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episode2.リスタート

「今月の営業成績1位は中本!おめでとう!」


事務所内にて拍手が響く。

全社員が今月のNo.1【中本】に温かい視線を向ける。


「いや〜〜ホントすごいよ!入社して半年だよね?部長として鼻が高いよ」


部長はかなり機嫌がいい。おそらく自分の

手柄にも繋がる喜びが隠せないのだろう。


「いや〜ホントすごい!それに比べて、、、岡!」


「はい、、、」


「お前今月の成績どういうこと?ここ不動産会社なのに家売らないで、賃貸に集中?ばかなのかお前?」


こぉんのやろう、、、正直むかつく。

だがここは下っ端らしく素直に頭を下げる。

「すみません、、、」

俺も27の大人だ。我慢は出来る。


ただ、それでも部長は止まらない、、、

「あのなぁ、塔が出てきて。ゲートも現れてから

世界の物件価値が下がってること理解してるよなぁ?」


「はい。ゲートがランダムに現れるせいで売り土地やビル内。最悪は家屋内にまで現れる報告が原因での価値低下であると理解しております。」


「だ〜よ〜な〜!じゃあなんで収益の低い賃貸なの?会社潰す気ぃ?」


「黙れ!」

つい心の中で叫んだ。だが表面上は

「すみません」ただこの一言で乗り切る。

そうすれば1時間でこの説教は終わる。


ここ、【ライフ不動産】に就職して早1年

部長の理不尽は正直辛かった。

だが、仕事は辞められない。

何故なら給料が良いからだ。


2年前、塔とゲートの出現により

日本国内は関西を中心に被害を被った。

日本発の【ハンター】の発見が遅れ。

討伐後の復旧作業も進んでいない。

それなのに増税がかさんだ結果

ハンターでない俺達国民の給料は平均して

300万→180万あたりにまで下がったのだ。

もちろんここから税金も引かれる。。。

だが、うちの年収は250万!生活もギリギリな

状況だからこそ辞められなかったのが本音だ。



そうこう説明している内にやっと説教が終わった。

部長もかなり疲れている。

「お疲れ様です。」と声をかけると流石に殴られた。


少し腫れた頬を摩りながらデスクに戻ると

「おっ前、ほんとバカだな笑」と声をかけられた。

振り返るとそこには同僚の【松田】


「流石にお疲れ様はねーだろ笑」

かなりツボったのかずっと笑っている。


「いや〜今月末で退職ってことなんでかまして

やりましたわ!」ガッツポーズの俺を見てさらにツボる。


「いくら辞めるからってあれはねぇよ笑」

笑いながら膝を叩いている。


とりあえず落ち着くまで無視した。


そうして少しすると落ち着いたのか

涙目で松田が尋ねてきた。


「とりあえずよぉ。でも良かったよ。覚醒したんだってな。」


「なんとかな。気合い入れてこの通り!」

俺はステータスウィンドウを見せる。


「おぉ!すげえ!初めて見た!

ん?でもよぉこの職業、、、」


そういって指さしたのは適正職業


【適正職業:サイコパス】

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