episode35.
「お!いいじゃないか。どんな方なんだい?」
「今は分かりませんが前にその方のメンターをしておりました。」
「なるほど。ちなみに連絡は取れるのか?」
「番号はわかりますのでかけてみますね。」
そう言うと椎名が席を立つ。
扉の傍で電話をかける。
すぐには繋がらないのか少し時間がかかる。
そしてしばらくしてようやく電話が繋がった様だ。
「え!ほんとに!わかった!待ってる!」
嬉しそうなこえがこちらまで聞こえてくる。
椎名がもどってきた。
「連絡つきました!今からきてくれるみたいです!」
「そうか!それは良かった!では、次の議題へ移ろう。。。」
40分後。
「だいたい内容は固まったな。それでは一旦、、、」
「すみませーん」扉が開く。
「あ、たぶん言ってた方です!迎えに行ってきますね!」
向こうから声が聞こえる。
「久しぶり!」
「〇〇の時以来だね!」
「ほんとだね!あっ!ちょっと待ってね!」
そんな会話が聞こえてくる。
そして、、、
「初めまして。黒瀬と申します!」
おカッパのような背の低い女の子が入ってきた。
「適正職業は【ヒーラー】です!2次転職はまだですが!頑張ります!」
「おぉっ!ヒーラーかい!」「それはでかい!」
難波と白川が歩み寄る。
「よかったよ〜今うちらに1番必要な存在だよぉ」
「本当にありがとう!これから一緒に頑張ろう!」
それぞれが簡単な自己紹介をする。
「じゃあ時間も時間だしみんな飯でも行くか?」
この時既に夜中の1時を回っていた。
明日からは戦いの連続になる。
今日ぐらいはいいだろう。
皆、荷物をまとめビルの外に出る。
店へ向け足を動かそうとしたその時だ。
「あっ!遅いですよー!」
椎名が突然手を振りだした。
椎名の視線の先を皆が追う。
「誰だ?」白川が他に聞く。
「誰でしょう。黒瀬さん分かりますか?」堤が黒瀬に振る。
「うーん、どこかで。。。」
その瞬間、皆のそばを何かが駆けていった。
誰も知らないその人物。
だが、たった1人それを知る者がいた。
ゲートに潜る時以外は感覚ステータスを調整している。日常生活に支障をきたす可能性があるからだ。
だからこそ、楽園にも不意をつかれたし
この距離でも奴に気づくことが出来なかった。
そいつのそばまで来た。
「岡ーーー!!」
松田の拳が岡目掛けて迫り来る。




