エピック23【暗黒の神殿】
リビングのドアを開けると、甘い香りが鼻をくすぐった。ルミカ特製のハーブティーだ。ジョンアイデル、クレティア、プラチヌムは、いつものようにソファに陣取り、テーブルを囲んでいた。しかし、テーブルの上に広げられたのは、カラフルなゲームのコントローラーではなく、古ぼけたアステカの地図。そのギャップが、これから始まる非日常を物語っていた。
「まさか、こんな場所が次の舞台になるとはな」ジョンアイデルは、地図に描かれた暗黒神殿を指でなぞりながら、苦笑した。クレティアは、シャダークとの契約について、淡々と説明を始めた。その声は冷静だが、瞳の奥には、不安の色が隠せない。
「闇の精霊は気まぐれ。力を借りるには、それ相応の覚悟が必要よ」。プラチヌムは、神殿の構造が記された図面を睨みつけ、分析を続ける。
「罠の数も尋常じゃない。生半可な気持ちで挑めば、命はないぞ」ルミカは、ハーブティーを皆に配りながら、静かに言った。
「それでも、私たちは行かなければならない。クリミナル・デビルの野望を阻止するために。そうでしょ、ジョン?」ジョンアイデルは、ルミカの優しい眼差しを受け止め、力強く頷いた。
「ああ、そうだ。みんなで力を合わせれば、きっと乗り越えられる。だから、信じて進もう」その言葉に、仲間たちは静かに頷き、それぞれの心に、新たな決意を刻んだ。作戦会議が佳境に入った頃、リビングのドアがノックされた。
「どうぞ」ジョンアイデルが声をかけると、顔を出したのは舞華だった。
「邪魔するわよ」彼女の隣には、いつものようにゼレスが控えている。
「どうしたんだ、舞華?」ジョンアイデルが尋ねると、舞華は少し照れながら答えた。
「あのね、みんなが大変なことしてるって聞いて、何か手伝えることないかなと思って」ゼレスは、舞華の言葉を補足するように、静かに言った。
「俺も、微力ながら、皆様のお役に立てればと思っています」。クレティアは、舞華の申し出を歓迎するように微笑んだ。「ありがとう、舞華。実は、アステカの暗黒神殿について調べているんだけど、情報が少なくて困っていたの。舞華なら、何か知っているかもしれないと思って」。舞華は、目を輝かせながら答えた。
「アステカのことなら、少しは知識があるわ。それに、ゼレスも古代文明に詳しいから、きっと役に立てると思う」。ゼレスは、静かに頷き、持っていたタブレットを操作し始めた。
「暗黒神殿に関する文献をいくつか見つけたぜ。皆様の作戦に役立つ情報があるかもしれないぜ」。ジョンアイデルは、舞華とゼレスの登場を心強く感じた。
「ありがとう、二人とも。みんなで力を合わせれば、どんな困難も乗り越えられるはずだ」。舞華とゼレスの加入により、作戦会議は新たな展開を見せ始めた。彼らの知識と経験が、ジョンアイデルたちに、勝利への新たな光をもたらすかもしれない。ゼレスが古代アステカの神殿に関するデータを映し出す中、舞華はパッと顔を輝かせた。
「あっ、魂が眠る神殿ってことは、アタシの出番じゃん!」いつものように明るい声が響く。ジョンアイデルは少し首を傾げた。
「舞華の力は、確か魂と交信できるんだっけ?それがどう役立つんだ?」舞華は身を乗り出し、目をキラキラさせながら説明を始めた。
「ただ交信するだけじゃないんだよ!アタシはね、眠ってる魂を呼び覚まして、神殿の秘密を聞き出したり、道案内してもらったりできるんだ!それに、もし悪い魂がいたら、アタシが成仏させてあげる!」。プラチヌムは腕を組み、冷静に分析する
「つまり、舞華の能力は、神殿内部の情報を収集し、安全なルートを確保するために役立つ、ということか」。クレティアも興味深そうに頷いた。
「それに、敵が操る魂を無力化することもできるかもしれないわね」。ルミカは、舞華の肩をポンと叩き、笑顔で言った。
「頼りにしてるわ、舞華。あなたの力は、きっとみんなを助けてくれる」。ジョンアイデルは、舞華の自信に満ちた表情を見て、確信した。
「よし、舞華。お前の力を信じて、暗黒神殿の謎を解き明かそう!」舞華は、嬉しそうにガッツポーズを決めた。
「任せて!アタシにしかできないこと、いっぱいあるから!」舞華の言葉は、作戦会議に具体的な戦略と希望をもたらし、ジョンアイデルたちは、暗黒神殿への攻略に向けて、新たな決意を固めた。新たな手がかりを求め、ジョンアイデルたちは恩羅院大陸の東港へ。夜明け前の静寂の中、東港を目指し出発する。港には東方交易に使われる帆船が停泊しており、彼らを新大陸へと運ぶ。ジョンアイデルは仲間たちに声をかけ、船に乗り込んだ。船はゆっくりと港を離れ大海原へ。潮風が新たな冒険の始まりを告げる。クレティアはアルカシティを名残惜しそうに見つめ、プラチヌムは警戒を怠らない。ルミカは舞華を励まし、ジョンアイデルはクリミナル・デビルの計画阻止を誓う。船は進み、彼らを待ち受けるのは希望か絶望か。運命の航海が始まった。東港を後にしたジョンアイデルたちの船は、南へ、南へと針路を取った。目指すは、遥か遠い南米大陸。水平線が広がる大海原を、船はひたすらに進む。ジョンアイデルは、船首に立ち、強い風を受けながら、決意を新たにしていた。
「クリミナル・デビル…必ず、お前たちの野望を阻止する」クレティアは離れる寂しさを胸に、空を見上げていた。
「シャダーク…、どうか、私に力を貸してください」。プラチヌムは、周囲の警戒を怠らず、鋭い視線を四方に向けていた。
「油断は禁物だ。敵は、いつ、どこから現れるかわからない」。ルミカは、舞華の手を握り、優しく微笑んだ。
「大丈夫よ、舞華。あなたなら、きっとみんなを助けられる」。舞華は、ルミカの言葉に励まされ、力強く頷いた。
「うん、アタシ、頑張る!」。船は、日に日に南へと進み、景色は徐々に変化していった。空の色が濃くなり、風が暖かさを増し、海鳥たちの種類も変わっていった。ジョンアイデルたちは、それぞれの想いを胸に、南米大陸への到着を待ちわびていた。しかし、彼らを待ち受けているのは、未知の脅威と、過酷な試練だった。平穏な航海は、突然の出来事によって終わりを告げた。遥か遠くの水平線に、黒い影が現れたのだ。
「あれは…海賊船だ!」プラチヌムが、鋭い目で叫んだ。ジョンアイデルは、即座に指示を出した。
「戦闘準備!武器を取れ!」船内には、緊張が走った。海賊船は、見る見るうちに接近してくる。その船体には、不気味なドクロのマークが描かれていた。海賊たちが怒号を上げながら船に乗り込んでくる。ジョンアイデルは剣を構え、プラチヌムは銃を連射、ルミカは傷ついた仲間を癒し、舞華は海賊の魂を鎮めようと奮闘する。クレティアは、迫りくる海賊たちを前に、冷静に呼吸を整えた。
「(シャダークとの契約はまだだけど、ワタシにはみんながいる。そして、ワタシには精霊たちの力が宿っている!)」クレティアは、まずシルフに意識を集中させた。
「シルフ!風の力を貸して!」すると、彼女の周囲にそよ風が巻き起こり、それが次第に強さを増し、海賊たちの動きを鈍らせる突風となる。
「ウンディーネ!水の壁を!」クレティアの言葉に応え、海賊たちの足元に巨大な水の壁が現れ、彼らの進路を阻む。
「ノーム!大地の守りを!」船体に土の障壁が幾重にも出現し、海賊たちの攻撃を防ぐ。
「イフリート!炎の刃を!」クレティアの手に炎の剣が現れ、彼女はそれを振るい、海賊たちを薙ぎ払う。さらに、クレティアはルナとルーメンに呼びかけた。
「ルナ!月の光で敵を惑わせ!」「ルーメン!太陽の力で敵を焼き払え!」月の光が海賊たちの目を眩ませ、太陽の光が彼らを焼き焦がす。精霊たちの力を借りたクレティアの活躍により、海賊たちは徐々に後退していく。しかし、海賊の数は依然として多い。クレティアは、息を切らしながらも、精霊たちとの絆を信じ、戦い続ける。ジョンアイデルは、クレティアの奮闘に勇気づけられ、剣を振るう手に力を込める。
「クレティア!みんな!必ず、この戦いを乗り越えよう!」。果たして、ジョンアイデルたちは、クレティアと精霊たちの力を合わせ、海賊の襲撃を退けることができるのだろうか?そして、彼らは無事に南米大陸へとたどり着けるのだろうか?クレティアが精霊の力を駆使して海賊たちを押し返していたその時、事態は急転した。敵の海賊船から、いくつもの砲弾が放たれたのだ。
「危ない!」ジョンアイデルは叫び、仲間たちを庇いながら身を伏せた。砲弾は船体に命中し、激しい爆発と衝撃が走る。船は大きく揺れ、立っていることさえ困難な状況となる。さらに、最悪の事態が追い打ちをかけた。ジョンアイデルたちの背後から、もう一隻の海賊船が現れたのだ。その船には、鮮やかな赤い髪をなびかせた、女海賊船長の姿があった。
「おやおや、誰かと思ったら、ジョンアイデルじゃないかい?」女海賊船長は、ニヤリと笑い、挑発的な口調で言った。
「あんたがクリミナル・デビルに狙われてるとはね。しゃあねぇ〜なぁー、昔のよしみだ。力添えしてやるよ」彼女の言葉が終わると同時に、女海賊船の砲台が一斉に火を噴き、敵の海賊船に向けて砲弾を放ち始めた。形勢は一気に逆転した前後から挟撃されていたジョンアイデルたちは、女海賊船の援護によって、辛うじて危機を脱したのだ。ジョンアイデルは、女海賊船長に視線を向け、警戒しながらも感謝の言葉を述べた。
「助かる。だが、一体何のつもりだ?」女海賊船長は、肩をすくめて答えた。
「気にするな。ただの気まぐれさ。それに、クリミナル・デビルの妨害には、アタシも気に入らない」彼女の言葉の真意は不明だが、ジョンアイデルたちにとって、この状況は紛れもない好機だった。ジョンアイデルは、仲間たちに指示を出した。
「さあてと、今のうちに体勢を立て直せ!反撃の準備だ!」女海賊船の援護を受けながら、ジョンアイデルたちは、再び海賊たちとの戦いに身を投じる。果たして、彼らはこの危機を乗り越え、南米大陸へとたどり着けるのだろうか?そして、赤髪の女海賊船長の真の目的とは一体何なのだろうか?砲弾が嵐のように降り注ぎ、船全体が軋む音を立てる。ジョンアイデルは、迫りくる海賊を剣で斬り倒しながら、ディーナに叫んだ。
「ディーナ、感謝する!」ディーナは、煤にまみれた顔をニヤリと歪め、応じる。
「礼はいらない。…だが、油断するな!」ディーナの言葉が終わるか否かのうちに、敵船から放たれた砲弾が、すぐに海面に巨大な水柱を噴き上げた。間一髪で回避したジョンアイデルは、感謝の言葉を飲み込み再び戦闘に全神経を集中させる。今は、互いの生還を信じ、この危機を乗り越えることだけを願うべきだ。クレティアは、精霊たちの力を結集させ、幾重にも重なる防御障壁を出現させる。プラチヌムは、正確無比な狙撃で敵の砲手を次々と射抜き、沈黙させていく。ルミカは、傷ついた仲間たちを癒し、舞華は海賊たちの魂に語りかけ、無意味な殺戮を止めさせようと試みる。ディーナの加勢は、戦況をわずかに好転させている。しかし、敵の数は依然として多く、一瞬の油断も許されない。ジョンアイデルは、海賊たちをなぎ倒しながら、叫んだ。
「クリミナル・デビルの傀儡ども!貴様らの野望は、ここで完全に潰える!」。ディーナもまた、二丁拳銃を乱射し、海賊たちを次々と射殺していく。
「ジョン、腕は錆び付いてないようだな!アタシもまだまだ現役だ!」ジョンアイデルは、ディーナの言葉にニヤリと笑い、剣を天高く掲げた。
「行くぞ!」幾多の困難を共に乗り越えてきたジョンアイデルとディーナ。多くを語らずとも、互いの力を信じ、背中を預け合える。二人の英雄が、再び力を合わせ、海賊たちに立ち向かう。彼らは、この海賊の襲撃を乗り越え、南米大陸へとたどり着けるのだろうか?そして、ディーナは一体、どんな秘めたる目的を持ってジョンアイデルに力を貸しているのだろうか?爆音と怒号が交錯する砲弾の雨は止むことなく、船体は悲鳴を上げ続けている。海賊たちは、数で圧倒し、じりじりとジョンアイデルたちを追い詰めていくのである。ジョンアイデルは、額に汗を滲ませ、周囲を見渡した。仲間たちは、満身創痍になりながらも、必死に戦っている。ディーナもまた、果敢に海賊たちを射殺しているが、その表情には焦りが見え始めていた。
「クソ!しつこいな、コヤツラ…!」ジョンアイデルは、歯を食いしばり、叫んだ。
「みんな!こうなったらば、この船を犠牲にするぞ!」。彼の言葉に、仲間たちは驚きを隠せない。クレティアは、目を丸くして尋ねた。
「ジョン、本気なの!?」プラチヌムは、眉をひそめ、忠告する。
「え〜〜〜っ!?それはあまりにも危険すぎるって…!」ルミカは、心配そうな表情でジョンアイデルを見つめる。
「他に方法はないの…?」舞華は、不安そうにジョンアイデルの服を掴む。
「アタシ、怖い…」ディーナは、ニヤリと笑い、ジョンアイデルの覚悟を確かめる。
「面白いねぇ~。アンタ、相変わらずクレイジーだな!」ジョンアイデルは、仲間たちの視線を受け止め、力強く頷いた。
「ああ、本気だ。このままでは、全員がジリ貧になる。ならば、起死回生の一手に出るしかない!」彼は、深呼吸をし、覚悟を決めた表情で続けた。
「この船に積んである爆薬に火をつけて爆破する。敵船もろとも、吹き飛ばすんだ!」。ジョンアイデルの言葉に、船内は静まり返った。誰もが、彼の決断の重大さを理解していた。しかし、同時に、彼の強い決意と、勝利への執念を感じ取っていた。
「…わかったわ」クレティアは、静かに頷いた。
「私も協力する」。プラチヌムもまた、覚悟を決めた表情で言った。
「私も、最後まで戦う」。ルミカは、涙を堪えながら、微笑んだ。
「私も、みんなと一緒なら、怖くない」舞華は震える声で言った。
「アタシも…ジョンを信じる」。ディーナは、高らかに笑った。
「最高だ!アンタら、マジでイカれてるぜ!」。ジョンアイデルは、仲間たちの言葉に勇気づけられ、高らかに宣言した。
「よし!反撃開始だ!クリミナル・デビルの野望を、ここで打ち砕くぞ!」。ジョンアイデルの号令と共に、仲間たちは、最後の戦いに向けて、それぞれの武器を構えた。果たして、ジョンアイデルたちは、自らの船を犠牲にして、海賊たちを打ち破ることができるのだろうか?そして、彼らは無事に南米大陸へとたどり着けるのだろうか?運命の歯車が、大きく動き出した。ジョンアイデルは、爆薬の準備を進めながら、ディーナに視線を送った。
「ディーナ、分かってるよな?俺が爆破直前には合図を出す。そしたらば、いいな…」。ディーナは、ジョンアイデルの言葉を遮り、ニヤリと笑って答えた。
「なるほどね。算段は分かったぜ」。短い言葉だけだったが、二人の間には、長年の経験から培われた信頼関係があった。ジョンアイデルは、ディーナが自分の意図を 理解していることを確信した。ディーナは、ジョンアイデルの合図を受けたら、敵船に乗り移り、爆破から安全な距離まで離れる手はずだ。そして、爆破の衝撃で混乱した敵を一掃する。ジョンアイデルは、ディーナの返事を聞き、小さく頷いた。今は、互いの役割を確実にすることだけを考えるべきだ。ジョンアイデルは、爆薬の設置を終え、タイマーをセットした。残された時間は、あと僅か。彼は、深呼吸をし、覚悟を決めた表情で仲間たちを見渡した。
「みんな、準備はいいか?」。クレティア、プラチヌム、ルミカ、舞華は、それぞれ頷き、最後の戦いに備えた。ジョンアイデルは、ディーナに視線を送り、合図を送った。ディーナは、ニヤリと笑い、船を旋回させた。ジョンアイデルは、タイマーのスイッチを押した。爆破までのカウントダウンが、始まった。果たして、ジョンアイデルたちは、起死回生の一手で、海賊たちを打ち破ることができるのだろうか?そして、彼らは無事に南米大陸へとたどり着けるのだろうか?運命の時は、刻一刻と迫っていた。ジョンアイデルは、操舵輪を力強く握り、最後の力を振り絞った。爆弾を積んだ船は、狂ったように敵船へと突進していく。
「みんな、海に飛び込め!」ジョンアイデルの声が、怒号と爆音にかき消されそうになりながらも、仲間たちに届く。クレティアは、迷うことなく海に飛び込み、精霊たちの力を借りて、海中に水のバリアを展開し、仲間たちを守る。プラチヌムは、海中でも銃を構え、正確な射撃で敵の動きを牽制する。ルミカは、海中で傷ついた仲間たちを癒し、舞華は、海の中でも海賊たちの魂に語りかけ、無意味な殺戮を止めさせようと試みる。ジョンアイデルは、仲間たちが全員脱出したことを確認し、操舵輪から手を離した。そして、爆破の瞬間に備え、身をかがめた。その時、ディーナの船が、信じられないほどのスピードで接近してきた。ディーナは、ジョンアイデルたちの救助が最も容易になるよう、自分の船を危険を顧みず、ぎりぎりまで接近させたのだ。ジョンアイデルは、ディーナの行動に感謝しながらも、今は爆破に集中しなければならないことを理解していた。敵船との距離は、もはや数メートルしかない。ジョンアイデルは、爆破装置に手をかけた。運命の瞬間が、迫りくる。ジョンアイデルは、覚悟を決めて爆破装置を起動させた。タイマーが最後のカウントダウンを開始する。ジョンアイデルは、迫りくる爆発の衝撃に備え、身を丸めた。次の瞬間、巨大な爆発が起こった。爆薬を積んだ船は、敵船もろとも木っ端微塵に吹き飛び、あたり一面を火の海に変えた。爆風と衝撃波が、周囲の海面を 焦土の色に染め上げる。ジョンアイデルは、爆発の衝撃で意識を失いかけたが、辛うじて正気を保った。彼は、仲間たちの無事を祈りながら、海中を漂流した。どれくらいの時間が経っただろうか。ジョンアイデルは、ふと意識を取り戻した彼は、ディーナの船の上にいた。ディーナが、彼を救助してくれたのだ。ジョンアイデルは、ゆっくりと体を起こし、周囲を見渡した。クレティア、プラチヌム、ルミカ、舞華もまた、ディーナの船の上で、無事だった。ジョンアイデルは、安堵の息を漏らし、ディーナに感謝の言葉を述べた。
「ディーナ、ありがとう。また、助けられたな」ディーナは、ニヤリと笑い、ジョンアイデルの肩を叩いた。
「礼には及ばん。アンタらが無事でよかったぜ」ディーナの言葉に、ジョンアイデルは深く頷いた。彼は、今回の戦いで自分の船だけ失った。しかし、彼は、最も大切なものを失わなかった。それは、仲間たち、そして、クリミナル・デビルを倒すという強い決意だ。ジョンアイデルは新たな決意を胸に、南米大陸へと向かうことを誓った。彼の冒険は、まだ始まったばかりだ。海上を漂流していたジョンアイデルたちを救助し、ディーナはニヤリと笑いながら、彼らに話しかけた。
「さてと、お前らはアステカに向かうんだろう?」ディーナの言葉に、ジョンアイデルは一瞬、警戒心を抱いた。なぜ、ディーナが自分たちの目的地を知っているのか?彼女は、一体何者なのか?ジョンアイデルは、ディーナの目をじっと見つめ、尋ねた。
「なぜ、それを知っている?」。ディーナは、肩をすくめて答えた。
「アタシの耳は、広いからな。それに、アンタらの噂は、 世界の隅々まで届いているぜ」。ディーナの言葉は、真実なのか、それとも 罠なのか。ジョンアイデルには、判断がつかなかった。しかし、今は、ディーナに疑念を抱いている場合ではない。彼らは、ディーナの助けを借りなければ、南米大陸にたどり着くことができないのだ。ジョンアイデルは、警戒心を抱きながらも、ディーナに感謝の言葉を述べた。
「ディーナ、感謝する。アステカまで、送ってくれるのか?」。ディーナは、ニヤリと笑い、答えた。
「まあな。ただし、アタシにも、それなりの見返りが必要だぜ」。ディーナの言葉に、ジョンアイデルは眉をひそめた。やはり、ディーナは、何か目的を持って自分たちに近づいてきたのだ。ジョンアイデルは、ディーナの要求を警戒しながらも、受け入れるしかないことを理解していた。彼は、ディーナに尋ねた。
「お前の見返りとは、一体何だ?」。ディーナは、意味深な笑みを浮かべ、答えた。
「それは、アステカに着いてからのお楽しみだ」。ディーナの言葉に、ジョンアイデルは、ますます警戒心を強めた。しかし、彼は、ディーナの申し出を受け入れるしかなかった。彼らは、ディーナの船に乗り、アステカへと向かう。果たして、ジョンアイデルたちは、無事にアステカにたどり着くことができるのだろうか?そして、ディーナの真の目的とは、一体何なのだろうか?新たな謎が、ジョンアイデルたちの冒険に、影を落とそうとしていた。ジョンアイデルたちがディーナの船でアステカに到着するシーンを、新たな土地への期待と、ディーナとの関係に対する警戒感を織り交ぜて描写します。長い航海の末、ジョンアイデルたちの目に、ついにアステカの地平線が映った。緑豊かなジャングルと、そびえ立つピラミッドが、朝日に照らされ、幻想的な光景を作り出している。ジョンアイデルは、甲板に立ち、その景色をじっと見つめた。ついに、ここまで来たのだ。長年の夢が、現実になろうとしている。しかし、彼の心には、喜びだけでなく、一抹の不安もよぎっていた。ディーナは、一体何を企んでいるのだろうか?彼女は、なぜ自分たちをアステカまで送り届けてくれたのだろうか?ジョンアイデルは、ディーナに視線を送った。ディーナは、ニヤリと笑い、ジョンアイデルに話しかけた。
「さあ、着いたぜ、アステカだ。ここから先は、アンタらの好きにすればいい」。ジョンアイデルは、ディーナの言葉に警戒しながらも、感謝の言葉を述べた。
「ディーナ、ここまで送ってくれて感謝する。だが、お前の目的は一体何だ?」。ディーナは、肩をすくめて答えた。
「アタシの目的は、もうすぐわかるさ。それまで、せいぜい楽しんでくれ」。ディーナの言葉が終わると同時に、船はアステカの港に到着した。ジョンアイデルたちは、船を降り、アステカの地に足を踏み入れた。熱帯の湿った空気が、肌を包み込む。ジョンアイデルは、深呼吸をし、アステカの空気を肺いっぱいに吸い込んだ。彼は、仲間たちに指示を出した。
「みんな、気を引き締めろ。ここから先は、何が起こるかわからない」。クレティア、プラチヌム、ルミカ、舞華は、それぞれ頷き、周囲を警戒した。ジョンアイデルたちは、アステカの街へと足を踏み入れた。賑やかな市場、エキゾチックな香り、そして、見慣れない人々。ジョンアイデルたちの冒険は、ここから始まる。しかし、ディーナの影が、彼らの行く手に、不気味な影を落としていた。ジョンアイデルたちがアステカの街に足を踏み入れようとしたその時、背後からディーナの声が響いた。
「あっそうだ!」。ジョンアイデルたちは、足を止め、振り返った。ディーナは、手に黒いランタンを持って、ニヤリと笑っていた。
「これ、なんかの役に立つだろう。もちろん、ただで渡すわけじゃない。さっきの乗船賃と合わせて、5ゴールドだ」。ディーナの手にある黒いランタンは、不気味な雰囲気を漂わせていた。黒く塗られた本体は、光をほとんど反射せず、まるで闇を閉じ込めているかのようだ。ランタンの中には、奇妙な模様が刻まれたオイルが入れられており、怪しげな光を放っている。ジョンアイデルは、ディーナの商魂たくましい態度に呆れながらも黒いランタンに興味を惹かれた。彼は、ディーナに尋ねた。
「そのランタンは、一体何だ?」。ディーナは、肩をすくめて答えた。
「さあ、アタシもよく知らない。ただ、アステカの奥地で手に入れたものだ。暗い場所で使うと、何かが見えるらしいぜ」。ジョンアイデルは、ディーナの言葉を疑いながらも、黒いランタンを受け取った。5ゴールドを支払い、ランタンを手に入れたジョンアイデルは、その重さに驚いた。見た目以上にずっしりとした重さがあり、何かが詰まっているような 感じである。ジョンアイデルは、黒いランタンを手に、仲間たちに指示を出した。
「みんな、このランタンを持っていくぞ。きっと何かの役に立つかもしれない」クレティア、プラチヌム、ルミカ、舞華は、それぞれ頷き、黒いランタンを興味深そうに見つめた。ジョンアイデルたちは、黒いランタンを手に、アステカの街へと足を踏み入れた。ランタンの光が、彼らの行く先を照らし出す。しかし、その光は、彼らを 安全な場所へと導いてくれるのだろうか?それとも、さらなる危険へと誘い込むのだろうか?黒いランタンの謎が、ジョンアイデルたちの冒険に、新たな影を落とそうとしていた。 長く、暗い階段を下り続けたジョンアイデルたちの目に、ついに光が見えた。それは、黒いランタンの光とは異なる、禍々しい光だった。光の先に、巨大な扉が見える。扉は、黒曜石でできており、奇怪な模様が刻まれている。扉の奥からは、不気味な音が聞こえ、ジョンアイデルたちの心をざわつかせる。ジョンアイデルは、ランタンを掲げ、扉を照らした。ランタンの光に照らされた扉は、まるで生きているかのように蠢き、ジョンアイデルたちを威嚇する。クレティアは、精霊たちの力を借り、扉の奥に潜む危険を察知しようとした
「…この扉の奥には、強い邪悪な力が渦巻いているわ。生半可な気持ちで足を踏み入れると、命を落とすことになるでしょう」。プラチヌムは、銃を構え、周囲を警戒した。
「…罠だらけだ。油断するな」。ルミカは、仲間たちの傷を癒し、舞華は、魂に語りかけ、恐怖を和らげようと試みる。ジョンアイデルは、扉の前に立ち、深呼吸をした。
「…ここが、暗黒神殿の出入り口か」。ジョンアイデルは、扉に手を触れた。冷たく、湿った感触が、ジョンアイデルの肌を刺す。扉は、微かに震え、ジョンアイデルを拒絶しているかのようだ。ジョンアイデルは、覚悟を決め、扉を開けようとした。その時、扉から、声が聞こえた。
「…汝、選ばれし者たちよ。試練を受ける覚悟はあるか?」ジョンアイデルは、声に答えた。
「…覚悟はできている」扉は、ゆっくりと開き始めた。扉の奥には、光一つない、完全な闇が広がっている。ジョンアイデルは、黒いランタンを掲げ、闇の中へと足を踏み入れた。仲間たちも、ジョンアイデルに続き、暗黒神殿の中へと進んでいく。ランタンの光が、彼らの行く先を照らし出す。しかし、その光は、彼らを安全な場所へと導いてくれるのだろうか?それとも、さらなる絶望へと突き落とすのだろうか?暗黒神殿の謎が、ジョンアイデルたちを待ち受けていた。扉が開かれた瞬間、ジョンアイデルたちを飲み込んだのは、完全な闇ではなかった。確かにエントランスは闇に包まれている。しかし、微かに光る燐光のようなものが、壁や床に点在し、まるで星空の下にいるかのような錯覚を覚える。その光は、美しくもあるが、どこか不気味で、生き物のように蠢いている。ジョンアイデルは、黒いランタンを高く掲げた。ランタンの光は、燐光を強調し、エントランスの全貌を明らかにする。そこは、巨大な空洞だった。天井は遥か高く、見上げることもできない。壁には、奇妙な彫刻が施されており、ランタンの光に照らされると、様々な表情を見せる。床は滑らかな石でできており、所々に水溜まりがある。水溜まりには、燐光が反射し、幻想的な光景を作り出している。クレティアは、精霊たちの力を借り、エントランスに潜む危険を察知しようとした。
「…この場所は、生と死の境界線上に存在するわ。強い精神力を持たない者は、幻影に惑わされ、永遠に彷徨うことになるでしょう」。プラチヌムは、銃を構え、周囲を警戒した。
「…敵の気配はない。だが、何かが潜んでいるのは確かだ」。ルミカは、仲間たちの精神を鼓舞させ、舞華は、魂に語りかけ、恐怖を和らげようと試みる。ジョンアイデルは、エントランスの中央に立ち、深呼吸をした
「…ここが、暗黒神殿のエントランスか」ジョンアイデルは、ランタンを手に、ゆっくりと歩き始めた。ランタンの光は、彼の行く先を照らし出す。しかし、その光は、彼を安全な場所へと導いてくれるのだろうか?それとも、さらなる幻影へと誘い込むのだろうか?暗黒神殿のエントランスの謎が、ジョンアイデルたちを待ち受けていた。
先の部屋に足を踏み入れたジョンアイデルたちの前に立ちはだかる黒いローブ姿の者。そのローブが風もないのに大きく揺らめき、中から現れたのは、おぞましい姿をしたデビルモンスターだった。焼け爛れた皮膚、鋭い爪、そして、こちらを睨みつける血走った瞳。そのデビルモンスターは低い、うなり声のような声で言った。
「我が名はネクロデビラー。お前らが邪魔者か。排除する」ネクロデビラーと名乗ったデビルモンスターは両手を広げ、その 몸から黒いオーラを放ち始めた。黒いオーラは、周囲の燐光を飲み込み、部屋全体を闇に包み込む。クレティアは、精霊たちの力を借り、ネクロデビラーの力を 分析しようとした。
「…その者は、死霊を操る力を持っているわ。闇のオーラは、精神を蝕み、幻影を見せる…」。プラチヌムは、銃を構え、ネクロデビラーに狙いを定めた。
「…問答無用だ。排除する!」ルミカは、仲間たちの精神状態を安定させ、舞華は、魂に語りかけ、ネクロデビラーの憎しみを鎮めようと試みる。ジョンアイデルは、ランタンを掲げ、ネクロデビラーを照らした。
「…お前が、この神殿を守っているのか?」ネクロデビラーは、嘲笑うように言った。
「…守っている?違うな。私は、この神殿の王だ。そして、お前らは、私の王国を侵略する、ただのゴミだ!」ネクロデビラーは、両手を振り上げ、ジョンアイデルたちに襲いかかってきた。黒いオーラが、 ジョンアイデルたちを飲み込もうとする。ジョンアイデルは、ランタンを掲げ、叫んだ。
「…やらせるか!」ジョンアイデルたちは、それぞれの武器を構え、ネクロデビラーとの戦闘を開始した。暗黒神殿に、激しい戦いの火蓋が切って落とされた。ネクロデビラーの言葉に、ジョンアイデルは怒りを露わにした。
「クリミナル・デビル…!貴様らのせいで、どれだけの人々が苦しんでいるか!」ランタンを握りしめ、叫ぶ
「ネクロデビラー、お前はここで終わりだ!」ジョンアイデルを軽蔑した目で見て、ネクロデビラーは嘲笑した。
「魂?ああ、あれは素晴らしいコレクションになる。絶望に染まった魂は、特に価値が高い。貴様らの魂も、すぐにコレクションに加えてやる!」ネクロデビラーの言葉を冷静に聞き流し、ジョンアイデルは静かに言った。
「お前の野望は、ここで終わる。俺たちは、決して諦めない。必ず、お前を倒す!」。ランタンの光をネクロデビラーに集中させる。
「さあ、勝負だ!」ランタンの光を恐れながらも、ネクロデビラーは光を見つめ続けた。
「…この光の中に…救いがあるのか…?」彼は、光に希望を見出そうとするが、過去の経験から、それを信じることができない。ランタンの光をネクロデビラーに浴びせながら、ジョンアイデルは厳かに言った。
「罪を認めよ、ネクロデビラー。さすれば、汝の罰は免除される」。ジョンアイデルの言葉には、慈悲と正義が込められていた。ジョンアイデルの言葉に心を揺さぶられたネクロデビラーに、テリオンの声が圧力をかける。
「ネクロデビラー、貴様は裏切るのか?吾輩の力を得て、その程度の覚悟か。失望したぞ」テリオンの声は、ネクロデビラーに恐怖と絶望を与える。ネクロデビラーの声が途絶えた直後、空間が静かに震え始めた。そして、水面に波紋が広がるように、徐々にテリオンの姿が浮かび上がった。彼の登場は、静寂を破り、新たな脅威の到来を告げていた。ネクロデビラーがテリオンに命乞いをしようとした時、テリオンは飽きたように言った。
「貴様の存在は、もはや無意味だ」テリオンは、ネクロデビラーの体を黒い炎で包み込み、跡形もなく焼き尽くした。ネクロデビラーの断末魔の叫びが、虚しく響き渡った。テリオンの圧倒的な力に衝撃を受けながらも、ジョンアイデルは毅然とした態度でテリオンに問いかけた。
「お前がテリオンなのか!やはり、お前が全ての元凶だったか」ジョンアイデルを値踏みするように見つめながら、テリオンはゆっくりと口を開いた。
「ほう、貴様がジョンアイデルか。噂以上の男だな。私こそが、クリミナル・デビルの四大幹部の一人、エースのテリオンだ」テリオンの言葉はジョンアイデルへの警戒心と、自身の地位への自信を同時に示していた。テリオンの自己紹介を聞き終えたジョンアイデルは、眉をひそめた。
「四大幹部だと?まさか、貴様が八極大罪魔道化師の指揮者なのか」ジョンアイデルの言葉は、テリオンの正体に驚きつつも、警戒心を強めていることを示していた。ジョンアイデルの決意を試すように、テリオンは挑戦的な笑みを浮かべた。
「八極大罪魔道化師を倒す覚悟はあるか?アケディアとイリュテムは私の部下だ。ルクスリアとアヴァリティアはリヴァイアサン、イーラとグーラはベヒモス、キャヴムとインヴィディはシズズの配下だ。さあ、全員倒せるかな?」テリオンの言葉は、ジョンアイデルを挑発し、彼の力を試すためのものだった。テリオンの言葉に失望しながらも、ジョンアイデルは諦めずに語りかけた。
「お前たちにも、まだ希望はあるはずだ。力に溺れるのではなく、心を開いて、互いに理解し合うべきだ。倒すだけでなく、救える者は救いたいんだ。そうだな、共存と差別や偏見のない世界を作るために、俺は、戦う」ジョンアイデルの言葉は、テリオンに希望を捨てずに、正しい道に戻ってほしいと願うものだった。ジョンアイデルの言葉に、テリオンは興味を惹かれたように言った。
「救うか…。そうか、お前はやはり、面白い男だな」テリオンの言葉は、ジョンアイデルの特異な思想に興味を持ち、彼を観察しようとする意図を示唆していた。ジョンアイデルの言葉を聞き終え、テリオンは静かに頷いた。
「お前の意思はよくわかった」そう言うと、テリオンは空間に歪みを発生させ、その中に姿を消した。彼の撤退は、単なる逃走ではなく、新たな策略の始まりを予感させた。ジョンアイデルたちは、無言で階段を登り続けた。彼らの視線の先には、微かに光を放つ部屋と、その中心に置かれた宝箱。宝への期待と、それを手に入れるために乗り越えなければならない困難への決意が、彼らを突き動かしていた。ジョンアイデルたちが階段を登り、その先の部屋にあった宝箱を開けると、そこには突き、斬り、打撃の全てに特化した刃が付いた杖が入っていた。宝箱を開けた瞬間、ジョンアイデルの目に飛び込んできたのは、異様な形状の杖だった。
「これは…まさか、概念刃杖:ラーミナバクルムなのか!? なんで、こんな場所に…!?」 杖を手に取ると、不思議な温かさが彼の身体を駆け巡り、まるで運命に導かれたかのように、自然と力が湧いてくるのを感じた。ジョンアイデルが杖を手に取り、その感触を確かめている様子を見て、クレティアは冷静に分析した。
「概念武装ね…。確かに、ラーミナバクルムは強力な武器だけど、使いこなすには相当な力量が必要よ。そうそう手に入るものじゃないのに、あなたに選ばれるなんて、何か特別な理由があるのかしら」。クレティアの言葉は、概念武装の力と、ジョンアイデルが選ばれた理由への興味を示していた。クレティアが概念武装の希少価値を語るのを聞き終え、プラチヌムは真剣な表情で言った。
「概念武装は、そう簡単には手に入らない貴重なものです。もし、他に手に入る機会があれば、積極的に狙うべきでしょう」。プラチヌムの言葉は、概念武装の重要性と、入手機会を逃さないように促すものだった。ラーミナバクルムを手にしたジョンアイデルは、決意を新たにした。クレティアとプラチヌムと共に、彼らは先の部屋へと足を踏み入れた。その先には、更なる試練が待ち受けていることを予感しながら先の部屋に入った瞬間、ジョンアイデルたちは、異様な圧力を感じた。そして、彼らの目の前に現れたのは、触手が生えた虎の獣人を連想させる、禍々しいアンデッドだった。それは、彼らに絶望を与える、恐ろしい存在だった。触手が生えた虎の獣人を連想させる異形のアンデッドを前に、ジョンアイデルは冷静に分析した。
「グロテスクタイガーか…。確かにグロテスクだが、攻撃自体は単調だ」。その言葉には、敵への侮りではなく、冷静な観察眼と、培われた戦闘経験が滲み出ていた。プラチヌムは、ジョンアイデルの分析を信じ、迷うことなく行動に移した。グロテスクタイガーの心臓を正確に狙い、数発の銃弾を撃ち込む。グロテスクタイガーは、その場に崩れ落ち、動かなくなった。
「ジョンアイデルさんの分析がなければ、苦戦していたかもしれません」プラチヌムは感謝の言葉を述べた。グロテスクタイガーが倒れると同時に、新たな宝箱が姿を現した。プラチヌムがそれを開けると、中には宝珠がはめ込まれた、美しい概念魔銃が収められていた。
「スクロペトゥム…、概念武装だ。これは、私にぴったりだね」プラチヌムは目を輝かせた。プラチヌムがスクロペトゥムを手にしたのを確認すると、ジョンアイデルはグロテスクタイガーの死骸をインベントリーに収納した。
「これはまるごと素材が手に入ったな。グロテスクタイガーの素材は、未知の可能性を秘めている。これを使って、新たな魔法やスキルや防具や武器を開発できるかもしれない」ジョンアイデルは研究意欲を掻き立てられた。新たな力と素材を手に入れたジョンアイデルたちは、決意を新たに階段を登り始めた。その先には、更なる試練が待ち受けているかもしれない。それでも、彼らの足取りは力強かった。ジョンアイデルたちが次の部屋に入ると、そこには、大量のスケルトンが待ち構えていた。
「スケルトンは、粉砕することで完全に倒せる」ジョンアイデルはそう言うと、クレティアに目配せをした。クレティアは頷き、ノームの力を使い、スケルトンたちを粉々に砕き始めた。スケルトンたちが消え去った後、クレティアの目の前に、複数の宝箱が現れた。クレティアは、興味津々で宝箱を開けていく
「概念棍鎚:マルテウス、概念短剣:シーカ、概念銃弓:アルクバリスタ…、そして、概念式杖:バクルス…!こんなにたくさんの概念武装が手に入るなんて!」興奮を隠せない様子だった。クレティアが手に入れた概念武装を眺めながら、ルミカは少し寂しそうに言った。
「クレティアには、たくさんの概念武装がふさわしいんだね。でも、もしかして、私にもふさわしい概念武器もあったりして…」。その言葉には、自己肯定感の低さと、それでも諦めないという強い意志が感じられた。ルミカが概念武装への期待を口にするのを聞いて、舞華は少し得意げに言った。
「アタシもつい最近だけど、概念体になったんだよね〜。生死の概念体ってやつ。概念武装は鎌形武器:ファルクス!めっちゃカッコイイんだよ」彼女の言葉には、ファルクスへの愛着が溢れていた。舞華が概念武装について語るのを聞いて、ゼレスは少し照れながら言った。
「俺は概念体にはなれなかったんだ。でも、神剣:ファラシオンを手に入れたから、まあ、いいか」。彼の言葉には、謙虚さと、ファラシオンへの愛着が感じられた。ジョンアイデルは、グロテスクタイガーの素材を使い、新たな実験開発をすることを決意した。プラチヌムは、スクロペトゥムを使いこなし、更なる力を手に入れることを誓った。クレティア、舞華、ゼレス、ルミカも、それぞれの目標を胸に、ジョンアイデルたちと共に、次の部屋へと進んでいった。ジョンアイデルたちがグールに苦戦する中、ルミカは自分の無力さを痛感していた。その時、彼女の心に、強い決意が芽生えた。
「私が、みんなを助ける!」ルミカは叫び、概念体としての力を覚醒させた。彼女の目の前に、巨大な秤が出現し、グールたちに雷が降り注ぎ、一瞬にして灰に変えた。ルミカが雷を放ち、グールたちを一掃すると、部屋には2つの宝箱が現れた。ルミカは、目を輝かせながら、宝箱を開けていった。
「片手概念剣:エンシス…、それに、概念盾:スクトゥム…!私にぴったりの武器だ!」喜びの声を上げた。ルミカの成長を喜びつつ、ジョンアイデルは気を引き締めた。地下へと続く螺旋階段は、暗く、そして、どこまでも続いているように見えた。彼は、仲間たちを先導し、慎重に階段を降りていった。螺旋階段を降りながら、ジョンアイデルは仲間たちに話しかけた。
「なあ、みんなもそう思わないか?3階まで来て、地下に続く螺旋階段って、なんか変だよね」彼の言葉には、仲間たちに意見を求め、共に状況を分析しようとする姿勢が感じられた。ジョンアイデルの言葉に、クレティアは頷きながら言った。
「確かに言われてみればね。本来なら上に続くのが普通なのに下の方ね。今までは上に登ってたのに」彼女の言葉には、ジョンアイデルの意見に同意し、共に状況を分析しようとする姿勢が感じられた。クレティアの言葉を受けて、ルミカは地図を確認した。
「このダンジョン、地図にも載っていないし、構造も複雑ね。でも、各フロアの敵を倒さないと進めない仕組みなら、ある程度、予測できるかもしれない。もしかして、各フロアの敵を倒さないと進めない仕組みじゃないかしら?」彼女の言葉には、慎重さと、計画性を持って行動しようとする姿勢が感じられた。ルミカの言葉を聞いて、プラチヌムは過去の記憶を辿りながら言った。
「アールヴシティで見た建物に、似たような構造のものがあったはずだ。あれは、敵を欺くためのカモフラージュだった。おそらく、このダンジョンも同じ目的で作られている。そうか、闇の精霊の居場所を簡単に悟れないようにすることが目的だよ」彼女の言葉には、優れた記憶力と、状況を的確に把握する能力が感じられた。螺旋階段を降りるにつれて、空気は重く、そして、冷たくなっていった。ジョンアイデルたちは、警戒を強め、ついに階段を降り終えた。その先にあったのは、希望か、絶望か。彼らの目の前には、黒曜石の扉が、静かに口を開けていた。ジョンアイデルは、黒曜石の扉の前に立ち、カンテラを高く掲げた。すると、カンテラの光が扉に吸い込まれるように消え、次の瞬間、扉は音もなくゆっくりと開いた。扉が開いた瞬間、ジョンアイデルたちの目に飛び込んできたのは、シャダークの姿だった。
彼は、まるで闇の中から現れたかのように、そこに立っていた。シャダークは、扉の奥からゆっくりと姿を現し、ジョンアイデルたちを観察するように見つめながら言った。
「久しぶりの来客だな。さて、今日は何の用で来た?」その言葉には、警戒心と、探るような視線が込められていた。
それに対し、クレティアは、シャダークの視線に臆することなく言った。
「我が名はクレティア。汝とは契約を結ぶことを望む。叶えることは、差別や偏見をなくし、多種族が共存できる世界を作ること」。彼女の言葉には、シャダークへの挑戦と、揺るぎない信念が込められていた。クレティアの言葉を聞き終えたシャダークは、興味深そうにクレティアを見つめ、言った。
「なるほど、それは神に等しい力を得ることと同義だ。面白い。だが、お前だけでは、その力を持て余すだろう。契約はいいとしてな…」彼の言葉には、クレティアの可能性を認めつつも、その未熟さを指摘する意図が込められていた。シャダークの言葉に感謝するように、クレティアは微笑みながら言った。
「あなたの言葉で、ワタシはさらに勇気づけられました。仲間と精霊と共に、必ずや、あなたの力を借りて、世界を変えてみせます。だから、仲間の力と精霊の力を借りるのよ」。彼女の言葉には、感謝の気持ちと、決意を新たにする強い意志が込められていた。クレティアの言葉に満足したシャダークは、静かに微笑み、言った。
「よかろう。お前たちの熱意、しかと受け止めた。ならば、アメジストの指輪はあるか?それがあればいい」彼の言葉には、クレティアたちへの信頼と、アメジストの指輪に込められた力への期待が込められていた。シャダークがアメジストの指輪の存在を問うと、クレティアの首飾りについていたアメジストの指輪が、まるで呼応するように、漆黒の輝きを放ち始めた。それは、シャダークとの契約に相応しい力を秘めていることを示唆していた。クレティアのアメジストの指輪が黒く輝きを放つ中、シャダークはクレティアを抱き寄せ、その唇を奪った。それは、契約の儀式を始めるための、合図だった。キスが終わると、二人の間に、エネルギーの奔流のようなパスが繋がった。シャダークに突然キスされたクレティアは、驚きのあまり、声も出なかった。そして、ようやく状況を理解すると、顔を真っ赤にして、震える声で言った。
「ちょ、な、なにしてんのよ……。ばか……」彼女の言葉には、戸惑いと怒り、そして、少しの悲しみが込められていた。シャダークとクレティアのキスを目撃したジョンアイデルは、心配そうにクレティアの顔を覗き込みながら言った。
「まさか、クレティアもそんなことされるとはねぇ~。大丈夫か?」彼の言葉には、クレティアへの気遣いと、シャダークへの警戒心が込められていた。ジョンアイデルの言葉に、クレティアは少し怒ったように反論した。
「まさか、シャダークにファーストキスを奪われるなんて、ありえない!本当は、ジョンアイデルと…、もっとロマンチックなシチュエーションでしたかったのに…」彼女の言葉には、シャダークへの嫌悪感と、ジョンアイデルへの憧れが込められていた。クレティアの言葉を聞き終えたシャダークは、ため息をつきながら言った。
「なんだ?そんなことで、いちいち傷つくのか。純情すぎるのも考えものだな」彼の言葉には、クレティアへの呆れと、彼女の繊細さを理解できない無神経さが込められていた。クレティアの言葉を聞いたジョンアイデルは、静かに、しかし確実に、シャダークに近づき、拳を握りしめて言った。
「お前は、クレティアの気持ちを何も考えていないのか!パスを繋ぐ方法は、いくらでもあったはずだ!簡単に他人の尊厳を奪うな!」そして、渾身の力を込めて、シャダークを殴りつけた。シャダークは、殴られた衝撃でよろめきながら、驚愕の表情で言った。
「うお~、いってぇ!ありえない!儂には、どんな物理攻撃も無効なはずなのに…」シャダークの言葉を聞いたジョンアイデルは、冷静に分析するように言った。
「例外はあるだろう。お前は、神に近い存在だ。神や精霊同士ならば、物理攻撃が通用してもおかしくない」彼の言葉には、シャダークの正体を見抜こうとする洞察力と、今後の戦いへの備えが込められていた。シャダークは、ジョンアイデルの言葉に驚きを隠せない様子で、問い詰めるように言った。
「まさか、おぬし、精霊や天族の血を引いているのか?そんなはずはない…」。シャダークの言葉を遮るように、ジョンアイデルは冷静に答えた。
「驚くのも無理はない。俺の血は、単純ではない、そう、複雑に絡み合っているからな。祖先には天族、そして、神祖に近い半吸血鬼と半魔族の血を引いた半魔精だ」シャダークは、ジョンアイデルの血筋を聞き終えた後も、何かを感じ取ったかのように、眉をひそめて言った。
「いや、違う…、お主からは、それ以上のものを感じる…まさか、フォンセ様の力を宿しているのか?」彼の言葉には、ジョンアイデルへの疑念と、フォンセの力が及ぼす影響への懸念が込められていた。突如、場面は変わり、クリミナルデビルの本拠地、テリオンの研究室へと移る。暗く、冷たい空気が、見る者を圧倒する。テリオンは、実験の失敗を冷静に分析し、改善点を探していた。
「ネクロデビラーのデータは、無駄にはならない…」そして、カプセルに収められたツールデビラーを見つめ、冷静な口調で言った。
「ツールデビラー、お前には、ネクロデビラーの失敗を繰り返させない…」テリオンは、操作盤を操作し、外見は巨大な道具箱を背負い、様々な工具を身につけていて 顔は、工具のパーツを組み合わせたような無機質な印象のデビルモンスター:ツールデビラーを慎重に転送させた。テリオンは、実験の成功を確信し、勝利を目前にした科学者のように、冷静に指示を出した。
「フォレストデビラーは、森林地帯へ…フローズデビラーは、寒冷地帯へ…メディカルデビラーは、病院へ…」。そして、それぞれのデビルモンスターを、最適な場所へと転送させた。
「さあてと、お前たちの力を、存分に発揮するのだ…」テリオンの狂気に満ちた実験という名のゲームが、今、動き出した。各地に送り込まれたデビルモンスターたちは、人々に恐怖と絶望をもたらすだろう。果たして、ジョンアイデルたちは、この危機を乗り越え、勝利を掴むことができるのか?そして、精霊との契約は、無事に果たされるのか?物語は、新たな局面を迎えようとしていた




