episode69.
「これからの流れを説明するぞ」
白川が気を引き締め皆へ話す。
「俺達の目的は楽園ギルドと政府側の決別だ。作戦の要は岡!お前になる。」
岡へ視線を移すと横を向きながら「ok」というように手を上げる。
「議事堂へは俺と岡、高森にハヤトで行く。他メンバーは待機だ!」
岡が要となるこの作戦。
その内容はこうだった。
白川は千里眼によって議事堂の弱点部分を発見していた。
比較的人数も少なく目立ちも少ない場所。
当然、警備や守衛ハンターもいない。
そこへハヤトを除く3人が侵入し見張りをハヤトに任す。
侵入後は高森の霊視を使い周囲にいる人間の動きを
予測しながら移動し
周囲の監視カメラなどは
白川の高視力を使うなどして避けながらさらに奥へ侵入するというもの。
そして最後。岡には道中道を塞ぐ守衛などをスキルにて対処してもらう。さらに位の高い議員数名を見つけ次第精神操作によってマスコミへの事実報道をさせる。
というものだった。
「正直、作戦といってもかなりお粗末だ。考える時間もなかったしな。だがもうこれしかない。」
4人が支度を済ませ。議事堂へと向かった。
「意外だね、岡がいるならあんたも行くもんだと思ってたよ」
難波が声をかけたのは松田だった。
「確かにそうですね。ただ、少し安心もしています。」
そう言いながら松田が続けた。
「正直、俺。今の岡怖いんですよ。これまで長かったからこそ余計に。だから、、、」
そこまで言うと「分かるよ」と難波が松田の頭を撫でた。
「代表。。。さっきまで潜入って言われてませんでした?」
高森が問いかける。
「そうだ。だからこそ気を引き締めろ」
そう言う白川に高森が再度返す。
「代表。。。堂々と正面から入るのは潜入ではありませんよ」
「いや、これでいい。大丈夫だ。」
自信があるのか白川は落ち着いている。
だが、「あ!お前!」と声がし人が駆け寄ってくる。
「お前!白川だろう!龍ギルドの!」
敷地に入って僅か15秒でバレたのである。
「【精神操作】」
向かってきた6人に岡が発言する。
「一応、味方だ。政治家のお偉いさんいる?」
6人が「こくん」と頷くと「案内しろ」と言い
中へと向かっていく。
「これ、岡さんだけで良かったんじゃないか?」
思わず高森の本音が漏れる。
ただ、ここからは敵の本拠地だ。
まだまだ油断はできない。




