エピック24【ミクスタッド国:古代発電所】
テリオンの実験という名のゲームが始まったことを受け、ジョンアイデルたちは、自宅に集まり、緊急の作戦会議を開いていた。彼らの表情は、これまでになく真剣だった。互いの意見を交わし、綿密な戦略を練り上げていく。ジョンアイデルのリーダーシップのもと、彼らは、必ず勝利を掴むと誓い合った。クレティアは、古代発電工場の情報を思い出し、仲間に語りかけた。
「そういえば、古代発電工場には、メタルムとヴォルトという存在がいたわね」彼女は、少し考え込むように、言葉を続けた。
「彼らは、テリオンの実験に関わっているかもしれません。まずは、彼らに話を聞いてみましょう」クレティアの言葉には、好奇心と、情報収集への意欲が感じられた。クレティアの言葉に対し、ジョンアイデルは、冷静に反論した。
「いや、それはないだろう」彼は、腕を組み、考え込むように言った。
「精霊がクリミナル・デビルに力を貸しているという情報は、これまで一切入ってきていない」ジョンアイデルの言葉には、確固たる自信と、情報分析に基づいた冷静な判断力が感じられた。古代発電工場の場所を地図で確認したクレティアは、目を見開いて言った。
「ミクスタッド国…?」彼女は、信じられないといった表情で、ジョンアイデルを見た。
「ミクスタッド国は、ワタシとルミカの祖国だ。まさか、そんな場所に…」。クレティアの声は、驚きと興奮で震えていた。ジョンアイデルたちは、ミクスタッド国へ向かうため、恩羅院大陸の西にある港町で、船の準備をしていた。彼らは、食料や水、武器などの必需品を買い揃え、船に積み込む。そして、ジョンアイデルは、仲間に向かって言った。
「ミクスタッド国へ向けて、出発だな!」ジョンアイデルは、船の上で、ルクスリアの情報を調べていた。
「ルクスリア…、ミクスタッド国出身、クリミナル・デビル所属…」。彼は、モニターに映し出されたデータを見ながら、呟いた。
「彼女が、今回の事件にどのように関わってくるのか、予測できないな」ジョンアイデルは、ルクスリアの行動を予測するため、様々な情報を分析する。長い船旅の末、ついに、ジョンアイデルたちの乗った船は、ミクスタッド国の港に到着した。港には、色とりどりの旗がはためき、活気に満ち溢れていた。ジョンアイデルたちは、船から降り立ち、ミクスタッド国の地に足を踏み入れた。彼らの冒険は、ここから始まる。ミクスタッド国は、自然と調和した国だった。街には、緑豊かな公園や庭園が点在し、人々は、自然を大切にしていた。その文明レベルは、高い技術力を持ちながらも、自然環境を保護することに重点を置いていた。ジョンアイデルたちは、ミクスタッド国の持続可能性に感心したクレティアが船から降りると、すぐに、メイアが駆け寄ってきた。
「クレティア嬢様、ご無事で何よりです」彼女は、クレティアを抱きしめ、安堵の表情を浮かべた。
「ミクスタッド国に帰国されると聞いて、いてもたってもいられず、私も一緒に来ました」メイアの言葉には、クレティアへの忠誠心と、彼女を支えたいという強い気持ちが込められていた。クレティアは、メイアの申し出を断り、自分の考えを伝えた。
「メイア、気持ちは嬉しいけど、今回は、あなたを連れて行くことはできないわ」彼女は、真剣な表情で言った。
「精霊との契約は、非常に危険なものになるかもしれない。あなたは、ミクスタッド宮殿で待機していて、ワタシが無事に帰ってくるのを待っていてちょうだい」クレティアの言葉には、メイアへの配慮と、今回の任務に対する覚悟が込められていた。ジョンアイデルたちがミクスタッド国の港に到着すると、現女皇フィリアと皇配のアンプが出迎えに来た。フィリアは、笑顔でジョンアイデルに近づき、握手を求めた。
「ジョンアイデルさん、君の来訪を心待ちにしていました。クレティアとルミカがいつもお世話になって」彼女の言葉には、ジョンアイデルに対する感謝と、クレティアとルミカへの信頼が込められていた。フィリアの隣に立っていたアンプも、ジョンアイデルに挨拶をした。
「ジョンアイデルさん、よくぞミクスタッド国へお越しくださいました」彼は、少し照れくさそうに言った。
「手のかかる娘かと思いますが、どうかよろしくお願いします」アンプの言葉には、ジョンアイデルに対する感謝と、クレティアとルミカを心配する気持ちが込められていた。ジョンアイデルは、フィリアとアンプに、重要な情報を伝えた。
「今回の事件には、あなたがたの子孫である三人の女性が深く関わっている可能性があります」彼は、慎重な口調で言った。
「特に、三人目の女性は、犯罪組織に所属しており、事件の鍵を握っているかもしれません」ジョンアイデルの言葉には、フィリアとアンプに対する警告と、事件の真相を解明したいという強い気持ちが込められていた
クレティアとルミカが、ジョンアイデルの質問を遮ろうとする。さきに遮ったのはクレティアだ。
「ジョンアイデル、アスモディンの話は、もういいじゃない」ルミカは、少し怒ったような口調で言った。
「アイツは、私達とは関係ないんだから」しかし、ジョンアイデルは、二人の言葉を遮り、フィリアとアンプに視線を向けた。
「フィリアさんとアンプさん、申し訳ありません。娘さんたちが、少し取り乱してしまって。アスモディンさんの件について、何かご存知のことはありますか?」ジョンアイデルの言葉には、クレティアとルミカに対する配慮と、フィリアとアンプから情報を得たいという強い気持ちが込められていた。フィリアは、少し悲しそうな表情で言った。
「アスモディン…、あの子にも、私達は期待していたんです」彼女は、遠い目をして、過去を振り返った。
「まあ確かに、次期女皇にはなれなかったけれど、それでも、クレティアを支えてくれる存在にはなると信じていました」。フィリアの言葉には、アスモディンに対する愛情と、彼女の未来を案じる気持ちが込められていた。アンプは、フィリアの言葉を引き継ぎ、言った。
「結局は、期待どころか、それを裏切る行為をしてしまいました、止めればよかったんですけど」彼は、少し悔しそうな表情で言った。
「だが、戻ってきても、叱りはしません。場合によっては、断罪するかもしれませんが…」アンプの言葉には、アスモディンに対する厳しさと、親としての愛情が込められていた。アンプは、ジョンアイデルに向かって、深々と頭を下げた。
「ジョンアイデルさん、烏滸がましいことか存じますが、どうか、アスモディンを連れ戻してください!」彼は、真剣な表情で言った。
「間違った道を今は進んでいるかもしれませんがきっと貴方なら、あのバカ娘を正しい方向に戻してくれるかもしれません」アンプの言葉には、ジョンアイデルに対する信頼と、アスモディンを救ってほしいという切実な願いが込められていた。フィリアは、アンプの言葉に同意し、言った。
「ジョンアイデルさん、アスモディンは、確かに過ちを犯してしまいましたが、根は優しい子なんです」。彼女は、ジョンアイデルの手を握り、言った。
「どうか、アスモディンを信じてあげてください。そして、彼女を正しい道へ導いてあげてください」。フィリアの言葉には、ジョンアイデルに対する信頼と、アスモディンを救ってほしいという強い願いが込められていた。ジョンアイデルは、フィリアとアンプの肩に手を置き、言った。
「アスモディンのことは、私に任せてください」。彼は、優しく微笑み、言った。
「彼女が、過ちを犯してしまったとしても、私は、彼女を見捨てることはありません。必ず、彼女を正しい道へ導いてみせます」。ジョンアイデルの言葉には、フィリアとアンプに対する優しさと、アスモディンを救うという強い責任感が込められていた。ジョンアイデルがアスモディンを救うことを誓った瞬間、宮殿内に異様な気配が漂い始めた。そして、次の瞬間、空間が歪み、黒い影が姿を現した。その影は、徐々に形を成し、ルクスリアことアスモディンの姿へと変わった。フィリアが、アスモディンの帰還を喜ぶ。
「アスモディン、おかえりなさい」しかし、ルクスリアは、冷たい視線でフィリアを見つめた。次の瞬間、禍々しい紫の玉を放った。その玉は、フィリアに向かって一直線に飛んでいき、宮殿内に緊張が走った。ジョンアイデルは、ルクスリアの攻撃を止め、彼女の手を掴んだ。
「アスモディン、もうやめろ!こんなことを続けても、何も生まれないぞ!お前達が苦しむだけだ!」彼の言葉には、アスモディンを止めたいという必死の思いと、彼女を救いたいという強い願いが込められていた。ルクスリアは、涙を堪えながら、自分の行動を正当化しようとした。
「アテチは、ただ、自分の存在を証明したかっただけなんだ」。彼女は、苦しそうな表情で言った。
「母と父に、アテチの力を見せつけたかった。アテチだって、クレティアやルミカに負けない力を持っているんだってことを!」。ルクスリアの言葉には、自己顕示欲と、劣等感が入り混じった複雑な感情が込められていた。フィリアは、アスモディンに、過去の出来事を謝罪し始めた。
「アスモディン、あの時、貴女の気持ちを理解してあげられなくて、本当にごめんなさい」彼女は、涙を流しながら言った。
「私達は、貴女の才能を認めながらも、それを上手く伸ばしてあげることができなかった」フィリアの言葉には、アスモディンに対する謝罪と、彼女の才能を活かしてあげられなかったことへの後悔が込められていた。ルクスリアは、涙を拭いながら言った。
「アテチは、もう、どうすることもできない」彼女は、震える声で言った。
「概念体になったアテチは、もはや誰にも止めることはできないの!」ルクスリアの言葉には自らの運命を受け入れたことへの諦めと、破滅への道を歩むしかないという絶望が込められていた。ルクスリアの言葉に、ジョンアイデルは力強く言い返した
「だったら、俺達が止めてやる!」彼は、ルクスリアの目を見つめ、言った。
「貴様が間違っているならば、それを止めてやる!」ジョンアイデルの言葉には、ルクスリアを救いたいという強い決意と、諦めないという強い意志が込められていた。ジョンアイデルの言葉を聞いたルクスリアは、涙を流しながら言った
「ジョンアイデル…君は、何処までも真っ直ぐなんだ…!」彼女は、後悔の念を込めて言った。
「君ともっと早く出会っていれば、変わっていたのかな…!」ルクスリアは、崩れ落ちるように膝をつき、空間の歪みを使って撤退した。彼女の言葉には、ジョンアイデルに対する感謝と、自らの運命を嘆く気持ちが込められていた。ジョンアイデルは、ルクスリアを救えなかったことへの怒りを露わにし、言った。
「大元であるスペルヴィア、…必ず、絶対貴様を倒す!」彼は、復讐心を燃やし、言った。
「貴様が、ルクスリアを苦しめた罪は、必ず償わせる!」ジョンアイデルの言葉には、大元に対する怒りと、ルクスリアの仇を討つという強い決意が込められていた。ジョンアイデルが大元を倒すための方法を模索していると、どこからともなく、金属の精霊:メタルムの声が聞こえてきた。
「我はメタルム…金属の精霊なり」。そして、次の瞬間、彼の姿が、ジョンアイデルたちの目の前に現れた。
彼の登場は、物語に新たな展開をもたらす予感がした。メタルムの出現に、クレティアは驚きながらも、すぐに決意を固めた。
「ここに現れるなんて思わなかった…」彼女は、メタルムに向かって歩み寄り、言った。
「我こそはクレティア。汝、契約を交わしたまえ。ワタシは差別や偏見がなく他種族が共存できる世界を作りたい」クレティアの言葉には、メタルムと契約したいという強い意志と、自分の理想を実現したいという熱意が込められていた。メタルムは、クレティアの強い意志を感じ取り、言った。
「貴様の願い、しかと受け止めた」彼の言葉が終わると同時に、クレティアのシトリンの指輪が共鳴し、輝きを増した。そして、その輝きは、メタルムとクレティアの間に、目に見えない絆を創り出した。メタルムとクレティアの契約成立を見届けたルミカは、冷静に状況を分析し、言った。
「あとは、古代発電工場のヴォルトだけか」彼女の言葉は、物語が新たな局面へと進むことを示唆していた。ルミカの言葉を受け、ジョンアイデルはヴォルトに関する情報を補足した。
「ヴォルトは古代語を使う精霊だ」彼は、仲間に向かって力強く言った。
「皆、行こう!」ジョンアイデルの言葉は、ヴォルトに関する知識を示すとともに、仲間たちを鼓舞し、新たな目的地へと向かう決意を表していた。古代発電工場の扉を目の前にしたジョンアイデルは、その重厚さに圧倒された。扉は、まるで生き物のように、静かに脈打っているように感じられた。彼は、扉に手を触れ、その冷たい感触を確かめた。ジョンアイデルは、古代発電工場の扉に刻まれた文字を注意深く観察し、呟いた。
「これは古代文字か…」彼は、文字の一つ一つを丁寧に読み解き、確信を持って言った。
「読めるぞ!」彼の言葉は、扉の奥に眠る秘密が解き明かされることを予感させた。ジョンアイデルは、古代語のメッセージを読み上げながら、古代文明の技術力に感嘆した。
「何々…これより先は発電工場!危険なところがあるから気をつけるべし」彼は、尊敬の念を込めて言った
「古代文明は、高度な技術を持っていたんだな。このメッセージからも、それが伝わってくる」。ジョンアイデルの言葉は、古代文明への敬意を示すとともに、探求心を刺激するものだった。ジョンアイデルは、エントランスに漂う空気を感じ取り、言った。
「この工場は、エネルギーに満ち溢れているな」彼は、エネルギーの流れを読み解き、説明を始めた。
「この工場では、エネルギーを生産し、そのエネルギーを使って、様々な物を生産していた。そして、このエネルギーの流れが、この工場全体を活性化させているんだ」ジョンアイデルの言葉は、工場のエネルギーの流れを明らかにし、物語に神秘的な雰囲気を加えるものだった。ジョンアイデルが解説を終えた直後、天井から機械音が響き渡った。見上げると、3体の機械仕掛けのゴーレムが、ゆっくりと降りてくるのが見えた。その異様な光景に、一行は息を呑んだ。ジョンアイデルは、機械仕掛けのゴーレムを見て、冷静に分析を始めた。
「このゴーレムは、古代文明の技術の粋を集めて作られたものだ」彼は、ゴーレムの構造や素材を分析し、その技術的な価値を見出そうとした。
「このゴーレムを研究すれば、古代文明の技術を現代に蘇らせることができるかもしれない」ジョンアイデルの言葉は、彼の知識と、技術者としての誇りを示すものだった。機械仕掛けのゴーレムは、ジョンアイデルたちの存在を認識すると、即座に攻撃を開始した。ゴーレムは、腕を伸ばし、正確に拳を繰り出した。ジョンアイデルたちは、連携を取りながら、ゴーレムの攻撃を回避した。ジョンアイデルは、ゴーレムの攻撃を冷静に見極め、呟いた。
「伸縮機能もあるのか、すごいものだな、だが…」次の瞬間、彼は、驚くべき速さでゴーレムに接近し、一瞬にしてコアを抜き取った。ジョンアイデルがゴーレムのコアを抜き取るのを見て、ルミカは感心した。
「一瞬の隙をついて、コアを抜き取るとは…。見事ね」ジョンアイデルは、ルミカの称賛に頷き、残りのゴーレムに立ち向かった。そして、持ち前の知識と戦闘能力を駆使し、全てのゴーレムを倒し、残骸とコアをインベントリーに収納したゴーレムの残骸をインベントリーに収納し終えたジョンアイデルたちは、次の部屋へと向かった。部屋に入ると同時に、背後の扉が勢いよく閉まり、一行は脱出不可能な状況に陥った扉が閉まる音を聞いたクレティアは、不安そうにジョンアイデルを見た。
「ジョン、どうしよう…閉じ込められちゃった」彼女は、ジョンアイデルに助けを求めた。ジョンアイデルは、クレティアの視線を受け止め、優しく微笑んだ。
「大丈夫だ、クレティア」彼は、クレティアを安心させ、指示を出した。
「必ず脱出できる方法がある。一緒に探そう」ジョンアイデルの指示を受け、ルミカは壁を調べ始めた。すると、彼女は、複数のレバーが並んだ装置を発見した。
「ジョン、これを見て!」彼女は、ジョンアイデルを呼び、レバーについて相談した。
「このレバーを操作すれば、脱出できるかもしれないわ!」部屋の中を探索するクレティアは、モニターが付いた謎の装置を見つけた。
「この装置は、一体何のために…?」。彼女は、好奇心を抑えきれず、装置を起動した。すると、モニターにレバーの操作方法が表示された。
「レバーの操作方法が分かったわ!赤、橙、黄色は上、青、緑、紫は下に動かすみたい」クレティアの指示を聞いたジョンアイデルは、即座にレバーの前に立った。
「よし、やってみるか」彼は、クレティアの指示通りにレバーを操作した。すると、重々しい音を立てて、閉ざされていた扉が開いた。ジョンアイデルたちは、次の部屋へと続く扉を開け、足を踏み入れた。その瞬間、彼らは、異様な光景を目にした。それは、工具を身にまとい、不気味な笑みを浮かべる悪魔、ツールデビラーだった。ジョンアイデルたちを睨みつけながら、ツールデビラーは甲高い声で叫んだ。
「ガチャチャチャ!我が名はツールデビラー!貴様らを捕獲か始末するように命を受けてる!」ツールデビラーの言葉を聞いたジョンアイデルは、冷静に言い放った。
「バカなやつだな、幹部より低ランクのヤツに捕まるわけないし、やられるわけはないだろう」彼の言葉には、揺るぎない自信が込められていた。ジョンアイデルの言葉に、ツールデビラーはニヤリと笑った。
「面白いことを言うな」彼は、手に持っていた工具を磨き、言った。
「まずは、こいつらで遊んでやる!」すると、ネジやビスでできた人型が、ジョンアイデルたちに襲い掛かったツールデビラーの攻撃に、ジョンアイデルは余裕の笑みを浮かべた。
「そんなもの、ただの玩具だ」彼は、腰を落とし、力強い掌底を繰り出した。その一撃で、ネジやビスでできた人型は、原型を留めないほど破壊された。ネジロイドが一瞬で破壊された光景に、ツールデビラーは目を丸くした。
「なに!?ネジロイドを掌底一発で一掃しただと!?」彼は、信じられないといった表情で、ジョンアイデルを見つめた。ツールデビラーの驚愕をよそに、ジョンアイデルは冷静に問いかけた。
「どうする?引き下がるか、それとも俺達に倒されるか?さあどっちがいい?」彼の言葉には、圧倒的な自信と、敵への容赦のなさが込められていた。ジョンアイデルの言葉を聞いたツールデビラーは、狂ったように笑った。
「テリオン様のためなら、私は何でもする!」彼は、興奮した様子で、ジョンアイデルに襲い掛かった。
「引き下がる?そんなことを考える暇があったら、貴様らを倒すことだけを考える!」ツールデビラーの言葉を聞いたジョンアイデルは、静かに頷いた。
「そうか、ならば、容赦はしない」彼の瞳には、冷たい光が宿っていた、ジョンアイデルが戦闘態勢に入ったのを確認し、クレティアは静かに詠唱を始めた。そして、ツールデビラーに触れた瞬間、彼女は概念体の能力で老朽化の可能性を賭けた
「これでどうだ!」ツールデビラーの体は、たちまち錆に覆われていった。クレティアの能力の効果が現れ始めた時、ツールデビラーは異変に気づいた。
「何だ、これは…」彼は、自分の体が錆びていくのを感じ、苦悶の表情を浮かべた。
「う、動きが…、ス、スムーズにいかない…」ツールデビラーが抵抗を諦めたのを確認し、ジョンアイデルは静かに近づいた。そして、彼の胸の中心にあるクリスタルを抜き取り、言った。
「安らかに眠れ」ツールデビラーは、感謝の言葉を述べることもできず、塵となった。ツールデビラーとの戦闘を終え、ジョンアイデルは息を吐き出した。
「次は何が待ち受けているか…」彼は、気を引き締め、階段を登り始めた。クレティアとルミカは、彼の背中を見ながら、決意を新たにした。ジョンアイデルたちが階段を登り始めた。その時、空間が歪み、新たな敵が現れた。
「またか…」ジョンアイデルは、警戒しながらその姿を見つめた。そこに現れたのは、禍々しいオーラを纏ったルクスリアだった。空間の歪みから現れたルクスリアは、ジョンアイデルを見つめ、甘い声で言った。
「ジョンアイデル、君のことを考えると胸が苦しい」その言葉には、敵意だけでなく、複雑な感情が込められているようだった。ルクスリアの言葉を聞いたジョンアイデルは、彼女の過去に何があったのかを知りたいと思った。彼は、彼女を抱きしめ、優しく問いかけた。
「教えてほしい、君は本当は何を望んでいるんだ?」彼は、ルクスリアの心を開こうと、真剣な眼差しで見つめた。
「そして、犯罪組織にいる理由を教えてほしい」ジョンアイデルの言葉に、ルクスリアは複雑な表情を浮かべた。
「あなたは、アテチを理解してくれるの?」彼女は、ジョンアイデルの腕の中で震えながら言った。
「クリミナル・デビルにいるのは、認めてくれたリヴァイアサン様と、私に居場所をくれたスペルヴィア様のため」ルクスリアの告白を聞いたジョンアイデルは、彼女の肩を優しく掴み、真剣な眼差しで言った。
「君の手はこれ以上汚れてほしくない」彼は、ルクスリアの瞳を見つめ、力強く言った。
「認めてくれる人は他にいるよ」ジョンアイデルの言葉に、ルクスリアは涙を拭い、微笑んだ。
「ありがとう、そう言ってくれるのがせめてもの救い」しかし、彼女はすぐに表情を曇らせ、言った。
「だけど、クリミナル・デビルを離脱するにも、今するとスペルヴィア様が何かしてきそう」ルクスリアの迷いを聞いたジョンアイデルは、彼女の頬に手を添え、真剣な眼差しで言った。
「俺達は、正義を貫く」彼は、ルクスリアの心に語りかけるように言った。
「お前がどうしたいのか、ゆっくり考えてほしい。俺は、いつまでも待っている」ジョンアイデルの言葉を聞いたルクスリアは、微笑んだ。それは、いつもの狂気や嘲笑とは違って、純粋な心から湧き上がったものだった。
「ありがとう、やっぱり優しすぎるよ、ジョンアイデル」彼女は、何かを言いかけ、言葉を飲み込んだ。
「アテチ、もしかして…、嫌、今は言わないでおこう」。ルクスリアの告白を聞いたジョンアイデルは、新たな提案をした。
「なあ、リヴァイアサンに、俺達の考えを伝えてみないか?」彼は、ルクスリアの肩を抱き、優しく言った。
「俺は、リヴァイアサンも、本当は平和を望んでいるんじゃないかと思うんだ」ジョンアイデルの言葉に、ルクスリアは少し驚いた。
「リヴァイアサン様に、会いたいなんて…」しかし、彼女はすぐに気持ちを切り替え、言った。
「でも、伝えてみる価値はあるわね。リヴァイアサン様は、あなたのことを面白いと思っているみたいだから」ジョンアイデルとの会話を終えたルクスリアは、満足そうな、それでいて少し寂しそうな表情を浮かべた。彼女は、静かに空間の歪みを発生させ、その中に身を沈めた。
「また会える日が来るかもしれないわね、ジョンアイデル」ルクスリアとの別れの後、ジョンアイデルたちは無言でエレベーターに乗り込んだ。エレベーターが上の階へと向かうにつれて、彼らの表情は引き締まっていく。
「これから、どんな困難が待ち受けているのだろうか」エレベーターを降りたジョンアイデルたちの目に飛び込んできたのは、輝く宝箱だった。期待を込めて宝箱を開けると、中には奇妙な灰色の錠剤が2つ入っていた。
「これは一体…?」ジョンアイデルは、宝箱に添えられた札を手に取り、読み上げた。
「これは後世に残すもの、この錠剤を飲むと汝らが言う古の言葉は分かるであろう」ジョンアイデルは、宝箱の中の錠剤を手に取り、慎重に分析スキルを使った。彼の目に、錠剤の成分が詳細に映し出される。
「なるほど、そういうことか」彼は、分析結果を理解し、言った。
「世界樹の葉、混合獣の毛、人魚の鱗、虹の実を適切に配合すれば、同じ効果が得られる」ジョンアイデルの説明を聞いたクレティアとルミカは、互いに励まし合った。クレティアは、錠剤を手に取り、決意を込めて飲み込んだ。
「これで、ワタシ達も変われるはず」ルミカも、クレティアの後に続き、錠剤を飲み込んだ
「ワタクシも、新たな一歩を踏み出したい」クレティアとルミカが錠剤を飲み終えると、ジョンアイデルたちは再びエレベーターに乗り込んだ。エレベーターは、さらに上へと上昇していく。
「次は、どんな場所へ行くんだろうか」。ジョンアイデルは、期待に胸を膨らませた。エレベーターが最上階に到着し、扉が開くと、ジョンアイデルたちの目に飛び込んできたのは、静電気が激しく走り回る異様な空間だった。空気はピリピリと震え、肌に微かな刺激を感じる。ジョンアイデルは驚きのあまり声を漏らす
「ここは…一体」静電気が最高潮に達した瞬間、ジョンアイデルたちの目の前に、雷電の精霊ヴォルトが降臨した。
ヴォルトの登場に、空間はさらに歪み、ジョンアイデルたちを押し潰そうとする。
「我こそは、雷電の精霊ヴォルトなり」声色は男性とも女性ともつかない機械質である。雷電の精霊ヴォルトの前に立ち、クレティアは覚悟を決めた。彼女は、ヴォルトの目を真っ直ぐに見つめ、言った。
「我はクレティア。契約を求めて、ここに参った!」彼女の言葉には、揺るぎない決意が込められている。
「差別や偏見のない、多種多様な種族が共に生きる世界を、私は創りたい!」クレティアの熱意に、ヴォルトはわずかに興味を示した。ヴォルトは、無機質な声で言った。
「ふむ、契約を望むか」ヴォルトの視線は、クレティアの奥底を見透かそうとする。
「貴様らの力は、既に確認済みだしな。許可しよう」ヴォルトは、言葉を続ける。
「サードニックスがあれば、話はスムーズに進む」ヴォルトがサードニックスの存在を確かめた瞬間、クレティアの首飾りが光り輝き始めた。サードニックスの光は、ヴォルトの雷電の力を引き寄せ、二人の間に強固な絆を築き上げていく。
「これで、貴様との契約は完了した」ヴォルトは、クレティアを見つめながら言った。場面は変わり、クリミナル・デビルの本拠地へ。リヴァイアサンの研究室は、禁断の知識が眠る場所だった。古びた書物と、最新の技術が混在している。ルクスリアがリヴァイアサンとの伝言を終えると、アヴァリティアが興味津々に尋ねてきた。
「ルクはん、今日はえらい上機嫌やな」アヴァリティアは、ルクスリアに詰め寄る。
「何かえぇことでもあったんか? 隠し事はなしやで」アヴァリティアの言葉に、ルクスリアはいたずらっぽく笑った。
「教えて欲しい?」彼女の表情は、アヴァリティアを翻弄する。
「フフフフ、でも、それは内緒」ルクスリアの態度に、アヴァリティアは興奮気味に尋ねた。
「え〜、ほんまに? まさか」アヴァリティアは、ルクスリアの腕を掴む。
「好きな人でもできたん? 誰や? 誰や?」アヴァリティアの問いかけに、ルクスリアは軽くため息をついた。
「何を言ってるの」彼女の声は落ち着いており、アヴァリティアのからかいを意に介していない。ルクスリアの否定をものともせず、アヴァリティアはからかうように言った。
「ほんまのこと言うたろか」アヴァリティアは、ルクスリアに顔を近づける。
「ジョンアイデルはんのこと、好きなんやろ。隠してもバレバレやで」アヴァリティアに言い当てられ、ルクスリアは顔を赤らめて反論した。
「バカ、何言ってるの」彼女は、アヴァリティアから目をそらす。アヴァリティアは、ルクスリアに寄り添って言った。
「心配せんでええって、秘密は守るさかい!」アヴァリティアは、ルクスリアにアドバイスする。
「でも、あまりにも露骨すぎると、周りに勘づかれてまうで」




