エピック22【光の神殿: 月の塔】
光の神殿の月の塔。ジョンアイデルは、目の前にそびえ立つ巨大な扉を見上げ、息を呑んだ。トンボのような羽が、微かに震えている。クレティア、ルミカ、プラチヌムも、同じように緊張した面持ちで扉を見つめていた。
「ここが、光の神殿の月の塔……」ルミカが呟いた。クレティア、ジョンアイデル、プラチヌムは、目の前にそびえ立つ巨大な扉を見上げている。「いよいよ、ルナとの契約ね」クレティアが静かに言った。「……開け」クレティアは覚悟を決めた表情で、ムーンエンブレムストーンを高く掲げた。ストーンに込められた魔力が月の塔の扉に流れ込み、固く閉ざされていた扉がゆっくりと、しかし確実に開かれていく。彼女の瞳には、強い決意が宿っていた。クレティアが扉を開いた瞬間、ジョンアイデルは背筋に悪寒が走るのを感じた。
「まずい。おそらく、この先にはデビルモンスターが待ち構えている。皆、覚悟して進もう」彼の言葉には、危険を察知する鋭い直感と、覚悟を決めた表情が表れている。
「……フム、興味深い」プラチヌムは、銀色のエントランスを興味深そうに見回した。壁や床の素材、構造を分析するように、じっと見つめている。
「この塔は、高度な技術で作られているようだ」ジョンアイデルは、何かに突き動かされるように上を見上げた。
「嫌な予感がする。禍々しい気配は間違いなく上の方だ。皆、覚悟を決めて進むぞ」彼の言葉には、危険を察知する鋭い直感と、仲間を守ろうとする強い意志が込められている。ジョンアイデルを先頭に、クレティアたちは月の塔の奥へと足を踏み入れた。彼の背中を追うように、ルミカとプラチヌムも後に続く。クレティアたちは、次の部屋に入り、壁に描かれた三日月に目を奪われた。三日月は、それぞれ異なる表情を持ち、繊細なタッチで描かれている。その美しさは、この塔の異様さを忘れさせるほどだった。クレティアたちは、三日月の描かれた部屋を後にし、階段を登り始めた。一段一段と、ゆっくりと、しかし確実に、上へと向かっていく。階段を登りきったクレティアたちを、何者かが待ち構えていた。敵意を剥き出しにしたその存在は、今にも襲いかかってきそうな気配を放っている。ムーンストーンのゴーレムは、ゆっくりとこちらに歩み寄ってきた。その動きは、鈍重だが、力強い。今にも、ジョンアイデルたちに襲いかかってきそうな気配を放っているジョンアイデルは、ムーンストーンのゴーレムを見て、皮肉っぽく笑った。
「八極大罪魔道化師 の命令で動く人形か。ご苦労なことだな」ムーンストーンデビラーは、感情のこもらない声で言った。
「我はムーンストーンデビラー。汝らヒトなる者に理解される必要はない。ただ、八極大罪魔道化師の命を遂行するのみ」ジョンアイデルは、仲間たちを見回しながら言った。
「俺はルクスリアとアヴァリティアを救うと決めている。皆、力を貸してくれ!他の八極大罪魔道化師については、後で考えよう」彼の言葉には、仲間への信頼と共に困難を乗り越えようとする強い意志が込められている。ムーンストーンデビラーは、機械的な声で言った。
「八極大罪魔道化師の皆様の御心に背く者は、誰であろうと容赦しない。救うというのなら、我を倒し、その力を示してみせろ!」彼はそう言うとムーンストーンを投げ放った。ムーンストーンは空中で砕け散り、3体のムーンビーストが生まれ出た。現れたムーンビーストは、巨大なヒキガエルのような姿をしていた。しかし、その体は異様だった。全身に、毛のような無数の触手が生えているのだ。触手は蠢き、見る者に強烈な不快感を与える。ジョンアイデルは、仲間たちに向かって言った。
「ムーンストーンは精霊との契約に使われることもある。このムーンビーストは、その力を利用して生み出されたものかもしれない。油断するなよ。一気に攻め込むぞ!」彼の言葉には、仲間への信頼と、共に困難を乗り越えようとする強い意志が込められている。クレティアは、一瞬の隙を見逃さなかった。赤い短剣を手に、目にも止まらぬ速さでムーンビーストに近づき、正確に心臓を貫いた。ムーンビーストは、悲鳴を上げる間もなく崩れ落ちた。ルミカは、冷静にムーンビーストの動きを見極めた。剣を構え、無駄のない動きで近づき、一瞬で首を切り落とした。剣先から血が滴り落ち、ルミカの勝利を静かに告げていた。プラチヌムは、全身に力を込め、天に向かって叫んだ
「雷よ、我が敵を討て!」次の瞬間稲妻がムーンビーストに落ちた。ムーンビーストは、激しい光に包まれ、跡形もなく消え去った。ムーンストーンデビラーは、不気味な笑みを浮かべながら言った。
「次は、少し趣向を変えてみよう」彼が投げ放ったムーンストーンから現れたのは、ウサギ型モンスター:月兎、月狼、月熊だった。月兎は素早く、月狼は狡猾で、月熊は力強い。3体はそれぞれ異なる特性を持ち、連携して襲い掛かってくるだろう。ルミナは、深い精神集中状態に入り、意識を内なる世界へと向けた。そこには、巨大な天秤が存在し、彼女の感情と共鳴して揺れ動いている。ルミナは、天秤に向かって、静かに語りかけた。
「私は、この世界の均衡を守る!悪しき力を、浄化してください」彼女の言葉が終わると同時に、天秤から強烈なエネルギーが放たれ、現実世界の月兎、月狼、月熊を包み込んだモンスターたちは、悲鳴を上げる間もなく、消滅した。ムーンストーンデビラーは、ルミナの圧倒的な力に、完全に意表を突かれたようだった。
「こ、こんなことが……」彼は、信じられないという表情で呟いた。ジョンアイデルは、長年の経験から、敵の隙を見抜くことに長けていた。彼は、迷うことなく、足払いを繰り出し、ムーンストーンデビラーを地面に叩き伏せた。ジョンアイデルが作った隙を、クレティアは、最大限に活かした。彼女は、ムーンストーンデビラーの背後に回り込み、短剣を心臓に向かって突き刺した。彼女の目的は確実に敵を仕留めること。短剣は、正確に心臓を貫き、ムーンストーンデビラーの命を奪った。短剣が心臓を貫き、ムーンストーンデビラーは、絶望に満ちた叫びを上げた。
「く……そ……こんなところで……私の使命は……」彼の体は、光を失い、徐々に崩壊し始めた。最後は、無数の破片となり、消滅した。ムーンストーンデビラーが消滅した後、その場には、禍々しい気配を放つクリスタルが残されていた。ジョンアイデルは、慎重にクリスタルを拾い上げ、眉を顰めた。
「このクリスタル……、普通の代物ではないな。クリミナル・デビルは、一体、何を企んでいるんだ?」彼の言葉には、警戒心と不気味な予感が込められていた。ジョンアイデルを先頭に、クレティア、プラチヌム、ルミカは、螺旋階段を登り始めた。ジョンアイデルは、前を見据え、仲間たちを導くように進んでいく。クレティアは、周囲の気配に注意しながら、敵の襲撃に備えていた。プラチヌムは仲間たちを守るように、力強く歩いていた。ルミカは、静かに祈りを捧げ、進む道の安全を願っていた。4人はそれぞれ、異なる役割を担いながら困難に立ち向かおうとしていた。ジョンアイデルたちが螺旋階段を登り終えた場所には、巨大な扉がそびえ立っていた。扉は、重厚な金属製で、表面には、複雑な模様が刻まれていた。そして、扉の中央には、美しい満月のマークが描かれていた。満月は、優しい光を放ち、ジョンアイデルたちを静かに見守っているようだった。ジョンアイデルが力を込めて扉を押すと、重々しい音を立てて、扉が開き始めた。扉が開くにつれ、中から、眩しい光が溢れ出してきた。光は、ジョンアイデルたちを包み込み彼らの視界を奪った。一体、この光は、何を意味するのだろうか?扉の向こうには、何が待っているのだろうか?扉が開き、眩しい光がジョンアイデルたちを包み込んだ。光が収まると、そこには、美しい女性がいる。
彼女は、月光のような輝きを放ち、静かに微笑んでいた。
「よくここまで来られたわね」彼女の声は、優しく、心に響き渡った。彼女こそ、月光の精霊ルナだった。ジョンアイデルは、ルナの美しさに、一瞬、息を呑んだ。しかし、彼は、すぐに平静を取り戻し、警戒心を抱くことなく、ルナに近づいて言った。
「あなたが、月光の精霊ルナですか?」ルナは、ジョンアイデルの言葉に、微笑みながら答えた。
「そうです、私がルナです、あら、よく見たら、かなりの色男じゃありませんこと」彼女の言葉には、優雅さと、茶目っ気が混じり合っていた。ジョンアイデルは、ルナの言葉に、少し戸惑いながらも、丁寧に答えた。
「ありがとうございます。しかし、実は、あなたにお話ししたいことがあります。それは、クレティアに関することです」ジョンアイデルの言葉を聞いて、ルナは、興味深そうに、彼を見つめた。
「クレティア、ね……、一体、彼女に何があったのかしら?」ジョンアイデルの言葉を受けて、クレティアは、ルナに向かって、凛とした声で言った。
「我が名はクレティア。汝とは、契約を交わすことを望む」彼女の瞳は、真剣そのものだった。彼女は、続けて言った。
「我が求めることは、他種族との共存と、差別や偏見をなくすこと」彼女の言葉には、強い信念と、揺るぎない覚悟が込められていた。ルナは優雅な身振りで、手を広げ、言った。
「さあ、契約を交わしましょう。私は、あなたたちの願いを、叶えたいですし」彼女は、続けて言った。
「それに、あなたたちが、ルーメンと契約しているのなら話は早いわ」ルナの言葉は、ルーメンとの関係が、単なる契約だけではないことを暗示していた。一体、ルナとルーメンの間には、どんな秘密が隠されているのだろうか?ルナが言葉を終えると同時に、空間に、鮮やかなオレンジ色の光が溢れ出した。光が収まると、そこには、美しい女性が立っていた。彼女は、満面の笑みを浮かべ、ルナに向かって言った。
「ルナ、久しぶりに会えるわ」彼女こそ、太陽の精霊ルーメンだった。ルナは、ルーメンの姿を見て、嬉しそうに微笑んだ。
「ルーメン、久しぶり」彼女の声は、優しく、温かかった。ルーメンも、ルナに向かって、微笑み返した。二人の間には、言葉にしなくても伝わる、深い絆があった。ジョンアイデルは、ルナとルーメンの間に割って入り、言った。
「お二人は、太陽と月の精霊。互いに支え合い、世界のバランスを保っている存在です」彼は、続けて言った
「どちらかが欠けてしまうと、世界は、大きく乱れてしまうでしょう」ジョンアイデルの言葉は、物語の核心に触れることを暗示していた。ジョンアイデルが二人の関係性を説明するのを聞いて、ルナは、嬉しそうに微笑んだ。ルーメンも、ジョンアイデルに向かって、感謝の言葉を述べた。
「よくご存知ね。私たちは、互いになくてはならない存在なの」二人の言葉は、ジョンアイデルの言葉が、真実であることを裏付けていた。ジョンアイデルの説明を聞き終わると、ルナは、クレティアに向かって、言った。
「クレティアさん、さあ、ムーンストーンを」彼女の言葉には、ムーンストーンが、契約を交わすために、必要不可欠なものであることが暗示されていた。クレティアの首飾りに付けられたムーンストーンの指輪が、突然、眩い光を放ち始めた。光は、クレティアとルナを包み込み、二人の間に、目に見えない力が生まれるのを感じさせた。クレティアとルナは、互いに手を重ね、深く繋がり合った。パスが繋がったのだ。契約が終わり、ルナがジムネーモシュネーは、二人の心の奥底にある願いを読み取るように、問いかけた。
「2人とも差別や偏見をなくし、多種族との共存を目指しているか」に近づいてくるのを見て、ジョンアイデルは、僅かに緊張した。彼は、ルナが、自分に何か用があることを感じていた。彼女は、一体、何を求めているのだろうか?ルナがジョンアイデルを抱きしめ、キスをするのを見て、クレティアは、ショックを受けたような表情を見せた。プラチヌムは、驚きと興奮を隠せないようだった。ルミカは、顔を赤らめそっと目を伏せた。仲間たちはそれぞれ、異なる感情を抱きながら二人の様子を見守っていた。ルナのキスを受けた瞬間、ジョンアイデルの心に、様々な感情が溢れ出した。喜び、驚き、戸惑い、そして、愛……それらの感情と共鳴するように、彼の翼の色も、次々と変化していった。最終的に翼は、七色の光を放つ、美しい虹色に染まった。ジョンアイデルは、背中に違和感を覚え、恐る恐る、翼を見てみた。そこには、信じられない光景が広がっていた。彼の翼は、七色の光を放ち、虹色に輝いていたのだ。「こ、これは……一体、何なんだ?」彼は、自分の身に起こったことが、全く理解できなかった。ジョンアイデルが驚きの言葉を発するのを聞いて、ルナは、優しく微笑んだ。
「ジョンアイデル、あなたは、ついに、自分の力に目覚めたのよ」彼女の言葉は、ジョンアイデルに、希望と勇気を与えた。虹色に輝く翼を手に入れ、希望に満ち溢れていたジョンアイデルたちの前に、突如、現れたルクスリア。彼女の登場は、彼らの希望を一瞬にして打ち砕き、絶望の淵に突き落とした。ルクスリアは、冷たい笑みを浮かべ、言った。
「あら、素敵な翼ね。でも、それも、すぐに、アテチのものになるわ」禍々しい姿で現れたルクスリアに対し、ジョンアイデルは、臆することなく、言った。
「ルクスリア、いや、アスモディン。お前の望みは何だ?」彼の言葉にはルクスリアへの敵意と、戦い抜く覚悟が込められていた。ルクスリアは、続けて言った。
「差別や偏見は、世界を不幸にする元凶。アテチは、それを根絶やしにするために、力を尽くすだけだよ」彼女の言葉は、物語のテーマである差別や偏見の問題に触れることを暗示していた。しかし、彼女の方法は正しいのだろうか?ルクスリアの言葉を聞いて、ジョンアイデルは、眉をひそめた。
「差別や偏見をなくすことは、確かに、大切なことだ。しかし、お前のやり方は、間違っている!」彼は、ルクスリアの言葉に、全く共感していなかった。ジョンアイデルに拒絶されたルクスリアは、表情を一変させ、言った。
「そう言いちゃうか。だが、問題はない。クリミナル・デビルは動き出した。さあ、どうなるかは分からない。理解できない醜い者は滅びるべきだよ」彼女の言葉には、狂気的な選民思想と、世界を破滅させようとする願望が込められていた。ルクスリアの言葉を聞いて、ジョンアイデルは、怒りに震えた。
「お前の理想は、間違っている!美しい者も、醜い者も、全て平等に生きる権利がある!」彼は、ルクスリアの言葉に、断固として反論した。その言葉が終わると同時に、更なる異変が起こった。空間に、複数の歪みが生じ始めたのだ。それらは、先ほどの歪みよりも、更に禍々しく、おぞましい色をしていた。その数は、二つどころではなかった。三つ、四つ……次々と増え続け、ジョンアイデルたちを取り囲んでいった。その光景は、まるで、絶望そのものだった。複数の歪みから現れたクリミナル・デビルの幹部たちの中から、まず、イーラが口を開いた。
「なーに、油売ってやがる。腹立たしい」彼女の言葉には、ルクスリアに対する苛立ちと不満が込められていた。彼は、ルクスリアの独断専行に、以前から不満を抱いていたようだ。続いて、インヴィディアが口を開いた。
「まったく、最近、独断行動が多いと思ったら、こんなことだったのね」彼女の言葉には、ルクスリアに対する皮肉と非難が込められていた。彼女は、ルクスリアの行動を、組織の規律を乱すものとして、問題視していた。空間の歪みから、緩慢な動きで現れたのは、アケディアだった。彼は、全身を覆う黒いローブを身にまとい、顔は深いフードで隠されていた。彼の周囲には、重苦しい空気が漂い、人々の意欲を奪い、無気力にさせる力を持っていた。次に現れたのは、グーラだった。彼は、肥満した巨体を揺らしながら、貪欲な目で周囲を見渡した。彼の口は裂けんばかりに大きく開き、何でも食らい尽くそうとする欲望をむき出しにしていた。彼の周囲には、食欲を刺激する強烈な匂いが漂い、人々を飢餓状態に陥らせる力を持っていた。そして、アヴァリティアが姿を現した。彼は、全身を黄金の装飾品で飾り、冷酷な笑みを浮かべていた。彼の手には、輝くばかりの財宝が握られており、人々の物欲を刺激し、強欲に駆り立てる力を持っていた。異質な雰囲気を纏い、イリテュムが現れた。彼は、存在そのものが無意味であるかのように、周囲の空間から浮き上がっていた。彼の周りには、何も存在しない虚無の空間が広がり、人々の希望、勇気、存在意義を無に帰す力を持っていた。最後に、キャヴムが姿を現した。彼は、深淵を覗き込むような、空虚な瞳を持っていた。彼の体は、内側から空洞になっているかのように、暗く、冷たい気配を放っていた。彼の周りには、深い絶望と喪失感が漂い、人々の心に大きな穴を開ける力を持っていた。ジョンアイデルは、続けて言った。
「大罪名のラテン語読みから、名前を推測した。アケディアは怠惰、グーラは暴食、アヴァリティアは強欲、イリテュムは虚飾、キャヴムは憂鬱を意味する。それぞれの能力や性格も、大罪のイメージに合致している」彼の推測は、物語の設定を補強し、クリミナル・デビルたちの存在に、深みとリアリティを与えた。ジョンアイデルの名前の推測を聞いて、アケディアは、緩慢な口調で言った。
「なるほど、ジョンアイデル…。君は感が鋭すぎる。そのセンスは、やはり野放しにしておくには惜しい」彼の言葉には、ジョンアイデルの能力を賞賛すると同時に、彼をクリミナル・デビルに誘おうとする危険な意図が込められていた。アケディアは、続けて言った。
「君の才能を活かせば、世界を変えることもできる。私たちと一緒に、新しい世界を作らないか?」彼の言葉は、ジョンアイデルの心を揺さぶり、彼に、究極の選択を迫った。彼は、正義の道を歩むのか、それとも、悪の誘惑に身を委ねるのか?アケディアの言葉を聞いて、ジョンアイデルは、僅かに眉をひそめた。
「私は、お前たちの仲間になるつもりはない。私は、私の信じる正義を貫き、世界を救う!」彼は、アケディアの誘惑を断固として拒否し、自分の決意を新たにした。アケディアの言葉に続き、今度はイリテュムが口を開いた。
「ならば、ウヌに問おう。ウヌの正義とは!?」彼の言葉には、正義という概念そのものを嘲笑するかのような、深い虚無感が込められていた。彼は、全ての価値を無に帰そうとする、虚無の使徒だった。イリュテムの問いに対し、ジョンアイデルは、迷うことなく答えた。
「差別や偏見をなくす!多種族との共存!そうだ、みんなと分かりあえる世界を作ろうとする意思だ!」彼の言葉には、世界をより良い場所にしようとする熱意と、全ての人々が手を取り合って生きる世界を実現しようとする希望が込められていた。ジョンアイデルの言葉を聞いて、イリテュムは、僅かに目を見開き、言った。
「なるほどな」彼の言葉には、ジョンアイデルの正義に対する興味と、同時に、それが本当に実現可能なのかという疑念が込められていた。彼は、ジョンアイデルの言葉に、何かを見出したようだった。イリテュムの反応を見て、ジョンアイデルは、僅かな希望を抱いた。
「彼も、分かってくれるかもしれない。私たちの目指す世界を」彼は、イリテュムに対し、説得を試みようと決意した。イリテュムは、心の中で呟いた。
「出来れば、ジョンアイデルの方につきたいけどな」彼の言葉には、ジョンアイデルの理想に共感する本心と、クリミナル・デビルとしての立場との間で揺れ動く葛藤が込められていた。彼は、虚飾の使徒でありながら、心の奥底では、希望を求めていたのだ。イリテュムの葛藤を見抜いたかのように、ルクスリアは、妖艶な笑みを浮かべて言った。
「ジョンアイデル、君は心に素直に動きなよ。じゃないと、後悔するわよ」彼女の言葉には、ジョンアイデルに対する誘惑と、同時に、何かを知っているかのような、意味深い警告が込められていた。ルクスリアは、続けて言った。
「みんな、撤退するわよ。次なる計画のために」彼の言葉には、勝利を確信しているかのような余裕と、同時に、何か恐ろしい計画が進行していることを予感させる、不穏な気配が漂っていた。ルクスリアの指示に従い、クリミナル・デビルの八極大罪魔道化師は、空間の歪みを通して、次々と姿を消していった。彼らが去った後には、重苦しい沈黙と、今後の展開に対する強い不安感だけが残された。ジョンアイデルたちは、次に何が起こるのか、全く予測できなかった。ルクスリアの言葉を聞いて、ジョンアイデルは、強い眼差しで前を見据え、言った。
「俺は絶対、望みを叶える!」彼の言葉には、何があろうと、自分の信じる道を貫き通すという強い決意と、必ずや、世界を救うという未来への希望が込められていた。ジョンアイデルの言葉は、仲間たちの心に、温かい光を灯した。クレティアは、彼の言葉に勇気づけられ、再び戦う決意を固めた。プラチヌムは、彼の言葉に触発され、怒りを力に変えようとした。ルミカは、彼の言葉に希望を見出し、祈りを続けた。仲間たちはそれぞれ、ジョンアイデルの言葉を胸に、再び立ち上がろうとしていた。クレティアたちは、一度、恩羅院大陸のアルカシティへ戻ることにした。激しい戦いで疲弊した体と心を癒し、再びクリミナル・デビルに立ち向かうための準備を整える必要があった。アルカシティは、彼らにとって、一時の休息の場であり、再起を誓う場所だった。アルカシティでの休息は、単なる休息ではなく、今後の戦いへの準備期間だった。ジョンアイデルたちは、新たな武器や防具を調達し、戦術を練り直し、仲間たちとの連携を深めた。彼らは、再びクリミナル・デビルに立ち向かうために、全ての準備を整えていた。アルカシティに戻ったジョンアイデルたちを見て、クレティアは、決意を込めた表情で言った。
「次は、闇の精霊シャダークとの契約になるか」彼女の言葉には、シャダークの力を借りて、クリミナル・デビルに対抗しようとする強い意志と、シャダークがもたらす力に対する期待が込められていた。クレティアの言葉に続き、ルミカは、シャダークに関する情報を補足した。
「シャダークは、闇の力を操る強力な精霊よ。彼と契約すれば、私たちは、クリミナル・デビルに対抗するための新たな力を手に入れることができるわ」彼女の言葉は、シャダークの存在をより具体的にし、物語に神秘的な雰囲気を加えた。プラチヌムは、シャダークとの契約に対する懸念を表明した。
「シャダークは、気まぐれで、危険な精霊だ。彼と契約することは、容易ではないだろう」彼の言葉は、シャダークとの契約が、単なる力の獲得ではなく、リスクを伴うものであることを示唆した。クレティアの言葉を受けて、ジョンアイデルは、地図を見ながら言った。
「次は、アステカ関係の土地かもな。南アメリカ大陸にあるな。暗黒神殿は、死者の魂が眠る神殿とも言われてる」彼の言葉には、広い知識と、状況を分析する力が示されていた。ジョンアイデルの言葉に続き、ルミカは、アステカの歴史や文化に関する情報を補足した。
「アステカは、かつて南アメリカ大陸で栄えた文明よ。彼らは、太陽神を崇拝し、生贄の儀式を行っていたわ。暗黒神殿は、その儀式の舞台となった場所かもしれない」彼女の言葉は、物語に歴史的な背景を与え、深みを増した。プラチヌムは、暗黒神殿に対する警戒を促した。
「暗黒神殿は、死者の魂が眠る場所だ。そこには、邪悪な力が渦巻いている可能性がある。軽率に近づくべきではない」彼女の言葉は、暗黒神殿が、単なる遺跡ではなく、危険な場所であることを強調した。場面は変わり、クリミナル・デビルの本拠地、テリオンの研究所。テリオンの研究所は、無機質な機械と、怪しげな実験器具で溢れかえっていた。壁には、複雑な数式や図形が書き連ねられ、床には、液体が染み込んだ跡が残っていた。研究所全体が、不気味な雰囲気に包まれていた。テリオンは、黒いローブ姿のデビルモンスターが入ったカプセルを見つめ、冷たい笑みを浮かべて言った。
「次は、コヤツだな」彼の言葉には、デビルモンスターを単なる道具としか見ていない冷酷さと、計画が必ず成功すると信じている自信が込められていた。テリオンは、転送スイッチを押した。すると、黒いローブ姿のデビルモンスターは、空間の歪みにのまれ、何処かへと消えていった。空間の歪みは、まるで異次元へと繋がる扉のようだった。デビルモンスターが去った後には、不穏な静寂だけが残された。ジョンアイデルたちは、クリミナル・デビルの計画を阻止できるのか?彼らの戦いは希望に満ち溢れているように見えるが、その先には、絶望が待ち受けているかもしれない。運命は、常に不確実なものだ。




