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4話 転校生 

時刻は9時

月曜日だ。

今日は、学校なのに。

何故まだ家にいるのかって。


完全な寝坊だ、


昨日影郎とゲームをしすぎた、

いっそ休むか。

そんなことしたら二人共に心配かけるし、

なにより学校に連絡するのに嘘をつくのは、

気が引ける、

重い腰をすぐに起こし。

学校に連絡した。


いっそ遅れるなら、

授業中に入らないように調整して、

行こうと思う。


目標タイムは10時5分

場所は教室


気分はミッション遂行中のエージェントだ。


制服を着てさっそく、コンビニに足を運んだ。

少し悪いことをしている気分がする。

朝ごはんを買いに行くだけなのだが、


現在9時15分


飲み物片手にのんびりと学校に向かう。

空は快晴、凄く綺麗だ。

ここからだと、

歩きで15分ぐらいで着く、

これでは、かなり早く着くな。

公園で少しのんびりするか。


だれもいない、

なんてことがなかった。

うちの高校と非常によく似た制服を着ている、

赤髪の女の子が一人ベンチに座っていた。


「おはようございます」

「おはよう」


少女の方から、

凄く元気な声で挨拶をされ驚いてしまった。

お互いてんぱっていたのかもしれない。


「俺と同じ高校だよね、なんでここにいるの」

「寝坊しまして」


同士を発見してしまったようだ。


「俺と一緒か、授業中に教室に入りたくないんだな」


分かるぞ。


「いえ、違うんです」

「そうなのか」


え、違ったのか。

恥ずかしい誰か俺の記憶を潰してくれ。


「じゃあなんで、こんなところにいるんだ、」

「転校初日で、寝坊してもう学校に

行きたくなくなってきました」


それは、運が悪い、

一人で学校に行くのも良いが、


「これも何かの縁だ、せっかくだし一緒に行こう」

「何年生なんだ」

「二年です」

「一緒だな丁度いいじゃないか」


すまない、二年の男子諸君、

転校生の初めてはおれが貰った。

ただの挨拶だが、


「学年も一緒なら敬語はやめてくれよ」

「まだ、むりそうです」


無理か、俺に少女の心を溶かしきるのは無理だった。

絶対にそういうことではないのはわかるが、


現在時刻9時30分

職員室にこの子を届けたら、授業中にゴールか。

仕方がない、行く気になったのなら、

今行くのが一番良いのだ。


9時50分職員室ゴール


ノックをして先生を呼んだ

担任はこの時間授業がなかったらしいのか、

担任が出てきた。


「なんで、貧相と暁さんが一緒にいる」


先生は驚いていた


「校門で会い職員室が分からなかった、

 らしいので連れてきました」


もちろん嘘だ、

先ほど二人で考えた、

遅刻の紙を書かないようにする脱出法だ。

俺は後で書くことになるが、


「まあ、ありがとう貧相」

「そうだ貧相少し話がある」


嫌すぎる、こういうのは大概、

怒られるのだ、

ただここで墓穴を掘るようなことを、

言ってはいけない、鉄則だ

無難な一言


「なんでしょうか」

「遅刻書は先生が書くからやって欲しいことがある」


お願いパターンだった。

ただこれは、お願いではなく、命令なのだ、

俺はノーと首を横に振りたいのだが、

口は勝手に


「なんでもやります」

「ありがとう貧相」


おい、俺、こういうお願いはだいたい、

ろくでもないのは人生17年、

生きてきて分かってるだろ。


「今から転校生を二人紹介する」

クラスがざわめきが扉一枚で伝わってくる。


「転校生入ってこい」

俺は今日からここ、大上高校に転入した。

貧相だ、

まわりの目線はクエスチョンと笑っているやつが二人、


「寝坊した貧相と言います」

「今日からまたよろしくお願いします」


男からヤジが飛んでくる。

貧相かよ、ざっけんな可愛い女の子はとか、

なんでお前なんだとか、

安心しろ男子諸君、俺は前座だ。


「貧相は二つ席が空いてるだろ右の方に座るように」

「貧相なんで転校生としてでてくるのよ」

笑いながら、優華がペンで突いてくる、

「びっくりだろ、俺もだ」


「入ってきていいぞ」


真打の登場だ、

小さな体で、

腰まであるようなふわふわとした、

長い赤髪をなびかせて入ってきた。

教室の視線をすべて奪い去った。


「初めまして、転校生の暁遊子といいます」

「今日からよろしくお願いします」

「軽く趣味だけでも言ってもらおうかな」

「ゲームが好きです基本なんでもします」

「たくさん話かけてください」


ヤジもなにも飛ばず。

拍手だけが綺麗に流れた、

暁さんが俺の隣の席に座った。


「今日一日の授業は貧相の教科書を借りなさい」


どうやら机を繋げないといけないらしい。

目線は気になるが、願ったり叶ったりだ、

一日だけのご褒美タイム。

今日ほど遅刻してよかった日など、

今までもこれからもないだろう、


授業が始まった。

これが天国いや、天国も行き過ぎると、

地獄になると実感した日である。

まず、第一可愛い、

凄く可愛い小さな手でシャーペン握ったり、

消しゴムを握る姿がなんだかハムスターみたいで、

ずっと見ていられる。


ただ、決して、ロリコンなどではない、

小さな胸をこよなく愛す。

紳士な狼なのだ。


そして、第二、匂いだ

凄く良い匂いを漂わせてくる。

一瞬口呼吸に切り替えようとも思ったが、

もったいないだろ。


そんなことを思っていると授業が終わった。


周りの奴らが転校生目掛けて集まってくる。


俺は急いで席から離れたかったが、

大きな理由がありすぐに動けなかった。

紳士な狼が帽子を脱ぎ始めてしまった。

まずい実にまずい、

深呼吸をし綺麗な泉を想像した。

紳士な狼は帽子をまた被りなおした。

急いで抜け出すように、

影郎のもとに駆け寄った。


「おい、なんだよあの登場」

「先生が一人で挨拶よりましだろって」

「なんだよそれ、面白かったからいいが」

「酷いヤジがたくさん飛んできたよ」

「草」


多分二度とあんな登場はしないし、

することもないだろう。


「てか、また女の子かよ死ね貧相」

「暁さん凄くいいな」


特にあの胸凄く良い。

保護欲というやつも湧き出てる気がする。


「ロリコンか?死ね」

「なんか辛辣じゃね」

「当たり前、転校生ましてや異性の隣なんて

神座よりいい位置だろ」


確かに凄く良い位置取りだ。

「悪いな」


少し見ると、

優華も喋りかけに行っているようだ。

流石に余計なことは言わないか。


「後でお弁当一緒に食べない」

「はい、お願いします」

「貧相、転校生ゲットよ」


大きな声で言ってきた。

何故俺の名前を出す、

やっぱり、脳のエネルギーまで、

胸に吸われたんじゃないか。

助けて欲しさに影郎を見ると、

寝たふりをしていた。

口元が笑っているのが確認できた。

許さん。

周りの目線が辛い、


「貧相君、一緒に食べませんか」


まさに鶴の一声、俺のヘイトを、

限りなく0にした、

それでも一部の男子から睨まれた。

後ろの影郎にも、


地獄の小さな休憩が終わった。

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