詩集 ～世界とわたしと、人々と～

人の失敗を見て

　人の失敗を見て　笑うもの

　人の失敗を見て　怒るもの

　人の失敗を見て──見ぬ振りをするもの

　あなたがたは　失敗をしないのだろうか

　人は失敗をするもの

　人の失敗を見て、我が身を振り返れば

　ああ、自分も失敗を重ねてきたなと

　わたしは「失敗」の肩をたたいて、こう言うだろう

　失敗を知り

　失敗から学び

　失敗をしないようにと注意する

　それが人の成長というものだ

　失敗（きみ）があるからこそ

　わたしは成長を実感できるのだ

　だから　ときどきでいいから

　わたしを尋ねてくれないかと

　だが、こうも思うのだ

　失敗は本当に　ときどきでいい

　それが毎日つづいては

　こちらの心が平静ではいられない

　だから「失敗」よ

　わたしの家のドアをたたくのは

　年に数回にしてくれないか