正装
太陽が身を隠して
代わりに月が現れる
また今日が終わっていく
代わりに明日がやってくる
空を舞うように
華麗に羽ばたいていた
あなたもいつしか
大人になっていたんだね
幼い頃は
疑うことなんてなかった
信じるものは救われると
誠実に生きれば報われると
重なり合う太陽と月
大地も嫉妬しているはずだよ
あなたとまだ話していたいけど
お別れの時間だよ
空と海の間には
寂しさと渇望が残る
間違いなく愛されていたんだろうね
スーツ姿のあなたが笑っていた気がした
美々しいものだけが
この先も残っていくと思っていた
眩い記憶だけが
心に残っていくと思っていた
重なり合う太陽と月
暗闇に包まれた世界では
視界が奪われてしまうから
はぐれないように手を繋ごう
空と海の間には
あなたから貰った温かさが残る
ドレスが真赤な太陽に染められる
その下で口づけを交わすだけ