90/200
夢の向こう側へ
世界の果てに行きましょう
そうした想いで歩きつづけた
どこまでも どこまでも
無人の建物のあいだを抜けて
森の中を通り
草原に出ると湖のそばを通りすぎ
荒れ果てた荒野を黙々と歩きつづける
その先に果てがあるのだと信じて
そのときのわたしは まったく疑わない
そしてそれをおかしいとも思わないのだ
どんなに歩いていても
決して疲れない足や身体に
そんなことよりも先へ先へと歩くのだ
ああどこまでも そうどこまでも
世界の果てはどこにある?
どこまでもつづく見慣れた風景
気づけばそこは 自分の住む家
懐かしい 懐かしい
不思議と そんな感覚を覚えて
家のドアを開けるのだ
おかえり おかえり
なんと懐かしい 見飽きた我が家
それがこんなにも懐かしく
安心するなんて
世界の果ては見つからなかったけど
自分の家は ここにある
自分の部屋で目覚めるわたし
ああ世界の果ては
のこにある




