episode15.
相変わらず、女はまだそこに居る。
俺も「ありがとう」意外に話すことはない。
そんな空気に耐えかねてか女が聞いてきた。
「なぜ、装備もアイテムもなく入ったんですか?」
「ゲートには危険がいっぱいです。命が保証される訳ではないんですよ?ねぇ、聞いてます?」
俺は黙って頷く。
「そんなラインパンツにタンクトップとパーカーって、、、ありえないですよ?」
そりゃそうだ。
確かに当たり前のこと過ぎた。
途端に恥ずかしくなる。
「そんなにゲートに潜りたいですか?」
「はい。潜りたいです。」
このセリフはスっとでた。
強くなりたい。でも、さっきみたいな状況は
正直怖い。どうする。。。
答えが出せない俺を見てか
彼女が言う。
「でしたら、一緒にいきましょう。」
「え?いいんですか?」
「いいですよ?元々他の子をメンターする予定だったんですけど。その子「やっぱり怖い!」って言ってどうしようか悩んでいたところなんですよ。」
奥を見ると3角座りをして俯く女の子がいる。
恐らくあの子の事だろう。
「じゃあいきましょう」
彼女が手を伸ばす。
手をもらい立ち上がる。
「あ、そういえば。。。私、【椎名】と申します。お名前は?」
確かに名乗ってなかった。
「岡です。よろしく。」
「岡さん。よろしくお願いします。では、行きましょう!」
またこのゲートに潜る。
接近戦はもうしない。いや、できない。
「この仕掛けもいつまで続くか、、、」
ボソッと言った。
「どうされました?」と椎名が返す。
「なんでも、、、頑張りましょう。」
次は、負けない。
たぶん大丈夫だ。自分に言い聞かせながら
ゲートをくぐる。今度は2人で。




