邦楽から洋楽に
可能性は若いころから、さまざまなものに触れる機会によって、繋がりによって、どんどん大きなものになる。そんな詩。
子供のころは身近にあふれる音楽が すべてだった
テレビ、カーラジオ、お店で流れる有線放送
そんなものだ
慣れ親しんだ あの音 この音
代わり映えなんてなく
それを漫然と聴いて 暮らす日々
小学校の図書室で見た 児童むけの本
慣れ親しんだ あの本 この本
代わり映えなんてなく
それを漫然と読んで 暮らす日々
わたしは成長し
友人からいくつかの音楽について知る
その中でわたしは ひとつの音楽を知り
そして洋楽にも触れる機会があった
機械的な音楽だと そう言うものもいるかもしれない
騒々しい音楽だと そう言うものもいるかもしれない
しかしわたしは あるギタリストの音楽を知った
彼の奏でるギター、そのテクニック、演奏している音楽が訴えかける
その迫力ある響き
わたしの世界は なんと小さな世界だったのかと
愕然とし、その音楽に向き合うその真剣さ
それらが合わさるハーモニー
本物とは
こうも人の心を魅了するのだと
その衝撃は
多くの偽物を排除し
わたしに身のまわりをクリーンにした
わたしは ふと夢想する
あの日に戻ると
幼い日々が
まるで音楽のように あふれ出て蘇り
もしあのころに
わたしが この音楽を知っていたら
わたしにも わたしの周囲の人々も
いまとは違った可能性の中に
日々をすごしていたのではないだろうかと
そんな小さな可能性の積み重ねで
人生は成り立っているのだと




