エピック16【ジョースター家のダンジョンなど】
当主室西隣の部屋。ジョンアイデルは伸びをした。その音で、隣で眠っていたクレティア、ルミナ、ルミカの3人が目を覚ました。3人の女性はまだ眠気残る目を擦りながら、周囲を見回した昨晩の出来事、そしてこれから待ち受けているであろう出来事を考え、彼女たちの表情は少し硬かった。
「ジョンアイデル、これからどうするつもり?」クレティアは、真剣な表情で尋ねた。
「朝食後、この屋敷の地下ダンジョンに向かう。星の宝石などを手に入れるつもりだ。」ジョンアイデルは、決然とした口調で答えた。
「ジョーディアさんから真実を聞かされたのかしら…、魔導回路を弄られることについて…」ルミカは、少し不安げな様子で言った。
「ああ、そうだが…、これから先は、様々な選択を迫られるだろう、色恋沙汰に関しても、一人しか選べないかもしれない。」ジョンアイデルは、複雑な表情で呟いた。
「ジョンアイデル…、もし選ぶとしたら…、ワタシを選んでほしいわ。」クレティアは、強い思いを込めて言った。
「今の段階でははっきりと決めれない、選択がはっきりと出来る時にする」ジョンアイデルは決意を込めたように言う。ジョンアイデルたちは食堂に集まり、朝食を始めた。賑やかな会話が飛び交い、笑い声も聞こえる活気のある朝食風景だった。食べ終わった後も、彼らはしばらく食堂に居残り、今後の計画について話し合った。当主室にて。ジョーディアは、ジョンアイデルを真剣なまなざしで見つめた。ジョーディアは、星の装飾がついた地下ダンジョンの鍵、虹水晶の宝玉、金色の方位磁針:星の羅針盤をジョンアイデルの前に置いた。
「これを使うのだ。金色の方位磁針は星の羅針盤と言ってダンジョンの位置を示す。鍵は羅針盤が指し示す場所で使い、虹水晶は扉を開けるのに役立つだろう。」 言葉は簡潔だったが、その背後には、緊迫感が漂っていた。ジョンアイデルは、三つのアイテムを静かに受け取った。彼の表情には、感情の起伏はほとんど見られなかった。しかし、彼の瞳には、鋭い光が宿っていた。
「早速、行ってみます。」彼は、落ち着いた声で告げ、当主室を出て行った。星の羅針盤の針は、西の方を鋭く指し示していた。ジョンアイデルは、それを確認すると、すぐに一行に指示を出した。ルミナ、ルミカ、クレティアは、彼の言葉に反応し、西へと歩き出した。彼らの足取りは、重く、緊迫感が漂っていた。未知のダンジョンへの入り口が、西の彼方に待ち受けていることを、彼らは全員が理解していた。階段付近まで来ると、星の羅針盤の針は、下の方向、さらに西へと傾いた。ジョンアイデルは、息を呑んだ。地下への入り口が、すぐそこにあることを示している。ルミナ、ルミカ、クレティアも、彼の緊張感を共有し、静かに階段を降り始めた。 薄暗い階段を下りるにつれ、彼らの心には、不安と期待が入り混じっていた。西側の部屋の扉。古びていて、重厚な造りだった。 扉のそばには、空いたくぼみがあり、星の羅針盤の中心は、神秘的な光を放ちながら点滅していた。
「…このくぼみ…ここに、この宝玉を…?」ジョンアイデルは、呟くように言った。彼は、虹水晶の宝玉をくぼみにはめ込んだ。 すると、くぼみから柔らかな光が溢れ出し、扉がゆっくりと開き始めた。
「わあ…」ルミナは、息を呑んだ。
「美しい…」クレティアは、感嘆の声を漏らした。扉が開かれた。しかし、その先は、予想以上に複雑な構造になっていた。無数の本棚が、通路を塞ぎ、視界を遮っていた。ジョンアイデルは、警戒しながら、部屋の中へと足を踏み入れた。
「この部屋の何処かに、星のダンジョンの出入り口が…」彼は、周囲の状況を把握しようと、慎重に観察したルミナ、ルミカ、クレティアも、彼の動きに合わせて、慎重に歩を進めた本棚の間を探索していたジョンアイデルたち。その時、静かに少女の声が聞こえた。
「あら、珍しいですね、こんなところにご用とは…」少女は、穏やかな表情で、彼らに話しかけてきた。彼女の言葉には、敵意はなく、むしろ好奇心が感じられた。
「アタシはアイリス・フォンテュ。人間族です。」アイリスは、にっこりと微笑みながら、自己紹介をした。彼女の表情は明るく、警戒心は感じられなかった。むしろ、ジョンアイデルたちに興味を持っているようだった。アイリスは明るく自己紹介をしたが、ジョンアイデルは内心で警戒を強めていた。
「フォンテュ家…ですか」ジョンアイデルは、ゆっくりと口を開いた。
「フォンテュ家とは、人間族の中でも有数の貴族…、タルタロスの加護を代々受け継ぎ、怪物使いの素質を持つ者もいると聞いています。」彼の言葉には、警戒感が滲んでいた。ルミナ、ルミカ、クレティアも、彼の言葉に反応し、アイリスを警戒する視線を向けた。ジョンアイデルの警戒心を察したアイリスは、明るく笑った。
「あらあら、そんなに警戒しなくても、アタシはあなた達に危害を加えるつもりはありませんよ。」彼女の言葉には、悪意は感じられなかった。
「てゆーか、ジョンアイデルさん、あなたの目的である共存と差別や偏見を無くすという考えには、むしろ感服しているんですから。」アイリスは、ジョンアイデルの目を見つめながら、はっきりとそう言った。アイリスの視線は、彼の胸に突き刺さるようだった。ジョンアイデルは、思わずドキッとした。 彼女の言葉は、彼の心に、新たな決意を芽生えさせた。
「そうなのか…」彼は、静かに心の中で呟いた。
「(共存…差別や偏見のない世界…、アイリスの言葉は、俺の理想と重なっている…)」 彼は、自分の目的を改めて確認した。
「まずは、星のダンジョンをクリアする。それが、俺のやるべきことだな」ジョンアイデルの言葉に、アイリスは笑顔で答えた。
「その手助け、アタシも致します、ジョンアイデル様〜!」彼女の言葉には迷いがなく、心からの申し出であることが伝わってきた。クレティアは、アイリスを鋭い視線で睨みつけた
「アイリスさん…、何か企んでいるんでしょう?あの笑顔の裏に、何か隠されている気がするわ。」彼女の言葉には、強い不信感が表れていた。ルミナは、クレティアの言葉に少し戸惑いながらも、反論した。
「クレティアさん…、そんなに疑ってはいけないよ。アイリスさんは、悪い人じゃないと思う。」彼女は、アイリスを信じたいという気持ちを抱いていた。ルミカは、二人の意見を聞きながら、静かに言った。
「でも…彼女の過去や、抱えているものがある可能性を、無視できないと思う。」彼女は、慎重な判断を心がけていた。
「ジョンアイデル様〜、怖いですぅ〜」アイリスは、ジョンアイデルに抱きついた。 その柔らかな感触は、一瞬の出来事だった。 しかし、その感触は、ジョンアイデルの心に、強い印象を残した
「ア、アイリス…、な、何を…?」彼は、彼女の行動の真意を測りかねていた。アイリスがジョンアイデルに抱きついたのを見て、ルミナは怒りに震えた。
「わ~~っ!な、何してんだ~~、君ぃ~~!会って間もない人にそんなことをするとは、許せん!」彼女の怒号は、部屋中に響き渡った。ルミナの顔は、怒りで真っ赤になっていた。ルミカは、アイリスの行動に強い不快感を示した。
「アイリス、離れなさい!親しくもない人に、そんなことをするとは、破廉恥だよ!」彼女の言葉は、厳しく、容赦がなかった。アイリスの行動は、ルミカの許容範囲をはるかに超えていた。クレティアは、アイリスをジョンアイデルから強引に引き剥がした。
「まったく…いきなりこんなことするとは…」彼女の表情は険しく、アイリスの行動に対する怒りが滲み出ていた。アイリスは、クレティアに引き剥がされ、ションボリとした表情を浮かべていた。ジョンアイデルは、皆に呼びかけた。
「気を取り直して、星のダンジョンへ行きましょう。アイリス、頼む。」アイリスは、ジョンアイデルの言葉に、小さく頷いた。
「(あの時のことは…まだ、少し恥ずかしい…でも、彼を助けるために、精一杯頑張らなくちゃ…)」彼女は、一行を星のダンジョンのエントランスゲートまで案内した。ジョンアイデルは、星の飾りがついた鍵を手に取り、扉の前に立った。 彼の息遣いが、少し荒くなっているのがわかった。
「この扉がそれか…」彼は、静かに呟いた。鍵を差し込み、ゆっくりと回すと、重厚な扉が、軋む音を立てて開き始めた。未知の空間への期待と、危険への予感が、混ざり合った緊張感が、空気を満たした。扉が開くと、一行は、奇妙な空間へと足を踏み入れた。空間は、幾何学的に歪んでおり、壁や床は、不自然な角度で交差していた。光は、不規則に反射し、空間全体を、幻想的な雰囲気で満たしていた。その奥には、石造りの階段が、地下へと続いていた。階段の手すりには、奇妙な模様が刻まれていた
ジョンアイデルは、周囲の様子を慎重に確認しながら、扉の先へと足を踏み入れた。クレティア、ルミナ、ルミカ、そしてアイリスも、彼の後に続き、一歩ずつ慎重に進んでいった。 一行は、未知の空間への緊張感を抱えながら、地下へと続く階段を下り始めた。ジョンアイデルの頭痛がピークに達した時、彼の目の前に、赤い表紙の古びた本が、現れた。それは、まるで血のように、不気味に赤く輝いていた。彼は、震える手で本を開くと、そこに書かれていたのは、恐ろしい真実だった。
「ジョースター家は元々は天族と人間のハーフである半天族と吸血鬼の血から始まってる、そして、天族の力を代々受け継いでる…」その言葉は、彼の心に、冷たい恐怖を突き刺した。赤い本を読み終えると、ジョンアイデルの手に、赤い星の宝石が、現れた。 それは、まるで本から生まれたかのように、美しく輝いていた。彼は、宝石を握りしめ、次の部屋へと進んだ。そこには、橙色の表紙の本が、床に落ちていた。それは、赤い本とはまた違った、不思議な魅力を放っていた。彼は、宝石を握りしめ、次の部屋へと進んだ。そこには、橙色の表紙の本が、床に落ちていた。それは、赤い本とはまた違った、不思議な魅力を放っていた。ジョンアイデルは、橙色の本を慎重に開いた。ページには、古めかしい文字が、整然と並んでいた。彼は、息を呑みながら、文章を読み進めていった。
「ジョースター家の吸血鬼は神祖であった、その血は代々受け継いでる、そして、その血は途絶えるまで受け継がれるであろう…」 読み終えた時、彼の掌には、橙色の星の宝石が、静かに輝いていた。それは、まるで本の言葉が、宝石へと変化したかのようだった。階段を降りた先に、黄色い本が静かに置かれていた。ジョンアイデルはそれを手に取り、慎重にページを開いた。古びたインクの匂いが鼻をくすぐる。
「天族と吸血鬼と人間の血を引いた第二世代の当主は次に結ばれるは亜人間だった、亜人間の妻もかなりの者だった、魔力が高く技術者でもあった、そこからジョースター家はさまざまなことに着手して貴族として確立した」彼は、ジョースター家の知られざる歴史を、一文字ずつ噛み締めるように読み進めた。黄色の星の宝石は、彼の掌の中で、温かい光を放っていた。その光に導かれるように、ジョンアイデルは次の部屋へと入った。 そこには、緑色の革装丁の本が、古い木製の書棚の上に置かれていた。彼は、宝石をそっとポケットにしまい、本を手に取った。 ページを開くと、古風な文字が目に飛び込んできた。
「貴族として確立して数年たった日、第三世代の当主の亜人間は吸血鬼と結ばれた。そして、その数日後には魔族が我々の界域:物質界に攻め入って来たが数年後には和解し一部の魔族が共存してる」彼は、一文字ずつ、丁寧に読み進めていった。緑の星の宝石が、ジョンアイデルの掌に現れた。それは、まるで彼の運命を告げるかのように、静かに輝いていた。彼は、宝石の光に導かれるように、次の部屋へと足を踏み入れた。そこには、青い表紙の本が置かれていた。彼は、深呼吸をして、ページを開いた。「第四世代の当主は半吸血鬼、半吸血鬼は魔族も迎い入れた、そして、数年後には半魔族の女性と結ばれた、そして、半吸血鬼、半魔精、亜人間の子供を授かる」その言葉は、彼の家系の複雑な歴史、そして未来への可能性を示唆していた。青い星の宝石が、ジョンアイデルの手の中で、脈打つように輝いた。それは、彼の家系の運命を象徴しているかのようだった一行は、階段を下り、紫色の本が置かれた場所へと辿り着いた。ジョンアイデルは、その本に書かれた言葉に運命的なものを感じた。
「第五の本家の当主は半吸血鬼だった、その当主も半魔族と結ばれた、そして、ジョースター家は神の加護を受けるようになりさらなる確立をもたらした」読み終えた瞬間、彼の手に、紫色の星の宝石が、現れた。ジョンアイデルたちは次の部屋へと進んだ。そこには、純白の表紙を持つ本が、静かに佇んでいた。それは、まるで未来への希望を象徴しているかのようだった。 ジョンアイデルは、その本を手に取り、ゆっくりとページを開いた。
「そして、第五当主の妻からは子供が多数生まれた、半魔精が2人、半吸血鬼、半魔族、亜人間の子供である。その子供たちはこれからを紡ぐための者たちである」 読み終えた時、彼の掌には、純粋な白の輝きを放つ、白い星の宝石が、現れた。それは、新たな世代へのバトン、そして未来への希望を感じさせた。さらに奥へと進むと、世界は黒に変わった。壁も床も、すべてが、深い黒色で統一されていた。それは、闇そのもののように、神秘的で、底知れない深淵を感じさせた。一行は、その黒の中に、何かを感じ取った。黒い空間に足を踏み入れた瞬間、ジョンアイデルは鋭い眼光を放ち、仲間たちに注意を促した。
「気をつけろ!何かいそうだぞ」彼の声は、張り詰めた空気の中で、鋭く響いた。黒い空間を満たす静寂が、破られた。それは、巨大な影が、彼らの前に現れた瞬間だった。 影は、ゆっくりと形を現し、石仮面をつけた巨人の姿へと変化した。その仮面は、古代の謎を秘めたジョンアイデルは、巨人の身体を注意深く観察した。腕や足には、複雑な構造の機械部品が、まるで生きた組織の一部であるかのように埋め込まれていた。金属の光沢と、人間の肌の質感の不自然な融合は、異様な光景を作り出していた。そして、胸の中心部には、ウシグルマデビラーのコアと酷似した、不気味な光沢を放つ球状の物体が、埋め込まれていた。 その禍々しい色合いは、見る者の心を寒からしめた。
「これは一体…?」 ジョンアイデルは、冷静さを保とうと努めながら、呟いた。神秘的な輝きを放っていた。巨人の出現は、まるで、運命の歯車が動き出したかのような、不思議な雰囲気を醸し出していた。
「ゴライアス、侵入者排除!」言葉は、まるで機械が吐き出したかのような、感情のない、乾いた音だったゴライアスの動きは、人間離れした正確さで、機械的な効率性を示していた。
「ゴライアス…、あの球体…、クリミナルデビルが使っているものと酷似している。これは、ただ事ではないな〜、ともかく、倒す!」ジョンアイデルは、深呼吸をして、格闘術の構えを取った。 彼の筋肉は、戦闘態勢に入ったことを示すように、緊張感に満ちていた。クレティアとルミカは、互いに視線を交わし、完璧な連携で剣を構えた。ルミナは、掌から、光り輝く液体金属をゆっくりと流れ出させ、ゴライアスの動きを封じる準備を整えた。アイリスは、杖をしっかりと握りしめ、その先端から、神聖な光が放たれた。彼らは、それぞれの能力を最大限に活かし、ゴライアスに立ち向かう準備ができていたゴライアスの指先から、マシンガンさながらの金属弾丸が、アイリスめがけて放たれた。その猛烈な攻撃に、周囲の空気が震えた。しかし、アイリスは冷静さを保ち、杖を振り上げた。 彼女の詠唱と共に、神聖な光が輝き、ホーリーバリアが展開された。バリアは、ゴライアスの攻撃を完全に無効化した。ルミナは、冷静に液体金属を操り、太い棒状に変化させた。
「くらえ!」彼女は、無駄のない動きで、その金属の棒をゴライアスの腹部に打ち込んだ。 正確な攻撃は、ゴライアスの動きを一瞬止めた。クレティアは、ルミナの攻撃が命中した瞬間を見逃さなかった。
「今だ!」 彼女は、剣を振りかぶり、全身の力を込めて、ゴライアスへと斬りつけた。 剣の軌跡は、美しく、そして恐ろしいほど正確だった。 彼女の剣技は、長年の鍛錬の賜物であり、ゴライアスをも脅かすほどの威力を持っていた。剣がゴライアスの体に命中する音が、闇に響き渡った。ルミカは、深呼吸をして、集中力を高めた。 彼女は、剣を構え、ゴライアスの動きを鋭い眼差しで追った。 そして、絶好の機会を見逃さなかった。
「連撃!」彼女の叫び声と共に、彼女の剣は、まるで生き物のように動き出した。一閃、二閃、三閃、 正確で、力強い攻撃が、次々とゴライアスへと繰り出された。 そのスピードは、人間の目では追いきれないほど速かった。ジョンアイデルは、これまでの戦いを振り返り、ゴライアスの弱点を見抜いていた。
「これで決める!」彼は、深呼吸をし、全身の力を右拳に集中させた。 そして、その拳を、ゴライアスの胸の中心に、正確に打ち込んだ。その瞬間、闇空間には、衝撃波が走り、周囲の空気が歪んだ。ゴライアスの巨体は、大きく揺れ、その動きは完全に止まった。ジョンアイデルの一撃を受け、ゴライアスは激しい痛みを覚えた。 彼は、これまで経験したことのないほどの苦痛に襲われ、悲痛な咆哮を上げた。その声には、怒りや悲しみ、そして絶望が混ざり合っていた。巨体は、ゆっくりと、しかし確実に倒れていった。倒れる際に、ゴライアスの体からは、金属の軋む音や、機械が破壊される音が聞こえた。そして、静寂が訪れた。ゴライアスの巨体が倒れた後、ジョンアイデルは彼の肉体を詳しく調べ始めた。
「しかし、この技術は…物凄いな。あの精巧な機械仕掛け、そして、あのコア…、これは、手に入れなければならない!」 彼の目は、研究者のそれへと変わっていた。
「あーあー、また出たよ、ジョンアイデルの悪癖が。」ルミカは、苦笑しながら言った。ゴライアスの生身の肉体は、光粒子となって消滅し、残ったのは、高度な機械技術で作られた部品と、不気味な光沢を放つコアだけだった。 ジョンアイデルは、それらを慎重に回収し、自分のインベントリに収納した。
「本当に手に入るとは…!」彼の顔には、満足感と、新たな研究への意欲が満ちていた。ゴライアスの消滅した肉体から、黒い光がゆっくりと立ち昇り始めた。 それは、まるで生き物のように動き回り、闇の中に不気味な影を落とした。 光は次第に強くなり、周囲の温度を下げ、空気を重くした。 そして、その黒い光は、ジョンアイデルの手元へと集まり、収束していった。 やがて、光は消え、彼の掌には、漆黒の輝きを放つ、星型の宝石が残されていた。その宝石からは不思議な力が感じられた。ジョンアイデルは、手にした黒い星の宝石を、ゆっくりと掌の中で転がした。 その宝石からは、微かに温もりを感じられた。
「赤、青、黄色、橙、紫、紫、白、黒… 、全ての色の星の宝石が揃ったことになるのか…」彼は、過去に集めた他の色の星の宝石を思い出し、それぞれの宝石の記憶を辿った。そして、ついに、最後のピースが揃ったことを悟った。
「これを使うことで、ジョースター家本家に入れる…ということだな。」 彼の瞳は、強い意志で輝いていた。そして、ダンジョンから抜ける。ダンジョンを脱出したジョンアイデルたちは、迷うことなく当主室へと向かう最短ルートを辿った。 クレティアは先頭を歩き、ルミカとルミナが後方を警戒する。 アイリスは杖を握りしめ、ジョンアイデルは黒い星の宝石を懐にしまったまま、静かにその場を後にした。当主室に到着したジョンアイデルたちを、ジョーディアは温かく迎えた。
「星のダンジョンをクリアしたんだね。よくやった!」 彼の言葉には、ねぎらいと、深い信頼が込められていた。ジョンアイデルは、核心をつく質問を投げかけた。
「一つ聞きます。ゴライアスに使われていたコアは、クリミナルデビルが使っていたコアと似ているんですよね?どういうことなんですか?」彼の言葉に、ジョーディアは険しい表情を浮かべた。
「まず誤解はしないでほしい。ゴライアスのコアは、元々は我々ジョースター家が作ったものである。おそらくクリミナルデビルが使っているのは、その技術を悪用したものだ。」 彼の言葉は、多くの謎を秘めているようだった
「そうですか…」ジョンアイデルは、複雑な表情でうなずいた。 彼は、ジョーディアの説明から多くのことを読み取っていた。ジョーナは、話を切り替えた。
「さて、重要な情報だね。聞いてほしい。ジョースター家本家は、転移現象以前のイギリスの位置、つまり現在のブリタニアにある。だが、ブリタニアは今、妖精と人間が主な住民で、魔精と呼ばれる存在も少数ながら暮らしている。これは、今後の行動に大きく影響するだろう。」ジョーナは、地図を示しながら、ブリタニアの現状を説明し始めた。ジョンアイデルは、ジョーナが示した地図をじっと見つめていた。彼は、地図上のロンドニアの位置を確認し、口を開いた。
「やはり、首都ロンドニアにあるというわけか…。」ジョーナは、彼の言葉を肯定するようにうなずいた。
「そうだね。ジョースター家本家は、ブリタニアの首都ロンドニアにある。これは、重要な情報だね。」 彼女は、地図を指さしながら、ロンドニアの位置と、その周辺の状況を説明し始めた。
「ロンドニア… 、なるほど…、かつて殺人鬼が跋扈し、壮大な穢れが都市を覆っていた…、そして天族によって浄化された…と。警戒が必要だな。」ジョンアイデルは、静かに呟いた。彼の目は、鋭く光っていた。ジョーナは、重要な情報を付け加えた。
「ロンドニアは、他の地域と比べて、天啓による超能力の覚醒率が異常に高いんだ。それは、かつての穢れと、それを浄化した天族の力とが深く関わっていると考えられている。ジョンアイデルの場合は…、天族の血を引いていながら、その力がうまく覚醒しなかった。だから、実験によって作られた特異世代ってわけだ。」ジョンアイデルは、核心をつく質問を投げかけた。「特異世代ってことは…他の世代の能力持ちもいるんですか?」ジョンアイデルの鋭い質問に、ジョーナは丁寧に答えた。
「そうだね、他にも能力者たちはいるよ。大きく分けて6つの世代があるんだ。第一世代は、生まれつき能力を持つ者たち。第二世代は、外的要因、例えば特殊な環境や事件などに触れることで能力が開花した者たち。第三世代は、第二世代と似ているが、生まれつきだが外的要因を与えられて2つ目以降の能力が開花した者たち。第四世代は、生まれつき能力持ちに他生物の遺伝子を取り込むことで能力を新たに得た者たち。第五世代は、素質ある者に他の細胞を埋め込まれることで能力を得た者たち。そして、最後がジョンアイデルのような、実験によって能力が開花した特異世代だ。」
「どの世代が一番強いんですか?」
ジョンアイデルの素朴な質問に、ジョーナは丁寧に説明した。
「それは単純に答えられないね。能力の強さは、世代によって決まるわけじゃない。第一世代だろうが第五世代、特異世代だろうが、訓練や経験、そして能力の使い方によって、その強さは大きく変わる。重要なのは、その能力をどう使いこなせるかだ。 ただ…中には、概念そのものを体現した、規格外の能力を持つ者もいる。 そういう者たちは、どの世代にも属している可能性がある。」ジョンアイデルは、さらに質問を続けた。
「では、どの世代が最も希少なんですか?」ジョーナは、ゆっくりと答えた。
「今の段階で、公表されている数から判断すると特異世代が最も希少と言えるだろう。特異世代は、高度な技術と秘密裏の計画によって作られた存在だ。その数は、他の世代と比べて圧倒的に少ない。その希少性ゆえに、特異世代は、多くの謎に包まれている。」ジョンアイデルは、特異世代に関する情報を求めた。
「特異世代は少ないそうですね…、その研究資料はどこにあるんですか?」 ジョーナは、慎重に言葉を紡いだ。
「特異世代に関する詳細な研究資料や発案資料等は、ジョースター家本家、神無月家、そしてオラクルの一部組織だけが保有している。これらの組織は、それぞれ独自の研究を進めており、その情報は厳重に管理されている。外部に漏洩することはまずないだろう。」ジョーナは、話を続けた。「能力だけでなく、ジョブも重要だね。ジョブに就けるのは15歳からだが、君の適正は… 見てみよう。」彼は魔法のアイテムのような、様々な不思議な小道具を取り出した。一つ一つが異なる輝きを放っている。ジョンアイデルは、一つずつアイテムに触れてみた。すると… 驚くべきことに、全てのアイテムが、彼の体に反応したのだ。 まるで、アイテムが彼を選んでいるかのようだった。 それは、彼の潜在能力の高さを示しているのかもしれない。
「まさか…ジェネラリストの才能とは…!これは驚いた!」ジョーナは、驚きを隠せない様子で言った。
「ジェネラリストは、文字通り万能職だ。あらゆるジョブをこなせる、稀有な存在と言えるだろう。」ジョンアイデルは、重要な点を質問した。
「ここで受けたジェネラリストの適正判定は、正式なものですか?」ジョーナは、書類に印を押しながら答えた。
「もちろんだ。このライセンスは、正式なジェネラリスト認定証だ。これは、貴族認定と呼ばれる、ハローワークや役場の手続きと同等の効力があると考えてもらって構わない。」 彼は、丁寧に作成されたジェネラリストライセンスをジョンアイデルに手渡した。ジョンアイデルは、その重みを感じながら、ライセンスを受け取った。ジョンアイデルは、手にしたジェネラリストライセンスをじっと見つめた。
「これが…、ジョブライセンスか…」 彼は、ライセンスをマージフォンにゆっくりと近づけた。するとライセンスは柔らかな光を放ち始め徐々にマージフォンに吸い込まれていくように一体化していった。まるで、マージフォンが、彼の新たな能力を受け入れたかのようだった。
「ほう…実に巧妙な仕組みだ。」ジョンアイデルは、感心した様子で言ったアルカシティの中央SMO副本部。高度な技術で構築された執務室は、清潔で、未来的なデザインだった。ヤンロエルは、ホログラムディスプレイに表示された情報を確認していた。突然、アラート音が鳴り響いた
「緊急報告:ジョンアイデル、ジェネラリスト認定。」ヤンロエルは、ディスプレイに表示された情報を冷静に分析した。
「ジョンアイデルがジェネラリストになったか…、これは、予想外の展開だ。」静まり返った部屋に、アレイスターの足音が響き渡った。彼は、圧倒的な存在感を放ちながら、ヤンロエルの前に立った。ヤンロエルの報告を聞き終えると、アレイスターは、鋭い視線を彼に向けた。
「学生がジェネラリストのジョブ認定と… 、ふーん。 …アルバイトとして、私の個人的な仕事やいろいろなことに使わせても良いでしょうね。」 彼の言葉には、威圧感が漂っていたヤンロエルは、アレイスターに確認した。
「アレイスター、ジョンアイデルはSMOの機関員です。彼の私的な利用は、許可できません。」アレイスターは、うなずいた。
「分かっている。 しかし、彼の能力はSMOにとっても有益だ。私の仕事に協力してもらうことで、SMOの目的達成にも貢献できる。これは、双方の利害が一致する協力関係と言えるだろう。」二人の間には、協調的な雰囲気が漂っていた。アレイスターの脳裏には、緻密に計算された計画が浮かび上がっていた。
「(SMOの利益は建前だ。本当の狙いは、私の計画を進めること。シャウラとの契約も、そのためのものだからね。)」場面変わったクリミナルデビル特有の、高度な技術が詰まった研究室。ルクスリアは、落ち着いた様子でスクリーンに映し出されたジョンアイデルのデータを確認していた。
「なるほどねぇ〜、彼がジェネラリストにねぇ〜」 彼女の表情は、冷静で、感情を表に出していなかった。 しかし、その瞳には、鋭い分析力が感じられた。アヴァリティアは、真剣な表情で言った。
「ルクはん、その男前のあんちゃん… 彼のこと、何かご存知ですか?」アケディアは、真面目な口調で答えた。
「ムニャ〜〜!…確かに、彼には何か特別な力があるように感じます…」イリテュムは、冷静に分析した。
「アケディア、男の姿で言うとなんか変な感じだぞ。感情的な判断は避けて、客観的に分析する必要がある。」 三人は、真剣にジョンアイデルについて議論していた。イリテュムの言葉に、アケディアの顔が険しくなった。
「ハッ、怠いよ〜、まったく!イリテュム、何度も言うけど、私の本当の性別をバラすのはやめてくれない? この姿は、戦略的な選択なのよ!理解できないの?」彼女は、イリテュムの無神経さに怒りを覚えているようだった。アケディアとイリュテムのやり取りを、テリオンは穏やかな口調で制止した。
「やめろ!アケディア、イリテュム、喧嘩するな!ここは研究室だぞ。」イリテュムは、冷静に答えた。
「喧嘩ではないですよ。単なる意見交換です。」テリオンは、少し安心した様子だった。リヴァイアサンは、ため息をつきながら言った。
「何してんの?私の研究所で…、まさか、見学ツアーでもやってるのかしら? ルクスリアとアヴァリティアには許可してるけど、テリオン、アケディア、イリテュム、あなた方は許可してないわよ? …まさか、勝手に研究データでも覗いてたの?」彼女の言葉には、皮肉が込められていたアケディアは、いたずらっぽく笑って言った。
「なーに、そのジョンアイデルというやつが気になってるのよ。だって、イケメンだし!」 イリテュムは、アケディアの言葉に軽く笑って言った。
「確かに気になるねぇ。確かにイケメンだけどね」 テリオンは、二人の言葉を聞いて呆れたように言った。
「ジョンアイデルのことが気になってね、君たちで研究とは? 仕事中にイケメン探ししてる場合じゃないだろう!」リヴァイアサンは、鋭い眼光で三人を睨みつけた。
「待ちなさい!ジョンアイデルに目をつけたのは私たちが先だ。アケディア、イリュテム、テリオン、君たちが勝手に手を出すことは許さない! ワタクシの許可なく、彼に近づくことなど、考えるな!」 彼の言葉は、命令であり同時に脅迫でもあった。三人には、背筋が凍るような恐怖が走った。カナンの地、風になびくベールを纏い、リリスは優雅に佇んでいた。 彼女は、情報端末の画面を軽く見て、余裕のある様子で言った。
「へぇー、なるほどね、ジョンアイデルがジェネラリストか〜、まあ、アテチの予想通りだね〜 …これで、アテチたちの計画も加速するわ。」 彼女の言葉には、自信と余裕が感じられた。




