episode58.
「はぁ?3人も戦線離脱だって?」
相馬の言葉には流石の白川も疑いを持ってしまう。
「詳しくは分かりませんが使徒と衝突したと聞いております!なんせギルド制圧は元々全世界を対象に使徒がそうさせた事ですし、、、」
焦った様子で弁明する相馬。
どうやら昨日の戦いは何も白川達に限ったことでは
無かったのだった。
「12の塔は各地に1つだけですが使徒は同地域に何人も存在したりもしてますからね」
つまり数でやられたのではと言いたいのだろう。
そこへ岡が戻ってきた。何やら不機嫌な様子で、、、
「クソッ!」
苛立ちからかライターを投げ捨てる岡に
相馬はまた、怯え会話にならなくなってしまった。
「おいおい、どうしたんだよ。」
たまりかねた白川が尋ねる。
「意味わかんね。椎名って女だよ。話しかけてんのに無視しやがった!」
聞くとどうやら正面入口でばったり会ってしまったらしい。なぜ椎名が下にいるのかは分からなかったが
岡を見るなり無視して素通されたというのだ。
「スキルの影響はまだ残るか、、、」
だが、その椎名が岡のスキルによって
こうなったことは岡本人も分かっているはずだ。
先程も「離れます、、、」と自分からいい離れていた。
「おい、お前のスキルでああなったんじゃなかったのか?」
「だからなんだよ?」
きっぱりと岡が言う。
この返答はかなり予想外だった。
「お、お前本気で言っているのか。」
「おん!で?」
いつの間にか敬語だったのがタメ口へ。
僕呼びだったのが俺へ。
昨日知り合ったばかりの俺でもわかる。
人間性がどんどん欠落していっているのだ。
「今後、こいつとやっていけるのか?」
白川は不安を募らせていく。




