episode91.
「ヘラ。すまない。日本政府がしくじった。」
そう言うのは使徒ディオニュソスだ。
「ゼウスはよくこんな無能達を主導してたね」
使徒ヘラが苛立ちを抑えながらもそう言った。
「だがいいニュースもある。」
「なんなの?」
「ヘラクレスが来る。」
そして岡達一同は。
「し、死ぬかと思った!」
ゲートから出てきた高森が汗だくになりながら
地面に突っ伏している。
紹介が遅れたが高森の適正職業は【霊能者】だった。
そう、つい先程までは、、、、
「や、やった!レベル87だ!」
【霊能者】のランクはD
つまりD級である高森がSSランクゲートに
入ることは完全に死にに行くための行動に等しい。
だが、底辺職に位置するものは強者に比べ
経験値の溜まる速度もその分早くなる。
今回はそこを岡とセレナがフォローし合い
ついでに黒瀬のレベルアップも兼ねて行動したという
ことになる。
「いや〜!良かったね!高森!」
「あぁ!セレナも岡もありがとう!」
セレナは頷き
岡は「いいよ」という感じで手をあげる。
高森の2次転職後。黒瀬も2次転職を果たした。
高森は【霊媒師】黒瀬は【バリアヒーラー】
最初の頃に比べると2人ともかなり成長した。
17時。
これ以降はゲートをまわることができない。
「ホテルにでも泊まるか」
そう促す高森に岡は首を傾げる。
「高森。今は土地価格も上がってるからホテルは高いぞ。」
「俺、金ないぞ?」そう言う岡に高森が笑う。
「大丈夫だ!これでも稼いでたんだ!出すよ!」
「わりぃ。」
「これぐらいさせろ!」
そんなやり取りをしながら岡はふと思い返す。
「そういえば俺も年収1000万目指して覚醒したんだっけ」
そんなことはとっくに忘れていた。
「まぁ、いいや。」
そう思いながら今日を終えるため5人は
ゲートをあとにした。




