episode.68
「うっ、、、」
岡が目を覚ました。
誠が泣きながら不安そうな顔を向けてくる。
「あんのクソ野郎、、、」
先程の屈辱が脳裏に蘇る。
そのまま岡は立ち上がると「行くぞ」といい
フラフラと歩きだした。
一同が向かう目的地。それは国会議事堂付近にあるビルの一室だった。以前は3大ギルドのギルマスとして
政府から呼び出しを受けることも多かったことから
近くに一室借りていたのだ。
「よぉ」
岡と誠が皆の前へ現れる。
どうやらこの2人が最後だったようだ。
「岡!お前どうしたんだ!」
ボコボコにされた岡を見た白川が黒瀬へ
すぐヒールするよう指示する。
「めっちゃやられてんじゃん笑」
難波が岡をからかう。
「黙れ」と難波へ返すと
岡は黙り込んでしまった。
「誠、、、何があった。」
そう尋ねるも岡を気にしてか言葉を発さない。
きっとそれなりのことがあったんだろう
今はそっとしておこう。
やっとここに全員が集まった。
白川が千里眼でみた昨夜の光景を話し始める。
今の時刻はAM11時元々は10時に待ち合わせだったが仕方ない。
全てを説明し終えた白川が携帯を皆に見せる。
「見てみろこれが成田のステータスらしい。堂々と公開するのを見る限り相当自信があるんだろうな。」
それを聞いた岡が白川の携帯を奪い取る。
「お、おい。」
白川が取り戻そうとするも岡の表情は真剣だ。
そしてなにか見つけたのだろう。
「これか、、、」
そう言うと岡は携帯を返してきた。
「な、なんだお前。今日は特におかしいぞ。」
そう言うと岡は「タバコ買ってくる」といい
ヒールを自分から遮断して部屋を出ていった。
「すまんなあんな奴で」
回復してくれていた黒瀬を慰める。
「い、いえ。あんな岡さんも素敵ですね。」
「は?」
一同が黒瀬を見る。
「あ、あんな奴が好みなのか?」
白川は本気で引いている。
「そんな言い方しないでください!半年前のゲートの時からはかなり雰囲気も変わりましたが元々素敵な人ですよ!」
「う、う〜〜ん、、、」
確かに岡は性格こそ難ありだが顔立ちは正直かなり良い。
二重のまぶたにかきあげの黒髪。おまけに男の癖に長いまつ毛が特徴的である。
「ま、まぁ。色んな岡が楽しめるってのも1つの魅力じゃん?」
そう言う難波もかなり引いている。
「と、とりあえず、、、お、応援するよ。」
皆、それしか黒瀬にかける言葉が見つからない。
そんなやりとりをしていると岡が戻ってきた。
「あ?なんだぁ?」
咥えタバコで登場する岡に皆の視線がそちらへ向く。
「岡さん。ヒール続けていいですか?」
「お?おぉ。頼むわ」
「・・・・確かにいい男ではあるんだがなぁ〜〜」
皆が同じことを思っていた。。。




