エピック7【住処決めなど】
統括理事長室にて怜也と舞華とクレティアはアレイスターの前に現れた
「やはり怜也くん達でしたね。アルカシティでの住処はどこにするか決めてますか?」アレイスターの言葉は、一見すると丁寧だが、その言葉の裏には、彼自身の思惑が隠されている彼は、怜也たちの住処選びに、何かしらの干渉をしようとしているのかもしれない。
「いや、まだ決めていません」怜也の言葉は、簡潔で、彼の性格を表している。彼は、アレイスターの思惑を察知しながらも、自分のペースで事を進めようとしている。
「余の希望は、広くて城に造りが近い住まいですね。安全面を考慮すると、それが最善じゃな」クレティアの言葉は、合理的で、彼女の立場を反映している。彼女は、安全性を第一に考え、住処選びに慎重な姿勢を示している。
「クレティア、独断で決めないでくれるか。舞華、君の希望は?」怜也はリーダーとしての責任感から、クレティアの行動を制止する。彼の言葉には、仲間への配慮と、状況をコントロールしようとする強い意志が感じられる。
「うん、怜也と一緒なら、どこでも大丈夫だよ」舞華の言葉は、優しく、そして怜也への献身的な愛情を表していた。 彼女の瞳は、怜也への深い愛情で輝いていた。 この言葉は、彼女が怜也を心から愛しており、彼のために何でもできるという強い気持ちを示してる
「条件は決まりましたか?」 アレイスターの言葉は、事務的で、感情が読み取れない。彼は、この件を淡々と処理しようとしている。
「はい。城に近い構造、広さ、安全性…全て満たす住居を確保します。」 怜也の返答も、同様に事務的で、感情表現は少ない。
「その条件に該当するのは3ヶ所です。アルカシティ最上空エリアの北、そして、上空エリアと地上エリアの北です。」 アレイスターは、淡々と事実を伝える。
「最上空エリアは…見晴らしはいいじゃろうが地上とのアクセスが問題じゃのう、ドラゴノイドのワタシとしては魅力的じゃが…」 クレティアは、自分の種族の特性を考慮しながらも、慎重に判断しようとする。
「実は…ボクは、地上エリアの方が好きなんだよね!」 舞華は、意外な発言をする。
「意見が分かれたか… クレティアのドラゴノイドとしての特性と、舞華の…好み、か。どちらも重要な要素だうむむ…どうしたものか。」怜也は、眉間に皺を寄せ、深く考え込む 彼の言葉には、責任感と、わずかな迷いが感じられる、彼は、それぞれの意見を尊重しつつ、最適な結論を導き出そうと努力している。
「意見が割れたようですね。まあ、種族特性による違いはよくあることです。…しかし、悩む必要はありませんよ。」 アレイスターは、余裕のある表情で言う。彼の言葉には、怜也の葛藤を軽く見ているようなニュアンスが含まれている。彼は、解決策を既に持っていることを示唆している。
「地上とのアクセスに関しては、心配無用です。ポータルを利用すれば良いのですから。」 アレイスターの言葉は、簡潔で、自信に満ちている。彼は、この問題を簡単に解決できる能力を持っていることを示している。
「どうなんじゃ、怜也、意見が分かれたからにはお主が決めるしかないのじゃ」クレティアは、高慢な態度で言う。彼女は、怜也の決断に自信を持っている。
「ここは怜也の判断に任せるよ」舞華は明るい声で言う
「舞華…、君は死神の血を引いている。魂を導く力も…持っているんだろう?」 怜也は、舞華の潜在能力に気づき、真剣な表情で問いかける。彼の言葉には、期待とわずかな不安が混じっている。
「大丈夫だよ。魂を導く私の使命は場所を選ばないものだから。…どんな場所でも、ボクの使命を果たせるよ」 舞華は、強い決意を込めて答える。彼女の言葉には、揺るぎない信念と、死神としての誇りが感じられる。
「…結論は…最上空エリアだ。」怜也は、言葉を選びながら、ゆっくりと話す。 彼の表情には、まだ葛藤の跡が残っている。しかし、彼の言葉には、決意が感じられる。
「承知しました。では、こちらに署名をお願いします。」 アレイスターは、書類を差し出す。彼の言葉は、事務的な口調だが、その言葉の裏には彼自身の思惑が隠されている。 怜也、クレティア、舞華は、それぞれ異なる思いを抱きながら、書類にサインする。怜也は、未来への期待と、わずかな不安を感じている。クレティアは、自分の計画が成功することを確信している。舞華は、怜也を信頼し、彼の決断を支持している。
「従者も一緒に住まわせるといいでしょう。」 アレイスターは、まるで些細な事柄について言及するような、無関心な態度で言う。この無関心な態度こそが、彼の真の意図を隠している可能性を示唆する。彼の真の目的は、この許可とは別のところにあることを暗示する。アレイスターは、静かにポータルデバイスを差し出した。その動作には、無駄な動きがなく、彼の冷静さが際立っていた。怜也、舞華、クレティアは、息を呑んでそのデバイスを受け取った、そして、エレベーターに乗り込む三人下降していくエレベーターの中で、彼らは、これから待ち受けているであろう困難を想像していた。統括理事長塔の扉が開き、三人は、新たな未来に向かって歩き出した。上空エリアの住居は、想像以上に広々としていた。 大きな窓からは、アルカシティの街並みが一望できる。怜也は、感嘆の声を漏らしながら、最新の設備が整ったキッチンや、広々としたリビングを順番に見ていく 舞華は、陽気に窓辺に飾られた花に水をやり、クレティアは、落ち着いた様子で各部屋のセキュリティシステムを確認する。指紋認証システム、顔認証システム、そして、複数の監視カメラの存在を確認し、満足げに頷く。
「結構、セキュリティはしっかりしてるな。 学園長も、念には念を入れたようだな。」 怜也は、満足げに言った。 彼の言葉には、わずかな警戒感が混じっている。
「そうじゃな。この設備があれば、情報収集なども容易じゃろう」クレティアは、冷静に分析する。 彼女の言葉には、確かな自信が感じられる。
「安全なのは良いけど…学園長のことだしね。…まあ、今のところ、そんな変な感じはしないけど。」 舞華は、ハキハキと言う。 彼女の言葉には、警戒心と、わずかな不安が感じられる彼女の視線は、窓の外のアルカシティの街を、鋭く見据えている。怜也、舞華、クレティアが、新しい住居の設備を確認し終えた頃、静かに扉が開いた。三人を警戒するような素振りも見せず、落ち着いた様子で、数人の従者が部屋に現れた。彼らは、それぞれが専門分野を持つ熟練の護衛や情報収集のエキスパートといった様子で、無駄のない動きで部屋の状況を把握していく。彼らの存在感は、まるで影のように静かで、しかし確かな安心感を与えていた。言葉は少なかったが、彼らの存在は、怜也たちへの信頼と、任務への覚悟を示していた。
「怜也様、SMOからの勧誘…ご決断は?」ネロの言葉には、緊張感が漂っている。それは、単なる報告ではなく、重大な決断を迫る。プレッシャーを感じさせる問いかけだった。
「そうだな。確かに、慎重に考えるべきだなメリットとデメリット、両面をしっかりと見極めなければな。」怜也は、少し考え込んだ後、ハキハキと答えた。彼の言葉には、決断の重さと、揺るぎない意志が感じられる
「SMOは確かに信頼できる部分もありますけどね。でも、組織の真意は…本当に信用できるのでしょうか?」リーゼは、和風ビキニ風のメイド服を直しつつ、軽快に言った。 彼女の言葉は、軽妙で、しかし、鋭い洞察力を示している。
「明日までに結論を出す必要がある。SMOへの回答は、クレティアと私の未来、ひいては舞華にも影響を及ぼすだろう。あらゆる可能性を考慮し、最適な判断を下さなければならない。」 怜也は、冷静に分析し、状況を把握している。彼の言葉には経験に基づいた判断力と、冷静さが感じられる。
「怜也、一人で抱え込むでない!妾達がいるではないか! どんな困難でも、共に乗り越えていこうではないか!」クレティアは、怜也の肩に手を置き、強い眼差しで彼を見据えた。 彼女の言葉には、揺るぎない信頼と強い意志が感じられる。それは、単なる励ましではなく、共に戦うことを誓う、力強い宣言だった。
「そうそう! 何かあっても、ボクたちがいるじゃない!大丈夫だって!もう一人ではないんだから」舞華は、クレティアの言葉に続き、明るい笑顔で言った。彼女の言葉は、クレティアの強い意志をさらに強調し、怜也への安心感を高める。場面転換してSMO副本部、場所はなんとアルカシティ上空エリアの中央である。アルカシティ上空エリアの中央にそびえ立つSMO副本部は、巨大な要塞のようだった。無機質な金属で覆われた建物は、威圧的な雰囲気を放ち、周囲の景色を圧倒している。建物の周囲には、厳重な警備体制が敷かれ、武装した警備員が警戒している。内部は、複雑な構造になっており、迷路のような通路が延々と続いている 冷たく、無機質な空気が漂い、緊張感が張り詰めている。 窓からは、アルカシティの街並みが一望できるが、その美しい景色とは対照的に、内部は重苦しい雰囲気に包まれている。
「統括理事長、甘すぎるわね…。」 黒ビキニとホットパンツ、黒マントに身を包み、サソリの尻尾が揺れる女性は、軽蔑を含んだ笑みを浮かべて言った。その言葉には、統括理事長への強い不満と、皮肉が込められている。彼女は、統括理事長の判断を軽視し、その無能さを嘲笑しているかのようだ。
「おやおや、シャウラさん。他人の悪口を言う暇があるなら、もう少し重要なことに時間を使った方が良いのではないでしょうか?」ギガロは余裕のある口調でシャウラを諭す。彼の機械の顔は、感情を表さずシャウラの発言を軽視しているように見える。
「うるさいよ、ギガロ、あなたには関係ないわ。余計な口出しはよして、自分の仕事に集中したらどうですか。」シャウラは、冷淡で突き放すような口調でギガロを黙らせる。
「はぁ…シャウラさん、また始まりましたね…、あの短気なところは、いつになったら治るんでしょうか。」 カトレアは、ため息をつきながら、呆れと諦めを込めて言った。銀髪と白衣のコントラストが、彼女の冷静さを際立たせている。
「何を言っても無駄でしょう。だって、総帥の娘なんですもの。シャウラさんは、その権力を盾に振る舞っているだけですよ。」 トライは、皮肉と軽蔑を込めて言った。青いインナーと黒い服、白衣という服装は、彼の冷淡さを際立たせている。
「随分と集まりましたね。…しかし、どうでもいいです。私は、怜也とクレティアのことだけに関心がありますから。」 シャウラは、冷淡な口調で言った。
「随分とご執心ですこと、神無月家の第一子息、そして、ミクスタッド国次期女皇、何か目に付けることありますかな?」カトレアは、鋭い視線でシャウラを凝視しながら、核心を突くように尋ねた。
「あなた方には理解できないでしょうが…怜也とクレティアには、この世のものとは思えない能力が備わっているのです。」 シャウラは、神秘的な雰囲気を漂わせながら、ゆっくりと告げた。
「それは興味深いですね。具体的に、どのような能力なのでしょうか?」 トライは、冷静な興味を示しながら、詳細を尋ねた。
「クレティアは、強力なドラゴノイドとして、千里眼、竜化、そして驚異的な全属適応能力を持っています。怜也は、概念系統の能力と、千里眼に匹敵する魔皇の目、そして、相手の技や能力を自分のものにもできまた独自にアレンジも可能で霊体や魂をとりつかせてその能力や技を使える及び独自アレンジできる”神蝕万状“、竜化などの能力も秘めているのです。」シャウラはハキハキと言う
「わかりましたがそれでどうするつもり?」カトレアは短く鋭く言った。
「失礼するよ。おやおや…副本部の主要メンバーが揃うとは…、偶然か、必然か…それはさておき。」男は、不気味な笑みを浮かべながら言った。
その男と周りには虫が飛び交ってる
「父さんが自らとは珍しいですね。」シャウラは、男の異様な姿にも動じない様子で言った。
「シャウラ!何度注意すれば気が済むんだ!業務中は“総帥”と呼べ!全く、君はいつになったらきちんと覚えるんだね。」男は、シャウラを厳しく叱責した。その怒りは、父親としての愛情とは少し異なる、何か別の感情を含んでいるように思えた。
「まさか、総帥ご自身が…!? ここで一体何のお仕事で…?」ギガロは、驚きを隠せない様子で、言葉を詰まらせながら尋ねた。その瞳には、畏敬の念と、一抹の不安が混じっていた。
「実はな、アレイスターに呼ばれてな… 、だが、そのアレイスターはどこにいるんだ?」総帥は辺りを見回してため息をついた。
「申し訳ありません、遅くなりました!」扉が開き、アレイスターが慌ただしく入ってきた。
「まあ、いいだろう。」総帥の声には、厳格さの中に、わずかな優しさも感じられた。それは、部下たちへの信頼と、任務への期待の表れだったのかもしれない。一同は、安堵の表情を浮かべながら、椅子に腰掛けた。総帥は、円卓の12時の位置に腰掛け、穏やかな視線を参加者たちに送った。
「で、アレイスター。例の二人の資料を、わざわざ我々に流したのはどういうつもりだ? 君のことだから、無意味な真似はしないだろうと踏んでいるがな。」総帥は鋭い視線をアレイスターに向け、静かに問いただした。 その言葉には、隠された圧力があった。
「ヤンロエルさん。怜也たちの目的は、神格者への昇華です。その過程で、我々も巻き込まれる可能性が高い。そして、その野望は、我々にも影響を及ぼすでしょう。」アレイスターは、ゆっくりと、しかし明確に答えた。
「なるほど。SMOへの加担…、賢い選択だ。」ヤンロエルは、短く、しかし力強い言葉で同意を示した。
「だけど、なぜ期限を設けたのよ? アレイスター! 答えは早ければ早いほどいいじゃない!一体、何をためらっているの?」 シャウラの言葉には、焦燥感と苛立ちが露骨に表れている。
「黙れ、シャウラ! お前の言葉は、ただの焦燥の表れだ! 焦って事を進める危険性くらい、理解しているはずだろう! 落ち着け!」ヤンロエルは、冷酷で威圧的な声でシャウラを叱責した。その言葉には、容赦のなさが感じられた。
「失礼しました…」シャウラは、赤面しながら小さく呟いた。その様子は叱責を受けたことへの反省と、バツの悪さが見て取れた。
「では、SMOへの加担の可否の回答は、明日まででよろしいでしょうか?」アレイスターは、真剣な表情でヤンロエルに確認した。
「判断は正しい、アレイスター、君の手腕には私も度々驚かされる。 一部の者は甘いなどと言っているが、それでいい。私は君を信頼している」ヤンロエルは頷いた。
「はい、任せてください、総帥!」アレイスターは、硬い表情で、総帥への敬意を込めた言葉を発した。 その言葉遣い、そして態度には、これまでとは明らかに異なる緊張感が漂っていた。まるで、SMOの一員としての役割を自覚したかのような、厳格な姿勢だった。ヤンロエルへの親しみを込めた呼び名は、影を潜めていた
「堅苦しくなるな、アレイスター。 お前は私にとって、かけがえのない存在だ。右腕…いや、それ以上の存在。だが、その力を、どのように使うかは、お前次第だ。」ヤンロエルは、優しさと思惑を込めた言葉で言った。しかし、シャウラは、その言葉の裏に隠されたヤンロエルの思惑を感じ取り、険しい表情を浮かべた
「はい、了解です。…ところで、シャウラ。あなたは、私をなめているようですね。少し、試してみましょうか?」アレイスターは、皮肉を込めて、シャウラを挑発した。
「気づいてたのね…!本っ当に、嫌味な男ね!」シャウラは、強い不快感を露わにした。その言葉には、アレイスターへの反発と、自分の能力を軽視されたことへの怒りが込められていた。
「シャウラ、お前は私の娘だが、その立場に甘んじるな。アレイスターは、お前を凌駕している。その事実を、認めろ。」ヤンロエルは、強い圧力をかけた。
「…分かりましたよ。癪ですが、ここまで言われたら認めざるを得ません。それで、これからどうするつもりですか?」シャウラは、渋々ながらも現実を受け入れた様子で、今後の行動を尋ねた。
「そうだな。シャウラ、君と、特別な契約を結ぼう。それは、君にとって、大きな利益をもたらす契約だ…、だが、その代償は、完全なる服従だ。」 アレイスターは、策略的な笑みを浮かべながら、シャウラに提案した。その言葉には、巧妙な策略と、危険な魅力が感じられた。
「ぐぬぬっ!ここで逆らっても無駄でしょう。…いいでしょう。契約を交わしましょう。」 シャウラは、不本意ながらも契約を承諾した。その言葉には、悔しさや、諦めが感じられる
「よろしい。契約の印を刻む儀式を始めましょう。」アレイスターは、神秘的な雰囲気を漂わせながら、六芒星に円が描かれた印を、シャウラの腹部へと刻みつけた。
「アレイスターさん…、シャウラさんを服従させて…、一体、何をしようというのですか!?」カトレアは、恐怖に慄くように叫んだ。彼女の言葉には、強い不安と、アレイスターへの不信感が感じられた。
「まあ…悪いことはしない…と思うがな。」ギガロは、軽く肩をすくめて言った。その言葉は、曖昧で、カトレアの不安を全く解消するものではなかった。
「リスクヘッジ…でしょうね。何か大きな計画があるのでしょう。」トライは、冷静に分析した。彼の言葉は状況を客観的に見ていることを示唆していた。
不安が募る中、場面は変わり、怜也のほうへ
「俺は…一体どうすればいいんだ… 混血も魔族も亜人も人間も… 誰もが平和に暮らせる世界を… 差別や偏見のない世界を… どうやって作ればいいんだ…!」木漏れ日が差し込む、静かな上空エリアの森林。鳥のさえずりが聞こえる中、怜也は呟いた。
「神格者になるのは必須… 、だが、漫然と過ごすわけにはいかない。具体的に、どのような能力を磨き、どのような知識を習得すべきか? 神格者として、どのような目標を掲げ、どのような貢献をするのか? 明確な目標を設定し、そして、着実に進んでいかなければ…」怜也は、具体的な目標を設定し、着実に未来に向かって進んでいくことを決意した。
「また迷ってるのか?」バアエルの優しい声が、怜也の耳に届いた。その声には、怜也の苦悩を察する温かさがあった。
「バアエル…、神格者になる過程で… 何をすべきか?何を身につけるべきか?…俺は、一体どうすればいいのか…」怜也は、自問自答するように呟いた。
「ほう、そんなことを考えておったのか。神格者になる過程で得るべきものは、10個の神格のメダル、必要な知識と技、そして力… 、それに、相応しい精神力だ。迷うのは仕方がないがのぅ。だが、怜也、お前の悪い癖は、一人で抱え込みすぎることだ」バアエルは、厳しくも温かい助言をした。
「10個のメダル… 、知識…、技…、力…、精神力…、それらを得るためには、何かを失わなければならない気がして…、大切なもの…、大切な人…、何を失うことになるんだろう… 不安でたまらない…」 怜也は、具体的な喪失への不安に苛まれていた。
「バカモン!何かを失うために何かを得ると思うな!違うだろうが!何も失わずに、全てを手に入れるためじゃないのか!」バアエルは、怜也を力強く叱咤激励した。
「怜也、お前は頑張りすぎだ。少しは心を休ませ、欲望に従ってみるのもいいぞ。完璧主義は時に自分を苦しめるだけだ。たまには、楽をしてもいいじゃないか。」バアエルは、親身になってアドバイスをした。
「怜也…、心配したのよ。」舞華は、優しい声で言ったが、その声には深い心配が込められていた。
「黙って出かけるなんて…、本当に心配したんじゃぞ。」クレティアは、優しく諭すような口調で言ったが、その言葉には厳しい叱責が込められていた。
「クレティア、舞華…、神格者になるには、例えば、友情とか、愛情とか… そんな大切なものを失うことになるのかもしれない。でも、俺は… そんな大切なものを犠牲にしたくないんだ!何も失わずに、全てを得る方法があるはずだ!」怜也は、具体的な例を挙げながら訴えた。舞華は怜也を優しく抱きしめ、力強く言った。
「犠牲になんてならないよ、怜也。あなたが何も犠牲にしたくないと願うなら、きっと叶うはずよ、あなたは優しいし、正義感が高い人なのは分かってる。だからこそ、ボク達は残酷な現実にも立ち向かうの!抗ってみせる!」舞華は明るい声でハキハキと言う
「そうじゃ、ワタシも神格者を目指す身だが、失うなんて考えたこともない。失わずに得る!その意思を常に持ち続けている。怜也もそうだろう?だったら、それでいいのではないか。」クレティアは舞華の言葉に同意し、怜也の決意を後押しした。
「…そうか。今まで、自分がいかに視野狭窄に陥っていたか、よくわかった。犠牲を前提とする考え方を捨て、犠牲を出さずに得る…、その発想の転換が、どれだけ大切か。二人とも、本当にありがとう。大切なことに気づかせてくれて感謝している。」怜也は、反省と感謝の気持ちを表すように微笑んだ。
「怜也…、その笑顔…、初めて見た気がする。」クレティアは、静かに、しかし感動を込めた声で言った。
「うん…、幼い頃からの曇りが、やっと晴れたみたいだね。」舞華も、静かに、しかし安堵の表情で言った。
「二人のおかげだよ。失っていた輝きが、戻ってきた。二人のことは、何があっても… 絶対に裏切らない。」怜也は、力強い決意を込めて言った
「そうじゃな。やっと一歩前進といったところじゃ。 怜也、ワタシとお前はお互い神格者を目指す者同士じゃ。時にぶつかり合うこともあるかもしれんが、この友情は決して壊れることはないぞ。」クレティアは決意を受け止め力強く宣言する。場面は変わり、人知れず、黒曜石の城塞が聳え立っていた。その姿は、威圧的で、神秘的だった。黒曜石の城塞の内部、広大な玉座の間で、イリテュム、イーラ、ルクスリア達は会議をしていた
「おやおや、デュイオとヴァルガレがヤラれたか… 、まあ、どうでもいい。」イリテュムは、無関心に言った。その言葉からは、冷酷さと、圧倒的な力の差が感じられた
「腹立たしい! 計画を… まともに遂行できないとは!」イーラは七支刀を地面に突き刺し苛立ちをあらわにする
「まあまあ、イーラ。収穫ゼロじゃないでしょう? 脱落者は伏魔神殿城に転送されたのだから今は良しとしましょう。」ルクスリアは、妖艶な笑みを浮かべながら冷静に言った。 彼女の言葉からは、知略と、冷静な判断力が感じられた。
「ボスって、いつも回りくどいよな。もっと簡単に済ませられる方法があるのに。」グーラは、不満げに言った。
「別に構わないけど。 面倒くさいことはしたくないし。」アケディアは、あくびをしながら気だるげに言う
「そうだね。 自ら危険を冒すより、ずっと楽だし。」キャヴムは冷静に言った。
「しかし、SMO… 妬ましいわ。邪魔しに来るなんて。」インヴィディアは皮肉を込めて言った。
「…幹部、全員揃っているな。」テリオンは、鋭い眼光で周囲を見回し、静かに言った。
「久方ぶりだな… 、全員集合とは… 一体、何が起こるというのか。」ベヒモスは、重々しい声で言う
「当たり前でしょう。ボスが呼び出したんだから。」リヴァイアサンは少し生意気そうに言う。彼女の言葉からは、自信と、強さが感じられた。
「静かにしろ! ボスのお出ましだ!」シズズは威圧的な声で命令した。彼の言葉からは、権力と、厳格さが感じられた。黒い空間の歪みから光り輝く存在が玉座の中心に現れた。それは、形を持たない、光と影の集合体のようなもので見る者を魅了する神秘的な美しさを持っていたしかし、その美しさの裏には、計り知れない力と、危険が潜んでいることを感じさせた。
「…全員集まったようだな。我々、クリミナルデモンに、新たなる脅威が出現する可能性がある。そのため、この招集をかけた。」玉座の中心に浮かび上がる、スペルヴィアの姿。 その存在感は、周囲の空気を重く圧し潰すようだった。スペルヴィアの言葉は、静かに、しかし確実に、その場に緊張感を漂わせた。
「…珍しいですね。 ボスがここまで警戒を呼びかけるのは。」リヴァイアサンは、冷静に分析するように言った。
「よもや一体、どのような脅威が、我々を待ち受けているというのでしょう?」彼女の言葉からは、冷静な分析力と、同時に、事態の重大さを認識している様子がうかがえた。
「…これを見ろ!」スペルヴィアは、手のひらを広げると、玉座の正面に、直径約1メートルの球体が現れた。球体は、黒曜石のような光沢を放ち、内部には、渦巻くようなエネルギーが感じられた。球体の上方には、薄く、透明な膜が広がり、やがて、巨大なホログラムスクリーンが形成された。スクリーンには、鮮明な怜也の姿が映し出された
「ええっ!? このイケメンさんが脅威…?冗談でしょ? 全然怖くないじゃないですか!」怜也の姿を見て、ルクスリアは目を丸くした。彼女は、怜也を完全に軽視している様子だった。
「ルク! 見た目に惑わされるなんて、愚か者のすることよ! 面食いなのは仕方ないとしても、舐めてかかると痛い目にあうわ! 確かに、魅力的な人物だが…、一体、何者なの? あの男… 、妬ましい。」インヴィディアは、冷静に分析しながらも、嫉妬心を隠さずに言う
「コイツは厄介なことに概念系能力者。まだ完全覚醒ではないが、完全覚醒すれば、我々にとっても、想像を絶する脅威となる。」スペルヴィアは、険しい表情で言った。
「でも、そんな脅威だって… 、使い方次第じゃないですか? うまくこちら側に引き込み、邪魔者の排除に利用する… そんな手もあるんじゃないかしら?」ルクスリアは、唇を軽く噛みしめながら、策略的な笑みを浮かべた。
「…できるものなら、とっくにしてる! だが、怜也には強力な後ろ盾や人脈があるそれを排除するのは容易ではない… 、時間がない!」スペルヴィアは、ため息をつきながら言った
「ならば、完全覚醒する前に排除するしかありません。最適な刺客を選抜し、迅速に任務を遂行させるべきです。」グーラは、具体的な計画を示唆するように言った。
「…申し訳ありません、遅くなりました。準備が整いました。」アヴァリティアは息を切らしながら扉を開け入ってきた
「アヴァリティア、例のアイテムの製作は完了したか?」スペルヴィアは、アヴァリティアに静かに問いかけた。
「はい、完成しました。」アヴァリティアの返答は簡潔だった。彼の手に握られていたのは、大小様々なビーズ状のアイテムと不気味に輝く結晶状のアイテムだった。その精巧な作りは見る者の息を呑ませた。
「完璧だ。これで計画を実行できる」スペルヴィアは、アイテムを手に取り、満足そうにうなずいた。
「アヴァリティア、あなたが一人で完成させたように言うのはおかしいでしょう? 私が素材や機材を提供したことを忘れてはいないでしょうね?」リヴァイアサンの言葉は、アヴァリティアの功績を認めつつも、自身の貢献を明確に主張するものだった。
「リヴァイアサン、アヴァリティア、開発などご苦労だった。それにしても指定通りに完成しているようだな。では、早速試してみよう。」スペルヴィアは、空間の歪みから、古びた牛車を出現させた。彼は、結晶状のアイテムを牛車に当てると、ゆっくりと変形が始まった。最終的に現れたのは、牛の頭蓋骨を思わせる頭部、鋭い角が突き出た頭部、赤く光る魔眼を持つ人型生物だった。 その手には、鋭利な車軸を模した武器が握られ、肩には巨大な車輪を模したパッド、体には朽ち果てた木材を思わせる装甲が施されていた。 細部に至るまで、牛車の要素が取り入れられた、異様な姿だった。
「よし、成功だ。 これで計画を実行に移せる… 各幹部、準幹部にアイテムを配備し、各地にある”器物“や”生物“に”デビルクリスタル“や”デビルファクター”を使用させる…、うまくいくといいな。」スペルヴィアは、得体の知れない笑みを浮かべた。




