episode42.
「教えてくれ。。。何をした。」
グロッキーな表情の白川が言う。
他は話すことも辛いのか荒い息遣いしか発せない。
「後でいいます。今はまだ辛いでしょうから。」
そう言うと岡は自分の上着を枕のようにし
俺を寝かせた。さっきとは態度が大違いだ。
「岡さん!そろそろ始めましょうよ!」
誠が岡を急かす。こんな光景をみても尚
平常でいられるこいつにはほんと呆れしかない。
「本当に大丈夫ですか?」
岡が誠へ語りかける。
「大丈夫です!あと僕のことは誠って読んだください!苗字呼ばれは苦手なんで」
ヘラヘラ笑う誠をよそに。白川が岡へ懇願する。
「頼む。疑ったりことは謝る。だからこれ以上メンバーを傷つけないでほしい。」
横寝の状態ではあるが岡へ頼み込む。
「大丈夫です。傷付けるつもりはありませんから」
そう返す岡に「あぁ、でも!」と誠が割り込む。
「ルールは少し変更させてください!岡さんは先程のスキルだけの発動でお願いします!スキルを発動した状態の岡さんを僕がここから歩いて体にタッチする。タッチ出来れば僕の勝ち!無理なら僕の負けというのでどうでしょう?」
岡が少しぴくっと眉動かす。
「いいですよ。それでいきましょう。」
「ありがとうございます!では、発動とだけ宣言頂けますでしょうか!」
この頃には岡にやられてしまった9人も少し落ち着いていた。
頭痛も治まり回復しつつある。
「では、いきますね!今、スキルを発動しました!」
岡がそう言うと誠はニコニコと笑いながら歩み出す。
距離にして5mほど。誠に異常はみられない。
そして!「タッチです」
誠が岡の腕に触れる。
「負けました」
あっさり勝負が終わる。何がどうなっている。
「誠さん、いつから気づいてました?」
その言葉に「最初からです!」と誠が答える。
何が最初からなんだ。気になる。
だが猛烈に眠い。皆昨日の朝から戦いっぱなしだ。
壁にある時計を見る。AM4:52
とりあえず、気になることは後だ。
今は、、、少しだけ寝る。
皆限界だったのだろう。
岡、誠、受付嬢を残し9人はそのまま眠ってしまった。




