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詩集 ~世界とわたしと、人々と~  作者: 荒野ヒロ


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年が明けて、めでたいとは言わぬ

明けましておめでとうございます(前書きでは言う)。


しょっぱなからコロナ禍で起きた人々の動揺に対し苦言。

子供たちの成長にかけて、想いを詩に歌う。

 明けましておめでとうと


 おれは言わない


 何がめでたいものか


 見えざる危険のおかげで


 出歩くのもままならず


 暗い不穏な世のかげ


 醜い人々が右往左往うおうさおう


 短絡的な犯罪を犯す者が増え


 ただただ環境のえがたい変化に


 未熟さをあらわにする者たち


 他者に対する敬意はどこへいったのか




 だから子供よ


 おまえはこの厳しい世の中を前にして


 打ちひしがれるな


 おれはおまえを厳しく育て


 たくましく生きるよう訴えてきた


 愛すべき家族、友達、おじいちゃんおばあちゃん


 大好きな人に会うことも叶わぬ


 寂しい想いもあるだろう


 だが強くあれ


 心をしっかりと持ち


 厳しい周囲の環境に流されるな




 強くたくましく


 精神の、魂の強い大人になれ




 だから子供よ


 おまえに与えるお年玉は


 難しい本(文学小説)の間に


 そっと隠し入れて渡そう


 ためになるその本を読め


 そうして形作られた精神は


 以前のおまえよりも


 強くなっていることだろう


 忍耐と理性


 それが何よりの贈り物だ


 それらは金では決して得られぬ




 むしろ金は


 忍耐と理性により得られ


 その価値を知る者によって


 使われるべきなのだ


 金の奴隷になった者は


 忍耐も理性もない獣と同じ


 強く、たくましく生きろ


 不屈の精神を宿し


 鋼のように硬い意思で


 おのれの人生に立ち向かえよ


 おまえ自身の未来のために

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