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episode25.

先程の緊張がまだ続いているのか額から汗が流れ続ける。


人との戦いは別にあれが初めてじゃあない。

半年間色々あった。修羅場も超えてきた。

それでも根本的解決ができなかったのは

今回が初めてだった。


必死にバイクを走らせる。

いつの間にか寂市区を越え隣の嬉市区に入る。


ビルが立ち並ぶここは東京都内最高の治安を誇っている。


とある一角でバイクを止め、走って1件のビルに入る。


「すみません!【白川】さんいますか!」


かなり必死だったのが伝わったのか

受付嬢がギョッとした目で見てくる。


「ご、ご要件は。。。」


「いいから、早く!いるの!?いないの!?どっち!」


「で、ですからご要件をお伺いしないことにはお伝え出来かねます。」


「あぁ!もうっ!」


かなり目立っていたのだろう。周りの視線がこちらを向く。


すると、そこへ1人駆け寄ってきた。

「ちょっ!松田さん!どうしたんですか!」


振り向くと見覚えのある顔があった。

「説明してる暇ないの!代表いる!?」


「はい、白川でしたらおりますが」


「案内して!」


そう言うとそいつを引っ張ってエレベーターへ向かう。


ここは3大ギルドの1つ【龍】の事務所だ。

2次転職以降、何度か代表の白川からスカウトを受け。話だけならとその都度ここへ来たことがある。


何度目かの時にギルマスの白川に加えこいつもいたから顔を覚えていた。。。名前は忘れたが。。。


エレベーターが開くと同時。

走って奥の代表室へ入る。


「白川さん!」


「悪い。返事はNOだ。帰ってくれ。」

顎髭を摩りながら短髪ダンディな男が答える。これが白川だ。


「なにが!?」と聞くとスキルを使って一連の流れを観ていたと白川は答えた。


【龍ギルド マスター白川 大河】

適正職業【鑑定士】から3次転職を得て

SSSまで上り詰めたらしい。


ステータスはかなりしょぼいらしいが

スキルの力がえげつない。

東京中を見渡せるほどの千里眼や

10km先の飴玉の色まで当てられるほど高視力

さらには目の前にいる対象の弱点となる

キラースポットの把握スキルまで。


3大ギルド代表の中で唯一の生産職にも

関わらず、誰も手出し出来ないほどで

その実力は使徒でさえも一目置くほどとのこと。


「助けてくれって泣きつきにきたんだろ?だがそれは出来ない相談だ。」


「なんで!?ギルド入るよ!俺!だからさぁ、、、」


「そのギルド宛に政府から解散要請書がきている」


「か、解散?、、、」


ぽかんとする松田を他所に白川が続ける。


「楽園の奴らが他所のギルド員でもお構い無しにスカウトしているのは知っているな?」


「それは、、、聞いてるよ」


「その結果、ギルドのバランスが崩れた。」


何を言いたいのか何となくわかった。


「政府の奴等は楽園とズブズブだ。だからこそ政府は楽園だけを徹底的にサポートし、楽園も政府側へ利権的支援を行っている。つまりだ、、、俺達は用済みなんだよ。自分達の協会やお友達の楽園がある以上。他はいらない。ご丁寧に3日以内に解散しなければ俺たちは攻撃対象なんだとよ。」


そう言い終わると白川が席を立ちながら何かに気づく。


「松田、、、」


「はい、、、」


「今日は何月何日だ?」


「3/1ですが、、、」


「、、、松田。今すぐ帰れ。」


「は?」と言うと同時。


外からメガホンのデカい音がする。


「龍ギルド マスター白川!!我々政府は解散猶予として3日与えたはずだーー!!!期限内での手続きをしなかったことお前らを政府は攻撃対象に設定し!!これより!鎮圧を開始するーー!!」


「期限は3日だろ!?解散手続きしなかったのか!?」

そう言う松田に落ち着いた様子で白川が答える。


「そういえば昨日、閏年だったっけ?手続きのことで昨日まで事務所空けてたから気づかなかったわ。」



「嘘だろお前ーーー!!!」


周囲に爆音が響く。

攻撃が始まった。

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