episode24.
警戒からか首を掴んでいた男の腕が少し緩む。
だが、特に変わりは無い。
「なんですか?今の、、、」
「俺はお前らに時間を貸した。」
女の言葉に松田が被せる。
「俺に話しかけてからここまでにかかった時間は5分。そうだよなぁ?」
「だったらなによ!元々あなたが、、、」
「んなこたぁ!どうだっていい!」
松田の圧に押されたのか女の体がビクッと小さく動く。
「貸した時間は5分!証文は俺自身!1秒あたりの金利は3割!。。。だが、どう足掻いたって時間は回収出来ねぇ。だからこそ!他のもので回収させて貰う!」
突然の言葉に2人はどうすることもできない。
首を掴むこの男も力を緩めたままだ。
人間は2つの事を同時に意識し、対処することはできないものだ。
「回収物はスタミナ!ほらっ!よこしやがれ!」
2人の体から何かが出た。
生気?のようなものが松田に吸収される。
そして次の瞬間。
「ハッ!」「ゲホッ!」
力なく倒れる2人。
限界近くまで取られたスタミナ。
それは3kmマラソンを全速力で駆け抜けた様な状態。
「ゲホッゲホ!」
だが、首を掴まれた状態で話し続けていた
松田もすぐには行動できなかった。
とりあえず首を抑えて逃げる。
振り返ると奴らはもう立ち上がろうとしている。
対して俺は50m程走っただけでもうばて始めている。
バイクに跨る。急いでエンジンを始動させ
もう一度、先程の場所を見る。
「うそ。。。」
なんと2人はもうこちらへ向かってきていた。
しかも結構はやい。
「やばいやばいやばいやばい、、、、」
アクセルをふかす。
2人との距離はどんどん離れていく。
今は逃げきれた、、、だが奴らは確実にまた追ってくる。今更ハンターをやめても無駄だ。決断が遅すぎた。
「もう、これしか方法はない。。。」
アクセルを緩めることなく、松田は走り続ける。
【スキル:貸付A 〇3割A 回収A】
※孤立したスキルに思えるが三位一体となるスキル構成。また、5人までであれば同時に対象として設定が可能。
貸付=対象に自分の指定する何かを貸し付ける。
対象がその何かを認識できると効果が発動する。
〇3割=上記の何かに対し利息3割が発生する。
貸付価値の低いものや下らないものに対しては
秒感覚。または分感覚で加算される。
逆に貸付価値の高いものなどに関しては
日割、週割、月割で加算される。
回収=貸し付けたものを強制的に回収できる。
貸し付けたものが回収不可となる場合。他のものを代用として回収が可能。
また、貸付価値の高いもの低いものによって
代わりとなる回収可能物も変わってくる。




