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エピック14【赤の神殿など】

恩羅院大陸南部の島。ジョンアイデルとクレティアは、その地に、彼らの目的のため辿り着いた。

「赤の神殿… ここは、ボティスという魔精の住処でもあるはず…気をつけなくては。」クレティアは、警戒の色を隠さずに言った。

「ボティス…、蛇頭の魔精、知識と知恵の魔精… 契約しなければならない。 覚悟はできている。」ジョンアイデルは、強い決意を込めて言った。

「警戒しろ!ボティスは時空操作が可能で、さらに厄介なガーディアンもいる…!」クレティアは、そう叫ぶと、先陣を切って神殿へと入っていった。

「待て!クレティア! 俺が守るから、無闇に突っ込むな!」ジョンアイデルは、責任感からそう叫びながら、神殿へと入っていった。

「ふむ…、エントランスの構造は…予想通り、古代の技術が用いられているようね。」クレティアは、専門家の目線で神殿内部を詳しく調べ始めた。深紅の石が織りなす神殿は、まるで古代文明の遺構のようでありながら、同時に、未知のテクノロジーが息づく近未来都市の片鱗を垣間見せる、不思議な空間だった。

「これは…、実に興味深い!俺はこれまで数多くの古代遺跡を見てきたがこれほどまでに近未来的な装飾が施された神殿は初めてだ!この技術…、一体何なのか…!」ジョンアイデルは、専門家の目線で神殿の壁や床を丹念に調べながら、興奮を隠せない様子だった。そして、彼は壁や床に頬ずりする

「ジョンアイデル…、意外な一面を見ちゃったわね。もっと無骨な人だと思ってたけど… 、知らなかった一面を知れて、ちょっと嬉しいわ。」クレティアは、微笑みながらそう言った突然、ジョンアイデルとクレティアの前に、赤い目で赤茶色肌で赤いビキニ姿の女性のような姿をしたモンスターが現れた悪魔のような翼が背中に広がり、その異様な姿は、二人を恐怖に陥れた

「レッドドルシー、危険だ!ジョンアイデル、準備しろ。」クレティアは、冷静に状況を判断し、拳を構えた。ジョンアイデルは、クレティアの言葉にハッとしたように反応し、慌ただしくも的確に戦闘態勢に入った。レッドドルシーの予想外の行動に、ジョンアイデルは言葉を失った。 彼女の唇が彼の頬に触れた瞬間、彼は全身が硬直した。

「うっ…」驚きと戸惑いが、彼の胸に押し寄せた。レッドドルシーのキス後、ジョンアイデルは一瞬硬直したものの、すぐに動き出した。クレティアは、彼の様子を心配そうに観察した。

「ジョンアイデル、本当に大丈夫?何か異常はないか?」

「驚いたが、大したことはない」ジョンアイデルはそう答えたものの、彼の表情には、まだ動揺が残っていたクレティアは、ジョンアイデルを興味深そうに観察した。

「ふーん…、あのレッドドルシーのキスに、全く動じないなんて… 、お前って、意外な一面もあるんだな。」ジョンアイデルは、肩をすくめて答えた。

「うん。俺も不思議なんだけどね。」ジョンアイデルは、一瞬の隙を逃さなかった。彼は、まるで計算されたかのような正確さで、レッドドルシーの腹部に強烈な一撃を叩き込んだ。 その威力は凄まじく、レッドドルシーは悲鳴を上げる間もなく、地面に倒れ伏した。

「これで、終わりだ!」ジョンアイデルは、鋭い眼光でレッドドルシーを見据え、渾身の力を込めて踵落としを繰り出した。彼の踵が、レッドドルシーの急所を正確に捉えた。 衝撃と共に、レッドドルシーの体は崩れ落ち、動かなくなった。ジョンアイデルは、倒れたレッドドルシーを無表情で見ていた。その様子は、まるで、ただの作業を終えたかのような冷静さだった。クレティアは、そんな彼を見て、改めて疑問を感じた。ミラ・マクスウィルとの戦闘での彼の動揺を思い出し、彼女はため息をついた

「…あの時と、何が違うんだろう? ミラ・マクスウィルと、このレッドドルシー… 女性としての魅力は、どちらも相当なものだったはずなのに…、 ジョンアイデル…、 お前は一体、何を基準に動揺しているんだ? 全く理解できないわ…」彼女の言葉には、深い疑問と、少しの苛立ちが込められていた。

「どうした?クレティア、なんか険しい顔してるが」ジョンアイデルはハキハキと言う。クレティアは、ゆっくりと視線をジョンアイデルに向けた。 彼女の目は、複雑な感情で揺れていたミラ・マクスウィルとの戦闘での彼の動揺、そして今回のレッドドルシーへの反応…、その違いが、彼女の理解を超えていた。

「…いや、別に… 、ただ、少し考えていただけだ。」彼女は、そう言って言葉を濁した。しかし、彼女の表情はまだ晴れないままだったジョンアイデルは、彼女の言葉に何かを感じ取ったのか、静かに彼女の傍に寄り響いた。 危険が潜んでいるかもしれないエントランスの先へと、添った。

「先に進もう。」ジョンアイデルの言葉は、静寂を突き破るように二人は静かに足を進めていった。 彼らの背中には、緊張感が張り詰めていた。 一歩一歩、慎重に、彼らは闇へと足を踏み入れていった。先の部屋も赤い石造りだったが、ところどころに近未来的な装飾が施されていた。その異様な空間の中で、クレティアは突然、ジョンアイデルの体に自分の胸を押しつけた。

「ジョンアイデル… 、よーし、試してみるか…」 彼女の言葉は、予想外の行動と共にジョンアイデルを驚愕させた。

「な、何をしているんだ、クレティア!?」彼の声には、動揺と困惑が混じっていた。クレティアは、ジョンアイデルの反応を面白がっているようだった。

「ねえ、ジョンアイデル。これには動揺する? まさか、胸の大きい女性に弱いなんて… 、意外な一面ね。」 彼女の言葉に、ジョンアイデルの顔がほんのり赤くなった。

「からかうなよ…」彼は、照れ隠しのようにそう言ったが、その言葉には、クレティアへの信頼が感じられた。

「図星か〜、なんだ〜、可愛い一面あるじゃない」クレティアの言葉に、ジョンアイデルの顔は真っ赤になった。彼は、何も言えずに、ただ黙って顔をそむけた。

「ま…、まったくもう… 、さ、先に進むぞ…」 彼は、照れ隠しのようにそう言って、早足で歩き出した。突然、二人の前に巨大な影が落ちた。それは、下半身が蛇、上半身が人型のモンスターだった。その圧倒的な存在感に、ジョンアイデルとクレティアは息を呑んだ。モンスターの目は、鋭く光り輝き、二人の動きを監視しているかのようだった。その威圧感に、二人は身動き一つできなくなっていた。怪物は、圧倒的な存在感を放っていた。その異形の姿に、クレティアは恐怖を感じたが、ジョンアイデルは動揺していなかった。彼は、怪物を見つめながら、専門的な知識に基づいて断定した。

「テュポンだ。古代より語り継がれる、神々が創造した怪物… 、その力は計り知れない。」彼の言葉は、クレティアに、わずかな希望を与えた。

テュポンの尻尾は、凄まじい勢いでジョンアイデルに襲いかかった。その威力は、容易に想像できるものではなかった。しかし、ジョンアイデルは、驚異的な反射神経と身体能力でその攻撃をかわした。彼は、一瞬のうちに尻尾に蹴りを入れ、その軌道をそらせた。もし、彼がその蹴りを成功させなければ、間違いなく吹き飛ばされていただろう。テュポンの攻撃をかわしたジョンアイデルを見て、クレティアはすぐに反撃に出た。

「きりさけ!シルフ!」彼女の鋭い叫び声と共に、彼女の傍らから、光り輝くシルフが出現した。シルフは風の刃を操り、テュポンに容赦なく攻撃を仕掛けた。クレティアの決意は、シルフの攻撃に込められていたシルフの攻撃が続く中、クレティアはさらに強力な召喚魔法を放った。

「燃やせ!イフリート!」彼女の言葉は、まるで呪文のように、空気を震わせた。 瞬く間に、彼女の周囲は灼熱の炎に包まれ、そこから、巨大な炎の精霊イフリートが出現した。 イフリートは、凄まじい炎を吐き出し、テュポンを完全に炎の牢獄に閉じ込めた。クレティアの圧倒的な魔力とイフリートの破壊力は、周囲の空気を歪ませるほどだった。イフリートの炎に包まれるテュポンを見て、ジョンアイデルは最後の切り札を放った。

「いでよ!ミラ・マクスウィル!」 彼の呼びかけと共に、空間が歪み、そこから舞い踊るように現れたのは美しい女性の姿をしたミラ・マクスウィルだった。彼女は優雅に旋回し熱風をテュポンに浴びせかけるそして、その美しい動きとは裏腹に、次々と岩の弾丸をテュポンに叩き込んだその攻撃は、優雅さと破壊力が共存する、まさに芸術的なものだった。ミラ・マクスウィルの攻撃を受け続け、テュポンはついに限界を迎えた。最後の力を振り絞って、凄まじい咆哮をあげたその声は、怒り、苦痛、そして悲壮感に満ちていた。 巨大な体が、ゆっくりと地面に崩れ落ち、静かに息絶えた。テュポンの死後、静寂が訪れた空間で、ゆっくりと、光り輝く宝箱が出現した。その姿は、まるで、魔法によって生み出されたかのような神秘的な雰囲気を漂わせていた。ジョンアイデルは、慎重に宝箱を開けると、そこには、美しく輝く指輪が納められていた。それは、ボティスのシジルが刻まれた、特別な指輪だった。指輪を手にした瞬間、ジョンアイデルの周囲の空気が重くなった。そして、彼の耳に、不思議な声が響き渡った。

「ウッシャッシャッシャッシャ… 、お主が、新たな契約者か… 、我が名はボティス。知恵と知識の魔精、一体じゃ…」その声は、かすかなエコーを伴い、神聖さと神秘性を帯びていた ボティスの存在は、ジョンアイデルを圧倒した。ボティスの言葉は、力強く、そして自信に満ちていた。

「ワシと契約するってことは、過去、現在、未来… すべてを見通したいってことじゃな? よかろう! お主の力に、魔皇の目がある… 、それを少し強化してやろう。」 彼の言葉が途切れた瞬間、ジョンアイデルの左目が輝き始めた。そして、それは、まばゆい金色の光を放つ目へと変化した。 ボティスの圧倒的な力によって、ジョンアイデルは、新たな力を手に入れたのだ。ジョンアイデルは、自分の変化に気づいた。

「魔皇の眼… 、その力が… 、両目に宿っている…!」彼は、自分の視界を確認した。かつては、左目だけでしか見ることができなかった未来が、今では両目で鮮やかに見える。その範囲は、以前よりもはるかに広がり、より詳細な未来を見通せるようになっていた。

「すごい… 、片目だけじゃなく、両目とも… 、これは… 、想像以上の力だ…」ジョンアイデルの変化を見届けたクレティアは、次の行動を指示したのである。

「次の階層に進もう!」彼女の言葉は、力強くそして決意に満ちていた。迷いはない。彼女は、ジョンアイデルと共に、次の試練へと進んでいくことを決めたのだ。そして、二人は、階段を力強く登り始めた。2階層に到着すると、そこは赤いレンガの壁に囲まれた空間だった。レンガは、古びてはいるものの、しっかりと積み上げられており、頑丈な構造を伺わせる。しかし、そのレンガの壁面にはところどころに、光るラインや幾何学模様が施され、近未来的な雰囲気を醸し出していた。床は、磨かれた金属のような素材でできており、鏡のように周囲の景色を反射していた2階層の空間を注意深く観察した後、ジョンアイデルは静かに口を開いた。

「この精巧な構造、そして、この近未来的な装飾といい、ヒトの技術では到底不可能だ。やはり、この神殿は… 、神によって造られたものだろう。」彼は、自身の観察に基づいた結論を述べたクレティアは、神殿の謎を解き明かす決意を新たにした。

「この神殿… 、誰が、何のために造ったのか… 、少なくとも、ワタシ達を妨害する存在ではないことは確かだが… しかし、その真の目的は…、まだ分からない。」彼女の言葉は、今後の物語の展開を示唆していた。ジョンアイデルは、静かに考え込み、そして口を開いた。

「…カルデア勢力…、あるいは…、それ以外か…」彼の言葉には、確信というよりも、可能性を示唆するニュアンスが含まれていた。彼は、様々な可能性を検討していた。静寂が支配する空間で、突如として、ルミカが現れた。 彼女の登場は、まるで、魔法のような神秘的な雰囲気を帯びていた彼女は、静かに語り始めた。

「この神殿はね… 、カルデア勢力が作ったのよ。彼らは、ヒトの進化を促す勢力…、だから、神も複雑なの。邪神もいれば、善神もいる。あるいは日和神も…」彼女の言葉は、神々の複雑な世界を垣間見せるものだった。ジョンアイデルは、ルミカの出現に驚きを隠せなかった。

「ルミカさん…、なぜここに?」 ルミカは、少し照れくさそうに答えた

「…あなたを追いかけてきたのよ。 あなたのことが…、気になって…、でも、この気持ち…、よく分からないの…、好き?それとも…違う感情? 私自身も、よく分かっていないの。」 彼女の言葉には、複雑な感情が入り混じっていた。クレティアの目は、怒りに燃えていた。 しかし、彼女はそれを抑え込み、冷静な口調でルミカに告げた。

「ルミカ… 、ワタシはあんたに警告しとく、ジョンアイデルは、ワタシにとって… 、かけがえのない存在だ。だから… 、中途半端な気持ちで、彼に近づいたり、ましてや、彼を傷つけたりするような真似は、絶対に許さない。君は陪審の役割を担っている。その責任を自覚し行動しなさい。」 彼女の言葉の裏には、ジョンアイデルへの深い愛情と、ルミカへの強い警戒心が隠されていた。ルミカは、クレティアの言葉に軽くあしらった。

「言われるまでもないわよ…!」彼女の言葉は、自信に満ちていた。一方、ジョンアイデルは、自分の気持ちを正直に吐露した。

「色恋沙汰…、正直言って、よく分からない。でも…、恋愛ってやつは…、できればしてみたい。でも…、守るべきものがある… 、だがそれが何なのか…、今はまだ、よく分からない。」 二人の対照的な性格が、この会話から見て取れた。クレティアは、複雑な感情を胸に、ジョンアイデルに語りかけた。

「ジョンアイデル…、お主は…、本当は分かっているのであろうに? 仲間…、そして…、大切な存在を守るべきだと… 、ワタシは…、お主を…。信じている。だから…、どうか… 、間違った選択をしないで… 」彼女の言葉には、ジョンアイデルへの深い信頼と、一抹の不安が感じられた。ジョンアイデルは、静かに頷いた。

「そうだな…、先に進もう。」彼の言葉には、迷いが一切なかった。彼は、仲間たちと共に、次の試練へと進んでいくことを決意したのだそして、彼らは、力強く、次の部屋へと足を踏み入れた。次の部屋は、驚くほどシンプルだった。しかし、部屋の中央に置かれた、古びた宝箱は、彼らの目を釘付けにした。それは、まるで、この部屋の主役であるかのように。ジョンアイデルたちが、息を呑みながら宝箱を開けると… 、そこには、想像をはるかに超える輝きを放つ、ブルータイガーアイの宝石がはめ込まれた指輪があった。その美しさに、彼らは言葉を失った。ジョンアイデルは、宝箱の中から現れた指輪を見て、思わず声を上げた。

「これは一体…!?」彼の声には、驚きと、発見の喜びが混ざり合っていた。 彼は、すでに手に入れている他の指輪と同じように、このブルータイガースアイの指輪を首飾りに加えた首飾りは、ますます輝きを増していった。指輪の輝きに目を奪われていたジョンアイデルだったが、宝箱の底に何かを感じ取った。彼は、宝箱の中をもう一度確認した。そして、そこで見つけたのは、いくつかの鏃だった。予想外の発見に、彼は驚きを隠せない様子だった。ジョンアイデルは手にした鏃をじっと見つめ、研究者としての好奇心が爆発した。

「この鏃は一体…!」彼は、興奮を抑えきれない様子で続けた。

「持ち帰って、研究と実験に使ってみよう。きっと、何か重要な発見があるはずだ!」 彼の言葉には、研究への強い意欲と、未知への探究心が感じられた。ルミカは、ジョンアイデルの行動を警戒しながら言った。

「ジョンアイデル…、あなたの行動は、時々、理解に苦しむわ。それは、単なる好奇心ではないように思える。 まるで、何か…、 避けられない運命… 要するに、サガのようなものを感じるの… 、少し、怖いわ。」彼女の言葉には、ジョンアイデルへの警戒感が感じられた。宝箱から見つかった鏃をインベントリにしまうジョンアイデルを見て、クレティアはルミカに尋ねた。

「ルミカ… ジョンアイデルのあの行動に 何か思うところがあるのか? まさか…、彼に、好意を抱いているとか… そんなことはないわよね? 彼は、今はまだ、そういうことに気が付いていないようだから…」彼女の言葉には、状況への理解と、ルミカへの配慮が感じられた。ルミカは、静かに、しかし力強く言った。

「はっきりとは分かりません。でも… ジョンアイデルのことを考えると…、 胸のあたりが、キューッと締め付けられるような… 、息苦しいような… そんな感覚になるんです。まるで… 、 何か、大切なものを失ってしまうような… そんな不安を感じるの。」彼女の言葉には、具体的な感情描写が加えられ、よりリアルな印象を与えます。ジョンアイデルは、先頭に立ち、力強く言った。

「さあ、行こう。上の階層には、ガーディアンがいると予想される。油断は禁物だ。」クレティアは、彼の言葉に同意するように頷き、剣に手をかけた。 ルミカは、静かに、しかし鋭い視線を周囲に巡らせていた。三人はそれぞれの持ち場で、次の階層へと進んでいった。彼らは、長い階段を上りつめた。 そして、最後の階層に足を踏み入れた瞬間、息を呑んだ。 そこには、想像をはるかに超える光景が広がっていた。 広大な空間、そして、その中央に立つ、赤い法衣と鎧を着た男。

挿絵(By みてみん)

その姿は、あまりにも神々しく、あまりにも異様だった。彼らは、言葉を失った。赤い法衣と鎧の男は、ゆっくりと口を開いた。その声は、低く、力強く、そして、自信に満ちていた。

「よく来たな…!待ちくたびれたぞ!」彼は、鋭い眼光で三人を睨みつけながら、ゆっくりと名乗った。

「我が名は、ダビデ… 、カルデア勢力でありながら、この赤の神殿のガーディアンとして、君たちを待ち受けていた。…さあ、どんなものか… 、とくと見せてみよ!」彼の言葉には、圧倒的な自信と、挑発的なニュアンスが感じられた。ルミカは、経験に基づいた直感的な判断で、ダビデの危険性を指摘した。

「ダビデ… 、あいつは厄介よ!赤に関わるものなら何でも、自分の力にしてしまうの。まるで… 、赤そのものを操っているみたい。」ジョンアイデルは、冷静に分析し、その能力の本質を見抜いた。

「なるほど… 、それは、一種の概念能力…、赤という概念を媒介とした、高度な能力だろうな。」二人の対照的な性格と能力が、緊迫した状況下でも、効果的に機能している様子が伝わってくる。ダビデは、鋭い眼光でルミカを睨みつけ、低い声で叫んだ。

「レッドバインド!」彼の言葉と同時に、ルミカに向かって、深紅の鎖が飛び出した。それは、まるで生きているかのように、素早く、そして力強く、ルミカを捕らえようとしていた、しかし、ルミカは、その鎖を、一瞬にして砕き散らした。彼女の動きは速すぎて、肉眼では捉えきれないほどだった。ダビデの攻撃にルミカが対応する中、クレティアは機会を伺っていた。ダビデの動きに一瞬の隙が見えた時、クレティアはそれを逃さなかった。

「すきあり!」彼女は、鋭い叫び声を上げると同時に、ダビデの背後に回り込んだ。彼女の剣は、まるで光の刃のように、ダビデの背中に突き刺さった。鋭い金属音が響き渡り、ダビデは、激痛に顔を歪めた。クレティアの攻撃を受けたダビデは、うめき声を上げた。

「グゥー… 、コ、コヤツ… 、やりおる…!」しかし、その言葉が終わる前に、彼の体は、深紅の炎に包まれた炎は、彼の傷を癒やし、肉体を修復していく。それは、まるで、不死身の怪物のような、異様な再生能力だった。炎が消えると、彼は、損傷した鎧と法衣を身につけたまま、再び立ち上がっていた。その姿は、再生されたとはいえ、どこか不自然で、恐ろしいものだった。ダビデの再生能力を目の当たりにしたジョンアイデルは、すぐに反撃に出た。 彼は、自身の手に“切断”という概念を付与し、鋭い手刀を繰り出したその手刀は、まるで空間を切り裂くかのような勢いで、ダビデの左腕に襲いかかった。ダビデは、その攻撃を避けようとしたが、時すでに遅かった。ジョンアイデルの手刀は、彼の左腕をきれいに切り落とした。赤い血が噴出し、ダビデは、激しい痛みに顔を歪めた。左腕を失ったダビデは、初めて恐怖を感じた。それは、肉体の損傷ではなく、再生能力の無効化による恐怖だった。彼は、ゆっくりと膝をつき、地面に倒れ込んだ。

「これは… 、いかん… 、再生しない… ワシの、負けじゃ…」彼の声は、かすれ、力なく響いたしかし、その言葉には、長年の誇りと、敗北の悔しさが凝縮されていた。膝をついたまま、ダビデはかすれた声で言った。

「…赤のメダルは… 、後ろの… 、台座に… 、二つ… 、収まっている…」彼の言葉には、敗北の悔しさ、そして、何かを託すような諦念が感じられた。ダビデの言葉が、二人の心に響いた。クレティアとジョンアイデルは、息を殺して、ゆっくりと台座へと近づいた辺りには、張り詰めた空気が漂っていた。彼らは、慎重に、そして、素早く、赤のメダルを手に取った。 その瞬間、彼らは、何か大きなものを手に入れたという感覚に襲われた。静寂を切り裂くような、不気味な音が響き渡った。 二人の視界に、赤い影が映し出された。それは、巨大な翼を持つ、赤い天使だった。 その翼は、まるで、燃え盛る炎のように、赤く輝いていた。 天使は、二人の前に姿を現すと、圧倒的な威圧感を放った。 その存在感は、二人を完全に圧倒するほどだった。

挿絵(By みてみん)

ミカエルは、静かに、しかし、鋭い眼光で二人を見つめた。

「私はミカエル。なぜ、君たちは神格者になろうとするのか? その目的を、私に説明してみなさい。」 ジョンアイデルとクレティアは、互いに視線を交わし、そして、力強く答えた。

「我々の理想は、全ての種族が平等に生きられる世界です。差別や偏見、争いのない、平和な世界を築くために、神格者を目指します。」彼らの理想は、ミカエルの冷酷な視線とは対照的に、温かく、希望に満ちていた。ミカエルは、二人の言葉を聞き、静かに頷いた。

「そうか…、ならば、残りの試練をクリアしなさい。」彼の言葉には、何らかの意味深さが含まれているようだった。 そして、彼女の姿は、赤い光の球体に変化し、ゆっくりと消え去っていった。残されたのは、不気味に光る赤い球体だけだった。ジョンアイデルとクレティアは、互いに視線を交わし、そして、同時に赤い光の球体に触れた。その瞬間、二人の身体を熱く、そして、激しいエネルギーが駆け巡った。それは、まるで、心臓が爆発しそうになるような、強烈な感覚だった。彼らは、球体から放出される莫大なエネルギーを感じ取っていた。クレティアは、球体から得たエネルギーによって、魔力が神力へと変化していくのを感じていた。 しかし、ジョンアイデルは違った。彼は、確かに神力に近いエネルギーを感じていたが、そのエネルギーは、彼の体を蝕むように、不気味に変化していった。 彼の表情は、みるみるうちに歪み、身体からは、異様なオーラが放たれていた。 クレティアは、彼の異変に気づき、心配そうに尋ねた。

「ジョンアイデル、お前、なんの変化もないのか? ワタシは体内を巡る力が、若干だが、違う力になった。」ジョンアイデルは、かすれた声で答えた。

「…オレも…、 同じ… 。(だが…、なんだろう…、何かが…、おかしい…)」クレティアは、彼の異変に、強い不安を感じた。

「それだけか? 本当に…?」ルミカは、ジョンアイデルの異変に気づいていた。彼の表情、そして、彼から放たれる異様なオーラ… 、全てが、尋常ではないことを示していた。

「(様子がおかしい… 、これは…) 」彼女は、鋭い視線を彼に向けながら、内心でつぶやいた。

「(何かが、根本的に違う…)」ジョンアイデルから放たれていた異様なオーラは、数分後、静かに収束していったまるで、嵐が過ぎ去った後の静けさのようだった。その直後に、ルミカは、彼に粒チョコを差し出した。

「ジョンアイデル、これどうぞ。」ルミカの優しさに感謝し、ジョンアイデルはチョコを口にした。しかし、彼の口の中に広がるのは、甘さでも、苦さでも、何でもない、ただ何も感じない虚無感だった。

「(…味が…しない…)」彼は、驚きと同時に深い絶望を感じた。味覚を失っていることに、彼は気づいたのだ。周囲の視線を気にしながら、クレティアはルミカの耳元に口を寄せた。

「ルミカ… 、ジョンアイデルへのあのチョコ…、ただの優しさじゃないわよね… 、分かってるわよね?」 彼女の言葉には、緊張感が漂っていた。ルミカは、真剣な表情で答えた。

「…そうよ… 、彼は… 、恐らく… 、いくつかの知覚を失っている… 味覚は確実に… 」二人のささやき声は、周囲の騒がしさとは対照的に、静かで、緊迫感に満ちていた。辺りは、まだ緊張感に満ちていた。 クレティアもルミカも、ジョンアイデルの異変を目の当たりにしていた。 そんな状況の中、ジョンアイデルは、明るく、そして、少し無理のある笑顔で言った。

「2人とも、家に戻ろう!」 その明るさは、まるで、彼の心の闇を隠蔽するための、偽りの仮面のようだった。 彼の言葉の裏には、深い不安と、恐怖が隠されていた。 

一方、神界域、とある地は、静寂に包まれていた。しかし、その静寂は、単なる静けさではなく、深い神秘性と、神々しい力強さを秘めていた。緑豊かな森は、静かに息づき、透き通る川は、穏やかに流れていた。この地には、神々の息遣いが感じられ、訪れる者は、その神秘的な雰囲気に圧倒されるだろう。

「神格者を目指す者、二人。」ジニアスの言葉は、重く、空気を圧迫した。

「一つの試練はクリアしたようだが… しかし、あの男… 、ジョンアイデルはリスクはゼロじゃない。」ダビデの声は、低く、険しかった。片腕を失った彼の言葉には、経験から来る重みと、強い警戒感が感じられた。リリスは、妖艶な笑みを浮かべながら言った。

「あらあら、随分と酷い目に遭ったのね…、でも大丈夫よ。 新しい腕は準備済みだし…、それにしても、ジョンアイデル…、一体、彼は… 」 彼女の言葉は、不気味なまでの落ち着きと深い興味を含んでいた。3人の目の前には、数多くの神霊が姿を現していた。それぞれが、異様なオーラを放ち、圧倒的な存在感を示していた。 しかし、その中でも、ひときわ異彩を放っていたのが、黒い背びれと、銀と金の鱗が輝く、虹色の皮膚を持つドラゴンだった。そして、白い爪は、鋭く光り輝き、見る者の心を奪うほどの威圧感を放っていた。その姿は、まさに、神々しさの中に、恐ろしいまでの力強さを秘めていた。

「お前達は、それぞれが決まった役割を果すべきだ!」祖龍ルーツドランは威厳に満ちた声で命令した。その声には、揺るぎない絶対的な力強さが宿っていた。リリスは、その命令に、全く抵抗を見せることなく、従順に答えた

「分かってますよ、祖龍ルーツドラン様。」 彼女の言葉には、敬意と、忠誠心が感じられた。場面は変わり、再びジョンアイデルたちのいる場所へと移る。 彼らの家の中だ。先程の緊迫した空気は消え去り、静寂が訪れていた。しかし、その静寂は、不安と緊張感を孕んだ、重苦しいものであった。ジョンアイデル、クレティア、そしてルミカは、それぞれが複雑な表情を浮かべ、次の行動を模索していた。夕暮れが迫る中、ジョンアイデルは、静かにその場から離れていった

「オレ、ちょっと別行動する。」 彼の言葉は、静かで、力強かった。彼は、彼らの心配そうな視線を感じながらも、自分の決意を貫くように、一歩ずつ、その場を離れていった。彼の心の中には、複雑な感情が渦巻いていた不安、決意、そして、わずかな希望…、彼は、一人で、その全てを抱えながら、闇の中へと消えていった。その場に残ったのは舞華、ゼレス、ルミカ、クレティアの4人だった。舞華は、心配そうに尋ねた。

「ねえ…、何かあったの? ジョンアイデル… 、赤の試練をクリアした後から、様子がおかしいんだけど…」彼女の言葉には、率直な心配が感じられた。クレティアは、静かに、しかし、鋭い眼差しで言った。

「ワタシの勘だが… 、彼は、味覚を失っている。」彼女の言葉には、確信と、深い洞察力が感じられた。ゼレスは、首を傾げながら尋ねた。

「神格者になる…と言っても、感覚を失うなんて話は聞いたことがない。 一体、なぜ…?」彼の言葉には、強い疑問と、戸惑いが感じられた。ルミカは静かに、しかし、確信を持って答えた。

「…多分だけど… 彼には、精霊神の魂も結びついている…、それが、関係しているのかもしれん…」彼女の言葉には、深い知識と、鋭い洞察力が感じられた。クレティアは、ゆっくりと頷きながら言った。

「まあ確かに…、精霊神フォンセは、ある時を境に消息不明になったと聞いていたわ… まさか、ジョンアイデルと結びついているとは…、思ってもみなかったわ… だが… 、確かに…、腑に落ちる部分もあるわ…、あの契約石のダイヤモンドが、彼の胸に嵌め込まれたこと… 、それが、全てを繋ぐ鍵なのかもしれない…」彼女の言葉には、驚きと、鋭い洞察力が感じられた。一方、ジョンアイデルは決然とした表情で、森の中を進んでいた。彼の足取りは、これまでとは違っていた。迷いなく、力強く、そして、どこか、決意に満ちていた。味覚を失ったこと、そして、胸に嵌め込まれたダイヤモンド… 、それらの出来事が、彼を大きく変えたことを示唆していた。彼は、新たな決意を胸に、自分の運命へと向かっていた。ジョンアイデルは、近くの茂みに生えている木苺を見つけ、一つ摘み取った。彼は、それを口に含んでみた。しかし、彼の舌には、何も感じられなかった。いつもの甘酸っぱい木苺の味は、全くしなかった彼の顔には、絶望の色が浮かんだ。

「…口に入れてみるけど… 、やはり… 味がしない…」彼の声は、かすかに震えていた。夕暮れが迫る森の中で、ジョンアイデルは、地面に拳を打ちつけた。

「…なんで… 、味覚が…、 失われたんだ? 神格者になるって… 、こんなことなのか…、 次は… 、何を失うんだよ…?」 彼の言葉は、悲痛で、絶望に満ちていた。彼の周囲には、静寂が広がり、時折、風の音が聞こえるだけだった。その静寂は、彼の絶望をさらに際立たせていた。木陰から、その様子を見ていたルミカは、彼の苦悩を理解したかのように、静かに涙を流した。ルミカは、複雑な表情で呟いた。

「…解決策…、見つけなければ…、ジョンアイデル…、あなたの苦しむ姿…、もう…、見たくない…、何か…、私にできることがあるはず…、でも…、何ができるのか…、まだ…、分からない…」 彼女は、葛藤しながらも、強い決意を胸に秘めていた。彼女は、必ず、ジョンアイデルを助けることを誓った。ルミカがジョンアイデルを心配している様子を見て、ルミナは静かに近づいてきた。 彼女の美しい容姿は、ルミカを一瞬にして魅了した。しかし、彼女の言葉は、冷たかった。

「…あら、あなた… 、ジョンアイデルに、それほど執着しているの… 、彼は、確かに魅力的な男性よ… 、崇高な目的を持っている… 、ボクとも、同じ… 、ふふ… 、だけど… 、ボクの目的は、彼とは少し違うわ… 、そうだね、もっと… 、大きな目的があるの…。」 彼女の言葉には、野望と、冷酷さが感じられた。ルミカは、ルミナに詰め寄るように言った。

「…ルミナ… 、私を騙そうなんて…、とんでもないわよ…、ジョンアイデルを利用する気なら…、今すぐ諦めなさい…、もし…、あなたが彼を利用しようとするなら…、私は…、決して許さないわ…」彼女の言葉には、怒りと、強い警戒心が感じられた。ルミナは、ルミカの怒りを冷静に受け止めながら、言った。

「…あら…、そんなに怒らないでよ…、ボクは…、まだ…、彼を利用するかどうか…、決めていないわ…、あなたが思うほど… 、悪いことではないのよ…」 彼女の言葉には、謎めいた雰囲気と、計算高い思惑が感じられた。ジョンアイデルは、自身の能力で生成した投げナイフを、ルミルとルミカがいる近くの樹木めがけて投げつけたナイフは、鋭い音を立てながら、木に突き刺さった。その動きは、驚くほど速く、正確だった。彼は、鋭い視線を向けながら、叫んだ

「誰だ!?そこに隠れているのは!?」彼の声には、警戒心と、怒りが感じられた。彼の能力の高さが、改めて示された瞬間だった。投げナイフが木に突き刺さった音に続いて、ルミルとルミカは、木陰から現れた。ルミナは、優雅な身のこなしで、ジョンアイデルに近づいていった。一方、ルミカは、少し戸惑いながらも、ジョンアイデルのそばに立った。二人の対照的な行動は、ジョンアイデルの警戒心をさらに高めた。ジョンアイデルは、軽くため息をつきながら、言った。

「…ルミナさん… 、ルミカさん…、二人とも…、隠れて俺を見ていたんですね…、まるで…、子供みたいですね… フフ… 、冗談はさておいて…、一体…、何の目的で… 、俺を見張っていたのですか…?」 彼の言葉には、ユーモアと、警戒心が感じられた。彼は、二人の行動の真意を測りかねていた。ルミカは、焦燥感に駆られたように言った。

「…ジョンアイデル…、本当に心配なのよ… 、試練の後から…、ずっと…、様子がおかしいのよ…、何か… 悪いことが… あったんじゃないかって…、すごく…、心配なの…」彼女の言葉には、強い焦りと、不安が感じられた。ルミナは、冷淡な表情で言った。

「フフン…ボクは… 、たまたま通りかかっただけよ…、あなたとは…、関係ないわ…」彼女の言葉には、冷たさと、無関心が感じられた。ジョンアイデルは、冷静に、しかし、力強く言った。

「…ルミカさんの言葉は真実でしょう… 、しかし、ルミナさん… 、あなたの言葉には、矛盾があります… 、関係がないなら…、なぜ私を隠れて見ていたのですか…、素通りすれば済むことです…、そして…、『いい男』という言葉…、その言葉の真意は…、何ですか…、私には…、あなたの意図が… 理解できません…」 彼の言葉は、論理的で、鋭い洞察力に満ちていた。ルミナは、妖艶な笑みを浮かべながら、ジョンアイデルに近づき、囁くように言った。

「…あら…、『いい男』と言ったのは…、あなたに…、 完全に… 心を奪われてしまったからよ…、あなたの…、その魅力的な姿に…、ボクは…、 抗うことができなかったのよ…、あなた… が悪いんじゃない…、この… 、魅力的な誑し込みめ…、フフ…、どうする気かしら…?」彼女の言葉には、女性らしさと、狡猾さが感じられた。ジョンアイデルは、ルミナの言葉に少し動揺しながらも、反論した。

「…誑し込み…、そんなつもりは… 全くないんだけど…、それに…、見惚れたって…、そんな…、まさか…、冗談でしょう… 、一体… どういうつもりで… そんなことを言うんだ…?」 彼の言葉には戸惑いと、ルミナへの不信感が感じられた。ルナルは、複雑な表情で、ジョンアイデルに言った

「…本当なのよ…、あなたに…、見惚れたのは…、でも…、それは…、ただの一目惚れじゃないのよ…、もっと… 深い理由があるの…、その理由をあなたに…、これから… 説明するわ…」 彼女の言葉には、複雑な感情と、何かを隠しているような雰囲気が感じられた。ジョンアイデルは、ルミナの言葉に半信半疑の様子で、尋ねた。

「…理由…、それは…、本当なのか…?」彼の声には、疑念が感じられた。ルミナは、巧みな言葉で、ジョンアイデルの疑念を解こうとした。

「…本当よ…、あなたの目的…、共存と差別や偏見の撤廃…、それは… 、ボクにとっても…、非常に重要なことなの…、ボクは…、あなたの理想に共感し…、あなたをサポートしたい… 、そう思ったのよ… 、だから… 、あなたに… 、近づく必要があったのよ…」 彼女の言葉は、巧妙で、ジョンアイデルを納得させようとする意志が感じられたジョンアイデルは、ルミナの言葉を信じ、静かに頷いた。

「…うそではない… ようだ…」 彼の声には、まだ警戒心が残っていた。 ルミナは、まるで秘宝を扱うかのように、慎重に血晶の札を差し出した。その札からは、かすかな光が放たれていたジョンアイデルは、札を受け取ると、息を呑んだ。

「…これは…!」ルミナは、神秘的な雰囲気を漂わせながら説明した。

「…血晶の札だよ…、これは…、古代から伝わる…、契約の証…です… これを交わした以上は…、ボクたちは…、運命共同体となるのです…」その言葉には、重みと、神秘性が感じられた。ジョンアイデルは、ルミナの言葉に驚きを隠せない様子で、叫んだ。

「…ちょ…、ちょっと待てぃ!運命共同体って言うのは、それ… 、一体 どういう意味だ…?」彼の声には、驚きと、困惑が感じられた。ルミナは顔を赤らめながら、照れ隠しのように言った。

「…ええと…、一般的には…、婚約… とか…、そういう意味合いになることが多いみたいです…、でも… まだ… そんな話をするのは… 早かったかしら…」彼女の言葉には、照れ隠しと、少しの動揺が感じられた。ジョンアイデルは、冷静に、しかし、強い口調で言った。

「…あなたの言葉は… 、理解できません…、オレは今… 、クレティアとルミカさん…、そして…、あなた… 、複数の者から…、目をつけられている状況です… そんな状況で…、『運命共同体』 などという大胆な提案をするのは… 、なぜですか… 、あなたの真意は…、何ですか…?」 彼の言葉は、論理的で、鋭い洞察力に満ちていた。 彼は、ルミナの行動の真意を問いただしていた。ルミナは、自信に満ちた表情で、ジョンアイデルに言った。

「…ウリエル家の者は…、 気に入った相手には… 必ず契約を交わすものです…、それは…、ウリエル家の伝統…、そして… 、権威の証…なのです…」 彼女の言葉には、強い自信と、ウリエル家の権威が感じられた。ジョンアイデルは、ルナルの行動に動揺しながらも、不満を漏らした。

「…まったく… 、ルミカさんの目の前で… そんなことをされるとは…、 一体… どういうつもりなんだ…?」彼の声には、動揺と、困惑が感じられた。 ルミカは、ジョンアイデルを心配そうに見て、ルミナに言った。

「…ジョンアイデル… 、これからはさん付けはしなくていいですよ…、それにしても… 、ルミナ…、これは… どういうことですか…、あなたのやり方は… 、強引すぎます…、ジョンアイデルが… 、困ってしまいます…」 彼女の言葉には、心配と、ルミナへの非難が感じられた。ルナルは、ワタシ裕のある態度で言った。

「…そんなに…、心配しなくても…、大丈夫ですよ…」彼女の言葉には、ワタシ裕が感じられた一方、ジョンアイデルは、焦燥感に駆られていた。

「…まったく…、血晶の札が融合してしまった以上…、これはもう、今の段階では元には戻せない… 、さてと、ルミカ…、早く家に戻ろう…、そして… ルミナのやったことは… クレティアに報告しなければならない…」彼の言葉には、強い焦燥感が感じられた。リビングのソファにクレティアの姿があった。その威厳のある佇まいは、二人の帰還を待っていたかのような雰囲気を醸し出していた。ルミカとジョンアイデルは、息を切らしながらリビングに入ると、クレティアの鋭い視線を感じた。二人の顔には、緊張感が見て取れた。クレティアは、何も言わず、ただ二人を見つめていた。その沈黙が、二人の緊張感をさらに高めていた。クレティアは、鋭い視線でジョンアイデルを凝視した。

「…ジョンアイデル… 、試練をクリアしたとはいえ… 、お主は…、随分と変わってしまったな…、その異様な匂いは…、一体… 、何だ…?」彼女の言葉には、鋭い観察力と、ジョンアイデルへの警戒感が感じられた。ジョンアイデルは、クレティアの言葉に少し動揺しながらも、説明を始めた。

「…最初は… 、一人で… 、変化がないか確かめるために… 、木苺を食べただけです…、しかし…、その後… 、ルミカとルミナさんが木陰から見ていたことに気づき… 投げナイフを木に投げつけた…すると… しばらくしてら、ルミナさんが… 『誑し込み』だの言ってきて… 、血晶の札を… 強引に渡してきた…、そして…、その札が俺の体に…、融合してしまった…」彼の言葉には、動揺と、困惑が感じられた。クレティアは、静かに、しかし、その言葉には強い意志が感じられたのである

「…ルミナ… 、ウリエル家のやり方か… 気に入った相手に… 血晶の札を… 融合術式付きで… 、あの家系… 、大天使の名を冠する家系は… 、常にどこか異常な部分をはらんでいる…、噂では聞いていたが…、ここまでとは…、これ以上… 被害者を増やさせない… そのためにも… 私は… 行動を起こさなければならない…」 彼女の言葉には、強い決意と、今後の行動を示唆するような雰囲気が感じられた。ワルプルギスの屋敷の会議室。 ルミナは、ケルド、ダンテ、ステラ、ラグ、ルイ、ノア、アルらに囲まれ、厳しい視線にさらされていた。

「ルミナ、君… 、血晶の札を…、しかも、私にも… どういうつもりだ?」ケルドの言葉には、怒りが込められていた。 ルミナは、巧みに言い逃れようとした。

「…ケルドくん…、渡した相手によって… 意味合いが違うのです… 彼への血晶の札は…、正式な契約… なのです…」ダンテは、激昂し、壁を叩いた。

「…生徒会が庇護しているというのに…、その重大さを… 、理解していないのか…!」ステラは、冷静に状況を分析し、ラグ、ルイ、ノアも懸念を表明。アルは、最終的に判断を下した。

「…ルミナ… 、一時的な行動制限とする…」ルミナの狡猾さと、ワルプルギスメンバーの対応が対比された。ルミナは、何事もなかったかのように、落ち着いた様子で言った。

「…行動制限…ですか… 、範囲は…どの程度でしょうか…?」 彼女の言葉には、ワタシ裕が感じられた。 アルは、冷静に言った。

「…ルミナ… 、生徒会としての自覚は…、あるのか…、それが… 制限の範囲を決める…」彼女の言葉は、冷静で、しかし、重みがあった。 ルミナは、軽く笑って答えた。

「…ワルプルギスの一員としては…、自覚はあります…、もちろん…」萌夢は、ルミナの表情の変化を見逃さなかった。 ノアは、具体的な対策を提案した。

「…監視をつけるべきですね… 、誰を…?」ラモルは、即座に言った。

「…私のエージェントを… 派遣します…」そして、傍らでコルドフが、状況をまとめた。

「…ルミナは…、しばらく… 、監視下での行動… ということですね…」その場には、ルミナのワタシ裕と、ワルプルギスメンバーの冷静さが共存していた。ルナルは、何気ない様子で言った。

「…しばらく監視付きですか… 、まぁ… 今のボクなら… 、見られても…、別に困ることはないですから…」 彼女の言葉には、ワタシ裕と、少しの挑発が感じられた。ワルプルギスの屋敷での出来事から時間経過が示唆され、ジョンアイデルたちの家へと場面は移る。クレティアはハキハキと言う。

「これは早急に手を打とう、まあ、結婚は卒業後にするだろうし、それまでの間だ」書斎にて書物を探る、すると、題名には”スピルダンジョン“と言うのがある。

「スピルダンジョン、なんだろう」クレティアは本のページをめくる。次のように記されてる

「スピルダンジョン、それはヒトの心が集まって作られる一種の迷宮であり牢獄」クレティアは、冷静に次のページへと目を移した。 書物には、重要な記述があった。

「スピルダンジョンに因われるモノは…失われた感情や感覚を具現化した宝石『スピリスト』と呼ばれる…」彼女は、その記述を注意深く読み込み、分析を始めた。“スピリスト”とは何か、その正体、そして、スピルダンジョンとの関係性… 彼女は、謎を解き明かすべく、思考を巡らせる。クレティアは、冷静に書物の記述を読み進めていった。 彼女の目は、書物から離れることはなかった。 書物には、次のように書かれていた。

「スピリストは…ひし形、六角形、丸形など…様々な形状を持つ…、その色は…、封じ込められているものの性質と関連している…」クレティアは、その記述を、論理的に分析し始めた。 形と色、そして、封じ込められたもの…、それらの関係性を解明することが、彼女の次の目標となった。クレティアは、冷静に次の記述を読み進めていった。彼女の表情は、真剣で、分析的なものだった。 書物には、こう書かれていた。

「スピリストの獲得には…『神魔』と呼ばれる存在の撃破が…必要不可欠である…」 彼女は、この『神魔』という存在の性質、そして、撃破方法について、様々な角度から分析を始めた。 この記述は、彼女にとって、重要な情報となるであろうことを、彼女は確信していた。クレティアは、冷静に書物の記述を読み進めていった。 彼女の表情は、真剣で、分析的なものだった。 書物には、次のように書かれていた。

「スピルダンジョンへの進入には、神格者の資格と目的の対象者との同行が必要条件である…」彼女は、その記述を、論理的に分析し始めた。 神格者であることの必要性、そして、同行者の条件… 、それらの意味を解明することが、彼女の次の目標となった。クレティアは、自信に満ちた表情で言った。

「…神格者になる方法は…知っておる… 。全てのメダルを集め… それを一箇所の神殿に奉納し… 試練をクリアすれば… いい… 分かってる…」彼女の言葉には、課題への強い意欲が感じられた。 彼女は、その困難な道のりを、必ず乗り越えるであろうという確信を持っていた。

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