神、そして、ラクシュミー神だ」フィリアは、ジョンアイデルとクレティアの到着を喜び、歓迎の言葉を述べた。

「久しぶりだね、ジョンアイデル、そして、クレティア」クレティアは、予想を遥かに超える事態に、驚愕の声を上げた。

「これって一体!?」その声に応え、赤い服を身につけた軍神マルスが、威厳に満ちた声で語り始めた。

「ここに集いし神や神格者は、君達二人の教師だ。お前達はミクスタッド国の次なる皇位継承者候補として、授業を受け、より優れた方を最優継承者として次世代の皇位に就くのだ。今までのように甘い世界ではない、気を抜くでない」紫の服を着た神格者ソロモンは、二人の力を知っているかのように、落ち着いた口調で言った。

「君たちは精霊達とは契約しているようだな。クレティアは元素精霊すべて、ジョンアイデルは特殊精霊や魔精、天族に魔天族か」タケミカヅチは、二人の戦闘能力を評価するように、明瞭な声で言った。

「2人の戦闘方法は把握している。クレティアは武器術、ジョンアイデルは場合により格闘技と武器使用だな」白い服でピンク髪のおさげの女神:ムネーモシュネーは、二人の心の奥底にある願いを読み取るように、問いかけた。

「2人とも差別や偏見をなくし、多種族との共存を目指しているか」クラミツハは、諭すような口調で、二人に語りかけた。

「天界のカナンの地より、お主たちの働きを見てきたのじゃ。確かに素晴らしい活躍じゃ。だがな、皇位を継ぐほどの者ならば、生活態度も疎かにしてはならん。その肝心なところを、ワシが教えてやろうのじゃ」ラクシュミーは、二人の財に対する価値観を試すように、はっきりと告げた。

「皇位を継ぐ者は、金の使い道にも気を配るべきだ」そして、最後に控えていた礼節担当のイシュタルが、静かに口を開いた。

挿絵(By みてみん)

イシュタルは、二人の肩に手を置き、親しげに言った。

「アタシは君たちに、皇位を継ぐ者に相応しい礼節やマナーを教えるわ。これからは、アタシが目を離さないから、よろしくね」そして、最後にフィリアが、二人の目を見つめながら、真剣な表情で言った。

「そして、私も教師として参加しますわ。統治担当として、君たちの手腕をしっかりと見極めさせていただきますこと」ジョンアイデルは、責任感の強さを示すように、力強く言った

「授業も重要ですが、クリミナルデビルとの戦いやSMOの任務、そして神格の試練も控えています。どれも責任を持ってやり遂げなければならないので、授業との両立は難しいかもしれません」フィリアは、ジョンアイデルの熱意を受け止め、現実的な提案をした。

「任務や神格の試練を優先するのは良いでしょう。ただし、授業は必ず後日、別の時間に受けるようにしてください」その時、まるで緊急事態を告げるかのように、けたたましい警報が鳴り響いた。警報が鳴り響く中、機械的な声が校舎全体に響き渡った。

「緊急!緊急!校内に侵入者!侵入者!防衛システム作動します!」ジョンアイデルは、周囲を見回しながら、フィリアたちに尋ねた。

「この教室には、外部の状況を確認できるモニターのようなものはありますか?」フィリアは、自信ありげに答えた。

「ええ、魔科学道具や魔道具は完備しています。すぐにモニターを起動させましょう」フィリアが魔道具を操作し、モニターを起動すると、信じられない光景が目に飛び込んできた地上エリアの中学部には、腕に鎌の刃が生えた異形のデビルモンスター、高等部には、巨大な白熊のようなデビルモンスター、特別高等部エリアには、獰猛な狼の姿をしたデビルモンスター、そして大学部エリアには、百獣の王ライオンを模したデビルモンスターが現れていた。ジョンアイデルは、モニターに映る映像を凝視し、冷静に分析を始めた。

「四体のデビルモンスター……。しかも、動物を素体にしたタイプとは、予想外だ。クリミナルデビルの仕業だろう。ワルプルギスのメンバーに連絡を取り、指示を出したいが、今は難しいか」フィリアは、ジョンアイデルに通信機のような魔道具を渡し、促した。

「さあ、これを使って!」

ジョンアイデルは、その魔道具を手に取ると、一呼吸置いて、校内全体に響き渡るような声で命じた。

「ワルプルギスメンバー!緊急事態だ!デビルモンスター4体が校内に侵入した!大学部、特別高等部、高等部、中学部のエリアにそれぞれ出現している!17名は、各自の能力とチームバランスを考慮して、速やかに各エリアへ急行せよ!」スピーカーからジョンアイデルの声が聞こえると、アルが冷静に分析し、指示を修正した。

「18名だ。バラキエルが加わったことを考慮に入れる必要がある。中学部エリアに4人、高等部エリアに4人、特別高等部エリアに4人、大学部エリアに4人を配置し、残りの2名は状況に応じて対応できるよう待機させるのが最適だろう」ルミナは、チーム分けを提案した。

「ボクはジョンテイル、クラニオ、ラモルとチームを組むよ」ルミカは、少し残念そうにしながらも、チーム分けを決定した。

「ジョンアイデルと組めたらよかったんだけどね。仕方ないから、今回はケルドと組むことにするわ。残りのメンバーは萌愛とアリクで決定ね」ステラは、自信ありげにチームを発表した。

「キラルとゴルドフは一緒に組ませて。私はダンテと組むわ。この4人で1つのチームよ」ノアは、淡々とチーム構成を告げた。

「レグとは連携が取りやすいからねえ。残りのメンバーは舞華とゼレスでいいだろう」最後に、アルが待機組を決定した。

「待機組は私とルイで決定だ。何かあればすぐに指示を出す」ジョンアイデルは、モニター越しにチーム分けの状況を確認し、各チームに指示を伝えた。

「ルミナ率いるαチームは中学部エリア、ルミカ率いるβチームは高等部エリア、ステラ率いるγチームは特別高等部エリア、ノア率いるδチームは大学部エリアへ向かい、デビルモンスターを撃破せよ。戦闘が困難になった場合、またはデビルモンスターを撃破した場合は、アルとルイの待機組の元へ合流し、次の指示を待て」ジョンアイデルの指示を受け、各チームは一斉に動き出した。ルミナ率いるαチームは中学部エリアへ、ルミカ率いるβチームは高等部エリアへ、ステラ率いるγチームは特別高等部エリアへ、ノア率いるδチームは大学部エリアへと、それぞれの担当エリアへと急行した。αチームが中学部エリアに到着すると、腕の先が鎌になっているイタチ型のデビルモンスターが待ち構えていた。

「キッシャーーー!カマイタチデビラー!貴様らを排除してくれる!」ジョンテイルは、冷静にデビルモンスターを観察した。

「これがデビルモンスターか。確かに、コアが埋め込まれているな」ルミカは、以前戦ったデビルモンスターとの違いに気づき、分析を始めた。

「でも、このデビルモンスター、以前戦ったものとは少し違うわ。以前のものはクリスタルかフィクターだったけど、今回のは球体状で、内部がクリスタルモザイクになっているわ」カマイタチデビラーは、誇らしげに叫んだ

「キーシャッシャッシャー!本官はデビルコアと呼ばれるもので生み出されたのだ!」クラニオは、冷静に、任務を遂行する意思を示した。

「侵入者には、断固たる処置を取る。それが我々の役割だ」ラモルも、クラニオの言葉に同意し、戦闘態勢に入った。

「その通り。デビルモンスターであろうと、人間であろうと、何者であろうと許可なく学園に侵入し、破壊行為を行った者は、排除する」カマイタチデビラーは、凶悪な笑みを浮かべながら言った。

「お前たちを切り裂いて、本官の鎌の錆にしてくれるのである!」そして、間髪入れずに腕を振り、真空波を飛ばして攻撃を仕掛けてきた。真空波がαチームに到達する寸前、ジョンテイルが生成能力を発動させ、目の前に空気の壁を形成。真空波はそこで完全に吸収された。

「単体属性攻撃とは、随分と大したことないな。そんなもので我々を倒せると思っているのか?舐められたものだ」カマイタチデビラーは、侮辱されたことに激昂し、鼻を黒く染め、尻尾を黄色に変色させた。

「バカにするなである!」次に、腕先を赤く染め、勢いよく切りつけてきたが、ラモルの放った水属性魔法が直撃し攻撃は大きく逸れた。その瞬間、ルミナは液体金属を操り、瞬く間に全身を鎧で覆った

「手加減は無用。本気で行くよ」クラニオは、カマイタチデビラーのコアに鋭い視線を向けた。

「あのコア、尋常ではない。この感覚は、穢れか」ルミナは液体金属を操り剣を生成、斬撃を放つ。クラニオは鎌から斬撃を飛ばし、ラモルは掌から岩の棘を放ち、ジョンテイルはブーメランを生成して投げ放つ。連携の取れた攻撃は全てカマイタチデビラーに命中し、コアは砕け散り、肉体は消滅した。次にβチームが到着したのは、白熊型のデビルモンスターが待ち構えるエリアだった。ルミカは、目の前のデビルモンスターを観察し、驚愕の表情を浮かべた。

「まさか、生き物を素体にしているとは……」

「バキャバキャ!吾輩はポーラデビラー、お前らを叩き潰してやる!」ケルドは、冷たい視線をポーラデビラーに向け、静かに言った。

「随分と見くびられたものだな」萌愛は、自信に満ちた笑みを浮かべ、挑発するように言った。

「返り討ちにしてあげるわ」アリクは、ポーラデビラーの腹にめがけ、力強い正拳突きを放った。アリクの渾身の正拳突きだったが、ポーラデビラーはびくともしない。

「バキャバキャ!どうした!?その程度かぁー、ならばこちらも行くぜぇー」ポーラデビラーは、アリクの足を掴み上げ、ジャイアントスイングで勢いをつけた後、萌愛たちに向かって投げ飛ばした。投げ飛ばされたアリクは、萌愛たちに容赦なく激突した。

「イテテテテ!マジありえない!」

ルミカは、冷静な口調で言った。ケルドは、冷静な視線でポーラデビラーを見据え、分析結果を口にした。

「あの怪力白熊、弱点はコアにあると見て間違いないが………」ルミカは素早くポーラデビラーの懐に潜り込み、剣で鋭く斬りつけた。その一撃にポーラデビラーは大きく怯み、体勢を崩す。その隙を逃さず、ケルドが素早い足払いを仕掛け、巨体を完全に体勢を崩させた。萌愛は間髪入れずにポーラデビラーの露出したコアに連続キックを叩き込み、最後にアリクが渾身の力を込めた強烈な拳をコアに叩きつけ、見事に砕き散らした。γチームのステラ、キラル、ゴルドフ、ダンテは、特別高校エリアへと到着した。そこで彼らが出会ったのは、オオカミ型のデビルモンスターだった。

「ガウガウガウガウ、ほんかんはウルフデビラーである!貴様らの命、ほんかんが刈り取ってやるのである!」ウルフデビラーは、四足歩行から立ち上がると同時に、キラルに襲い掛かり、鋭い牙で噛みついた。鋭い痛みに、キラルは「うあくっ!」と声を上げた。ウルフデビラーは、噛みついた腕を離さずにキラルを地面に叩きつけ、そのまま上から押さえつけた。キラルは、その顔を苦痛に歪めながら、辛うじて言葉を発した。

「くぅ、なんて、底なしの馬鹿力なの……」ウルフデビラーがキラルの腹部に噛みつこうとしたその時、ゴルドフがウルフデビラーの顎に強烈な蹴りを見舞い、キラルの危機を救った。キラルは解放され、傷は瞬く間に消え去った。ゴルドフは、普段のキラルらしくない様子を心配し、声をかけた。

「らしくないな、キラル。どうしたんだ?いつもなら、こんなことはないはずだ」キラルは平静を装い、少し照れくさそうに言った。

「ちょっと油断しただけだって。でも、アイツの弱点はコアで間違いないよ」 ダンテは冷静な口調で、ステラの能力の有効性とリスクについて説明した。

「ステラの能力は確実に有効だが、一日数回しか使えないという制限がある。今は温存しておくのが賢明だろう」キラルは何かを思いついたように、ニヤニヤしながら言った。

「コアって核のことだよね?それなら、とっておきの物があるんだよね」キラルはマジックハンドライフルガンを手に取り、その性能を説明した。

「これを使うしかないな。このマジックハンドライフルガンは、高威力の魔力弾を撃ち出すことができる」キラルはウルフデビラーのコアに狙いを定め、マジックハンドライフルガンから魔力弾を発射。魔力弾はコアに吸い込まれるように命中した。衝撃波と共に、ウルフデビラーのコアは木っ端微塵に砕け散った。キラルたちの活躍でウルフデビラーが倒された一方で、大学エリアでは新たな脅威が顕在化していた。ライオンを素体にしたデビルモンスターがその地を支配し、その排除のためにノア、レグ、舞香、ゼレスのδチームが派遣された。ライオンデビラーは、その巨体を揺らしながら、威圧的な咆哮をあげた。

「ウガオオオーー!俺様はライオンデビラーだ!貴様らが俺様の相手か〜!?」レグは、驚きと好奇心が入り混じった表情で、ライオンデビラーを見つめながら言った。

「デビルモンスター、実際に見たのは初めてだな」ノアは、冷静な判断力で、ライオンデビラーの構造を見抜こうとした。

「コアが埋め込まれてるか」舞香は、霊的な力を感じ取り、深刻な表情で穢れについて語った。

「あのコアのせいでこの場所に過去の争いや事件によって生じた、負のエネルギーが凝縮されているような、そんな禍々しい穢れを感じる」ゼレスは仲間たちを鼓舞するように、声を張り上げて言った。

「どんな相手だろうと、俺たちは負けねえぞ!」レグは、少し拗ねた口調で、仲間たちに訴えた。

「おいおい、俺のことだって頼りにしてくれよ」

ノアはレグにウインクし、冗談めかして言った。

「拗ねるなよ。君の活躍を見たいんだから」ライオンデビラーは、δチームの油断を誘おうと、嘲笑した。

「いつまでもお喋りしてないで、さっさと来い!」ライオンデビラーは、先制攻撃として鬣を飛ばし、奇襲を仕掛けた。ノアは冷静に盾を構え、飛んできた鬣を弾き返した。間髪入れずにレグがシックルソードで斬り込むも、ライオンデビラーの分厚い装甲を打ち破ることはできず、僅かな傷跡を残すに留まった。ゼレスは、ライオンデビラーの硬さに驚きを隠せなかった。

「マジかよ。レグさんの攻撃が、ほとんど意味ないなんて」ライオンデビラーは、嘲笑するように言った。

「ガォーガォー!愚かなヒトども、俺様はただの動物じゃないぞ。サイボーグアニマルを素材にしてるんだぞ!」舞華は、ライオンデビラーの嘲笑的な言葉に怒りを覚えた。

「その言葉、ヒトを愚弄しているわね。甘く見ないで。人間には無限の成長力があるの。弱点を克服し、進化していくことができるんだから!」ゼレスは舞華の言葉に勇気づけられ、力強く言った。

「そうだ、舞華ちゃん。サイボーグでも、生命体である限り、舞華ちゃんの能力は通用するはずだ!」舞華は、ライオンデビラーの魂に触れるため、精神を研ぎ澄ませた。彼女の意識は、肉体を離れ、ライオンデビラーの魂の領域へと侵入していく。ライオンデビラーの動きが鈍ったのを確認し、ノアは好機を逃さず叫んだ

「今しかない!」ノアは盾を振りかぶり、ライオンデビラーのコアを叩きつけた。甲高い音が響き、コアにヒビが入った。ノアが盾でコアを攻撃し、ヒビが入ったのを確認したレグは、即座にシックルソードを構え、そのヒビをめがけて斬りつけた。ヒビはさらに大きくなり、ライオンデビラーの機能停止が近づいた。

「フィニッシュは俺に任せろ!」ゼレスは叫びながら剣を構え、ライオンデビラーのコアを貫いた。コアは粉々に砕け散り、ライオンデビラーは爆発四散した。激しい戦いを終えたワルプルギスのメンバーは、達成感に満ちた表情で、アルたち待機組の元へと歩みを進めた。ライオンデビラーを倒し、束の間の休息を得ようとしたその時、学園の空に異様な気配が漂った。見上げると、そこにいたのはスペルヴィアだった。

「フム、面白いことになってきたな!ならば、この吾輩が直々に相手をしてやろう!」スペルヴィアはそう宣言し、グラウンドに着地した。学園内にけたたましい警報音が鳴り響き、異様な雰囲気に包まれた。

「緊急警報発令!正体不明の存在が接近中!場所はグラウンド!」そのアナウンスを聞いたジョンアイデルは、事態を把握しようとグラウンドへと急いだ。クレティア、アル、ルイもそれに続き、グラウンドへと向かった。ジョンアイデルたちがグラウンドに到着すると、そこに悠然と佇むスペルヴィアの姿があった。スペルヴィアはジョンアイデルを見据え、口を開いた。

「ふむ、噂には聞いていたが、君がジョンアイデルか。半吸血鬼と半魔族のハーフとは、面白い存在だな」ジョンアイデルは、スペルヴィアの圧倒的な存在感に警戒しながら、冷静さを保ち問いかけた。

「この気配、今までのクリミナルデビルとは比べ物にならない。貴様がスペルヴィアか」スペルヴィアは、ジョンアイデルの言葉にニヤリと笑い、答えた。

「その通りだ」ジョンアイデルは、スペルヴィアの言葉を信じず、問い詰めるように言った。

「お前がわざわざ姿を現した理由は挨拶だけではないはずだ。わざわざ姿を現した理由は、一体何だ」スペルヴィアは、ジョンアイデルの問いに冷酷な笑みを浮かべ、答えた。

「言うまでもないだろう、戦いだ」スペルヴィアが厄災の杖を掲げると、天候は一変した。黒雲が空を覆い、強風が吹き荒れ、石や砂、木の葉が舞い上がった。ジョンアイデルは、スペルヴィアの異質な力に気づき、冷静に問いかけた。

「貴様もまた概念体の一人か?」スペルヴィアは、ジョンアイデルの質問に満足げに答えた。

「流石だな。そうだ、吾輩は厄災と――の概念体だ」ジョンアイデルは、スペルヴィアの言葉に警戒心を露わにし、問い詰めるように言った。

「厄災……一体何をするつもりだ?」スペルヴィアは、王笏の形をした厄災の杖を地面に叩きつけ、高らかに宣言した。

「まずは、手始めにこれだ!」地面には無数のヒビが走り、周囲の空気が震えた。ジョンアイデルとクレティアは、辛うじて回避できたものの、アルとルイは回避することができず、巻き込まれてしまった。スペルヴィアは高らかに叫び、厄災の杖を天に掲げた。

「喰らえ!」次の瞬間、空から隕石の雨が降り注いだ。ジョンアイデルとクレティアは間一髪で回避したが、地割れによるダメージが残るアルとルイは、またも回避することができなかった。スペルヴィアは厄災の杖を横に薙ぎ払い、嘲笑した。

「無駄なあがきだ!」強烈な竜巻が発生し、ジョンアイデル、クレティア、アル、ルイの四人を容赦なく巻き込んだ。彼らは空中で翻弄され、地面に叩きつけられた。度重なる攻撃を受け、アルとルイの体は限界に達していた。アルは血を吐きながら、自責の念に駆られた。

「みんなを……守りきれないなんて…悔しい…」そして、アルは力尽き、意識を失った。ルイは震える手で地面を叩き、悔しさを滲ませた。

「このままでは……何も……、できない……」その後、ルイもまた意識を失い、倒れ込んだ。ジョンアイデルは、倒れ伏したアルとルイの名を叫び、駆け寄ろうとした。

「アル!ルイ!しっかりしろ!」 その時、クレティアはスペルヴィアに怒りの拳を叩きつけた。しかし、スペルヴィアはクレティアの拳を難なく掴み、攻撃を受け止めた。スペルヴィアはクレティアの攻撃を一蹴し、嘲笑った。

「笑止千万!貴様のような弱者に、何ができる!」そう言い放つと、スペルヴィアはクレティアに無慈悲な雷電撃を浴びせた。雷電撃がクレティアの体を焼き焦がし、彼女は絶望的な叫び声を上げた。

「いやああああああああああああああああああああああ!!」クレティアは、雷電のダメージが致命的となり、意識を失ってしまった。意識を失ったクレティアを目の当たりにし、ジョンアイデルの怒りは頂点に達した。

「クレティア! スペルヴィア……! お前だけは、絶対に許さない!」その決意を示すように、ジョンアイデルの体から黒金色のオーラが噴き上がった。ジョンアイデルの覚醒を見て、スペルヴィアはつまらなそうに言った。

「仲間、愛、差別、偏見……。くだらない。お前も結局、感情に流されるだけの存在か」スペルヴィアの言葉を遮るように、ジョンアイデルは渾身の力を込めた拳をスペルヴィアの顔面に叩き込んだ。怒涛の連打。一発、二発、三発、四発、五発……。ジョンアイデルの拳は、スペルヴィアの顔面を無慈悲に打ち続けた。ジョンアイデルは、最後の拳を叩き込み、スペルヴィアから静かに離れた。

「くそ……! 覚えてろよ……! だが、これで終わりではない。クリミナル・デビルの計画は、もはや誰にも止められない!」スペルヴィアは、激痛に耐えながら、狂ったように笑った。スペルヴィアの言葉が終わると、周囲の空間が歪み、激しい雷があたり一面に降り注いだ。雷が止むと、スペルヴィアは、まるで最初からいなかったかのように、姿を消していた。場面は変わり、暗雲が立ち込めるクリミナル・デビルの本拠地、その最深部に位置する玉座の間へと移る。玉座に座っているのは、他でもないスペルヴィアだった。スペルヴィアを敬愛するシズズは、心配そうに尋ねた。

「ボス、一体どこへ行かれていたのですか?」スペルヴィアは、少し苛立ちを滲ませながら、シズズに問いかけた。

「ジョンアイデルとかいう男に、宣戦布告してきた。だが、甘く見ると痛い目を見るだろう。八獄大罪魔道化師デッドリー・シンズは、全員揃っているのか?」八獄大罪魔道化師デッドリー・シンズを代表して、グーラが自信満々に答えた。

「もちろんです!全員揃ってますぜ!」スペルヴィアは、八獄大罪魔道化師デッドリー・シンズたちに計画の詳細を伝えた。

「各国に楔を打ち込む。本体と囮を同時に配置し、本体はこちらで起動する。お前たちは囮の準備を徹底しろ」八獄大罪魔道化師デッドリー・シンズのルクスリアは、どこか挑発的な笑みを浮かべながら答えた。

「お安い御用です、スペルヴィア様。期待していてください」

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