黒い魂の走馬燈
悪意から行動する人への警告詩。
ある人の死に様を見た話から浮かんだ詩です。
卑屈な精神、暗い感情、劣等感から不条理な行いをする者よ
おまえのその行いを、家族や友人、おまえが憧れを抱く者に
誇って語ることができるのか
ああ、なんという愚かな振る舞いか
自らの魂に刃で傷を刻み
腐敗と汚辱で穢れた魂
もはや二度と光の下には立てぬと知れ
おまえが無駄にした時間、年月
その行いの分だけ、おまえの魂を黒く染め
輪廻の淵でぶら下がる
穢れた汚物のように
おまえは生きながら死んでいる
まるで幽鬼とうり二つ
なじみの者も、おまえを軽蔑して去って行く
自らの行いの愚かさ
それを理解しようともせず
おまえは罪を重ねていく
罰を与える神などいはしないと
あざ笑いながら
おまえのいのち尽きるとき
それは立ち現れる
現世の行いで真っ黒に染まったおまえの影
まるで亡霊のよう
おまえがおまえに語りかける
おまえのしてきた行いをひとつひとつ
おまえに語り聞かせるだろう
おまえの人生の価値を知るものは
おまえの魂の影なのだ
その魂が
おまえの罪を読みあげる
それは長い、長い走馬燈になるだろう
おまえの死出の旅は
苦悶と苦悩が永遠につづく
地獄となろう
それはおまえが生きているときに重ねてきた
罪の分だけ長くなる
おまえの地獄のような人生は
死んだときに
もっとも恐るべき顕在となって現れる
おまえ自身の穢れた魂によって
おまえは地獄へ落とされるのだ




