episode37.
ハンターの世界にもルールがある。
そのいくつかあるその中でも【自己都合殺人】だけは何があっても許されない。
言い訳になってしまうがもちろん難波や白川達も既に
手を汚してしまっている。
だがそれは【防衛を目的に犯してしまった殺人】であり、決して自己都合や感情に振り回されたものではなかった。
「やるんですか?」
そう尋ねる伊黒は既に臨戦態勢をとっている。
「うそ、今助けたばっかの人でしょ」
ハヤトはガタガタと震えている。
「岡、、、今のほんと?」
涙をポロポロ零しながら椎名が岡を見ている。
だが、こんな状況でも岡は落ち着いていた。
「やめてください。」
命乞い、、、ではない。
「皆さん、僕の射程内です。」
ゾワゾワッ!
皆の背筋が凍る。
「ダメだ。生かしておけない。」
白川が胸に入れていた銃に手をかける。
「こいつっ!」
難波も武器召喚を完了。両手にはG18が握られている。
皆が動いてしまう、、、
「違うだろ。」
松田が俯きながら言う。
「何年一緒にいたと思ってんだ。お前の行動は自己都合じゃあない。」
少しずつ顔を上げながら目を向ける。
「だからこそお前があいつを殺すよう仕向けたことに対してはもう怒ってない。」
また、泣いている。そして岡の隣に座り言葉を続ける。
「あん時の言葉、なんで本気にしてたんだよ。生きてたんならなんですぐ帰ってこなかったんだよ。」
涙が床に落ちる。
・・・松田は岡の衝動的行動を恨んでいた訳では無なかった。
ただ、ただ寂しかっただけなのである。
断っておくが松田は決してノンケではない。
だが、これまで親を失い。兄弟を失い。頼れる仲間も失い続けて生きてきた。
なのに、今度は自分から唯一のツレを失ってしまった。
これ以上失う経験をしたくはない。
だからこそ、今日に至るまでギルドにも入らなかったのだ。
松田の言葉にギルマス2人は殺意を沈める。
自分の非や素直な気持ちを認めるのが嫌でつい、殴りかかってしまった。松田自身まだまだ中身は子供である。
「とりあえずお前のことは許す。だからお前も俺の事許せ。それでこんなにも情けない想いをさせた責任をとれ。」
涙を拭って岡と向き合う。
「俺達と一緒に戦え。それでお互い全部チャラだ。」
「・・・分かった。色々ごめんやで」
不意に関西弁が出る。今はなき地の方言だ。
「ひっさびさに聞いたわ。お前の関西弁」
兎にも角にもこれでメンバーも12人となる。
そしてなにより、主人公が帰ってきた。




