世界の終わり
不安をいろいろ考えるけど、世界のことより自分の人生の終末を危惧する。
そんな詩です。
世界の終わりとはどういったものだろう
気候変動
海が干上がり
大気は汚れ
膨大な熱を持つ大地
もしくは
すべての物が凍りつく
大寒波の襲来か
太陽が膨張し
地球を焼き焦がす
核戦争
人類同士の戦い
それとも地獄の蓋が開いて
地獄から亡者が蘇り
あるいは閉め出されていた化け物どもが
地上にあふれ出てくるのだろうか?
あるとき地球から引力がなくなり
すべてが天に飲み込まれていくかもしれない。
宇宙に何もかもが放出され
わたしたちは消え去るのだ
縛られていた地上の重みから解放されて
天に昇って死ぬのなら
それはまったく
自由な死というものだ
だが実際は
どうなのだろうか
一瞬ですべてが砕け散ったりはせず
さまざまな文明が辿ったような
じわじわと緩やかに
蜃気楼のように
歴史から退場していくのだろうか
ああ、だが──本当は
世界の滅びよりも
わたし個人の滅びのほうが
何よりも気がかりなのだ
それはきっと
誰でも同じことだろう




