episode92.
久々のベッドでの就寝に岡達一同は
可能な限り疲れを癒していた。
だが、それでも高森には不満に思うことがあった。
「岡!お前寝相悪すぎだ!事務所の時の方がまだ良かったぞ!」
「朝からうるせーよ。いちいち吠えるな。」
「仕方ないですよ。だって疲れてたんですから」
「ねー」という誠に高森が返す。
「お前も朝のシャワーで熱唱すんのやめろ!」
そんな感じでこちらは朝を迎えた。
「とりあえず俺は攻めようと思うのだが皆どうだ?」
高森が気を取り直し本日のプランを練り始める。
「覇気ってスキルかなり広範囲だったからいけんじゃねぇか?」
岡もこれには同意のようだ。
「でも、そうなると先陣切るの岡さんですよ?」
黒瀬が不安そうに言う。
「まぁいいよ。じゃあ行くってことで」
岡がそう言い立ち上がると皆も立ち上がった。
「だが無理だけは避けよう。岡もセレナもデメリットの事があるしな、、、」
そう苦言を呈す高森に岡も「わかった」とだけ伝えた。
AM11時
準備を済ました一同は楽園ギルドに来ていた。
まだ、椎名との戦闘の後が残る楽園ギルドは
当時の激しさを物語っている。
「凛ちゃん、、、」
黒瀬は椎名が連れてきたメンバーだ。
途端に目頭が熱くなる。
「じゃあ待ってろ」
そう言い残し岡が敷地内へ入っていった。
一方白川達も珍市区に到着していた。
「あっちみたいです。」
松田がそう言いながら皆楽園ギルドを目指している。
「あのメンバーの性格上必ず楽園に行く。」
だからこそ近くで待機しておくというのが
一同の建てた計画だった。
ただ、そんな一同の前に1人の男が姿を現す。
「あれ?ブラックリストの白川と難波だよね?」
見た感じ成金の様な格好をした奴がこちらに
話しかけてきたのだ。
「俺達がブラックリスト?」
「そう!楽園ギルドと政府でブラックリスト認定されてるよ?」
何だかふざけたやつだが構っている暇は無い。
「とりあえずどいてもらおう。」
そう言うもそいつは手を前に出しこう言う。
「ダメダメ!契約なんだよねこれ。」
「契約?」
「そう!では改めまして!」
そいつがこちらに向き直る。
「楽園ギルドでヘラクレスの称号をもらってる。」
そういうと付けていたサングラスをそいつは外す。
「超越級の【豪商】だ。よろしく。」




