episode29.
【天海 雄大】ランクSSS レベル100/100
【適正職業:大僧正】
【スキル:心沈SSS】
【ステータス:パワー20 スピード20 体力20 感覚20 魔力20】
【保有分配ポイント0】
【強制転職によりステータスを再設定します。】
「あぁ、皆。。すまない。。」
俯きながら目を瞑る天海にステータス画面は見えていない。
あれだけ、痛かった体ももう痛くない。
それどころか心地がいいとまで感じている。
目を開けてみよう。きっと仏様もそこにいらっしゃる。
そっと目を開く。
「ど、どういうことだ。」
目を開くとさっきと同じ景色だった。
地獄の様な光景にアポロンと五階もいる。
しかも、それだけでは無い。
「なぜあいつはあんなに遅いのだ。」
槍を向けるアポロンの動きが遅かったのだ。
もう、投げる構えにまで入っている。
なのに、まだ投げない。
右に映るステータス画面が目に入る。
【再設定が完了しました。】
【天海 雄大】ランク測定不能 レベルMAX
【適正職業:破戒僧】
【スキル:消滅】
【ステータス:パワーMAX スピードMAX 体力MAX 感覚MAX 魔力MAX】
「なんだ、これは、、、」
しばらく呆然と画面を観る。
槍はまだ投げられていない。
画面右上のメッセージアイコンが点滅している。
「確認」
未読メッセージが2件
【件名:おしらせ】
【本文:転職により既存スキルが分解されます。尚、分解されたスキルはレベル・ステータスへ変換し分配されます。】
【件名:最後のおしらせ】
【本文:再分配されたステータスが人体の限界を突破しました。生命活動終了まで残り57秒】
「せっかく覚悟を決めていたというのにまた私を殺すか」
天海が立ち上がる。
アポロンの槍がやっと手を離れる。
「仕方ない。これも修業だ。」
「ごふっ!」
アポロンが吹き飛ぶ。
「なんだ?何が起き、、、がっ!」
地面に頭を押さえつけられる。
かろうじて見える。あの死に損ないか!?
【使徒】再度説明するが、それはこの世に存在する
ギリシャ神を名乗る12神より力を授かった者を指す。
だが、使徒とはいえ人であることに変わりはない。
使徒アポロンには天海を捉えることはおろか
会話することさえもできない。
天海は明らかに人間を超えていた。。。
「こうなったら、もう一度食らわせてやる!」
アポロンが空に手をかざす。
「スキル!【終炎】」
ものすごいスピードで何か落ちてくる。隕石か?
押さえつけていた頭から手を離す。
「数も多い。それに砕けば被害も増すだろう。」
感覚MAXのせいかこうして考えるのに1秒もいらない。
「・・・・・仕方ない。」
深呼吸し、顔上げながら感謝する。
それは、システムへ。仏教へ。そして自分自身へ。
「破ッッッ!」
辺りに衝撃波が広がる。
隕石は1つ残らず粉々になったいた。
視線をアポロンや五階達へ移す。
かなり近くにいたせいか。皆、心臓が止まり。
死んでいた。
【生命活動終了まで残り6秒】
この世に生を授かって46年
仏教を信じ貫いた21年
これまでありがとうございました。
最後に弟子達よ。本来であれば私のことを大僧正様と呼ばなければならないところ。私のわがままで和尚と呼ばせてしまい大変申し訳ない。そしてこれまで私を支えてくてありがとう。
元々細かった腕が、足が、体がさらに細くなる。
水分は蒸発し肌のハリもない。
「ははっ、また1から修業だな。」
【生命活動終了まで残り0秒】
大僧正 【天海 雄大】 は長い眠りについた。




