表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/75

チャート25【古代病院】

ジョンアイデルの自宅リビングは、いつもとは違う雰囲気に変わっていた。ジョンアイデルたちは、ソファーに座り、緊迫した面持ちで作戦会議をしていた。ジョンアイデルは、リビングに響く声で言った。

「次は、菌毒の精霊:ヴェノゲノムか」クレティアは、ジョンアイデルの言葉を受けて答えた。

「確か、古代病院にいるんだっけ。おそらくアスクレピオスの加護があるところの可能性があるわね。ってことは、オリンピア」ジョンアイデルは、メンバーを見渡して言った。

「今回のパーティー編成は、俺とクレティアは固定だ。残るメンバーを誰にするか」。ルミカは、ジョンアイデルの言葉が終わる前に、勢いよく言った。

「アタシはもちろんついていく」ジョンアイデルは、頭を掻きながら言った。

「三人だけだと、ちょっと厳しいかな。プラチヌムが来てくれたら、楽になるんだが」。プラチヌムは、少し申し訳なさそうに言った。

「みんなと一緒に行きたい気持ちはあるんだけど、どうしても都合がつかないんだよね」プラチヌムの言葉を聞いたあとに、リーゼが控えめに言った。

「それでしたら、私が今回同行させていただいてもよろしいでしょうか」リーゼは、理由を説明した。

「エアイリス族は、元々はオリンピア出身の種族ですので、多少なりともお役に立てるかと」リーゼの言葉を聞いて、ジョンアイデルは満足そうに頷いた。

「まあ、このくらいいればいいだろう」。彼は、パーティーメンバーを見渡して微笑んだ。ジョンアイデルたちは、恩羅院大陸の西港町へと旅立った。港に着くと、船に乗り込み、西へ、そして北へと進んでいった。彼らの心は、高揚感で満たされていた。オリンピアの港に到着し、ジョンアイデルはすぐに動き出した。

「まずは、医療地帯と遺跡保護地帯の間にあるエリアに向かおう」。彼は、目的地を明確に指示した。ジョンアイデルたちが遺跡医療エリアに到着すると、そこは想像を遥かに超える場所だった。古代の技術と現代、そして近未来の技術が奇妙に調和して異質な空間を創り出していた。ジョンアイデルは、驚きを隠せない様子で言った。

「オリンピア、やはり未知の技術の宝庫だな。オーパーツ技術が眠っているのかもしれない」ジョンアイデルの言葉を受けて、クレティアは冷静に分析した。

「ミクスタッド国も自然と近未来の技術が融合しているけれど、ここはそれを遥かに凌駕しているわ」。彼女は、遺跡医療エリアの技術に深い関心を抱いているようだった。クレティアの言葉を受けて、ルミカは未来を見据えるように言った。

「オリンピアの技術を理解できればきっと私達の祖国はさらに素晴らしい国になるかもしれないわ」彼女は祖国の未来に希望を託しているようだった。ジョンアイデルたちが遺跡医療エリアを探索していると、なんとプラチヌムと出会った。

「プラチヌム、こんな場所で会うなんて、一体どうして?」ジョンアイデルは、驚きを隠せない様子で尋ねたプラチヌムは、いたずらっぽく微笑んで答えた。

「アールヴにはオーパーツ技術の研究をしている者もいるからね。ワタクシは、超古代技術に興味があるの」プラチヌムの能力を知り、ジョンアイデルは言った。

「それならば、プラチヌムも俺達と一緒に来るか?」彼は、プラチヌムの協力を期待しているようだった。ジョンアイデルの提案に、プラチヌムはあっさりと答えた。

「まあ、いいわよ」彼女は、特に理由もなく提案を受け入れたようだった。プラチヌムを仲間に加え、ジョンアイデルたちは古代病院を目指して歩き出した。彼らの旅は、まだ始まったばかりだ。ジョンアイデルたちが古代病院の出入り口に到着すると、そこには奇妙な光景が広がっていたアスクレピオスの杖のマークが描かれた石造りの出入り口は、どこか近未来的な雰囲気を醸し出していた。古代病院の出入り口を観察していたジョンアイデルは、不思議そうな顔で言った。

「あれ!?おかしいな、出入り口がすでに開いているぞ」彼は、何が起こっているのか理解できないようだった。ジョンアイデルの言葉を受けて、リーゼは冷静に言った。

「皆さん、警戒を怠らないでください。出入り口が開いているのは、何か意図があるかもしれません」彼女は、状況を慎重に分析していた。リーゼの警戒心を感じながら、ジョンアイデルたちは古代病院のエントランスへと足を踏み入れた。すると、彼らの背後で扉が閉まる音が響き渡った。扉が閉まる音を聞いて、ルミカは少しも驚かずに言った。

「やはり、予想通りだね」彼女は、状況を冷静に受け止めていた。ジョンアイデルは、覚悟を決めて言った。

「ともかく、先に進むしかないな」その直後、彼らの目の前にゾンビが姿を現した。ゾンビが現れると同時に、ジョンアイデルは剣を構え、切り裂きながら言った。

「元々は治療患者か、体内のウィルスのせいで変異したのか」彼は、ゾンビの正体を冷静に分析していた。ジョンアイデルの剣がゾンビを正確に捉え、切り裂いた。ゾンビは苦痛に歪んだ表情を浮かべ、うめき声を上げながら倒れていった。ゾンビが倒れるのを見届けた後、ジョンアイデルは深刻な表情で言った。

「まさか、こんな悍ましいことになっていようとは。それに、デビルモンスターの気配も感じる」彼は、事態の深刻さを悟り、警戒を強めていたデビルモンスターの気配を感じながら、ジョンアイデルたちは先の部屋へと進んだ。すると、そこにはドクロの被り物をした小人のようなデビルモンスター:ウイルスデビラーが数体待ち受けていた。ウイルスデビラーがスピアや三叉槍を構え、襲い掛かってくる中、クレティアは迷うことなくイフリートを召喚した。

「いでよ!イフリート!」召喚されたイフリートは、炎を操り、ウイルスデビラーを焼き尽くした。イフリートの炎によってウイルスデビラーが消滅した後、ジョンアイデルはクレティアの戦術を褒め称えた。

「さすがだな、クレティア。相手がウイルス系統だから、加熱されるのには弱いことを見抜いたようだな」一方、ルミカは冷静に分析を始めた。 

「今のはデビルモンスターだけど、いつものコア部分がないわね。なんか純粋な穢れで作られたみたいな感じだね」ルミカの言葉を受けて、ジョンアイデルは危機感をあらわにした。

「デビルモンスターはおそらくクリミナル・デビル由来の穢れを、器物や生物に利用して生み出された存在だろう。しかも、さっきのデビルモンスターは複数いた。おそらく量産型だな。発生源を止めなければ、この状況は解決しない」ジョンアイデルたちは、警戒しながら次の部屋へと進んだ。すると、そこにもウイルスデビラーが数体待ち構えていた。プラチヌムは躊躇なく銃を構え、火炎弾を発射してウイルスデビラーを焼き尽くした。プラチヌムの活躍によって、1階のウイルスデビラーは全て消滅した。ジョンアイデルたちは、エレベーターを見つけ、新たな敵が待ち受けるであろう2階へと向かった。エレベーターが2階に到着する直前、ジョンアイデルは言った。

「しかし、出入り口が最初から空いていたってことは、ここにクリミナル・デビルのメンバーがいる可能性がある」エレベーターの扉が開くとジョンアイデルたちの目の前に立っていたのは、なんとアヴァリティアだった。アヴァリティアは、ジョンアイデルたちを待ち構えていたことを誇示するように言った。

「待ってたで、あんたらが来るんのをな」アヴァリティアの登場を予想していなかったジョンアイデルは、驚きを隠せない様子で尋ねた。

「ルクじゃなく、君とは予想外だな。何か訳があるのか?」ジョンアイデルの言葉に答えず、アヴァリティアは鋭い視線で彼をじっくりと観察し、言った。

「やはり、あんさん、ルクはんが惚れるのもおかしないやな!えぇ男やさかいにな!」アヴァリティアの言葉に混乱したジョンアイデルは、思わず口に出してしまった。

「おい、お前、男なんだろう?何を言って」アヴァリティアは、ジョンアイデルの言葉を気にも留めず言った

「なんや?ワイ、けったいなこと言ったか?」アヴァリティアの言葉を疑いながら、ジョンアイデルは問い詰めた。

「褒めるのはいいが、お前の意図が見えんな!何が目的だ?」アヴァリティアは、ジョンアイデルの問いかけに答えるように言った。

「あ~、せやな、リヴァイアサン様からの返答聞かせやんなきゃな。話し合いに関するな。それに対しては話し合いはしてくれるってことやで」アヴァリティアの言葉に納得したように、ジョンアイデルは言った。

「そうか。んでさ、お前に質問する」

ジョンアイデルの質問を待つように、アヴァリティアは尋ねた。

「なんかいな?」ジョンアイデルはアヴァリティアに容赦なく質問をぶつけた。

「お前は何のためにクリミナル・デビルにいるんだ?答えろ!」アヴァリティアは、ジョンアイデルの質問に迷うことなく答えた。

「ワイは恩返しや。かつて、飢餓や孤独に苦しんでたワイを救ったスペルヴィア様のため、そして、リヴァイアサン様のために、恩返しや」ジョンアイデルは、アヴァリティアの言葉に満足せず、さらに核心に迫る質問をした。

「次にお前はリヴァイアサンとスペルヴィア、どっちに強めの忠誠を誓ってる?」アヴァリティアは、ジョンアイデルの質問に警戒しながら答えた。

「リヴァイアサン様だね。なあ、あんさん、なんでこんな質問をするんや?」アヴァリティアの質問を真摯に受け止め、ジョンアイデルは自分の心情を吐露した。

「俺はお前らとは出来るだけ分かり合いたい、救いたいんだよ!それが共存、そして、差別や偏見をなくすことに繋がると強く思ってる」ジョンアイデルの言葉は、アヴァリティアの心の奥底に眠っていた疑問を呼び覚ました。クリミナル・デビルを裏切ることは、これまで信じてきた全てを否定することになるかもしれない。それでも、スペルヴィアのやっていることは本当に正しいのだろうか。アヴァリティアは、深い葛藤に苦しんだ。アヴァリティアの心の奥底に眠る真実を呼び覚まそうと、ジョンアイデルは問い詰めた。

「アヴァリティア、お前の本来はどうなんだよ?本当は心の奥ではわかってんだろう」ジョンアイデルの言葉に葛藤しながら、アヴァリティアは自分の気持ちを正直に語った。

「今ははっきりと分からない。確かにあんさんのようにまっすぐな人など世の中は悪い人ばかりではないことは分かってる。でも、ワイラは差別や偏見を受けた。経緯は違うがルクはんも居場所がないと思い流れ着いたもの。他のメンバーがどうかは知らへんが」アヴァリティアの言葉に希望を見出し、ジョンアイデルは励ますように言った。

「今は分からなくてもいい。だが、心に従いなよ!それが一番大事なことだ!いずれ答えは出る!」ジョンアイデルの言葉を聞き終えたアヴァリティアは、どこか腑に落ちたような顔になった。

「あんさん、本当にえぇー奴や。もっと早めに会えたら、違う出会い方してたらえぇーのに」そう言うと、アヴァリティアは空間の歪みを使ってその場から姿を消した。アヴァリティアとの会話を終え、ジョンアイデルは静かに言った。

「先に進もう」ジョンアイデル達は、それぞれの想いを胸に、新たな物語を紡ぎ始めた。二階に足を踏み入れると、そこは廊下を中心に左右に部屋が並ぶ構造になっていた。廊下の奥には、ひときわ大きな部屋が待ち構えている。二階の各部屋を探索する中で、ジョンアイデル達はアイテムを効率よく回収したり、ウィルスデビラーを冷静に撃破していった。そして、着実に歩みを進め、ついに中心の部屋まで辿り着いた。中心の部屋の奥に、ジョンアイデル達はペストマスクをつけた医者のような姿をした異質な存在を発見した。静寂を破りメディカルデビラーは嘲笑うように言った。

「待ちくたびれたぞ!私はメディカルデビラー!お前らが次なる患者か」その言葉と同時に、彼の体から無数の腕が生え、それぞれの腕には注射器、電気メス、丸鋸、ピンセットなど、見るもおぞましい医療器具が握られていた。そして、彼の体はサイボーグであり、包帯や糸を射出する機械が埋め込まれていることが明らかになった。メディカルデビラーの弱点を見抜いたジョンアイデルは、冷静な口調で言った。

「アイツにはコアがあるようだな」メディカルデビラーは、攻撃の合図と共に動き出した。彼の腕に握られた注射器から、見るもおぞましい注射液がジョンアイデル達に向けて飛んでいった。一瞬の隙を突かれ、プラチヌムはメディカルデビラーの放った注射液に当たってしまった。

「しまった!」悔しがる彼女の肌は露出している部分から炎症を起こし、赤く腫れ上がっていくプラチヌムの痛みを和らげるため、リーゼは躊躇なく癒しの風を発動させた。 

「レストレーション!」その希望の言葉と共に、優しい風がプラチヌムの傷口に吹き付けられ、炎症を鎮静化させていき最終的には完治させる。プラチヌムの治療を終えたリーゼに感謝しつつ、ジョンアイデルは迷わず魔天依を発動。

「くらえ!」小手に隠された刃がメディカルデビラーの装甲を貫き、痛烈な一撃を与える。その直後、ルミカが天秤を召喚する

「裁きを下す」厳かに宣告する。天秤はメディカルデビラーの悪行を暴くように傾き、無慈悲な雷が彼の体を打ち砕いた。ジョンアイデルとルミカの攻撃に怯んだメディカルデビラーは、逆転を狙って叫んだ。

「小癪な!蝕まれろ!」彼の周囲に、おぞましい姿をしたウイルスデビラーが次々と出現し、ジョンアイデル達に襲い掛かる。だが、クレティアは臆することなくイフリートを召喚し、プラチヌムも銃から炎の弾丸を連射して、ウイルスデビラーを瞬く間に消滅させていく。クレティアとプラチヌムの援護を受けながら、ジョンアイデルは新たな戦術を思い描いた。

「魔天依状態から霊依も可能なのかな、試してみるか」そして、覚悟を決めて叫んだ。

「いでよ、ミラ・マクスウィル!」ジョンアイデルがミラ・マクスウィルを召喚した瞬間、彼の体に力が奔った。魔天依状態の彼の身体に、ミラ・マクスウィルの力が融合し、その姿は劇的に変化する。右腕に赤色の小手が、左腕に黄色の小手が輝き、右足に緑色の足当て、左足に青色の足当てが彼の力を高めた。未知の力を手に入れたジョンアイデルは、喜びを爆発させた。

「やったー!一か八かだが、出来たぞ、魔天霊依が出来るぞ!」その異様なオーラに、メディカルデビラーは動揺を隠せない。

「な、なんだ?この異様な気配は?あの男からか」ジョンアイデルの意識の中に、ミラの声が響く。

「一部とはいえワタクシの力を纏ってるんだからね、気をつけなよ、あんまり長時間は推奨しないわよ」ジョンアイデルは心の中で応える。

「分かってる」その瞬間、メディカルデビラーが電子メスを振るうが、風のバリアが瞬時に展開され、ジョンアイデルを守った。ミラの警告を胸に、ジョンアイデルは反撃を開始した。

「オラー!」叫びながら、右足を振り上げる。その足には、まるで意思を持つかのように炎が纏わりつき、メディカルデビラーの装甲を容赦なく焼き焦がした。ジョンアイデルの驚異的な力に、メディカルデビラーは戦慄した。

「ウググ〜、な、なんだと!?装甲を破られた上に、体内に仕込んだウィルスの一部が消滅しただと!?」ジョンアイデルは、メディカルデビラーを射抜くような視線で見据え、静かに問いかけた。

「さあ、どうする?引き下がるか、それとも俺達に倒されるか?どっちがいい?」ジョンアイデルの問いに対し、メディカルデビラーは覚悟を決めた表情で答えた。

「退くわけにはいかん!私は、私の役目をまっとうしなければならん」メディカルデビラーの決意に、ジョンアイデルは悲しげな表情を浮かべた

「そうか、ならば、仕方ない!みんな!」ジョンアイデルは自らに炎を宿し、総攻撃の合図を送る。プラチヌムの炎の弾丸が火蓋を切り、ルミカの斬撃が襲いかかる。クレティアのヴォルトが雷を落とし、ジョンアイデルの炎の蹴りが決着をつける。ジョンアイデル達の連携攻撃を受け、メディカルデビラーは断末魔の叫びを上げた。

「うわー、申し訳ありません!テリオン様〜!」彼の肉体は光の粒子となり消滅し、後に残ったのは禍々しい色のビーズ状のアイテムだけだった戦いが終わり、ジョンアイデルはメディカルデビラーが消滅した後に残された禍々しい色のビーズ状のアイテムを拾い上げた。

「クリスタルのアイテムと同じようなアイテムか、クリスタルの方はデビルクリスタル、ビーズのアイテムはデビルファクターとでも呼ぶか」ジョンアイデルはデビルファクターを手にすると、再び歩き出した。廊下を突き当たりまで進むとそこにはエレベーターがあった。ジョンアイデル達はエレベーターに乗り込み、上層階へと向かった。エレベーターが最上階に到着し、扉が開いた。ジョンアイデルは、緊張感を高めながら、扉の先へと足を踏み入れた。そこには、新たな扉が待ち受けていた。ジョンアイデルが扉を開けると、広大な空間が広がっていた。そこにいたのは、菌毒の精霊ヴェノゲノムだった

挿絵(By みてみん)

彼女は少し小柄で、無邪気に踊り舞い、ジョンアイデルを驚かせた。ヴェノゲノムは、ジョンアイデルの姿を認めると、無邪気な笑顔で歓迎した。

「来たのね、盟主、アタシはヴェノゲノム」その時、クレティアがヴェノゲノムに力強く語りかけた。

「我こそは契約を望む!名はクレティア!差別や偏見をなくし多種族が共存する世界を作ることを叶えたい!」クレティアの言葉に、ヴェノゲノムは興味を示し、契約の条件を提示した。

「いいよ~、スギライトを持ってるなら契約できるよ〜」ヴェノゲノムの言葉を受け、クレティアの首飾りについているスギライトの指輪が力強い光を放ち始めた。光はクレティアとヴェノゲノムを包み込み、二人の間に強固なパスが形成された。光が消え去ると、ヴェノゲノムはクレティアに親しげに話しかけた。

「これで契約完了だね〜、クレティア姉ちゃん、そこの男の人の名前は?」ジョンアイデルは、ヴェノゲノムに自己紹介をした。

「俺はジョンアイデルだよ」ジョンアイデルの名前を聞き終えると、ヴェノゲノムはいたずらっぽくウインクした。

「ジョンアイデルって言うのね、お兄ちゃん」ヴェノゲノムの親しげな呼びかけに、ジョンアイデルは少し驚きながらも答えた。

「お兄ちゃんって、まあいいか。ヴェノゲノムって生まれて他の精霊よりは浅いのかな」場面は一転、クリミナル・デビルの本拠地へ。そこには、リヴァイアサンの研究室があった。ルクスリアは、アヴァリティアに探るように尋ねた。

「アヴァリティア、君もジョンと接触したんだね」アヴァリティアは、ジョンアイデルへの期待を隠さずに答えた。

「せやな、彼奴になら希望はかけれそうやな」その傍らで、リヴァイアサンは一言も発さず、結晶を丁寧に仕込んだ小型の柱の魔科学道具をひたすら黙々と作り上げていた。アヴァリティアは、リヴァイアサンの異変に気づき、ルクスリアに問いかけた。

「リヴァイアサンの姉さん、どうしたんやろう。いつもなら茶化すなり反応するけど、今回はそんなことしてこーへんな」アヴァリティアの問いかけに、ルクスリアは落ち着いた口調で答えた。

「君が出かけてる間にスペルヴィアから頼まれごとがあったからね。それ絡みでしょう」ルクスリアの説明に、アヴァリティアは納得がいかない様子で呟いた。

「魔科学道具か、なんか回りくどいな。スペルヴィアってどうなんやろう。何が目的なんやろう?差別や偏見のない世界を作るとは言っってるが、それに対して具体的なことはあまり言わへんしな」アヴァリティアの疑問に、ルクスリアは自身の価値観を示した。

「アテチは楽しくやれればいい。別にスペルヴィアが差別や偏見をなくすことを目的としてるなら、それはそれでいいと思ってる。妙なやり口じゃなければね」作業台に並んだ8つの魔科学道具を眺めながら、リヴァイアサンは満足げに呟いた。

「出来た〜、魔科学道具、クネウス、通称楔。8つ作るのは手間暇かかったけどね」リヴァイアサンの披露したクネウスを見て、アヴァリティアは率直な感想を述べた。

「なんや、結晶仕込んでるが案外ちんまいな。見た感じ釘みたいやな」アヴァリティアの疑問を察知したかのように、リヴァイアサンはクネウスの用途について詳しく説明した。

「これはこれ単体での使用ではないよ。スフィアとセットで使うものだからねぇー。スフィアは各国にあらかじめ仕込んでからね」リヴァイアサンの説明に納得したアヴァリティアは、同時に懸念も口にした。

「なるほどやな。しかし、仕込むにしても邪魔してこない奴らがいないとは限らないやしな」アヴァリティアの懸念を払拭するように、リヴァイアサンは対策について具体的に語った。

「そこは幹部たちの手腕次第。自前で兵士を準備したりとか、いろいろ手段はありそうだし」その頃、テリオンの研究室では別の動きが——。

テリオンはメディカルデビラーの敗北を知り、すぐに研究に取り掛かろうとした。

「メディカルデビラーまでやられたか。手駒のデビルモンスターをまた作らないとな」テリオンの言葉を聞き終えると、イリュテムは新たなデビルモンスターの作成方法について具体的な提案を始めた。

「ならば、クリスタルやフィクターを2つ以上使うや、クリスタルとフィクター両方を使って作成とかどうですか?」イリュテムの提案を聞き終えると、テリオンは過去の実験について説明を始めた。

「そのデビルモンスターの試作は試みた。だが、安定性にかける」テリオンはデビルクリスタルとデビルファクターを手に取り、じっと見つめながら新たな可能性に気づいた

「そうか、この2つを一つにできればいいな。そしたら、完全なコアに——」

【精霊紹介】

[ヴェノゲノム]

挿絵(By みてみん)

145cm。Cカップ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ