episode26.
「ここで速報です!現在、嬉市区にて龍ギルドの暴動が発生しております!市民の方々は避難すると共に現場にはお立ち寄りならないようくださいませ!繰り返します!嬉市区にて暴動が発生しております!市民の方々は!、、、、」
全国放送で流れる誤った情報。
おそらくこれも政府側の企みだろう。
マスコミと政府はいつだって仲がいい。
自分達が正しいと拡散することが目的なだけなのかもしれない。
「白川さん!まずいですよ!あいつら撃ってきてますよ!」
既に建物は攻撃を受けている。
RPGが直撃した部分は崩れ落ち。
状況もかなり悪い。
「いきなり撃つやつがいるかよぉ」
こんな状況にも関わらず相変わらず落ち着いている。
「おーーい。誠くん。」
「はいっ!」
松田と一緒に上がってきたスタッフが
震える声で返事する。
「とりあえず正当防衛だ。まだいるハンター達に応戦要請しておいてくれるか。」
「かしこまりました!」そういうなり誠は駆けていく。
「てか、早く逃げましょうよ!流石にやばいですって!」
松田が訴えた。だが白川にそんな気は毛頭ないらしい。
「松田〜安心しろ。いくら引き抜きをされたとは言え、それでもうちは最強だから。」
そう言うと机の角に立てかけていた狙撃銃を手に取る。
「特別だぞ。」
そう言うと腹這いになり銃を構えた。
一方、各地でも動きがあった。
九州地方を拠点とする悪魔ギルドのビル前ーー
「こらーー!難波!お前らもいいかげん降伏せー!」
警察や軍隊がギルドのビルを囲う。
「お前ら!うちで使いもんなんの何人残っとーと!」
ギルマスの難波だ。
「30人ってとこです!」
部下のひとりが答える。
悪魔ギルドでは東京に出した派遣組が
楽園組に取り込まれて以降。ある程度のことは
準備していた。だからこそ今の状況もある程度は
想定内であった。
「魔法陣はー!」
「準備出来てます!」
よし!と言うと難波が皆を前に立つ。
色気ムンムンで顔もスタイルもいい。
男勝りなこの性格がなければかなりモテたであろう。
【悪魔ギルドマスター 難波 咲】
第1世代覚醒者の1人であり
適正職業は【戦争王】
この世界で唯一の2次転職が存在しない
最初から完成された最強職業であり当然SSSランク。
現実に実在する武器を魔力なしで無限に召喚できるぶっ壊れスキルを持つ。ただ、召喚した武器以外の装着出来ない。無論、防具やアーティファクトも含まれる。
「お前らぁーー!」
皆の視線が難波に集まる。
持っていたタバコに火をつけ一言。
「やれっ!」
「うぉーーーー!!!!」
ギルド員残り30名近くが声をあげ
それぞれが定位置へ着く。
「2番隊!準備が出来次第教えてくれ!」
「こっちはいける!やってくれ!」
「1番隊!ってーーーー!!!」
先に仕掛けたのは悪魔ギルドからだった。
難波が召喚した武器で【ファイター】や【ストライカー】【アーチャー】などの戦闘職の固まる1番隊が弾の続く限り発砲。
銃撃開始より3秒が経過したところで2番隊である生産職【魔法使い】や【賢者】【ルーン魔法士】【マジックアーチャー】の魔法攻撃に移る。
この間に1番隊はリロードを済ませ、これを繰り返す。
これが悪魔ギルドの基本なのだ。
だが、今回の相手はそう簡単にはいかない。
こちらの戦略はバレている。いくら強かろうと
対策と数で圧倒すればいい。
銃弾と魔法が飛び交いながらも
軍隊は徐々に迫りくる。
最上級のアーティファクトや耐久防具を装備して。。。




